第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1) 業績の状況

(連結業績)

・EPSは64.8円(前年比+7%、前年差+4.2円)、利益増加により前年を上回りました。

・グループ総取扱高は2兆3,829億円(前年比+10%、前年差+2,104億円)、フィンテックのカードクレジット取扱高が全体をけん引したことにより、半期として過去最高となりました。

・売上収益は1,240億円(前年比+11%)と4期連続の増収、営業利益は215億円(前年比+15%)、経常利益は197億円(前年比+12%)、当期利益は121億円(前年比+6%)と、それぞれ2期ぶりの増益となりました。

 

※「第2 事業の状況」において、億円単位で記載している金額は億円未満を四捨五入しています。

 


 

※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。

 

営業利益増減の内訳

・債権流動化による債権譲渡益(47億円)が前年に比べ1億円増加し、償却額・費用等(37億円)が2億円増加したため、営業利益は1億円減少しました。

・上記の債権流動化影響を除いた実質的な営業利益は29億円の増益(小売+13億円、フィンテック+14億円)となりました。

 

□ 営業利益増減の内訳

 


 

 

(セグメント別の状況)

・小売セグメントの営業利益は33億円(前年比+67%)、前年を13億円上回りました。

・フィンテックセグメントの営業利益は224億円(前年比+6%)、前年を13億円上回りました。

 

セグメント別の売上収益・営業利益

 


 

※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。

 

 

<小売セグメント>

・マルイ・モディ店舗においては、リアル店舗ならではの価値創出をめざし、「売ること」を目的としない体験型テナントやスクール、飲食・サービスなどの導入を進め、非物販テナントの面積構成は62%(前年差+4%)となり、カテゴリー転換が着実に進みました。新たなテナントの導入により店舗の未稼働区画の面積は減少し、施設のバリューアップが進んだことから、営業利益は3期連続の増益となりました。

 

□ 非物販テナント構成の推移

 


 

 

・お客さまがいつご来店されても楽しんでいただける店舗をめざし、イベントフルな店づくりを進めています。中でも、2022年からスタートしたマルイの出店サービス「OMEMIE(おめみえ)」は、全国のマルイ・モディの出店スペースの検索から契約までをオンラインで完結することができるサービスで、D2Cブランドや個人事業主の方などに幅広くご活用いただいており、これまでマルイに出店したことのないテナントの導入につながっています。その結果、新たなテナントが提供するサービスの体験会やワークショップなど、イベントのバリエーションが広がっています。

・ECについては、店舗と連動したイベント型のECの拡大に加え、Web系の専門人材を拡充しECサイトのUI/UX改善に取り組みました。その結果、EC取扱高は、11四半期連続で前年を上回り、第2四半期累計では112億円(前年比+5%)となりました。

 

□ EC取扱高前年比

 


 

<フィンテックセグメント>

・戦略的に進めている「家計シェア最大化」の取り組みにより家賃払いやECでのご利用、公共料金などの定期払いが伸長したことで、第2四半期のカードクレジット取扱高は1兆1,122億円(前年比+9%)、第2四半期累計では2兆1,921億円(前年比+10%)とそれぞれ過去最高となりました。

 

□ カードクレジット取扱高推移


 

 

・分割・リボ取扱高は2,082億円(前年比+11%)と拡大し、流動化債権を含む分割・リボ払い残高は過去最高の4,520億円(前年比+8%)となりました。

・エポスカードの新規会員数は39万人(前年差△1万人)、期末会員数は過去最高の773万人(前年差+30万人)となりました。

・これまで事業の成長をけん引してきたゴールドカードに加えて、アニメを代表とする一人ひとりの「好き」を応援するカードの取り組みを強化しています。「好き」を応援するカードは、一般カードに比べて若者の保有比率が高く、LTV(生涯利益)が2~7倍高いカードとなっています。アニメ・ゲームやエンターテインメントとコラボレーションしたカードは、熱量の高いファンが多く、SNSなどを通じて認知が広まりやすい特性もあり、ネット入会との親和性が高いことが特徴です。この「好き」を応援するカードは、フィンテックだけでなく、小売や共創投資に携わる社員からも提案が生まれており、数多くの企画が誕生しています。店舗では「好き」を応援するカードと連動したイベントなど、リアルでの体験の場を提供したり、ECではコラボグッズを開発・販売するなど、カード・店舗・ECを持つ当社グループならではの取り組みを行うことで、独自の体験価値を提供しています。今後もグループ一体となって取り組みを強化することで、ロイヤリティの高い会員を拡大し、取扱高や新規入会数のさらなる拡大につなげていきます。「好き」を応援するカードの新規会員数は16万人(前年差△1万人)、期末会員数は101万人(前年差+23万人)となりました。

 

□ 新規入会の推移

 


□ カード会員数の推移

 


 

 

(LTVの安定性を表す指標)

当社グループの収益構造はこれまでのビジネスモデルの転換にともない、店舗の不動産賃貸収入やカード手数料をはじめとする「リカーリングレベニュー(継続的収入)」が拡大し、売上・利益に占める構成が大きくなりました。お客さま・お取引先さまとの契約に基づく継続的収入であるリカーリングレベニューからは、翌期以降の将来収益を「成約済み繰延収益」としてとらえることが可能であり、収益の安定性を測る指標として使用できます。これらは、LTVを重視した当社グループの長期視点の経営において重要な要素であると考えています。

 

・当期のリカーリングレベニュー(売上総利益ベース)は741億円(前年比+8%)となり、売上総利益に占める割合は66.7%(前年差△0.1%)となりました。

・期首時点の成約済み繰延収益は3,795億円(前年比+6%)となり、2024年3月期の売上総利益の約1.8倍の将来収益が見込まれています。なお、成約済み繰延収益の算出は、不動産賃貸収入は契約残年数、分割・リボ手数料やカードキャッシング利息は返済期間、加盟店手数料(リカーリング分)はカード有効期間、家賃保証は保証期間をもとに行っています。

 

LTV経営の指標

 


 

(注)売上総利益ベースのリカーリングレベニュー、およびその構成を算出する際の売上総利益には、販管費戻り(お取引先さまから継続的にいただく経費)を含めています。

 

(2) 財政状態の状況

・営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)は、カードクレジット取扱高の拡大などにより6,679億円(前期末差+777億円)となりました。総資産は1兆894億円(前期末差+859億円)となりました。

・有利子負債(リース債務を除く)は6,830億円(前期末差+887億円)となりました。

・自己資本は2,547億円(前期末差+15億円)となり、自己資本比率は23.4%(前期末差△1.8%)となりました。

 

□ バランスシートの状況


 

 

(3) キャッシュ・フローの状況 

・営業キャッシュ・フローは、769億円の支出(前期は203億円の支出)となりました。営業キャッシュ・フローから営業債権等の増減を除いた基礎営業キャッシュ・フローは、税引前利益の増加などにより、前期より114億円増加し、259億円の収入となりました。

・投資キャッシュ・フローは、有形および無形固定資産の取得61億円、投資有価証券の取得18億円などにより73億円の支出(前期は61億円の支出)となりました。

・財務キャッシュ・フローは、有利子負債の増加による887億円の収入や自己株式の取得による支出32億円、配当金の支払96億円などにより756億円の収入(前期は388億円の収入)となりました。

 

□ キャッシュ・フローの状況

 


 

(注)当社グループでは営業キャッシュ・フローから営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)等の増減を控除した「基礎営業キャッシュ・フロー」を収益性・健全性の指標としています。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。