当中間会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
なお、当社は第21期(2022年3月期)から前事業年度まで継続的に営業損失が発生していることに加え、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなっており、当中間会計期間においても経常損失及び中間純損失を計上しております。
このような状況の中、2024年7月26日付にて開示いたしました「資本提携契約の締結、第三者割当による新株式及び第7回新株予約権の発行並びに主要株主の異動に関するお知らせ」のとおり、当社は株式会社舞花との間で資本提携契約書を締結すると共に、同社に対して第三者割当の方法により新株式及び第7回新株予約権を発行することについて決議し、これらの払込及び割当てが2024年8月13日に完了したことから第1四半期会計期間末における債務超過は解消しております。
しかしながら、営業損失と営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが継続している状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。当該状況を解消するために、経営リソース・体制、コスト構造の改善による選択と集中を実行し、不採算案件対策や撤退による既存事業の収益力の強化、Discoveriezの品質改善、新規事業領域(SRM Design Lab及びDiscoveriez AI)への投資促進及び人材採用・組織再整備を推進することで、収益改善に向けた取り組みを進めております。
・成長戦略実現に向けた赤字サービスの停止・撤退(優待WALLET、CRMotion、Bizシリーズ等)
・既存不採算案件対策の遂行(課金体制の見直し・プランの精査・撤退、他部門活用/利用シーン拡大促進(クロスセル)など)
・売上構造をフロー型からストック型へ徹底的に移行(サービス体系の変更)
・「Discoveriez」における品質改善のための投資の促進
・新規事業領域のSRM Design Lab(課題解決の範囲拡大とパートナーとのコラボレーションの掛け合わせにより、企業のIT戦略における上流から下流工程までを一気通貫で行う課題解決プログラム)への経営資源集約・パートナーとの共創による推進および収益化
・新サービス「Discoveriez AI」(※1)への投資促進及び収益化
・オペレーション効率化、原価管理の強化(受発注~納品、既存顧客サポート、業務フロー改善、原価管理)
・利用シーン拡大に向けたマーケティング施策の強化、継続、パートナーとの連携推進、事業提携加速
・上記施策を速やかに履行するための人材採用、スキルアップ及び組織再整備の促進
現時点においてこれらの対応策は実施途上であることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、中間財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を中間財務諸表に反映しておりません。
(※1)Discoveriez AI
生成AI(人工知能)を活用し顧客対応における作業負担の軽減・業務効率化及びVOCの活用を支援するサービス
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものです。
(1) 経営成績の状況
当中間会計期間における我が国経済は、急激な円安の進行やエネルギー価格の高騰をはじめとした物価上昇による家計への影響なども懸念されており、依然として先行き不透明な状況で推移しています。
当社が属するクラウド基盤サービス市場においては、引き続き業務上のデータ・システム等の既存要件を維持しながら他の環境への移行または新規システムに乗り換えるマイグレーション案件が中心ではあるものの、その対象領域は拡大しております。また、クラウドサービス提供事業者が構築した環境を、他の利用者と共同利用するパブリッククラウドを導入・利用する企業が増加していることなどからも順調に推移しております。
このような状況の中、当社は、ステークホルダーDXプラットフォーム「Discoveriez」を通じて、ビジネス現場で発生する「情報の分断」を解決するべく、「分断した情報」を「つなぐ」「まとめる」「活用する」ことで、それぞれに必要な情報が集約され、その情報をもとに社内外のやり取りを最適化しており、その中で「業務が楽になった」「見えなかった情報が見えるようになったことで仕事が楽しくなった」などの喜びの声を多数いただいてきました。ただ、経営体制の確定までに時間を要したことや、与信リスクによる受注済案件の失注の影響が大きく、当中間会計期間の売上高及び営業利益は、前年比で減収減益となりました。
しかしながら、以下の施策を推進したことにより、第2四半期会計期間で対前年比較をすると、売上高は137,978千円(前年同期比11.2%増)、営業損失は38,172千円(前年同期は営業損失54,190千円)の増収増益となり、業績改善施策の効果が徐々に現れてきております。
① 既存事業のテコ入れ(単価引上げ施策及び旧システムのサービス終了とDiscoveriezへのリプレイスによるクラウド型サービスへの移行)し、売上構成をフロー型からストック型へ重点移行する施策を推進しております。特に、クラウド型サービスのMRR(※3)は前年同期比15.4%増と継続して伸長しております。
② 課題解決の範囲拡大とパートナーとのコラボレーションの掛け合わせにより、企業のIT戦略における上流から下流工程までを一気通貫で行う課題解決プログラム「SRM Design Lab」(※1)を2023年4月に開始しましたが、当中間会計期間における売上高は前年同期比40.17%増となり、Discoveriez以外の収益柱に成長しつつあります。
③ 株式会社舞花と資本提携契約を締結し、同社に対して第三者割当の方法により新株式及び第7回新株予約権を発行し、債務超過の解消に加えて資本増強をした結果、当社の与信に起因する機会損失が減少したこと。
上記の施策に加えて、マーケット開拓のための施策として、生成AI(人工知能)を活用し顧客対応における作業負担の軽減・業務効率化及びVOC(※2)の活用を支援する新サービス「Discoveriez AI」を2024年10月より開始しております。これにより、自社プロダクトである「Discoveriez」に加え、パートナーとの複数領域での共創により、クライアントへの本質的な課題解決を実行支援しております。
以上のような取り組みの結果、当中間会計期間の売上高は254,596千円(前年同期比1.8%減)、営業損失は99,661千円(前年同期は営業損失93,381千円)となり、また一過性の費用として株式交付費5,970千円と新株予約権発行費7,633千円が発生したことで経常損失は113,952千円(前年同期は経常損失93,725千円)、同じく一過性の費用として臨時株主総会費用が29,854千円発生したことで中間純損失は144,285千円(前年同期は中間純損失94,201千円)となりました。
また、当社は、ステークホルダーDXプラットフォーム事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(※1) SRM Degign Lab
当社HPで2023年4月3日リリースの「ジーネクスト、ステークホルダーと顧客価値共創を目指す取り組み 「SRM Design Lab」を開設」より抜粋
(※2) VOC
Voice of the Customerの略語であり、指摘・要望・お褒め等の顧客の声のこと。
(※3) MRR
Monthly Recurring Revenueの略で、毎月繰り返し得られる収益であり、月次経常収益のこと。ここでは、月次のライセンス料の月額合計額を指す。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当中間会計期間末における総資産は483,729千円となり、前事業年度末に比べ59,280千円増加しました。これは主に、第三者割当増資の実施により現金及び預金が74,910千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当中間会計期間末における負債は390,578千円となり、前事業年度末に比べ29,833千円減少しました。これは主に、長期借入金が17,136千円、買掛金が10,761千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産は93,151千円となり、前事業年度末に比べ89,114千円増加しました。これは主に、中間純損失の計上により、利益剰余金が144,285千円減少したものの、Discoveriezにおける品質改善・AIプロダクトへの投資、人材採用・組織再整備、運転資金に充当することを目的とした第三者割当増資及び新株予約権の発行により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ100,002千円、新株予約権が33,396千円増加したこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、393,192千円となり、前事業年度末に比べ、74,910千円増加いたしました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における営業活動による資金は、122,614千円の支出(前年同期は15,510千円の収入)となりました。これは主に、売上債権及び契約資産の増減額が18,475千円増加した一方で、税引前中間純損失143,806千円の計上があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、ありませんでした(前年同期は669千円の収入)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における財務活動による資金は、197,524千円の収入(前年同期は18,300千円の支出)となりました。
これは主に、新株発行による収入が194,166千円、新株予約権の発行による収入が25,894千円あったこと等によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当中間会計期間における研究開発費の総額は、30,511千円となっております。なお、当中間会計期間における当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社は、下記の通り2024年7月26日付で株式会社舞花と資本提携契約を締結し、同社に対して第三者割当の方法により新株式及び第7回新株予約権を発行するとともに、本資本提携の一環として、以下の事項を中心に業務上の支援を受けることを合意しております。現時点ではかかる支援は無償で提供されることになっていますが、今後、サービス内容の変化等に応じて協議の上で、一定の対価の支払いに合意する可能性はあります。
① 新規サービスに関するコンサルティング
② 当社との親和性の高い業務提携先の紹介及び共同開拓
③ M&A案件の紹介、及びターゲットをリストアップした上での当社からの能動的なM&A提案活動に係る支援
④ 人材採用・人材強化に係る支援
⑤ IRに関するアドバイスの提供、IR支援、投資家の紹介
(注)当中間会計期間末において、株式会社舞花が保有する当社の株式は766,300株(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合は15.38%)であり同社は当社の主要株主に該当いたします。