第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、物価上昇が進行する中、一部停滞感も見られるものの、全体的には景気が緩やかに回復している状況です。一方、急激な為替変動や継続的な物価上昇に伴い、消費者マインドの低下が懸念され、依然として先行きが不透明な状態が続いております。

当社グループを取り巻く環境としまして、主力事業である介護事業では、高齢化の進展により介護サービスの需要が拡大し続けています。一方で、介護職の求人倍率は年々増加し人材確保が一層難しくなっており、介護人材の採用と定着は介護事業にとって重要な課題となっています。障がい支援事業においても、利用者の多様なニーズに対応するべく専門性の高い人材の確保が求められています。福祉サービス全体での人材不足が深刻化する中、障がい支援事業にとっても安定的な人材の採用と定着は重要な課題となっています。保育業界においては、少子化が進む一方で共働き家庭の増加により保育サービスの需要が堅調である中、保育士の有効求人倍率は全職種平均倍率を上回っており、保育人材の確保と定着も課題となっております。

このような環境のもと、当社グループでは、「持続的社会保障制度の構築」を通して「安心を育て、挑戦を創る」世界を実現させるため、「介護」、「障がい者支援」、「保育」の3分野を中心とした事業を行っており、様々な社会課題の解決に貢献すべく、持続可能な開発目標(SDGs)に基づき「すべての人が活躍する社会へ」を掲げ、当社グループでは6つの重点項目(①多様な人材が活躍できる社会の実現 ②健やかで安心できる生活の実現 ③持続可能な都市化への貢献 ④地域環境への貢献 ⑤サービスを通じた社会保障政策への貢献 ⑥レジリエントな経営基盤)を特定しております。

また、ガバナンスの強化として、経営会議や内部統制室及びコンプライアンス室の人員強化やDXによる監査等の効率化や情報システム部の新設等を進めるなど、当社を取り巻く環境に適切に対応できる体制を構築し、事業運営の改善としても、介護報酬等改定への対応やマニュアル管理システムの導入など、拡大する事業を適切に管理できるよう、ブロック/エリア管理での強化を行っております。その他、社内資格の効率的な取得に向けたe-ラーニングシステム等の活用や、管理業務を中心としたDXやデータ活用、また、サスティナビリティへの取り組みとして「多様な人材が活躍できる社会の実現」のため、特定技能を中心とした外国人採用も増加させるなど、より良い人材の確保及び定着に向け、教育や処遇改善を行うとともに、お客様へより質の高いサービスが提供できるよう従業員が働きやすい職場環境づくりを行うとともに企業価値向上に取り組んでおります。

このような環境のもと、当中間連結会計期間において新規施設にて5事業所の開設を行ないました。

以上の結果、当中間連結累計期間における当社グループ連結業績は、売上高9,281百万円(前年同期比114.4%)、営業利益113百万円(同325.7%)、経常利益125百万円(同113.9%)、親会社株主に帰属する中間純利益102百万円(同149.7%)となりました。

 

事業領域別の状況は以下のとおりです。

<介護事業>

介護事業におきましては、当中間連結会計期間において4事業所(グループホーム、有料老人ホーム)の新規開設を行いました。当第2四半期連結会計期間末における有料老人ホーム等(注1)の稼働率は82.2%(開設後1年以上経過した事業所86.7%)、グループホームの稼働率は94.3%(開設後1年以上経過した事業所94.7%)となりました。入居促進活動の効果が現れ回復傾向にあり稼働率は復調してきております。一方で直近における問題は、エネルギー価格、食材費、建築費、そして採用費用の高騰ですが、エネルギー価格については、利用者への料金転嫁や大型施設への太陽光パネルの設置、食材費については、食材の取捨選択や利用者への料金転嫁、建築費については、事業拡大におけるM&Aへの比重の変更を進めておりますが、最も影響の大きいエネルギー価格については、各電力会社における原発再稼働状況や補助金等により大きく左右されると認識しております。介護人材の採用コストも急騰しておりますが、採用と定着が課題となる中、定着率が高いと想定される特定技能人材の採用促進を強化しております。当社グループの介護事業は、人材の確保がしやすく安定性を考慮した施設介護運営に注力するべく、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームを中心とする事業の推進に取り組んでおります。事業展開の優先順位は、許認可を必要とする介護付き有料老人ホームやグループホームを高く設定いたしますが、一方、自治体での許認可公募状況、需給環境を踏まえ、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅において訪問介護や訪問看護を併設する事業モデルの拡大も進めてまいります。

(注1)介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、短期入居者生活介護

 

<障がい者支援事業>

障がい者支援事業におきましては、当中間連結会計期間において1事業所(短期入所)の新規開設を行いました。当第2四半期連結会計期間末における就労継続支援B型の稼働率は81.2%(開設後1年以上経過した事業所では81.2%)、グループホーム等(注2)の稼働率は78.2%(開設後1年以上経過した事業所では86.0%)となりました。稼働率は復調してきており、グループホームを中心とした本来の収益構造の顕在化により、収支が改善傾向にあります。これは介護と同様に、今後、グループホームが公募制に移行する可能性が高い中で、短期的な利益を抑制させても事業拡大することが中長期では効率的と考え事業拡大速度重視の政策をとっておりましたが、一定の効果が表れてきております。引き続き、当社グループの障がい者支援事業は、障がい者の自立した生活を実現するためのトータルサポート体制の構築を重視し、生活訓練、継続支援事業を通じて様々な就労訓練を行うだけでなく、自立した生活を目指す方々の住まいとしてグループホーム等を提供し、また、介護、保育や給食事業等の当社グループ内事業所への就職の拡充も図っていくことで、利用者の方々が社会の重要な戦力として活躍するお手伝いを進める方針です。

(注2)共同生活援助(グループホーム)、福祉ホーム

 

<保育事業>

保育事業におきましては、当中間連結会計期間における新規開設等はございません。当第2四半期連結会計期間末における認可保育所の稼働率は86.7%(開設後1年以上経過した事業所では86.7%)となりました。保育事業においては、保育園の整備率の向上に伴い、新規事業公募が停止される自治体も増加しており、市場としてのピークアウトは近いと考えております。国としては、少子高齢化が進む中、子育て支援政策の根本的な改善が求められている中、待機児童解消は引き続き最重要課題であり、保育指導指針の改定により養護だけでなく教育が求められております。当社グループでは、市場のピークアウト後の競争環境も想定し、この教育という要素を重要視し、当社グループの高齢者事業所との連携において多世代交流を深め、文化の伝承を促進し、子供の生き抜く力を養う支援を行うと共に整備を進めてまいります。

 

(2) 財政状態の分析

当中間連結会計期間末の総資産は、現金及び預金、建設仮勘定などが減少したものの、建物及び構築物などが増加したことにより、前連結会計年度末と比較して12百万円増加し11,202百万円となりました。

負債は、預り金、退職給付に係る負債などが増加したものの、未払金、短期借入金などが減少したことにより、前連結会計年度末と比較して88百万円減少し9,438百万円となりました。

純資産は、利益剰余金などが増加したことにより、前連結会計年度末と比較して101百万円増加し1,763百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して105百万円減少し1,022百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、207百万円の収入となりました。

これは主に、売上債権の増加184百万円、未払金の減少65百万円などにより減少したものの、税金等調整前中間純利益125百万円、減価償却費147百万円などにより増加したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、283百万円の支出となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出227百万円、敷金及び保証金の差入による支出73百万円などにより減少したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、29百万円の支出となりました。

これは主に、長期借入れによる収入655百万円などにより増加したものの、短期借入金(純額)の返済による支出2百万円、長期借入金の返済による支出665百万円などにより減少したことによるものです。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。