当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、個人消費の持ち直しに足踏みが見られるものの、雇用・所得環境や企業収益の改善を背景に、緩やかな回復が続きました。一方で、円安基調の継続や物価上昇、海外経済の減速など、わが国の景気を下押しするリスクもあり、先行きについては依然不透明な状況が続いております。
建設業界においては、堅調な企業収益を背景に、設備投資を中心とした民間非住宅建設投資が堅調に推移しています。また、防災・減災、国土強靭化及び将来を見据えたインフラ老朽化対策を主軸とする政府建設投資も高水準で推移しており、引き続き良好な受注環境が続いています。
このような状況のもと、当社グループの当中間連結会計期間における受注高は、当社専業土木分野及び建築分野ともに前年同期を上回って推移したものの、前年第1四半期に受注した米国子会社の大型地盤改良工事による反動減などにより、792億4千4百万円(前年同期比8.0%減)となりました。
売上高は、当社建築分野において着工間もない工事が多い端境期に入っていることを背景に、549億6千7百万円(前年同期比0.2%減)となりました。
利益面では、売上高は減収となったものの、当社及び連結子会社において採算性が向上したことにより、売上総利益は116億5千5百万円(前年同期比5.4%増)となりました。
また、営業利益、経常利益につきましては、売上総利益が増加したことにより、各々55億3百万円(前年同期比4.6%増)、55億9千8百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
親会社株主に帰属する中間純利益は、37億6千8百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
「建設事業」
建設事業の連結売上高は、548億1千6百万円(前年同期比0.2%減)となりました。
「その他」
その他事業の連結売上高は1億5千1百万円(前年同期比1.0%減)であり、主なものは建設資材等の販売であります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、83億1千6百万円の収入超過(前年同期は89億6千6百万円の収入超過)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益の計上(56億円)及び売上債権の減少による収入(33億4千3百万円)によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、16億7千3百万円の支出超過(前年同期は29億4千9百万円の支出超過)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(18億8千3百万円)によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、69億6千1百万円の支出超過(前年同期39億5千9百万円の支出超過)となりました。これは主に、配当金の支払による支出(33億6千4百万円)及び自己株式の取得による支出(37億7千7百万円)によるものであります。
以上により、当中間期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比4億4千4百万円減少し、344億8千9百万円となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は4億3百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営成績の現状と見通し
当社グループを取り巻く事業環境は、短期的には当社グループのコア事業との親和性が高い防災・減災、国土強靭化を中心とした政府建設投資が底堅く推移することが見込まれ、引き続き良好な受注環境が続くものと予想をしております。
このような状況のなか、当社グループ全体で事業量を確保するとともに収益力の向上を図るため、以下の課題を実施してまいります。
① 安全衛生管理の徹底
「人命尊重・安全第一」 の基本理念のもと、労働安全衛生に関する法令や通達の遵守を行うとともに、安全
管理活動の拡充と衛生環境活動の活性化により、働き方改革を推進し、持続的な成長に結びつく安全文化の形成に努めてまいります。
② 専業土木分野における総合力の強化
ICT技術の一層の活用により生産性と品質の向上を目指すとともに、補修・補強分野の強化や、気候変動由来
の災害防止に貢献する技術のさらなる開発と普及を図ることで総合力の強化に努めてまいります。
③ 建築事業分野での成長
営業エリアの拡大に向けた経営資源の強化と体制整備を行うとともに、環境性能に優れた高付加価値建物への適応や、設計からリニューアルまで一貫した対応による品質と信頼の向上を図ることで一層の成長に努めてまいります。
④ 海外事業分野での成長
既存市場の維持・拡大と新たな市場への参入により事業量を確保するとともに、組織体制の一層の強化や新たなアライアンスの構築を行い持続的成長に努めてまいります。
⑤ 技術開発の推進
DXのさらなる推進による業務システムの再構築や、自然環境保全技術の開発を行うとともに、共創の強化と速度を高めた開発の促進を行いサステナブルな成長を担う技術開発の推進に努めてまいります。
⑥ 経営・財務基盤の強化
戦略的な資金活用とCCCの改善で投資余力を創造し、持続的な成長を見据えた先行投資を実現するとともに、
適正利益の確保と利益の全体最適配分を行い、強固な財務基盤の確立と人財の確保に努めてまいります。
(7)生産、受注及び販売の実績
① 受注実績
セグメントの名称 |
前中間連結会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) |
|||
受注高 (百万円) |
次期繰越工事高 (百万円) |
受注高 (百万円) |
次期繰越工事高 (百万円) |
||
建設事業 |
|
|
|
|
|
斜面・法面対策工事 |
|
24,427 |
22,490 |
24,844 |
26,760 |
基礎・地盤改良工事 |
|
39,491 |
41,908 |
32,025 |
38,324 |
補修・補強工事 |
|
4,644 |
8,369 |
5,095 |
8,138 |
環境修復工事 |
|
727 |
1,962 |
1,618 |
1,869 |
一般土木工事 |
|
2,976 |
3,076 |
1,987 |
2,867 |
建築工事 |
|
13,251 |
19,707 |
12,603 |
22,022 |
その他工事 |
|
638 |
627 |
1,069 |
900 |
合計 |
86,157 |
98,141 |
79,244 |
100,884 |
(注)当社グループでは、建設事業以外は受注生産を行っておりません。
② 売上実績
セグメントの名称 |
前中間連結会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) |
|||
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
||
建設事業 |
|
54,922 |
99.7 |
54,816 |
99.7 |
斜面・法面対策工事 |
|
15,448 |
28.0 |
14,384 |
26.2 |
基礎・地盤改良工事 |
|
23,979 |
43.5 |
26,181 |
47.6 |
補修・補強工事 |
|
3,959 |
7.2 |
4,263 |
7.8 |
環境修復工事 |
|
1,223 |
2.2 |
461 |
0.8 |
一般土木工事 |
|
1,694 |
3.1 |
2,164 |
3.9 |
建築工事 |
|
8,107 |
14.7 |
6,662 |
12.1 |
その他工事 |
|
508 |
0.9 |
697 |
1.3 |
その他 |
153 |
0.3 |
151 |
0.3 |
|
合計 |
55,075 |
100.0 |
54,967 |
100.0 |
(注)セグメント間での取引については相殺消去しております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。