第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、個人消費など一部に足踏みがみられたものの、設備投資や企業生産が持ち直しの動きとなり、緩やかな回復傾向となりましたが、原材料・エネルギー価格の高止まりや急激な為替変動の影響等により、先行きは不透明な状況が続いております。また、世界経済におきましても、米国で個人消費が底堅く推移するなど回復基調となりましたが、回復ペースは鈍化しつつあり、中国経済の減速による景気後退リスク等もあり、依然として先行きは不透明となっております。

当社グループの主要な供給先であります自動車業界では、半導体等の部品供給不足は概ね解消され、米国、メキシコ、インドなどでは生産台数が前年を上回りましたが、販売が伸び悩んでいる国内、タイ、韓国、インドネシアなどでは前年割れで推移しました。もう一つの柱であります鉄鋼業界においては、国内では建築向け需要がやや低調となり、粗鋼生産量は前年を下回りましたが、世界ではインドや中国が増加し概ね横ばい推移となりました。

このような状況のなか、当社グループでは、今期が最終年度となる第4次中期経営計画の下、全事業セグメントにおいて、既存事業の深耕、新規分野の開拓、グローバル事業の拡大に加えて、環境問題などの社会課題解決に積極的に取り組むなど、長期的な視点で企業価値の向上に取り組んでおります。また、お客様から信頼をいただける製品・サービスを提供するために、グループ全体の品質管理と品質保証の強化にも努めております。

売上高627億33百万円(前年同期比7.2%増)となりました。なお、売上高は四半期開示が始まった2004年3月期から、過去最も高い水準となりました。事業の種類別セグメント毎の売上高は、前年同期に比べ薬品事業が2.8%の増収、装置事業が49.0%の増収、加工事業が1.8%の増収、その他が11.5%の減収となりました。また、地域別セグメントは、国内が8.8%の増収、アジアが1.4%の増収、欧米が19.4%の増収となりました。

営業利益71億37百万円(前年同期比3.3%増)、経常利益89億7百万円(前年同期比3.5%減)、親会社株主に帰属する中間純利益58億94百万円(前年同期比1.1%増)となりました。

海外業績の換算による損益計算書に与える影響額は、売上高で22億16百万円程度の増収、営業利益で2億17百万円程度の増益となっております。

 

セグメント情報ごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

【事業の種類別セグメントの概況】

(単位:百万円)

報告セグメント

外部顧客に対する売上高

セグメント利益又は損失(△)(営業利益)

前中間会計

当中間会計

増減額

増減率

前中間会計

当中間会計

増減額

増減率

薬品事業

27,532

28,313

780

2.8

4,586

5,087

501

10.9

装置事業

6,492

9,673

3,180

49.0

△43

189

232

539.6

加工事業

23,055

23,480

424

1.8

2,936

2,312

△624

△21.3

その他

1,431

1,267

△163

△11.5

21

23

2

11.4

調整額(消去)

△594

△475

118

20.0

連結損益計算書計上額

58,512

62,733

4,221

7.2

6,906

7,137

230

3.3

 

 

①薬品事業

売上高283億13百万円(前年同期比2.8%増)となり、営業利益50億87百万円(前年同期比10.9%増)となりました。当事業部門は、あらゆる産業分野における素材の洗浄、防錆、塗装下地、潤滑、意匠などを目的として表面処理剤の製造・販売と、これにともなう最新のノウハウ、技術サポートを提供しております。国内では鉄鋼分野を中心に、販売数量が前年同期をやや上回り、緩やかな回復基調で推移しました。また、国内外での高付加価値製品の販売増加やインドでの販売拡大も寄与したほか、為替レートが円安に進んだこと等から、薬品事業全体では売上高は増収となりました。利益面では、原材料価格は高値圏での推移が継続しておりますが、売上高の増加により営業利益は増益となりました。

②装置事業

売上高96億73百万円(前年同期比49.0%増)となり、営業利益1億89百万円(前年同期は43百万円の営業損失)となりました。当事業部門は、輸送機器業界を中心に前処理設備、塗装設備及び粉体塗装設備などを製造・販売しております。中国では大型案件の減少等の影響もあり販売が伸び悩みましたが、インドでの販売拡大のほか、国内では前処理設備のほか熱交換器の販売増加もあり、装置事業全体では売上高は増収となり、利益面では営業損失から営業利益へと転換しました。

③加工事業

売上高234億80百万円(前年同期比1.8%増)となり、営業利益23億12百万円(前年同期比21.3%減)となりました。当事業部門は、潤滑性・高密着性などの機能性を付与する「防錆加工」、金属の強度や耐久性を高める「熱処理加工」、素材表面に薄膜金属を被膜することで高耐食性、耐摩耗性などを付与できる「めっき処理」などの表面処理の加工サービスを提供しております。北米地域では、主要取引先である自動車部品メーカーの生産回復に伴い販売が回復したほか、為替レートが円安に進んだこと等から、加工事業全体では売上高は増収となりました。一方で、自動車生産台数が前年より減少した国内、タイ、インドネシアや、日系自動車メーカーの販売が伸び悩んだ中国では販売が減少したほか、国内外ともに原材料費・光熱費の高止まり等により収益性が低下し、営業利益は減益となりました。

④その他

売上高12億67百万円(前年同期比11.5%減)となり、営業利益23百万円(前年同期比11.4%増)となりました。当事業部門は、ビルメンテナンス事業、太陽光発電事業を営んでいるほか、新規事業として医療機器事業にも取り組んでおります。主にビルメンテナンス事業において販売が伸び悩み、売上高は減収となりましたが、販管費の減少等により利益面では増益となりました。

 

 

(2) 財政状態の状況

(資産の部)

資産合計は、前連結会計年度末と比較し42億53百万円減少2,655億66百万円となりました。流動資産は49億3百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金が32億80百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が28億89百万円それぞれ減少した一方で、棚卸資産が3億6百万円増加したことによるものです。固定資産は6億49百万円増加いたしました。主な要因は、有形固定資産が17億4百万円増加、投資その他の資産が12億91百万円減少したことによるものです。

(負債の部)

負債合計は、前連結会計年度末と比較し94億41百万円減少404億91百万円となりました。流動負債は84億51百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金が41億43百万円、未払法人税等が14億72百万円、未払金が14億20百万円それぞれ減少したことによるものです。固定負債は9億90百万円減少いたしました。主な要因は、繰延税金負債が10億22百万円減少したことによるものです。

(純資産の部)

純資産合計は、前連結会計年度末と比較し51億88百万円増加2,250億74百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が51億36百万円増加したことによるものです。

以上の結果、自己資本比率は74.2%と前連結会計年度末と比較し4.8ポイント増加するとともに、1株当たり純資産は1,660円79銭と37円76銭増加いたしました。

 

 

 

(3) キャッシュ・フローの分析

現金及び現金同等物は、期首と比較し62億80百万円減少し、633億80百万円となりました。なお、当中間連結会計期間では、現金及び現金同等物に係る換算差額により15億77百万円増加しております。

 

   当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況と増減の要因は次のとおりであります。

   (営業活動によるキャッシュ・フロー)

前年同期に比べ48億20百万円収入が減少し47億93百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益89億72百万円、減価償却費33億38百万円、売上債権及び契約資産の減少額39億99百万円、仕入債務の減少額46億72百万円、法人税等の支払額37億17百万円によるものです。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

前年同期に比べ42億98百万円支出が増加し59億45百万円の支出となりました。これは主に、定期預金の預入による支出153億35百万円、定期預金の払戻による収入133億14百万円、有形固定資産の取得による支出38億6百万円によるものです。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

前年同期に比べ30億49百万円支出が増加し67億6百万円の支出となりました。これは主に、自己株式の取得による支出30億62百万円、配当金の支払額23億75百万円、非支配株主への配当金の支払額10億25百万円によるものです。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

 当中間連結会計期間の研究開発費の総額は、10億21百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 従業員数

① 連結会社の状況

 当中間連結会計期間において、連結会社の従業員数の著しい増減はありません。

なお、従業員数は当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人数であります。

② 提出会社の状況

 当中間連結会計期間において、提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

なお、従業員数は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人数であります。

 

(7) 生産、受注及び販売の実績

 当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。

 

(8) 主要な設備

    当中間連結会計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。

 

会社名及び
事業所名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

 投資予定金額

(百万円)

着手及び完了予定

着手

完了

パーカー加工㈱

兵庫県
加西市

加工事業

防錆加工処理工場 の新設

2,489

2025年

2月

2026年

6月

 

    (注) 資金調達方法は、自己資金になります。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。