当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当中間連結会計期間における我が国経済は、各企業の賃金増や各種政策の効果もあり、消費動向が上向き景気は回復基調で推移いたしました。しかしながら、円安の継続、長期化するロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢などの地政学上のリスクによる原材料・エネルギー価格の高騰や賃金増を上回る物価の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
外食産業におきましては、インバウンド消費の拡大や消費動向の上向きに伴い景気は回復基調にあるものの、原材料・エネルギー価格の高騰や人手不足によるコストアップが継続し、厳しい経営環境が続いております。また、物価高騰による消費者の節約志向、ライフスタイルの変化により、多様な価値観が生まれてきております。
このような状況の中、当社は「お客様の喜びが私たちの喜びです」という社是のもと、経営戦略の柱として強い既存店づくり、成長投資、サステナビリティに取組み、客数及び客単価は堅調に推移しております。その一方で、鮪、サーモンなどを中心に原材料価格高騰の影響を受け、回転寿司事業における売上総利益率は、前年同期比0.9%の減少となりました。以上の結果により、当中間連結会計期間の売上高は369億65百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益は5億39百万円(前年同期比27.8%減)、経常利益は5億64百万円(前年同期比27.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は4億71百万円(前年同期比25.2%減)となりました。
次に事業の種類別セグメントの概況をご報告申し上げます。
<回転寿司事業>
・当社の経営戦略
当社は、物価高騰の継続や価値観の多様化が進む厳しい経営環境の中、社是の実現を目的とし、収益の拡大と社会の持続可能な発展、企業価値の向上を図るため、①強い既存店づくり、②成長投資、③サステナビリティの3つを経営戦略の柱としております。
① 強い既存店づくり
当社は、持続的な企業価値向上のためにも、既存店の収益力強化が重要であると認識し、以下の取組みを推進しております。
1)来店頻度向上
季節ごとのイベントに合わせた商品の販売や抽選で豪華景品をプレゼントするキャンペーン、旅行気分を味わうことができる産地限定フェア、普段使いと異なる贅沢感溢れる高付加価値商品の拡充、税込594円から販売するランチセットの拡充(一部店舗限定)などを通じて、多様な消費者ニーズへの対応を進めております。また、これらの情報については、より使いやすくリニューアルしたアプリや一部店舗ではLINEを活用した訴求を行っております。
店舗においては、切付・サービス技術の向上を推進する切付マイスター・サービスマイスターの育成に注力することで、NPSⓇ(ネット・プロモーター・スコア)評点の継続的な向上に取組み、顧客体験価値の向上を図っております。
2)新規顧客獲得
多数の厳選ネタを100円(税込110円)で提供するフェアや、「まぐろ(赤身)のにぎり」をお値段据置きで通常の25%大切りにして提供するフェアなどを通じて、価格訴求に取組んでまいりました。また、海苔ではなく「きゅうり」でシャリを巻いた「かっぱ軍艦」や、航空会社のファーストクラスの機内食などでも採用される黄金色のいくら「つきみいくらⓇ」を使用した他社にはないオリジナリティ溢れる商品を開発することで差別化を図ってまいりました。また、これらの情報については、テレビCMやSNSを通じて情報を発信してまいりました。
その他にも京都で人気を誇る予約の取れない中華の名店「にしぶち飯店」監修の「海鮮あんかけラーメン&創作寿司」や世界的パティシエが展開する「エキリーブル」監修のマロンスイーツなどの販売、「クレヨンしんちゃん」、「わんだふるぷりきゅあ!」などの人気コンテンツとのコラボ・キャンペーンを実施し、多様な価値観を持つ顧客層の取込みを図っております。
また、当中間連結会計期間において、38店舗にリードサインを新たに設置し、店舗の認知を拡大させ、一部店舗においては営業時間を延長して、来店機会の創出を図っており、いずれの取組みにおいても売上高増加効果を確認しております。
3)設備投資
設備投資については、当第2四半期連結会計期間において4店舗の改装を行った結果、当中間連結会計期間での既存店舗の改装投資は20店舗となりました。改装店舗においては、注文専用高速レーンや自動案内システム、セルフレジ、ご自身のスマートフォンがタッチパネル替わりになる「スマホオーダー」、テイクアウト専用ロッカーを導入し、顧客の利便性向上と店舗の省力化に繋がるサービスを強化しております。
② 成長投資
当社は、顧客の需要に合致する店舗ポートフォリオの見直しと、顧客満足度と生産性の向上に繋がる設備投資に取組み、事業成長を図っております。
1)新規出店
当社では、従来はロードサイドを中心に出店してまいりましたが、国内の人口動態の変化に対応するため、三大都市圏の駅前立地への出店や不採算店舗の閉鎖・移転など、店舗配置の最適化を進めております。当中間連結会計期間に3店舗の出店を行った結果、当中間連結会計期間末の店舗数は290店舗となりました。また、今後の出店においては、3店舗の出店契約が完了しております。
2)DX・AI活用
当中間連結会計期間において、新たに自動案内システムを9店舗(合計275店舗)、セルフレジを5店舗(合計234店舗)に導入し、顧客の利便性及び店舗の生産性向上を図っております。
③ サステナビリティ
当社は、社是である「お客様の喜びが私たちの喜びです」の考えのもと、食のインフラの担い手として、社会の持続可能な発展への貢献と企業価値の向上を目指すことを基本方針としております。
1)地球環境・地域・社会への貢献
「サステナメニュー」のカテゴリーを新設し、完全養殖黒瀬ぶり・陸上養殖琴浦グランサーモンや宮崎大学発のベンチャー企業Smoltが大学の研究シーズを活用して確立した、世界でも稀な山と海を介した循環型養殖方式で生産を行う桜鱒の卵である「つきみいくらⓇ」、大豆ミートなどのサステナブルフード商品の販売を行ってまいりました。また、毎日店内で切りつけた寿司ネタを余すことなく活用した商品の販売を通じて、食材廃棄量の削減に取組みました。一部店舗においては、駐車場にEV車用充電器の設置や、空調効率の向上と消費電力の低減を図るためのエアー搬送ファンを設置し、CO2排出量の削減による地球環境への貢献を推進しております。
2)人的資本投資
6%の賃上げや従業員エンゲージメントサーベイの実施及び評点の継続的な向上を図るアクションプランの実行を推進し、従業員のモチベーション向上を図っております。また、DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進委員会を発足し、外部講師によるセミナー開催やDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進のロードマップの策定と実行を進め、優秀な人財確保に取組んでまいります。
また、コロナ禍で停滞していた階層別研修・キャリアアップ研修の充実を図り、パートナーから取締役までの、次世代の人財育成を推進しております。
以上の結果、回転寿司事業の売上高は303億15百万円(前年同期比3.7%増)となりました。
<デリカ事業>
デリカ事業におきましては、原材料費や人件費等のコスト上昇分を商品改廃並びに価格転嫁において吸収しましたが、食料品全般の価格上昇による消費者マインドの低迷により売上高が減少いたしました。デザート事業においては、順調に推移し前年同期比26.9%増の売上高を確保しております。売上高回復に向け、女性活躍推進活動の一環として女性開発担当者を中心に消費者志向に対応した製品開発を実施し、需要の取込みを図ってまいります。食品安全面では、全工場が食品安全システムであるFSSC22000認証工場として、お客様に安全安心な製品を提供する万全な品質管理体制を基本として、業績向上に努めてまいります。
以上の結果、デリカ事業の売上高は66億49百万円(前年同期比5.3%減)となりました。
②財政状態
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は316億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億2百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が12億36百万円増加、売掛金が5億3百万円減少、機械及び運搬具が4億33百万円増加、工具、器具及び備品が3億63百万円増加したことによるものです。
(負債)
当中間連結会計期間末における総負債は213億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億59百万円増加いたしました。これは主に長期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が15億10百万円増加、社債及び1年内償還予定の社債が2億90百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は103億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億43百万円増加いたしました。これは主に、剰余金の配当2億46百万円による減少があったものの、親会社株主に帰属する中間純利益4億71百万円により利益剰余金が増加したことによるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが16億66百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローが6億58百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローが2億28百万円増加した結果、前連結会計年度末より12億36百万円増加し、91億74百万円(前連結会計年度末は79億37百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、16億66百万円(前年同期は得られた資金11億82百万円)となりました。
これは主に、税金等調整前中間純利益5億37百万円、減価償却費11億19百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、6億58百万円(前年同期は使用した資金12億42百万円)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出5億51百万円、敷金及び保証金の差入による支出76百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、2億28百万円(前年同期は得られた資金13億28百万円)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入25億円、長期借入金の返済による支出9億90百万円、社債の償還による支出2億90百万円、割賦債務の返済による支出7億41百万円、配当金の支払による支出2億45百万円等によるものであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間におきまして、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
当社は、2024年9月30日開催の当社取締役会において、株式会社レインズインターナショナルが保有する連結子会社であるカッパ・クリエイトコリア株式会社の全株式(議決権所有割合80%)及び韓国における商標権、貸付金を取得することを決議し、2024年10月1日に譲受契約を締結しました。
詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりです。