第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)のわが国経済は、雇用・所得環境の改善により個人消費は持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかに回復しています。一方で海外経済においては、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化、中国経済の減速等の国際的な不安定要素が依然として存在し、資源・エネルギー価格の高騰、急速な為替変動等がわが国の景気を下押しするリスクとなっており、先行きは不透明な状況で推移しました。

物流業界におきましては、生産関連貨物について、堅調な企業収益等の影響により設備投資は一部に弱い動きがみられるものの、全体として底堅く推移しました。また、建設関連貨物については、公共投資や住宅投資の伸び悩みを受け、低調な荷動きとなりました。

国際貨物輸送につきましては、輸出は、海外経済の持ち直しと円安による押し上げ効果の継続もあり、緩やかな増加基調となりました。輸入は、物価上昇や円安進行による下押しが緩和したものの、低調に推移しました。

このような経営環境の下、当社グループは、2024年度から2026年度までの3カ年を対象期間とする中期経営計画を策定し、①「将来のありたい姿に向けて、利益向上を目的とした基本戦略を展開し、ステークホルダー(株主、従業員、取引先、地域社会)の期待に応えるとともに、成長投資を実行することにより、企業価値向上を図る」、②「マテリアリティの解決をはじめとしたESG経営を推進し、持続的社会の発展に貢献する」を基本方針として、取り組んでおります。

物流事業においては、物流サービス強化を図るため、横浜港流通センター(神奈川県横浜市)及び危険物マルチワークステーション朝倉サイト(福岡県朝倉市)を2024年9月に開設しました。また、経営資源を有効活用し、資本効率の向上を図るため、固定資産の売却や連結子会社の組織再編に伴う体制強化及びICTを活用した業務効率化に取り組みました。

これらの結果、当中間連結会計期間の営業収益は、196億8千8百万円と前中間連結会計期間に比べ2億3千5百万円(1.2%)の減収となりましたが、営業利益は2億8千3百万円と前中間連結会計期間に比べ2億円(241.7%)の増益、経常利益は3億3千2百万円と前中間連結会計期間に比べ1億4百万円(45.6%)の増益となりました。

また、親会社株主に帰属する中間純利益は2億4千8百万円と前中間連結会計期間に比べ1億2千6百万円(103.0%)の増益となりました。

 

 

セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。

 

① 物流事業

物流事業におきましては、国際貨物について、海外経済は全体的に持ち直してきているものの、悪天候による船社のスケジュール調整に伴う寄港隻数の減少のほか、中国からの1隻あたりのコンテナ積載数量が減少している影響により、海上コンテナの取扱量は減少しました。

ロシア・中央アジア関連貨物については、ウクライナ情勢等の影響により、ロシア向けの生産関連貨物や消費財関連貨物の取扱量は引き続き減少しました。また、中央アジア向けの自動車関連貨物は、一部の地域において、中国との国境におけるコンテナ滞留の影響により取扱量は減少しましたが、その他の地域向けの自動車関連貨物、消費財関連貨物、ODA案件の取扱量は増加しました。

液体輸送関連貨物については、紅海における治安悪化及び円安の影響により海上運賃の高騰した中東、欧州向け輸出取扱いが増加したため、収益及び費用が増加しました。

国内貨物については、住宅投資が金利や地価上昇の影響を受けて低調に推移したこと等により、建材関連貨物が弱い荷動きとなり、カーフェリー輸送や陸上輸送での取扱量は減少しました。

倉庫関連貨物については、需要の増加により危険品貨物の収益は増加したものの、円安や物価高の影響により輸入貨物の取扱量が減少し、総じて収益は減少しました。

これらの結果、物流事業の営業収益は、149億6千万円と前中間連結会計期間に比べ7千4百万円(0.5%)の増収となり、セグメント利益は、8億1千4百万円と前中間連結会計期間に比べ2億2千9百万円(39.2%)の増益となりました。

 

② 海運事業

海運事業におきましては、内航船について、セメント船は、労務費用の高騰や人手不足を背景とした工期の長期化等が下押し要因となり公共投資が横ばいで推移したことに加え、船舶の定期検査や入渠臨時修繕等が発生したことにより、取扱量は減少しました。内航貨物船は、一般貨物船において、建設発生土等の輸送量が減少しましたが、粉体船においては、2024年7月より新造代替船が稼働し1隻増加したことにより、取扱量は増加しました。外航船は、一般貨物船において、受注航海数が減少したことにより収益は減少しました。

旅客船配乗業務については、社会経済活動の正常化に伴うインバウンド需要の増加や通常運航体制による稼働率増加を背景に、収益は増加しました。

これらの結果、海運事業の営業収益は、43億1千万円と前中間連結会計期間に比べ2億7千3百万円(6.0%)の減収となり、セグメント利益は、2億2千8百万円と前中間連結会計期間に比べ2百万円(1.0%)の減益となりました。

 

③ 不動産事業

不動産事業におきましては、保有資産の適正な維持管理を行いました。一方で、当社が所有している土地の契約内容の更新等に伴い、賃料収入が減少しました。

これらの結果、不動産事業の営業収益は、2億9千3百万円と前中間連結会計期間に比べ3千7百万円(11.2%)の減収となり、セグメント利益は、2億3千7百万円と前中間連結会計期間に比べ5千1百万円(17.9%)の減益となりました。

 

④ その他事業

その他事業におきましては、植物工場のある東海地方において、猛暑の影響によりハチの受粉活動が低下し不着果果実が増加したことや病害虫被害の発生等を背景に、収穫量は減少しましたが、販売単価の底上げを実施した高単価品種の出荷量が増加したことにより、収益は増加しました。一方で、生育管理の工数増加に伴う人件費や、老朽化による設備・機材の計画外修繕費が増加しました。

これらの結果、その他事業の営業収益は、1億2千4百万円と前中間連結会計期間に比べ0百万円(0.3%)の増収となりましたが、セグメント利益は、1千9百万円と前連結会計期間に比べ5百万円(22.7%)の減益となりました。

 

上記セグメント利益は、セグメント間取引消去前の金額で記載しており、中間連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

資産合計は、前連結会計年度末に比べ25億8千8百万円増加の413億1千8百万円6.7%増)となりました。主な要因は、受取手形及び営業未収入金が9億2千4百万円、横浜港流通センター及び危険物マルチワークステーション朝倉サイトの稼働開始等に伴い建設仮勘定が23億3千7百万円減少した一方、建物及び構築物が50億7千5百万円、現金及び預金が4億9千4百万円増加したこと等によります。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ23億4百万円増加の240億5千万円10.6%増)となりました。主な要因は、短期借入金が5億8千6百万円、営業未払金が3億4千万円減少したものの、長期借入金が23億3千万円、危険物マルチワークステーション朝倉サイト建設工事等の未払金の増加等により流動負債のその他が7億2千8百万円増加したこと等によります。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億8千4百万円増加の172億6千7百万円1.7%増)となりました。主な要因は、利益剰余金が1億3千5百万円(うち親会社株主に帰属する中間純利益の計上2億4千8百万円及び配当金の支払い1億1千3百万円)、為替換算調整勘定が5千8百万円、その他有価証券評価差額金が4千7百万円、自己株式の取得及び処分により自己株式が3千9百万円、非支配株主持分が4百万円増加したこと等によります。

この結果、自己資本比率は41.5%と前連結会計年度末に比べて2.0ポイントの減少となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から4億9千4百万円増加し65億4千8百万円となりました。

当中間連結会計期間において営業活動により得られた資金は12億5千3百万円の収入となり、前年同期と比べ11億9千8百万円増加しました。税金等調整前中間純利益が1億9千4百万円増加したほか、売上債権の増減額が16億5千4百万円減少し、仕入債務の増減額が3億6千5百万円減少したこと等が影響しました。

投資活動による支出は20億2千9百万円となり、前年同期と比べ2億3千1百万円増加しました。横浜港流通センター及び危険物マルチワークステーション朝倉サイトに関わる大型設備投資を行ったこと等により、有形固定資産の取得による支出が9億8千1百万円増加しましたが、有形固定資産の売却による収入が4億2千6百万円増加したこと等が影響しました。

財務活動による収入は12億6千3百万円となり、前年同期と比べ11億5千9百万円増加しました。大型設備投資に伴い長期借入れによる収入が21億2千8百万円増加し、手元資金の有効活用による有利子負債の圧縮を行った結果、短期借入れによる収入は20億6千万円、短期借入の返済による支出は5億円それぞれ減少したこと等が影響しました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。