第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)におけるわが国経済は、賃上げや各種政策の効果もあり、雇用・所得環境が改善する中、景気が緩やかに回復しておりますが、物価上昇による消費の減速懸念や金融資本市場の変動等による下振れリスクにより、先行き不透明な状況が続いております。

ドラッグストア業界におきましても、業種・業態を越えた競合企業の新規出店、商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など、当社を取り巻く経営環境は厳しい状況が継続しております。

このような環境の中、当社グループの重点戦略は国内とグローバルに分け設定し、国内戦略として「お客様のライフステージに応じた価値提供」を戦略テーマに3つの重点戦略、①利便性の追求-お客様との繋がりの深化、②独自性の追求-体験やサービス提供の新化、③専門性の追求-トータルケアの進化と、グローバル戦略として「アジア市場での更なるプレゼンス向上」を戦略テーマに④グローバル事業の更なる拡大を重点戦略として設定し取組んでおり、特に経営統合後三年目となる当期においては、長期的な業績向上に向け、人的資本やシステム等への成長投資を進めております。

PB(プライベートブランド)商品につきましては、当社グループ初のメンズスキンケア・ヘアケアプライベートブランドとなる「KNOWLEDGE(ナレッジ)」の販売を開始しました。既存のPB商品では、「nake(ネイク)」や「RECiPEO(レシピオ)」から新商品の追加展開を順次進めております。また、当社グループの顧客接点を活用し、店舗とアプリ・オンラインストアを融合する施策の推進を通して、お客様の利便性の向上を図っております。なお、経営統合によるシナジー実現に向けた取組みにつきましても、引き続き計画通り順調に進捗いたしました。

2024年9月末現在における当社グループの顧客接点数は、1億5,293万となり、国内店舗数は3,488店舗(うち調剤薬局数1,000店舗、健康サポート薬局数134店舗)となりました。今後も4つの重点戦略を実行することで収益改善を図ってまいります。

 

これらの結果、当中間連結会計期間における主な経営成績は次のとおりであります。

 

前中間連結
会計期間

(百万円)

当中間連結
会計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

売上高

507,766

525,729

17,962

3.5

営業利益

37,554

37,662

108

0.3

経常利益

40,068

39,618

△450

△1.1

親会社株主に帰属する中間純利益

25,838

24,958

△879

△3.4

 

 

 

セグメントの業績概況について

<マツモトキヨシグループ事業>

マツモトキヨシグループ事業では、4つの重点戦略に対して、以下の取組みを実行いたしました。

①利便性の追求-お客様との繋がりの深化として、社会全体のデジタル化が進み、お客様のライフスタイルが変化しつつある中で、一人ひとりのお客様と深く繋がっていくことでニーズを的確に捉え最も身近な存在となることが必要と考えております。そのため、デジタルと店舗網を活用した届ける仕組みづくり、様々な買い物スタイルの提供など、利便性を追求していくことで、お客様により深く寄り添う企業を目指しております。

②独自性の追求-体験やサービス提供の新化として、激しい競争環境の中で、お客様との様々な接点から蓄積されたデータと高いマーケティング分析力を活かし、お客様の価値観に基づいた商品・サービスや店舗モデルの開発、メーカー様向け広告配信事業の展開など、マツモトキヨシグループならではの独自性を追求していくことで、お客様に選ばれる企業を目指しております。

③専門性の追求-トータルケアの進化として、少子高齢化が進み、健康長寿社会の実現を目指すわが国においては、様々なお客様のライフステージに応じた質の高いサービスを提供することで、地域社会により大きな安心と喜びを提供していくことが求められていると考えております。そのため、セルフメディケーションの推進やオンラインを活用した服薬指導・接客などに加え、心と身体の両面でのビューティーケアなど、専門性を追求していくことで、地域包括ケアシステムを支え、すべての人がいつまでも美しく、健康で心豊かな生活を送れるよう取組んでおります。

④グローバル事業の更なる拡大では、アジアを中心とした新たな進出国の開拓や海外店舗展開、越境EC事業の拡大を図るため、海外SNSの活用やグローバル会員獲得によるアプローチ強化、グローバルで活躍する人材の開発、海外で支持される商品の開発などに積極的に取組むことで、美と健康への意識が高まっているアジア地域での事業規模拡大とプレゼンス向上を目指しております。

PB商品につきましては、「matsukiyo」から人気保湿ケア商品「ヒルメナイドシリーズ」の新たなラインナップとして「ヒルメナイドスプレー」の展開をスタートしたほか、「matsukiyoLAB」からアスリートライン及びサステナブルロカボライン、「ザ・レチノタイム」等よりそれぞれ新商品を発売いたしました。

2024年9月末現在におけるマツモトキヨシグループの国内店舗数は1,925店舗(うち調剤薬局数456店舗、健康サポート薬局数36店舗)となり、薬局経営支援サービスである調剤サポートプログラムの加盟店舗数は235店舗まで拡大いたしました。また、海外店舗展開として、グアムに新規出店し、海外店舗数は、タイ王国で28店舗、台湾で23店舗、ベトナム社会主義共和国で10店舗、香港で11店舗、グアムで1店舗の合計73店舗となりました。

マツモトキヨシグループでは、マスクや検査キットなど、新型コロナウイルス関連商品の反動減はあったものの、都市部や繁華街、商業施設内等の人流の拡大や訪日外国人観光客の増加により、化粧品を中心として売上が好調に推移いたしました。

 

<ココカラファイングループ事業>

ココカラファイングループ事業では、「利便性の追求-お客様との繋がりの深化」「独自性の追求-体験やサービス提供の新化」「専門性の追求-トータルケアの進化」という3つの国内重点戦略に対して、マツモトキヨシグループと同様の取組みを実行いたしました。

ココカラファイングループでは、マスクや検査キットなど、新型コロナウイルス関連商品の反動減や売上構成比の高い調剤事業における薬価改定の影響等があったものの、ロイヤルカスタマーの醸成に向けた効率的かつ効果的な販促策の実施により化粧品の売上が伸長し、全体の売上を押し上げました。

2024年9月末現在におけるココカラファイングループの国内店舗数は1,563店舗(うち調剤薬局数544店舗、健康サポート薬局数98店舗)となりました。

 

[国内店舗の出店・閉店の状況]

国内店舗の出店・閉店の状況は次の通りであります。

                                                                                  (単位:店舗)

 

2024年3月31日現在の店舗数

出店

閉店

2024年9月30日現在の店舗数

マツモトキヨシグループ

1,904

31

10

1,925

ココカラファイングループ

1,560

12

9

1,563

合計

3,464

43

19

3,488

 

 

 

<管理サポート事業>

管理サポート事業では、当社グループ会社が取り扱う商品の仕入や当社グループ会社の経営管理・統轄、その間接業務の受託業務、当社グループ会社からの配当金収入及び、外部への商品供給・施工業務・広告宣伝等を行っており、業務活動の範囲も拡大しております。

 

これらの結果、セグメントの業績は次のとおりであります。

 

前中間連結
会計期間

(百万円)

当中間連結
会計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

マツモトキヨシグループ事業

売上高

312,678

328,085

15,407

4.9

セグメント利益

24,720

26,208

1,487

6.0

ココカラファイングループ事業

売上高

193,926

195,836

1,910

1.0

セグメント利益

11,193

11,281

88

0.8

管理サポート

事業

売上高

332,714

336,387

3,672

1.1

セグメント利益

29,916

20,221

△9,694

△32.4

 

調整額

売上高

△331,551

△334,579

△3,027

セグメント利益

△28,276

△20,049

8,226

合計

売上高

507,766

525,729

17,962

3.5

セグメント利益

37,554

37,662

108

0.3

 

 

 

(2) 財政状態の状況

当中間連結会計期間末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて191億24百万円減少して7,056億23百万円となりました。これは主に、流動資産その他が103億17百万円、現金及び預金が43億26百万円、売掛金が38億6百万円減少したこと等によるものであります。

負債につきましては、50億1百万円減少して2,045億69百万円となりました。これは主に、買掛金が20億17百万円増加したものの、流動負債その他が42億40百万円、未払法人税等が25億36百万円減少したこと等によるものであります。

純資産につきましては、141億22百万円減少して5,010億54百万円となりました。これは主に、利益剰余金が166億7百万円増加したものの、資本剰余金が272億24百万円減少、自己株式が36億円増加したことによる純資産の減少があったこと等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は1,133億94百万円となり、前連結会計年度末と比較して43億26百万円の減少となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、450億96百万円(前年同期は301億60百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益394億89百万円の計上によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、96億91百万円(前年同期は127億55百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出54億41百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、397億51百万円(前年同期は88億7百万円の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出309億53百万円や、配当金の支払額83億32百万円によるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資に充当しております。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません