当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社は、2023年5月31日に中期経営計画(2023年度~2025年度)を公表し、当連結会計年度において2期目を迎えております。中期経営計画の基本戦略では、以下3つの事業成長戦略と2つの経営基盤戦略を実行しております。当社グループとしては、これらの基本戦略を着実に遂行することを通じて業容拡大を図り、経営目標の達成を目指します。
<事業成長戦略>
①システムソリューション事業:事業領域のシフトおよび拡大
付加価値向上策としては、システム開発の上流工程および製造・販売型へのシフトによる高単価化に向けて取り組みます。また、拡販策としては、自動車分野でのシステム開発技術の横展開による売上拡大を図ります。
②エンジニアリングソリューション事業:ものづくり領域でのDXソリューション強化
付加価値向上策としては、FlexSim(3次元シミュレーションソフトウェア)およびPLM事業・ERP事業の推進、また自社技術を用いた新規ソリューション開発等によるラインナップの拡充を図ります。さらに、拡販策としては、販売チャネルの拡大に取り組みます。
③GPS事業:プラットフォーム上のサービス拡充
付加価値向上策としては、構築中の位置情報プラットフォームを活用したサービスラインナップの拡充による収益力の強化を、また、拡販策としては、海外市場への展開を図ります。
<経営基盤戦略>
①人材:戦略的事業推進の核となる人材の拡充・高度化
高付加価値な事業への人材シフト、領域拡大・付加価値向上に向けた人事制度の見直し、規模拡大に向けた採用強化、高い成果発揮に向けた教育制度の拡充に取り組みます。
②M&A・アライアンス:ビジョン実現に向けた機動的・積極的な実施
ものづくりをワンストップで支援する体制構築に向けたM&Aや社会的問題解決に資するアライアンスについて、機動的・積極的に実施してまいります。
<事業成長戦略の進捗状況>
システムソリューション事業については、「上流工程および製造・販売型へのシフトによる高付加価値化」および「自動車分野への拡大」を重点施策として掲げており、ハードウェア・ソフトウェア等の総合的な技術を要する半導体製造装置・医療機器などの案件の獲得で成果を上げているほか、FPGAにかかるシステム開発の受注も引き続き好調に推移しております。自動車分野については、当社の得意領域である車載開発技術を活かした新たな車載案件の受注が増えていることに加え、ソフトウェア・デファインド・ビークル案件の受注獲得にも注力しております。
エンジニアリングソリューション事業については、「FlexSim」を拡販すべくプライベートセミナー開催や展示会での講演のほか、物流コンソーシアム参加など積極的に行っており、各種マーケティング活動が奏功してリード数の増加などで成果が顕著に表れてきております。PLM(プロダクトライフサイクルマネジメント)については、拡販体制の充実を図るため、2024年4月に株式会社フラッシュシステムズを子会社化したことに加え、大手SIerとの連携強化を図っているほか、ALM(アプリケーションライフサイクルマネジメント)については新規案件の受注獲得に至っております。
GPS事業については、ココダヨ(防災スマートフォンアプリ)のプラットフォームを活かした新規ラインナップの検討を進めているほか、「日常の見守り」に特化したサービスのテスト・マーケティング、高さを加えた位置情報を利用した実証実験の継続実施、自治体向けサービスの展開を進めております。
<経営基盤戦略の進捗状況>
当社グループは、本年度、エンジニアを中心に31名の新入社員を迎え入れました。エンジニア研修に続く配属部門ごとのOJTを経て開発に従事しております。あわせて経験者採用にも積極的に取り組んでおり、企業成長の礎となる人材獲得・強化を図っております。
また、事業成長を加速させるため、M&Aについては継続して積極的に取り組んでおります。
当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続いております。しかしながら、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある状況であります。
当社グループが属する情報サービス産業においては、経済産業省が公表した「特定サービス産業動態統計」(2024年10月度公表分)によりますと、情報サービス産業の月毎の売上高は、当事業年度においても前年同月と比較し全ての月で増加しております。社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)をはじめとしたIT投資に対する意識が高まり、多くの業界・企業が積極的にIT投資を進めている状況にあります。
このような環境のもと、当社グループは、製造業のDX推進の実現に向けて売上拡大の取組みを継続して行っております。
この結果、当中間連結会計期間における当社グループの業績は、売上高は3,993百万円(前年同期比26.4%増)、営業利益は358百万円(前年同期比82.7%増)、経常利益は354百万円(前年同期比79.9%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は185百万円(前年同期比54.8%増)となり、中間連結会計期間として過去最高の売上高及び段階利益を達成しました。
各セグメント別の状況は以下のとおりであります。
なお、本年度から、社内の組織体制と情報開示するセグメント区分を一致させるため、セグメントを一部変更しております。この変更に伴い、前中間連結会計期間のセグメント情報については、変更後の区分方法で作成のうえで比較をしております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(システムソリューション事業)
当社の強みであるソフトウェアとハードウェアの一体型システム開発の受注が引き続き堅調に推移しました。システム開発については、外注先納期遅延の影響を受けた前年同期から、生産体制が通常稼働に回復し問題発生前の水準を超えて伸長したこと、大手顧客の年間開発計画の上期前倒しがあったことが増収増益につながりました。また、ソフトウェア開発については、車載系統合ソリューションやサイバーセキュリティなどの新たな車載系開発案件の獲得が進みました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は2,342百万円(前年同期比19.4%増)、セグメント利益は608百万円(前年同期比53.2%増)となりました。
(エンジニアリングソリューション事業)
3次元シミュレーションソフトウェア「FlexSim」については、前年度から継続して自動車、電機、電子部品などの大手顧客から増設および新規分の受注を獲得し、利益面でも大きく貢献いたしました。
3次元CAD/CAMソフトウェア「Mastercam」については、第1四半期連結会計期間に実施したキャンペーンの効果に加えカスタマイズ案件の獲得に注力した結果、売上高は前年同期比増加となりましたが、当中間連結会計期間における仕入価格改定の影響を受け、利益面では売上額の増加幅ほど伸びませんでした。
PLM事業については、2024年4月に取得した株式会社フラッシュシステムズを第2四半期連結会計期間より連結損益計算書に加えたこと等もあり売上高が増加しましたが、組織構築および人材確保・育成にかかったコストを上回る売上計上までには至りませんでした。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は1,410百万円(前年同期比43.7%増)、セグメント利益は225百万円(前年同期比39.0%増)となりました。
(GPS事業)
防災スマートフォンアプリ「ココダヨ」サービス全体の累計インストール数は154万件となり、売上高は前年同期比で大きく増加した一方、第2四半期連結会計期間の売上高はスゴ得の売上単価の変動の影響もあり第1四半期連結会計期間ほど伸びませんでした。利益面ではドル建てのサーバー使用料が円安で増加したことに加え、開発原価の増加もあって微増となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は252百万円(前年同期比11.9%増)、セグメント利益は61百万円(前年同期比2.2%増)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は3,441百万円となり、前連結会計年度末に比べて196百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加576百万円、売掛金の減少239百万円等によるものであります。固定資産は1,459百万円となり、前連結会計年度末に比べて184百万円増加いたしました。これは主に、のれんの増加120百万円、敷金及び保証金の増加52百万円等によるものであります。
この結果、総資産は4,901百万円となり、前連結会計年度末に比べて380百万円増加いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は1,980百万円となり、前連結会計年度末に比べて221百万円増加いたしました。これは主に、買掛金の減少102百万円、短期借入金の増加500百万円、賞与引当金の減少126百万円等によるものであります。固定負債は666百万円となり、前連結会計年度末に比べて119百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金の増加103百万円等によるものであります。
この結果、負債合計は2,646百万円となり、前連結会計年度末に比べて340百万円増加いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は2,254百万円となり、前連結会計年度末に比べて40百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益の計上185百万円、配当金の支払いによる利益剰余金の減少165百万円等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下資金という)は、前連結会計年度末に比べ576百万円増加の1,744百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は383百万円(前年同期は251百万円の収入)となりました。主な要因は、収入として税金等調整前中間純利益の計上337百万円、売上債権及び契約資産の減少349百万円、減価償却費及びのれん償却額の計上75百万円、支出として法人税等の支払額193百万円、賞与引当金の減少137百万円、仕入債務の減少110百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は313百万円(前年同期は12百万円の収入)となりました。主な要因は、支出として連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出183百万円、無形固定資産の取得による支出79百万円、敷金の差入による支出54百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は506百万円(前年同期は242百万円の支出)となりました。主な要因は、収入として短期借入金の増加500百万円、長期借入れによる収入200百万円、支出として配当金の支払額165百万円等によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当社グループは、IT・IoT技術の著しい進歩に追随し、新規サービスの開発や既存サービスの改良を図るべく、研究開発活動を推進しております。現在の研究開発活動は、稼働監視システムにおける新サービス開発に関する調査、および災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」に関する技術調査・実験であり、当中間連結会計期間における研究開発活動の金額は5百万円であります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。