当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間 (2024年4月~9月)における当社グループの業績は、売上高・営業利益とも前年同期比で下回りましたが、概ね期初における当社の想定通りに進捗しました。
売上高は、駅務システムの投資需要などを捉えた社会システム事業が前年同期比で増加したものの、制御機器事業や電子部品事業において設備投資需要が総じて低調に推移したこと、ヘルスケア事業の中国市場における需要が減少した影響が大きく、加えて制御機器事業においては、前年同期の売上高が受注残に支えられていたこともあり、全体としては前年同期比で減少しました。
営業利益については、売上総利益率が前年同期比で改善したことに加え、2024年2月26日に発表した構造改革プログラム「NEXT2025」の効果もあり収益性は着実に改善しましたが、売上高減少による影響が大きく前年同期比で減少しました。
なお、前年同期比での営業利益の減少幅は、第1四半期の△56.2%から当中間連結会計期間では△6.9%まで縮小しています。第1四半期の数値については、2024年8月2日公表の「2025年3月期 第1四半期決算短信〔米国基準〕(連結)」を参照ください。
また、当中間連結会計期間において、構造改革プログラム「NEXT2025」の経営施策のひとつである人員数・能力の最適化を実施しました。当中間連結会計期間においては、「NEXT2025」のうち、当該施策に関連する一時的費用を構造改革費用に210億円計上しております。
当中間連結会計期間の業績結果は以下のとおりです。
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2024年3月期 中間連結会計期間 |
2025年3月期 中間連結会計期間 |
増減率 |
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売上高 |
4,007億円 |
3,746億円 |
△6.5% |
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売上総利益 (売上総利益率) |
1,720億円 (42.9%) |
1,700億円 (45.4%) |
△1.2% (+2.4P) |
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営業利益 (営業利益率) |
207億円 (5.2%) |
192億円 (5.1%) |
△6.9% (△0.0P) |
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法人税等、持分法投資損益控除前中間純利益(△損失) |
250億円 |
△3億円 |
- |
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当社株主に帰属する 中間純利益(△損失) |
61億円 |
△33億円 |
- |
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米ドル平均レート |
139.9円 |
153.7円 |
+13.8円 |
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ユーロ平均レート |
152.8円 |
166.3円 |
+13.5円 |
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人民元平均レート |
19.7円 |
21.2円 |
+1.5円 |
(注) 「営業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「試験研究開発
費」を控除したものを表示しています。
オペレーティング・セグメントの業績は、次のとおりです。
なお、「営業利益」は「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 中間連結財務諸表注記事項Ⅱ-P セグメント情報」における「セグメント利益」と同一です。
① IAB: インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)
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2024年3月期 中間連結会計期間 |
2025年3月期 中間連結会計期間 |
増減率 |
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外部顧客に対する売上高 |
2,104億円 |
1,745億円 |
△17.1% |
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営業利益 |
174億円 |
174億円 |
△0.4% |
<売上高の状況>
製造業における設備投資需要は、日本における半導体市場が中国の半導体国産化に向けた投資を受けて好調であったものの、中国における太陽光発電関連投資と二次電池の需要停滞の継続に加え、欧州および中国の需要が弱含むなど、全体としては低調に推移しました。また、販売代理店における在庫は減少傾向にあるもののその調整は継続しました。これらの結果、売上高は、前年同期の売上高が受注残に支えられていたこともあり、前年同期比で大きく減少しました。
<営業利益の状況>
売上高は減少しましたが、売上総利益率の改善や構造改革を通じた固定費圧縮効果が寄与し、営業利益は前年同期と同水準となりました。
② HCB: ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)
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2024年3月期 中間連結会計期間 |
2025年3月期 中間連結会計期間 |
増減率 |
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外部顧客に対する売上高 |
740億円 |
725億円 |
△2.0% |
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営業利益 |
97億円 |
86億円 |
△11.6% |
<売上高の状況>
欧州などの一部地域で主力製品である血圧計の需要は堅調に推移したものの、中国のマクロ経済減速による消費者の購買意欲の低下や、前年の呼吸器疾患特需の反動によるネブライザ・酸素濃縮器の需要減少などにより、売上高は前年同期比で低調となりました。
<営業利益の状況>
売上総利益率の改善に継続的に取組みましたが、売上高減少の影響が大きく、営業利益は前年同期比で減少しました。
③ SSB: ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)
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2024年3月期 中間連結会計期間 |
2025年3月期 中間連結会計期間 |
増減率 |
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外部顧客に対する売上高 |
531億円 |
569億円 |
+7.0% |
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営業利益 |
13億円 |
20億円 |
+47.9% |
<売上高の状況>
エネルギーソリューション事業は、住宅領域においては政府による電気料金の激変緩和措置の再開などの影響があるものの、需要は回復傾向にあり堅調に推移しました。加えて、駅務システム事業における顧客の投資需要ならびにマネジメント・サービスソリューション事業における店舗設備の保守サービス需要も好調に推移しました。これらの結果、売上高は前年同期比で増加しました。
<営業利益の状況>
為替影響により外貨建仕入コストが増加する一方、売上高の増加や生産性の向上などにより営業利益は前年同期比で大きく増加しました。
④ DMB: デバイス&モジュールソリューションビジネス(電子部品事業)
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2024年3月期 中間連結会計期間 |
2025年3月期 中間連結会計期間 |
増減率 |
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外部顧客に対する売上高 |
612億円 |
511億円 |
△16.5% |
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営業利益 |
27億円 |
1億円 |
△96.4% |
<売上高の状況>
民生業界向けの需要は、中国などの一部エリアや先端半導体関連では需要回復がみられるものの、欧州や日本を中心に顧客での在庫消化の停滞や生産計画修正などにより低調に推移しました。自動車業界向け部品の需要は、米中での需要は増加したものの、欧州での電気自動車(EV)優遇施策抑制による需要減少などにより低調に推移しました。これらの結果、売上高は前年同期比で大きく減少しました。
<営業利益の状況>
売上高減少の影響などにより、営業利益は前年同期比で大きく減少しました。
⑤ DSB: データソリューションビジネス(データソリューション事業)
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2024年3月期 中間連結会計期間 |
2025年3月期 中間連結会計期間 |
増減率 |
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外部顧客に対する売上高 |
- |
191億円 |
- |
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営業利益 |
- |
3億円 |
- |
(注)データソリューション事業は2024年3月期第3四半期連結会計期間に新規に設定したセグメントであり、当セグメントにかかる開示は同期間より開始しています。なお、当セグメントには、当社グループが進めるデータソリューション事業に関する財務数値と2023年10月16日に連結子会社化した株式会社JMDC(以下、JMDC社)の財務数値に加え、JMDC社の連結子会社化に伴うのれんを除く無形資産の償却費を含めています。
<売上高の状況>
JMDC社における契約健康保険組合数、データ利活用先である製薬企業および保険会社との取引量、さらに遠隔読影サービスを利用する医療機関数などが引き続き拡大し、売上高は堅調に推移しました。
<営業利益の状況>
JMDC社の連結子会社化に伴うのれんを除く無形資産の償却費の計上や、ソリューション事業創出に向けた投資を着実に実施した一方、JMDC社の売上高が増加したことにより営業利益は黒字となりました。
(2) 財政状態及びキャッシュ・フローの状況
財政状態
当社グループでは、持続的な企業価値向上に向けた投資を積極的に実行するとともに、資本効率を重視したROIC経営を継続しています。
当中間連結会計期間末の資産の合計は、借入による現預金が増加した一方で、営業債権が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ56億円減少して、13,492億円となりました。また、負債の部合計は、借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ176億円増加して、4,213億円となりました。純資産の部合計は、為替換算調整額の減少などにより、前連結会計年度末に比べ231億円減少して、9,279億円となりました。株主資本比率は56.6%となっており、強固な財務基盤が維持されています。
資金の流動性については、手元現預金は1,613億円を保有しており、加えて金融機関との間で300億円のコミットメントライン契約を締結しています。また、格付機関から長期発行体格付として継続的に高格付を獲得しており、高い資金調達力とグローバルで金融機関との良好な関係を維持しながら、資金の流動性と調達力を確保していきます。
<中間連結貸借対照表(抜粋)と財政状態に関連する指標>
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2024年3月期 (2024年3月31日) |
2025年3月期 中間連結会計期間 (2024年9月30日) |
増減 |
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資産合計(資産の部合計) |
13,547億円 |
13,492億円 |
△56億円 |
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負債の部合計 |
4,037億円 |
4,213億円 |
+176億円 |
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株主資本 |
7,867億円 |
7,635億円 |
△232億円 |
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非支配持分 |
1,643億円 |
1,644億円 |
+1億円 |
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純資産の部合計 |
9,510億円 |
9,279億円 |
△231億円 |
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負債及び純資産合計 |
13,547億円 |
13,492億円 |
△56億円 |
キャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
売上債権の減少や減価償却費の計上などにより238億円の収入(前年同期比19億円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
資本的支出や事業買収などにより298億円の支出(前年同期比108億円の支出増)となりました。
なお、当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローの金額から投資活動によるキャッシュ・フローを加味したフリーキャッシュ・フローの金額は△59億円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期債務の増加や長期借入れによる収入などにより229億円の収入(前年同期比343億円の収入増)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は前連結会計年度末に比べ183億円増加し、1,613億円となりました。
<中間連結キャッシュ・フロー計算書(抜粋)>
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2024年3月期 中間連結会計期間 |
2025年3月期 中間連結会計期間 |
増減 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
257億円 |
238億円 |
△19億円 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△190億円 |
△298億円 |
△108億円 |
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フリーキャッシュ・フロー |
68億円 |
△59億円 |
△127億円 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△114億円 |
229億円 |
+343億円 |
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減価償却費 |
138億円 |
168億円 |
+30億円 |
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資本的支出(設備投資) |
△188億円 |
△222億円 |
△34億円 |
(注)資本的支出は、中間連結キャッシュ・フロー計算書記載の金額
(3) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当中間連結会計期間において、当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発活動の金額は、215億99百万円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 従業員数
当中間連結会計期間において、従業員数は前連結会計年度末から連結会社において998名、提出会社において594名それぞれ減少し、当中間連結会計期間末日で連結会社27,452名、提出会社3,944名となっております。その主な理由はIAB、HCB、SSB、DMB、DSBおよび本社他において構造改革プログラム「NEXT2025」の経営施策のひとつである人員数・能力の最適化を実施したためであります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。