当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当中間連結会計期間における世界経済は、ウクライナ情勢に加え中東での地政学リスクも長期化し、先行きに対する不透明な状況が続きました。欧米ではインフレ圧力が弱まり、それに伴い各国で金融緩和の実施が始まっております。中国では欧米諸国のサプライチェーン再編や内需の低迷の影響により経済の減速傾向が続くものの、それ以外のアジア地域では中国からの生産拠点移転等の恩恵を受け好調さを維持しています。このような環境のもと、当社グループの売上高は、前年同期比6.4%増加の50,135百万円となりました。地域別連結売上高の概況は次のとおりであります。
地域別連結売上高の概況
(単位:百万円)
日本市場では、雇用環境が良好に推移し所得が改善するとともに個人消費が回復し、企業の景況感も総じて好調に推移しました。このような状況の中、労働コストの上昇や人手不足、エネルギー価格や印刷資材の価格上昇への対応として、生産性向上や効率化等の合理化投資を進める動きが続きました。これに対応したソリューション営業の展開を進めた結果、売上高は前年同期比12.4%増加の15,469百万円となりました。
北米市場では、労働需給が緩和し賃金上昇が鈍化しましたが、インフレ率の低下に伴い個人消費は底堅く推移しました。一方で、金利が高い水準で推移したため設備投資には慎重さが見られ、売上高は前年同期比23.6%減少の3,786百万円となりました。
欧州市場では、インフレ率の鈍化や政策金利の引き下げ開始の影響を受け、景気の回復傾向が見られました。受注高は5月末に開催された世界最大の印刷機材展である「drupa2024」の効果もあり増加していますが、売上高への反映は第4四半期以降の見込みです。その結果、売上高は前年同期比7.5%減少の10,483百万円となりました。
中華圏市場では、海外企業によるサプライチェーンの見直しや不動産不況等による内需低迷の影響で、商業印刷を中心に厳しい状況が続いている一方で、パッケージ印刷では収益改善を進める合理化投資が継続しており、受注高は増加傾向にあります。しかしながら、売上高は受注から売上までに時間を要することから前年同期比4.5%減少の8,538百万円となりました。
その他地域はアセアン・インド・オセアニア・中南米を含んでおります。その他地域では、海外企業のサプライチェーンの見直しにより中国から生産拠点の移転の恩恵を受けたことにより、好調な経済環境を背景にオフセット印刷機の設備需要が増加しました。また、証券印刷設備の大型契約を受注したことにより、工事の進行に伴い計上される売上高が増加しました。その結果、売上高は前年同期比45.6%増加の11,856百万円となりました。
売上原価率は、品目別売上構成の違い等により、前年同期に比べ良化しました。販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ、5月に国際展示会が開催され広告宣伝費が増加したこと、欧州子会社で円安により給与が増加したこと等により増加しました。この結果、営業利益は、1,306百万円(前年同期比194.5%増加)となりました。経常利益は、為替差損が計上されたこと等により、1,406百万円(前年同期比29.1%減少)となりました。税金等調整前中間純利益は、1,766百万円(前年同期比8.0%減少)となりました。また、親会社株主に帰属する中間純利益は、1,005百万円(前年同期比11.9%減少)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
セグメントの「日本」には、日本の国内売上高と日本から海外の代理店地域や海外証券印刷機の直接売上高が計上されております。同代理店地域には、中華圏の一部を除くアジアと中南米等が含まれております。地域別売上高の概況で述べました日本及び中華圏並びにその他地域の状況の結果、セグメントの「日本」の売上高は26,638百万円(前年同期比23.4%増加)となり、セグメント利益は2,193百万円(前年同期比360.7%増加)となりました。
セグメントの「北米」には、米国の販売子会社の売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べました北米の状況の結果、セグメントの「北米」の売上高は3,786百万円(前年同期比23.6%減少)となり、セグメント損失は248百万円(前年同期は67百万円の利益)となりました。
セグメントの「欧州」には、欧州の販売子会社、欧州の紙器印刷機械製造販売子会社グループ及び印刷後加工機製造販売子会社グループの売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べました欧州の状況の結果、セグメントの「欧州」の売上高は10,483百万円(前年同期比7.5%減少)となり、セグメント損失は1,206百万円(前年同期は320百万円)となりました。
④中華圏
セグメントの「中華圏」には、香港、中国深圳市、台湾の販売子会社及び中国南通市の印刷機械装置製造販売子会社の売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べました中華圏の状況の結果、セグメントの「中華圏」の売上高は6,518百万円(前年同期比10.1%減少)となり、前連結会計年度に認識したのれんの減損損失の影響等により、セグメント利益は72百万円(前年同期は50百万円の損失)となりました。
⑤その他
「その他」には、インド、シンガポール及びマレーシアの販売子会社の売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べましたその他地域の状況の結果、売上高は2,708百万円(前年同期比35.2%増加)となり、セグメント利益は196百万円(前年同期比169.8%増加)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末に比べ2,771百万円減少(1.7%減)し、164,816百万円となりました。資産の主な減少要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少3,934百万円、投資その他の資産の減少3,122百万円、有価証券の減少1,265百万円等であり、増加要因は、現金及び預金の増加1,966百万円、棚卸資産の増加1,492百万円、有形固定資産その他の増加1,113百万円、のれんの増加1,013百万円等であります。
(負債及び純資産)
当中間連結会計期間末における負債は前連結会計年度末に比べ1,720百万円増加(3.2%増)し、54,841百万円となりました。負債の主な増加要因は、流動負債その他の増加3,037百万円等であり、減少要因は、固定負債その他の減少640百万円、流動負債引当金の減少329百万円、支払手形及び買掛金の減少242百万円等であります。
純資産は前連結会計年度末に比べ4,492百万円減少(3.9%減)し、109,975百万円となりました。純資産の主な減少要因は、その他有価証券評価差額金の減少2,544百万円、配当金の支払い等による利益剰余金の減少1,393百万円、為替換算調整勘定の減少599百万円等であります。
(自己資本比率)
当中間連結会計期間末における自己資本比率は、前連結会計年度末の68.3%から1.6ポイント減少し、66.7%となりました。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前年同期に比べ767百万円減少し、49,773百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期が7,196百万円の資金減少であったものが、前年同期に比べ14,605百万円増加し、7,409百万円の資金増加となりました。資金増加の主な内訳は、売上債権の減少額8,471百万円、税金等調整前中間純利益1,766百万円、減価償却費1,095百万円等であり、資金減少の主な内訳は、棚卸資産の増加額1,480百万円、営業キャッシュフローその他の減少額725百万円、法人税等の支払額605百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期が99百万円の資金増加であったものが、前年同期に比べ4,399百万円減少幅が拡大し、4,300百万円の資金減少となりました。資金減少の主な内訳は、事業譲受による支出2,571百万円、定期預金の預入による支出998百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出898百万円等であり、資金増加の主な内訳は、定期預金の払戻による収入313百万円、有形及び無形固定資産の売却による収入273百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期が4,159百万円の資金減少であったものが、前年同期に比べ1,545百万円増加し、2,614百万円の資金減少となりました。資金減少の内訳は、配当金の支払額2,395百万円、リース債務の返済による支出176百万円等であります。
(4) 経営方針・経営戦略及び対処すべき課題等
① 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
② 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)については、当中間連結会計期間において、重要な変更はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は1,940百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、受注高が前年同期に比べ大幅に増加となりました。これは主に、国内外における銀行券及び諸証券印刷設備の複数台大型受注、中華圏市場においてオフセット印刷機の受注が増加したことによるものであり、当中間連結会計期間は73,430百万円(前年同期比52.3%増加)となりました。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。