当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や、インバウンド需要の増加等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、物価高による節約志向の高まりに起因する消費マインドの低下に加えて、中国経済の回復の遅れ等、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっております。また、金利の上昇等金融市場の変動には十分注意する必要があるものと認識しております。
このような状況のなか、中期経営計画最終年度となる2025年3月期につきましても、「Transformation Now!“お客さま起点で価値を創造する新時代の金融サービスグループへ”」をスローガンに掲げ、4つの事業戦略(①重点市場の深耕と新規事業の探索②顧客ニーズを起点としたマーケットイン型営業の確立③異業種・先端企業との協働による新たなサービスの創出④プロセスイノベーションの深掘)を着実に進捗させております。
なお、2024年5月10日に公表した2025年3月期通期の連結業績予想を以下のとおり修正いたしました。その主な理由は、海外のタイ子会社、インドネシア子会社、2024年3月にイオンフィナンシャルサービス株式会社との業務提携の一環として連結子会社化しました株式会社オリコプロダクトファイナンスの各社における業績の下振れによるものであります。
タイ子会社におきましては、タイ経済と自動車販売市場の低迷に加え、営業戦略の転換が道半ばの状況であることから取扱高が伸長せず、需給悪化による自動車価格下落を受けた引揚車両の売却損の拡大もあり経常利益が期初計画を大きく下回る見込みとなりました。
また、インドネシア子会社におきましても、自動車販売市場の低迷やインフレの継続による家計逼迫の影響に加え、取扱いを拡大した商用車等の一部取扱車種で延滞債権が想定以上に増加したことから、貸倒関係費が期初計画を上回り、経常利益が期初計画に届かない見通しとなりました。
株式会社オリコプロダクトファイナンスにつきましては、PMI(Post Merger Integration)を進めておりますが、業務改善命令を踏まえた営業方針変更の影響等により取扱高が想定通り進捗しなかったことに加え、市場金利の上昇に伴う流動化収益の減少を主因に、今期の経常利益が期初計画から大きく乖離する見通しとなったものであります。
以上を主因といたしまして、当期の経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がともに前回発表予想を下回る見通しとなったものであります。
タイ子会社につきましては、量より質を軸とした事業戦略を推進し、良質債権の積上げを図るとともに、貸倒関係費の圧縮を進め、インドネシア子会社につきましては、体制を刷新し、与信・回収及び営業体制を強化し、債権ポートフォリオの良質化を進めてまいります。
株式会社オリコプロダクトファイナンスにつきましては、連結化効果を高めるべくPMIを加速し、安定的に収益を上げられる事業構造への転換をめざしてまいります。加えて、同社の基盤・強みを活かしたシナジー効果の追求等を通じ、当社の収益基盤の更なる強化を図ってまいります。
当中間連結会計期間の業績につきましては、以下のとおりであります。
営業収益につきましては、重点領域である決済・保証事業等の伸長に加え、連結子会社化した3社の収益貢献により、前年同期差112億円増加の1,234億円となりました。
セグメントごとの事業収益及び経営成績は以下のとおりであります。
(参考)事業収益の事業別内訳
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(単位:億円) |
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事業 |
前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
前年同期比 (%) |
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決済・保証 |
105 |
119 |
13.0 |
|
海外 |
70 |
75 |
6.9 |
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カード・融資 |
362 |
356 |
△1.5 |
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(内、カードショッピング) |
(275) |
(275) |
(0.2) |
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個品割賦 |
305 |
376 |
23.2 |
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銀行保証 |
165 |
175 |
6.0 |
|
その他 |
39 |
40 |
3.3 |
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計 |
1,048 |
1,143 |
9.1 |
■決済・保証事業
決済・保証事業につきましては、家賃決済保証や売掛金決済保証が伸長したことにより、取扱高は前年同期差で増加しました。
家賃決済保証では、単身世帯数の増加等により市場は拡大傾向にあるなか、電子申込による利便性向上等が貢献しました。売掛金決済保証では、既存加盟店の取扱高伸長に加え、みずほ銀行との連携強化により新規提携社数も順調に拡大しました。
これらの結果、決済・保証事業の事業収益は、119億円(前年同期比13.0%増)となりました。
■海外事業
海外事業につきまして、海外子会社3社合計の取扱高は、タイ子会社の取扱高減少を主因に、前年同期差で減少しました。タイやインドネシアでの長引く国内経済の低迷により厳しい事業環境が継続しておりますが、引続き回収体制の強化や与信基準の厳格化による良質債権の積み上げに努めるとともに、ガバナンス体制の徹底的な強化により、安定的な成長を図ってまいります。
これらの結果、海外事業の事業収益は、75億円(前年同期比6.9%増)となりました。
■カード・融資事業
カード・融資事業につきまして、カードショッピングの取扱高は、キャッシュレスが浸透し、市場が拡大傾向にあるなか、大型提携先での利用が好調に推移したことにより、前年同期差で増加しました。融資残高は、新規取扱いが減少したこと等により、前年同期差で減少となりました。
これらの結果、カード・融資事業の事業収益は、356億円(前年同期比1.5%減)となりました。
■個品割賦事業
個品割賦事業につきまして、オートローン及びショッピングクレジットの取扱高は、株式会社オリコプロダクトファイナンスの連結子会社化により、前年同期差で増加しました。一方、株式会社オリコプロダクトファイナンスの主要商品の入れ替え等による取扱高への影響や、市場金利の上昇に伴う流動化収益の減少影響には注視してまいります。
これらの結果、個品割賦事業の事業収益は、376億円(前年同期比23.2%増)となりました。
■銀行保証事業
銀行保証事業につきましては、地域の課題に応じた金融商品・サービスの提供に取り組んでおり、証書貸付における取扱高の順調な拡大を背景に、保証残高は前期末から増加しました。
この結果、銀行保証事業の事業収益は、175億円(前年同期比6.0%増)となりました。
営業費用につきましては、連結子会社化した3社の影響による一般経費の増加や金利上昇影響による金融費用の増加を主因に前年同期差100億円増加の1,162億円となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の経常利益は、前年同期差12億円増加の71億円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益につきましては、前連結会計年度に計上した特別利益の剥落や法人税等調整額の増加により前年同期差63億円減少の37億円となりました。
資産の状況につきまして、資産合計は前連結会計年度末の3兆1,477億円から2,027億円減少し、2兆9,449億円となりました。これは主に、有利子負債の返済等に伴う現金及び預金の減少によるものであります。
負債の状況につきまして、負債合計は前連結会計年度末の2兆9,020億円から1,976億円減少し、2兆7,044億円となりました。これは主に、有利子負債の減少によるものであります。
また、純資産につきましては、前連結会計年度末の2,456億円から51億円減少し、2,405億円となりました。これは主に、配当金の支払いによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、2,634億円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の営業活動による資金の減少は、255億円(前年同期差1,248億円の支出減)となりました。
これは、主に売上債権残高が増加したこと及び買掛金等の仕入債務が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の投資活動による資金の減少は、57億円(前年同期差21億円の支出減)となりました。
これは、主に当社の成長に資する戦略的なシステム投資を行い、無形固定資産(ソフトウエア)を取得したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の財務活動による資金の減少は、1,846億円(前年同期差2,479億円の支出増)となりました。
これは、主にコマーシャル・ペーパーの償還及び短期借入金の返済が進んだこと等によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
記載すべき事項はありません。
当中間連結会計期間において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。