第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間における日本経済は、コロナ禍による落ち込みから回復し、33年ぶりの高水準の賃上げ、史上最高水準の企業の設備投資などの一方で、足元では、物価上昇が賃金上昇を上回る中で、年金生活世帯や中小企業にとっては厳しい状況が続いているなど、先行きは不透明な状況が続いております。

国内警備業界は、「令和5年における警備業の概況(2024年7月18日警察庁発表)」によると、警備業者数は10,674業者(前年比1.4%増)、警備員数は58万4千人(同0.5%増)であり、需要は堅調であります。一方で、2024年9月現在の保安職業従事者の有効求人倍率は6.68倍(2024年10月29日厚生労働省発表)と採用環境は大変厳しく、人手不足は事業活動の制約となるほど深刻化しております。また、人材獲得競争の激化から賃金上昇が続くものの、警備業界の労働分配率はすでに高く、物価高の中での持続的な賃上げには限界もあるなど、警備業界をとりまく環境は大きく変化しております。

このような経営環境の下、当社グループは、長期視点での経営方針として「売上高800億円、社員数2万人」を目指し、成長のための取り組みを続けてまいりました。

 

当中間連結会計期間の売上高は、前中間連結会計期間に比べ734百万円増加し、5,056百万円となりました。この増収は、主に前連結会計年度に買収した東神産業㈱、㈱セキュリティ並びに東邦警備保障㈱の売上高が前年同期比で当中間連結会計期間に寄与したこと、また常駐契約の料金改定、常駐契約の新規開始によるものであります。売上高の契約別の内訳については、後述の「契約別営業概況」をご参照ください。

営業利益は、前中間連結会計期間に比べ65百万円増加して252百万円となり、売上高に対する比率は前中間連結会計期間の4.3%から5.0%に改善いたしました。この増益は、主に買収にともなうのれん償却費や、採用活動強化にともなう募集費など販管費の増加があったものの、前述の料金改定により原価率が下がったことによるものであります。

経常利益は、前中間連結会計期間に比べ41百万円増加し、270百万円となりました。

親会社株主に帰属する中間純利益は、前中間連結会計期間に比べ27百万円減少し、116百万円となりました。

 

契約別営業概況

当社グループは、警備事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しておりますが、契約別の売上高については、以下の表をご参照ください。

 

前中間連結会計期間

(百万円)

当中間連結会計期間

(百万円)

常駐契約売上高

3,913

4,517

臨時契約売上高

408

539

顧客との契約から生じる収益

4,321

5,056

 

※ 契約期間が1年以上を常駐契約、1年未満を臨時契約として分類しております。
 但し、常駐契約に付随した臨時契約は常駐契約に含むなど、実態に即した分類としております。

 

事業戦略

当中間連結会計期間の連結業績は、警備業界のM&A件数が増加傾向にある中でM&Aを積極的に推進していることや、賃金上昇にともなう価格転嫁を推進したことなどによるものであります。

このような環境下、当社グループは、引き続き出資・買収、常駐契約の料金改定、大阪万博の準備、またコストリダクションのための資産管理に取り組んでまいります。出資・買収は、前述のとおり国内警備業者が1万社超ある環境下で、警備会社のM&A件数は増加傾向であり、当社グループは、引き続き、警備会社や周辺領域(ビルメンテナンス等)に対する出資・買収に取り組んでまいります。当社グループは、規模拡大の一方で、競合他社との厳しい競争に打ち勝つため、当社グループが統一の警備品質をもって付加価値を高め、収益性を確立してまいります。常駐契約の料金改定については、前述のとおり大変厳しい採用環境と深刻な人手不足に対応するため、積極的に推進してまいります。また、重要防護施設、中央省庁、超高層ビルといったランドマークかつ業界屈指の警備実績の積み上げに取り組んでおり、これらの警備実績は、従業員のモチベーションや体験価値として従業員エンゲージメントを高め、採用効率及び定着率の向上として収益貢献すると考えております。大阪万博の準備については、採用活動や教育研修に取り組んでまいります。資産管理については、当社はもとより、増加するグループ会社が所有する資産を効率的に運用するため最適化に取り組み、コストリダクションを実現してまいります。

 

当中間連結会計期間末の財政状態につきましては、次のとおりであります。

(資産)

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ226百万円3.3%)減少し、6,584百万円となりました。

 

(流動資産)

当中間連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ868百万円19.1%)減少し、3,690百万円となりました。この減少は、料金改定による売掛金の増加や、募集費増加による前払費用の増加などがあったものの、主に金地金の増加や、配当金の支払いにより現金及び預金が910百万円減少したことによるものであります。

 

(固定資産)

当中間連結会計期間末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ642百万円28.5%)増加し、2,894百万円となりました。この増加は、のれんの償却による減少などがあったものの、主に金地金の増加により投資その他の資産が757百万円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当中間連結会計期間末の流動負債及び固定負債合計は、前連結会計年度末に比べ213百万円10.1%)減少し、1,891百万円となりました。

 

(流動負債)

当中間連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ116百万円8.3%)減少し、1,296百万円となりました。この減少は、主に前連結会計年度末日が休日だったことによる影響で未払金その他の債務が減少したことによるものであります。

 

(固定負債)

当中間連結会計期間末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ96百万円14.0%)減少し、595百万円となりました。この減少は、主に約定弁済により長期借入金が減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ12百万円0.3%)減少し、4,692百万円となりました。なお、当中間連結会計期間末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.2ポイント増加し、71.3%となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において営業活動から得られた資金は、前中間連結会計期間に比べ192百万円減少し、112百万円の収入超過となりました。この増加は主に、売上債権の増加があったものの、未払金の増減額やのれん償却費によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において投資活動から得られた資金は、前中間連結会計期間に比べ181百万円増加し、38百万円の収入超過となりました。この増加は主に、金地金購入による支出があったものの、定期預金の払戻による収入によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において財務活動に使用した資金は、前中間連結会計期間に比べ72百万円減少し、258百万円の支出超過となりました。この減少は主に、長期借入金の返済による支出によるものであります。

 

(現金及び現金同等物)

当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ107百万円減少し、1,392百万円となりました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき業務上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。