第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 

a.経営成績

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境が改善し、景気は緩やかな回復傾向にあります。一方で日米金利差等を背景とした円安の進行に加えて、原材料・エネルギー価格の高騰等により消費者物価は上昇し、個人消費の持ち直しに足踏みがみられるなど先行きは不透明な状況が続いております。

靴業界におきましても、円安に伴うインバウンド需要は伸長したものの、消費者物価上昇に伴う生活防衛意識の高まりによる節約志向の継続、原材料価格、商品仕入原価の高騰等により厳しい経営環境が続いております。

このような環境のなか、当社グループは中期経営計画 (2023年度から2025年度) の2年目にあたり、「顧客経験価値の創造」を全社戦略のテーマとして掲げ、「顧客戦略」、「ブランド戦略」、「リアル・EC店舗戦略」、「新規事業戦略」の4つの成長戦略を軸に取り組んでまいりました。

「顧客戦略」につきましては、DXの取組みの一環として、データ統合基盤の整備を進め、より利便性の高いサービスや販促提案により、オンラインショップを含めた小売店舗の会員数増加を図っております。当第2四半期では、顧客層の拡大・離反防止やLTV (ライフタイムバリュー) の向上を目的とし、新規アプリ・メルマガ会員獲得キャンペーンを積極的に実施しております。

当中間期末における2年以内に購買履歴のある会員数は91.1万人 (2024年3月末比 4.3万人増) うちメルマガ登録会員数は25.3万人 (2024年3月末比 2.3万人増) となりました。

「ブランド戦略」につきましては、主力である「リーガル」は、当社の企業ミッションである“「ずっといい」を創造する”を具現化する代表ブランドとして製品・機能・サービスを繋ぐ一貫体制により、お客さまへの提供価値を高めてまいります。当中間期では、9月中旬より秋の新作を揃えたポイントプレゼントフェアーや、女性のパーソナル需要に対応したカラー&ウイズオーダーパンプス受注会等を開催いたしました。

「リアル・EC店舗戦略」につきましては、EC店舗の意義・役割は、顧客接点の拡大・拡張・多様化などのマーケットを広げることにあり、リアル店舗との融合を主眼としております。リアル店舗と自社ECサイトが連動した販促提案やコーディネート・商品提案を継続的に実施、更に、当社ブランドの認知度向上と販売チャネルおよび顧客層の拡大と増加を目的とし、外部ECモールへの取組みを強化しております。当中間連結会計期間の外部EC全体の売上高は、前年同期比で72.9%の増収となりました。

「新規事業戦略」につきましては、デジタルを基盤とした事業再編で最適な事業バランスを実現し、新たな事業創設を目指しております。現在、異業種との共創・コラボレーションやニッチ市場への参入等に取り組んでおります。

利益面につきましては、在庫効率改善施策等の効果もあり、売上総利益額は前年同期比で 7.5%の増益となりましたが、事業活動の正常化に伴う販売費及び一般管理費の増加等により、前年実績と比較して改善傾向にあるものの、営業利益以下の各利益ともに損失の計上となりました。

以上の結果、当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高は10,300百万円 (前年同期比 1.1%増) 、営業損失は231百万円 (前年同期は営業損失319百万円) 、経常損失は110百万円 (前年同期は経常損失245百万円) 、親会社株主に帰属する中間純損失は70百万円 (前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失190百万円) の計上となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

① 靴小売事業

靴小売事業では、WEBコンテンツを介した販売スタッフによるコーディネート・商品提案や需要期の販促提案、SNSを活用したお客さまとの情報共有等、OMOの推進による顧客接点の拡大と顧客経験価値の向上に注力いたしました。

国内直営小売店の売上高は、主力の「リーガルシューズ店」では、猛暑等異常気象の影響により季節商材の需要期が大きく変化しているなか、夏物商材の不足、秋物商戦立ち上がりの遅れ等により婦人靴を中心に季節商材は苦戦いたしました。一方で、インバウンド需要の増加やワークスタイルの多様化により、防水性・通気性などの機能を備えた付加価値の高いカジュアル志向のスニーカーや快適な履き心地の「リーガルウォーカー」が堅調に推移したことから、前年同期比で 6.6%の増収となりました。

また、ECサイトである「リーガルオンラインショップ」につきましては、リアル店舗と連動した販促施策やWEBコンテンツを介した販売スタッフによるコーディネート提案経由の受注、WEB注文によるリアル店舗受取りサービス等シームレスな顧客サービスに注力し、前年同期比で14.4%の増収となりました。

サステナビリティへの取組みとしまして、小売店舗内に有料の「シューケアサービスコーナー」の設置を積極的に行っており、お客さまが購入後の靴を適切なメンテナンスやケアにより長くご愛用いただけるようサポートしております。(直営小売店 113店舗設置済)

当中間連結会計期間の店舗展開につきましては、2店舗を出店し、不採算店舗3店舗を閉店いたしました。(直営小売店の店舗数 116店舗、前連結会計年度末比 1店舗減)

この結果、当中間連結会計期間の売上高は6,458百万円 (前年同期比 3.3%増) 、営業損失は147百万円 (前年同期は営業損失124百万円) となりました。

 

② 靴卸売事業

靴卸売事業では、既存取引先の減少・売場縮小等が進むなか、収益性の改善に向けた取引先への販売方法の見直しや新たな顧客創造としての新規取引先開拓に取り組んでまいりました。

業態別では、主力の百貨店業態につきましては、付加価値の高いカジュアル志向のスニーカーや「リーガルウォーカー」は堅調に推移したものの、ビジネスシューズはやや苦戦いたしました。また、地方のショッピングモールや靴専門店、大型チェーン店等につきましても消費者物価上昇の影響による節約志向や低価格志向が見られ、中価格帯の当社商品は苦戦が続いており、対応策としてレディスのカジュアルシューズ「アールドット」や日本製にこだわった大人のためのベーシックシューズ「ビューフィット」を新たに提案しております。一方で、外部ECモールにつきましては、値ごろ感のあるカジュアルシューズや「ケンフォード」のビジネスシューズを中心に堅調に推移しており、加えて、革靴の新たな価値観を構築することを目的とした「The Kenford Fineshoes」は新規のセレクトショップや公式オンラインストアにて着実に売上を伸ばしております。しかしながら、全般的には、既存取引先の売上減少を補うには至らず、売上高は前年実績を下回りました。

この結果、当中間連結会計期間の売上高は3,833百万円 (前年同期比 2.4%減) 、営業損失は82百万円 (前年同期は営業損失208百万円) となりました。

 

③ その他

報告セグメントに含まれない不動産賃貸料の収入など、その他事業の当中間連結会計期間の売上高は75百万円 (前年同期比 7.8%増) 、営業利益は6百万円 (前年同期比63.0%増) となりました。

 

 

b.財政状態

当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ 1,904百万円減少し、25,892百万円となりました。

このうち、流動資産の残高は14,410百万円と、前連結会計年度末に比べ 2,067百万円減少しております。

これは、商品及び製品が 930百万円増加したものの、現金及び預金が 1,437百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が 1,415百万円減少したことなどが主な要因であります。

固定資産の残高は11,481百万円と、前連結会計年度末に比べ 163百万円増加しております。

これは、有形固定資産及び無形固定資産が減価償却などにより、77百万円減少したものの、関係会社出資金等、投資その他の資産が 241百万円増加したことなどが主な要因であります。

当中間連結会計期間末における負債の部の合計は、前連結会計年度末に比べ 1,536百万円減少し、13,809百万円となりました。

このうち、流動負債の残高は 9,195百万円と、前連結会計年度末に比べ 3,654百万円減少しております。

これは、2017年3月及び2021年3月に締結したシンジケートローンの返済などにより、短期借入金が 3,088百万円減少したことなどが主な要因であります。

固定負債の残高は 4,614百万円と、前連結会計年度末に比べ 2,117百万円増加しております。

これは、2024年3月に締結したシンジケートローンの契約に基づき、タームローン契約による 2,000百万円の借入を実行したことなどにより、長期借入金が 2,156百万円増加したことなどが主な要因であります。

当中間連結会計期間末における純資産の部の合計は、12,082百万円と、前連結会計年度末に比べ 368百万円減少しております。

これは、親会社株主に帰属する中間純損失70百万円を計上したことや、配当金の支払い 217百万円などにより、利益剰余金が 274百万円減少したことや、その他有価証券評価差額金が44百万円減少したことなどが主な要因であります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、3,683百万円となり、前連結会計年度末と比べ  1,457百万円の減少となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、84百万円の支出 (前年同期は 554百万円の支出) となりました。

主な要因としては、売上債権の減少額 1,402百万円などの増加要因があったものの、棚卸資産の増加額 951百万円、仕入債務の減少額 168百万円、未払金等その他の減少額 313百万円などの減少要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、104百万円の支出 (前年同期は 231百万円の支出) となりました。

主な要因としては、投資有価証券の売却による収入68百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出 132百万円や無形固定資産の取得による支出49百万円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,179百万円の支出 (前年同期は 508百万円の支出) となりました。

主な要因としては、長期借入金による収入 2,750百万円があったものの、長期借入金の返済による支出 3,978百万円、配当金の支払額 217百万円などによるものであります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。

 

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針については重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は54百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7) 従業員数

当中間連結会計期間において、従業員数に著しい変動はありません。

 

(8) 生産、商品仕入、受注及び販売の実績

当中間連結会計期間において、生産、商品仕入、受注及び販売の実績に著しい増減はありません。

 

(9) 主要な設備

当中間連結会計期間において、主要な設備の著しい変動はありません。

 

(10) 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「事業等のリスク」に記載したとおり、当中間連結会計期間において重要な変更はありません。

 

(11) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの事業資金については、自己資金、金融機関からの借入金により資金調達を行っております。金融機関からの借入金については長短期借入金やシンジケートローンなど、種々の調達方法を検討し対応しております。

当中間連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は 9,643百万円となっております。また、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は 3,683百万円となっており、手元流動性は十分と認識しております。

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。