第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクの重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

契約の状況

 当中間連結会計期間末の個人保険及び団体信用生命保険(以下、「団信」)を合算した保有契約年換算保険料*1は、前連結会計年度末比113.2%の32,559百万円となりました。内訳について、個人保険は前連結会計年度末比102.7%の26,104百万円、団信は2024年7月における保険料率の更新の影響もあり、前連結会計年度末比194.1%の6,455百万円となりました。

 個人保険における保有契約件数、新契約年換算保険料及び新契約件数、解約失効率は次のとおりです。保有契約件数は、前連結会計年度末比102.8%の618,039件となりました。また、当中間連結会計期間の新契約年換算保険料は、前年同期比102.6%の1,423百万円、新契約件数は、前年同期比103.8%の35,808件となりました。また、当中間連結会計期間の解約失効率*2は、5.8%(前年同期6.7%)となりました。

*1.年換算保険料とは、1回当たりの保険料(団信は、保有契約をもとに算出される翌月の収入保険料)について保険料の支払い方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額をいいます。当社商品の保険料は全て月払いのみとなっているため、1ヶ月当たりの保険料に12を乗じたものを年換算保険料としています。

*2.解約失効率は、解約・失効の件数を月々の保有契約件数の平均で除した比率を年換算した数値です。

 

収支の状況

(単位:百万円)

 

2023年度中間

連結会計期間

2024年度中間

連結会計期間

増減額

保険収益

11,766

14,297

2,531

保険サービス損益

4,088

4,565

477

金融損益*3

66

△57

△123

その他の損益*4

△228

△129

99

税引前中間利益

3,926

4,378

452

親会社の所有者に帰属する中間利益

2,759

3,152

393

 当中間連結会計期間の保険収益は、前年同期比121.5%の14,297百万円となりました。内訳について、個人保険に係る保険収益は11,911百万円、団信に係る保険収益は2,385百万円となりました。個人保険については、保険収益を構成する主要な要素のうち、予想保険金及び維持費*5(予想保険金等)は5,447百万円、消滅したリスクに関する非金融リスクに係るリスク調整の変動(リスク調整リリース)は797百万円、提供したサービスについて認識したCSM*6(CSMリリース)は3,699百万円となりました。保険サービス損益は、主にCSMリリースの増加及び団信に係る利益計上により、前年同期比111.7%の4,565百万円となりました。金融損益は、保有を増加させた外国証券からの金利収益が増加も、円高による為替評価差損の計上により、△57百万円となりました。その他の損益は、保険サービスに直接関連しない費用の計上等により、△129百万円となりました。

 以上の結果、税引前中間利益は、前年同期比111.5%の4,378百万円となりました。また、当中間連結会計期間の親会社の所有者に帰属する中間利益は、前年同期比114.3%の3,152百万円となりました。

 なお、当中間連結会計期間において発生した保険契約の履行に直接関連する費用のうち、保険契約群団の獲得に直接起因する費用(マーケティング、新規契約の査定及びシステムに係る費用等の合計)である保険獲得キャッシュ・フローは前年同期比104.0%の4,575百万円、保険獲得キャッシュ・フローに含まれない費用である維持費は前年同期比112.8%の2,366百万円となりました。

*3.金融損益とは、主に金融資産から生じる投資損益、保険金融収益又は費用、再保険金融収益又は費用の小計です。

*4.その他の損益とは、保険サービスに直接関連しない費用、保険事業以外の損益を指し、商品開発費用や子会社の損益等が含まれます。

*5.維持費とは、保険契約の履行に直接関連する費用のうち、保険獲得キャッシュ・フローに含まれない費用を指し、保険契約の管理及び維持に係る費用や保険サービス提供のための間接費用が含まれます。

*6.CSMはContractual Service Marginの略であり、将来において保険サービスを提供するにつれて認識することとなる未稼得利益を表します。

 

(2) 財政状態

資産、負債及び資本の状況

 当中間連結会計期間末の総資産は、117,087百万円(前連結会計年度末112,417百万円)となりました。主な勘定残高として、高格付けの公社債を中心とする投資有価証券は58,956百万円、保険契約資産は33,529百万円となりました。保険契約は一般的には負債として計上されるものの、当社グループは以下の表「保険契約負債の内訳」のとおり、個人保険の保険契約負債はマイナスとなることから保険契約資産として計上しています。その内訳は、個人保険における将来キャッシュ・フロー現価△147,499百万円、リスク調整23,297百万円及びCSM90,671百万円となりました。また、団信においては保険料配分アプローチを適用して測定し、保険契約負債として578百万円を計上しました。

 

保険契約負債の内訳

(単位:百万円)

将来キャッシュ・フロー現価

(保険金等から保険料を差し引いた収支の現価)

△147,499

リスク調整

23,297

CSM

90,671

個人保険における保険契約負債 合計

△33,529

団信における保険契約負債(保険料配分アプローチを適用して測定する契約に係る保険契約負債)

578

 負債は、23,162百万円(前連結会計年度末21,535百万円)となりました。主な勘定残高は、繰延税金負債19,766百万円となりました。

 資本は、中間利益を計上したことにより、93,925百万円(前連結会計年度末90,882百万円)となりました。

 また、行政監督上の指標のひとつとして経営の健全性を判断するために活用する指標である連結ソルベンシー・マージン比率は、当中間連結会計期間末において1,917.1%となり、充分な支払余力を維持しています。

 

キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、主に保険契約資産の増加がマイナスに影響したものの、税引前中間利益の計上により、2,891百万円の収入(前年同期3,070百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に投資有価証券の取得により、8,573百万円の支出(前年同期377百万円の支出)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、主にリース負債の返済により、59百万円の支出(前年同期9,737百万円の収入)となりました。

 以上の結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は、18,664百万円(前連結会計年度末24,423百万円)となりました。

 

(3) 経営目標の概況

 当社グループは、2024年5月14日に、2024年度から2028年度までの新たな中期計画を発表しました。2023年度より国際財務報告基準(IFRS)を適用していることから、当中期計画においては当社グループの企業価値を表す重要な経営指標にIFRSに基づいた「包括資本*7」を定め、経営目標として2028年度に包括資本の2,000億円~2,400億円の到達を目指します。当中間連結会計期間末の包括資本は、前連結会計年度末比103.2%の164,974百万円となりました。

*7.包括資本とは、当社グループの定義する指標です。IFRSの連結財政状態計算書の「資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)」に、保険サービスを提供するにつれて認識する未稼得の利益を表す負債である「CSM」(保険契約及び再保険契約を合算し税調整後)及び団信保有契約に対する将来の更新分も含めた将来のIFRS損益の価値である「団信契約価値」を合計したものです。保有する保険契約の将来の利益の評価額を含むことから、当社グループの企業価値を表す指標として定めています。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略の重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(7) 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。