当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間における世界経済全体としては、賃金上昇による家計の購買力の改善、世界貿易量の回復による輸出依存度の高い国の経済活性化により、底堅さを維持しました。今後、各国の金融政策に起因する経済・市場の変動、米国の大統領選挙、地政学リスクの高まり等の不確実性を伴いつつも、金融引き締めによるインフレ鎮静化と景気減速を経て、金融緩和を支えに巡航速度の成長軌道へと回帰する見通しです。
地域別に見ると、米国経済は、大統領選挙の結果に伴い実施される政策が、外交面や経済面に大きな影響を与えることが見込まれ、今後注視が必要な状況にあります。欧州経済は、引き続きグリーン関連投資による下支えが見込まれる一方、フランス下院選挙の結果、先行きの内政の不確実性が高まり、今後の動向が金融市場を通じて世界経済へ悪影響を及ぼす可能性にも留意が必要となります。中国経済は、引き続き不動産市場の低迷による成長下押しを政府の景気刺激策で補完する状況が継続するが、徐々にその効果は和らぐ見込みです。日本経済は、賃上げ率上昇および定額減税を背景に個人消費の持ち直しが見込まれ、企業の設備投資は、デジタル化・脱炭素・サプライチェーン強靭化に向けた取り組みを背景に拡大傾向が続く見込みです。一方で人手不足が深刻化しており、引き続き如何に労働力を確保するかが課題となっております。
このような経済状況を受け、当社グループの事業環境としては、
① カーボンニュートラル事業については、全世界的に、脱炭素化や経済安全保障上のレジリエンス強化の観点から、政府支援で民間投資を後押しする動きが強まっております。燃料アンモニアに関しては、アンモニア製造からアンモニア受入基地およびアンモニア分解による水素製造までの一連のサプライチェーンを構築する複数のFS(事業化調査)/Pre-FEED(概念設計)が進捗しており、2024年度には複数案件のFEED(基本設計)実施が予定されております。インドネシアにおけるグリーンアンモニア事業に関し、Pupuk Indonesia Holding Companyおよび伊藤忠商事株式会社と共同開発契約を締結し、FEEDを開始しました。SAF(持続可能な航空燃料)に関しては、世界的な市場規模の拡大を見据えた日揮株式会社との国内アライアンスにおける早期実績作りに向け注力しています。CO2資源化に関しては、燃料としてのメタノールの需要増加が今後期待され、国内市場においては、国内元売り会社が海外で合成燃料を製造し、輸入する動きが継続すると見込まれます。地熱発電に関しては、インドネシアの政府および民間企業とインドネシアにおける包括的な地熱活用のマスタープラン策定に関する覚書を締結し、社会実装に向け注力します。
② 既存事業については、海外では、各種の設備投資計画が再開に向け動き始めております。肥料案件は人口増加と世界的な食糧安全保障問題の高まりに伴う堅調な需要増が見込まれ、石油化学案件については、中国での需要減退に伴い石油化学製品の需給が緩和した一方、世界のエチレン・ポリマー市場は、低炭素化への動きも織り込みながら今後も成長が見込まれており、既存製油所設備の転換等構造改革も交え、特に中東やインドにおいて引き続き設備投資が見込まれます。インフラ市場においては、中南米でFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)が引き続き計画され、アジアでは再生可能エネルギーやバイオマス、廃棄物等の発電事業分野等で設備投資が見込まれます。一方、国内では、EV(電気自動車)や半導体用の高機能化学品の需要の回復が見込まれます。
こうした状況の中、当中間連結会計期間の実績は、次のとおりとなりました。連結受注高は、インドネシア向け石油化学プラント等を受注し、516億円(前年同中間期比26.6%減)となりました。なお、持分法適用関連会社の当社持分相当の受注高を含めた総受注高は550億円、総受注残高は4,401億円となりました。完成工事高は、複数の国内向けバイオマス発電所、石油化学プラント、中国向け化学プラント、インド向け石油精製プラント等の複数のプロジェクトの進捗により、1,218億円(前年同中間期比4.1%増)となりました。利益面では、営業利益20億円(前年同中間期比37.4%減)、経常利益32億円(前年同中間期比18.6%減)を計上したことに加え、段階取得に係る差益として特別利益41億円、のれん減損損失として特別損失41億円を計上した結果、税金費用控除後の親会社株主に帰属する中間純利益17億円(前年同中間期比25.2%減)となり、前年同中間期比では増収減益となりました。
当中間連結会計期間末における総資産は、受取手形・完成工事未収入金等が増加した一方、現金預金の減少等により、前連結会計年度末から90億円減少し、2,769億円となりました。負債については、借入金が増加した一方、未成工事受入金の減少等により、前連結会計年度末から77億円減少し、2,140億円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する中間純利益を計上した一方、配当金の支払、為替換算調整勘定の減少等により、前連結会計年度末から13億円減少し、628億円となりました。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増加額53億円を加え758億円で、前連結会計年度末から332億円減少しております。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動によるキャッシュ・フローは、193億円の資金減少(前中間連結会計期間は181億円の資金増加)となりました。売上債権の減少により資金が増加した一方、未成工事受入金の減少により資金が減少したこと等が主な要因であります。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動によるキャッシュ・フローは、160億円の資金減少(前中間連結会計期間は22億円の資金増加)となりました。定期預金の預入、短期貸付金の増加により資金が減少したこと等が主な要因であります。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動によるキャッシュ・フローは、47億円の資金減少(前中間連結会計期間は12億円の資金減少)となりました。借入金の収支、配当金の支払により資金が減少したこと等が主な要因であります。
当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は1,328百万円であります。
当中間連結会計期間より、TS Participações e Investimentos S.A.の株式を追加取得したことにより、同社および同社の子会社であるTSE S.A.とEstaleiros do Brasil Ltda.を持分法適用関連会社から連結子会社に変更しております。これに伴い、連結従業員数は、前連結会計年度末に比べ2,106名増加しております。
なお、従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)であります。また、当社グループはEPC事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
当中間連結会計期間における当社および当社の連結子会社の受注実績・売上(完成工事高)実績は次のとおりであります。
(注) 1 期中完成工事高は、外貨建受注工事高のうち期中完成工事高に係る為替差分(前中間連結会計期間
4,273百万円、当中間連結会計期間5,383百万円)を含んでおります。
2 次期繰越工事高は、前期以前に受注した工事の契約変更等による調整分(前中間連結会計期間
△2,011百万円、当中間連結会計期間37,903百万円)を含んでおります。なお、当中間連結会計期間より、TS Participações e Investimentos S.A.の株式を追加取得したことにより、同社および同社の子会社であるTSE S.A.とEstaleiros do Brasil Ltda.を連結子会社化したため、その影響額40,910百万円を前期以前に受注した工事の契約変更等による調整分および次期繰越工事高に含めております。
3 ※印は、外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額を示しております。
(参考情報) 当中間連結会計期間における持分法適用関連会社の当社持分相当の期中受注工事高は3,458百万円、
次期繰越工事高は167,403百万円であります。
当中間連結会計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。また、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等に著しい変更はありません。なお、当中間連結会計期間において、新たに確定した主要な設備の新設、除却等の計画はありません。
当中間連結会計期間において、当社グループの資本の財源および資金の流動性に関わる情報に重要な変更はありません。
技術導入契約
当中間連結会計期間において、更新をした重要な技術導入契約は次のとおりであります。