当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日時点において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における国内経済は、経済活動の正常化や雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の拡大などにより緩やかな回復傾向にある一方で、長期化する国際情勢不安や物価上昇、原材料・エネルギー価格の高騰等により、先行きは依然として不透明な状況が続いてまいりました。
こうした中、当社グループでは、首都圏及び国内主要都市におきまして、不動産活用における建設から不動産賃貸及び売買の仲介、不動産管理までワンストップのサービス提供とともに、関連する各事業間での連携を図りながら、お客様とともに安定的かつ持続的な成長及び事業展開を目指してまいりました。
その結果、当社グループの安定収益基盤となります不動産管理物件数は、2024年9月末現在、アパート・マンション管理戸数151,036戸、月極駐車場台数102,023台、時間貸駐車場「ナビパーク」の運営は55,337台、企業の社宅管理代行業におきましては住宅109,990戸、駐車場12,800台(受託企業数470社)を受託、これに分譲マンション管理戸数4,466戸、24時間緊急対応サービス「アクセス24」受託戸数692,284戸を加えますと、住宅957,776戸、駐車場170,160台となり、ビル・施設管理件数は2,675件となっております。
不動産営業店舗「ピタットハウス」は、2024年9月末現在で全国635店舗のネットワーク(スターツグループ店114店舗、ネットワーク店521店舗)となっております。また、高齢者支援・保育施設につきましては、2024年9月末現在126事業所を運営しており、首都圏エリアにおきまして6事業所の開設を準備しております。
海外拠点におきましては、2024年9月末現在で世界21カ国、34都市(国と地域を含む)において、海外進出を図る日本企業のオフィスや駐在員の社宅の仲介、工場等の売買仲介、レンタルオフィス・サービスアパートメント・ホテルの運営等、各国のニーズに合わせたサービスの提供を行っております。
スポーツ・文化活動の取り組みといたしましては「スターツシニアゴルフトーナメント」の主催、「卓球日本代表チーム」や児童招待公演「こころの劇場」の協賛を始め、卓球・ゴルフ・カヌー・スケートボード等、所属選手の活動応援も行っております。また、渋谷スクランブル交差点の目線位置ビジョンのネーミングライツを獲得し「スターツビジョンSHIBUYA」の運用を開始いたしました。「総合生活文化企業」として当社グループの幅広い事業展開だけでなく、企業理念「人が、心が、すべて。」や社風、風土を知っていただくための広告展開も行ってまいります。
当中間連結会計期間の業績は、建設事業におきましては販売価格改定が寄与し、賃貸仲介事業及び不動産管理事業におきましては管理物件数の増加に伴う仲介手数料、管理手数料収入が堅調に推移いたしました。出版事業におきましては「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」のロングヒットを始め、書籍や電子書籍の販売も順調に推移し、「オズのプレミアム予約」につきましてもレストラン利用を中心に利用者数が増加いたしました。ホテル・レジャー事業におきましても需要回復により好調に推移いたしました。金融・コンサルティング事業におきましては住宅ローンの取り扱い件数が堅調に推移し、手数料収入が増加いたしました結果、売上高は1,088億51百万円(前年同期比3.7%増加)、営業利益は150億71百万円(前年同期比19.0%増加)、経常利益は148億57百万円(前年同期比1.9%増加)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は120億27百万円(前年同期比26.4%増加)となりました。
当社グループ図及びセグメントの業績は次のとおりであります。
■スターツ海外ネットワーク/21ヵ国(※)34都市
(※)国と地域を含む
①建設事業
建設事業におきましては、資産運用及び資産継承のコンサルティングとして創業から変わらぬ地域密着営業を行っており、賃貸住宅をはじめ商業ビル・ホテル・高齢者支援施設・保育施設・物流倉庫などグループの総合力を活かした豊富なコンテンツによる土地有効活用、既存建造物のリノベーションや免震化の提案を行っております。
社会インフラとして普及に注力しております『免震構造の建物』におきましては、地域特性を踏まえ『土地・所有者・入居者』すべてに最適な土地活用を提案してまいりました結果、累計受注棟数は2024年9月末現在では620棟となりました。RC造と木造の混構造によりコスト削減、CO2排出量削減を可能にした高層ハイブリッド木造免震マンション「モクビル」や、居住性とデザイン性が特徴のコンセプト賃貸住宅「ゲーテッドハウス」、子育てに優しい賃貸住宅「アリアソワンプレミアム」等、環境や入居者ニーズに沿った提案を通し、オーナー様の資産価値向上に努めてまいります。
当中間連結会計期間の業績は、建築資材価格及び労務費の高騰を踏まえた販売価格改定効果の寄与により、売上高319億4百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益30億59百万円(前年同期比49.5%増)、受注残高は1,321億9百万円(前期比5.2%増)となりました。
②賃貸仲介事業
賃貸仲介事業におきましては、管理物件数の増加及び賃料相場の上昇に伴い、仲介手数料及び更新手数料が堅調に推移いたしました結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高37億96百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益9億42百万円(前年同期比40.8%増)となりました。
③売買仲介事業
売買仲介事業におきましては、不動産売却サポートサービス「マイホームオークション」を積極的に活用し、売主・買主双方に透明性の高い取引を推進してまいりました結果、取引件数は堅調に推移いたしました。一方で、前中間連結会計期間に成約いたしました大型の信託受益権売買仲介の反動により、当中間連結会計期間の業績は、売上高38億32百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益13億66百万円(前年同期比19.1%減)となりました。
④不動産管理事業
不動産管理事業におきましては、管理物件数の増加に伴い、管理手数料売上や時間貸駐車場「ナビパーク」などの賃貸事業売上が堅調に推移するとともに、各種営繕工事によるメンテナンス売上におきましては受託管理物件照明のLED化の推進や、植栽剪定作業後に発生する雑草等を堆肥やチップ化することでCO2削減にも取り組んでおります。当中間連結会計期間の業績は、売上高463億70百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益65億73百万円(前年同期比6.3%増)となりました。
⑤分譲不動産事業
分譲不動産事業におきましては、新築分譲戸建「クオンガーデン等々力」(東京都世田谷区)の販売や、分譲マンション「アルファグランデ成田八番街」(千葉県成田市)、「アルファグランデ日暮里」(東京都荒川区)の完売により、当中間連結会計期間の業績は、売上高5億55百万円(前年同期比63.0%減)、営業損失1億60百万円(前年同期営業損失72百万円)となりました。
なお、当中間連結会計期間における契約残高は、新築分譲戸建「クオンガーデン等々力」や新築分譲マンション「アルファグランデ越谷レイクタウン」(埼玉県越谷市:総戸数39戸)の販売進捗により、31戸20億0百万円となりました。
⑥出版事業
出版事業におきましては、引き続き読者ニーズに沿った商品展開、映像化展開などの販促施策により「スターツ出版文庫」をはじめとした書籍・電子書籍及び電子コミックの販売が順調に推移しております。個別作品では映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」がベトナム全土での上映をかわきりに台湾でも上映されるなど、ロングヒットとなっております。また、会員数450万人超を有する女性向けウェブサイト「オズモール」の成功報酬型送客サービス「オズのプレミアム予約」では、新たに大人数の食事会予約をコンシェルジュがサポートする「OZの貸切・大人数予約」を開始するなど、レストラン予約を中心に利用者数を伸ばしております。
当中間連結会計期間の業績は、売上高44億61百万円(前年同期比17.9%増)、営業利益14億55百万円(前年同期比37.8%増)となりました。
⑦ホテル・レジャー事業
ホテル・レジャー事業におきましては、2023年12月に開業いたしました「ホテル エミオン 札幌」(北海道札幌市北区:客室数295室)に続き、横浜文化体育館を建て替えて整備されたアリーナ施設「横浜BUNTAI」に隣接する、「ホテル コメント 横浜関内」(神奈川県横浜市中区:客室数116室)を2024年4月1日に開業いたしました。既存各施設におきましてもレジャー需要が好調に推移いたしました結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高72億6百万円(前年同期比26.5%増)、営業利益7億48百万円(前年同期比59.2%増)となりました。
⑧高齢者支援・保育事業
高齢者支援・保育事業におきましては、既存事業所に加え前期開設いたしました5事業所の稼働が堅調に推移しており、また保育園の公定価格が前年よりも上昇いたしました。引き続き、人材採用・育成活動にも積極的に取り組んでまいります。
当中間連結会計期間の業績は、売上高60億54百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益2億90百万円(前年同期比9.9%増)となりました。
⑨金融・コンサルティング事業
金融・コンサルティング事業におきましては、信託代理店として新たに「浜松いわた信用金庫」と委託契約を締結いたしました。スターツプロシード投資法人の運用委託に係る報酬、住宅ローン手数料及び少額短期保険契約件数が堅調に推移いたしました結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高42億79百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益8億97百万円(前年同期比43.3%増)となりました。
⑩物販・文化事業
物販・文化事業におきましては、カードキーシステム「シャーロック」シリーズの製造・販売、美術館の運営を行っております。当中間連結会計期間の業績は、売上高3億90百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益37百万円(前年同期比23.4%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて34百万円の資金を獲得し、869億13百万円の残高となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、建設工事等の仕入債務の減少57億46百万円、仕掛販売用不動産の仕入等による棚卸資産の増加54億47百万円、法人税等の支払57億91百万円の一方で、税金等調整前中間純利益178億19百万円、建設工事等の売上債権の減少64億89百万円、減価償却費32億51百万円等により127億12百万円の資金を獲得(前年同期は26億97百万円の資金を獲得)いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、賃貸不動産等の取得等により44億91百万円の資金を使用(前年同期は123億15百万円の資金を使用)いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、剰余金の配当27億26百万円や運転資金等の銀行借入の返済により80億18百万円の資金を使用(前年同期は8億48百万円の資金を使用)いたしました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)資産、負債、純資産に関する分析
当中間連結会計期間末の総資産額は3,181億33百万円となり、前連結会計年度末と比較し59億75百万円減少いたしました。これは、主に販売用不動産及び仕掛販売用不動産が増加した一方で、売掛金及び未収入金が減少したことによるものであります。
負債総額は1,433億36百万円となり、前連結会計年度末と比較し154億53百万円減少いたしました。これは、主に買掛金及び未払金の減少によるものであります。
純資産額は1,747億96百万円となり、前連結会計年度末と比較し94億78百万円増加いたしました。これは、主に利益剰余金の増加によるものであります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。