当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における当社グループを取り巻く事業環境は、米国では、物価上昇が鈍化し政策金利が引き下げに転じる中、経済活動は個人消費に支えられ底堅く推移しました。中国では、不動産不況の長期化や消費の低迷など内需の不振により、景気は弱い動きが続いています。国内においては、政策金利の引き上げが実施される中、インバウンド需要の増加や設備投資の拡大により、景気は緩やかに回復しました。今後、国際情勢不安定化による原燃料価格の変動、中国や米国などの景気動向が、事業環境に影響を及ぼすことが予想されます。
こうした事業環境のもと、セラミックコンデンサ用離型フィルム、包装用フィルムは、荷動きは緩やかに回復しましたが、本格的な需要の回復には至りませんでした。一方、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”、リチウムイオン電池セパレータ製造工程で使用されるVOC回収装置、中東向け特化生地は堅調に推移しました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は前年同期比97億円(4.9%)増の2,092億円となり、営業利益は同46億円(193.5%)増の69億円、経常利益は同21億円(206.5%)増の32億円、親会社株主に帰属する中間純利益は、同19億円(94.3%)減の1億円となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。
(フィルム)
包装用フィルム事業では、荷動きは緩やかに回復し、原燃料価格に対する製品価格の改定は進捗しましたが、新製品の開発費用などコスト上昇の影響を受けました。
工業用フィルム事業では、セラミックコンデンサ用離型フィルムは、サプライチェーン全体の在庫調整は完了しましたが、本格的な需要拡大に至らず低調でした。液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”は堅調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は前年同期比48億円(6.1%)増の828億円、営業利益は同16億円(110.4%)増の30億円となりました。
(ライフサイエンス)
バイオ事業では、診断薬用原料酵素は国内外ともに堅調に推移しましたが、生産能力増強に伴う費用が増加しました。
メディカル事業では、人工腎臓用中空糸膜の需要は堅調に推移しましたが、製造コストの上昇に加え、新工場の立上げ費用の増加の影響を受けました。
医薬品製造受託事業では、FDAからのWarning Letterが解除されたことにより、収益性が改善しました。
この結果、当セグメントの売上高は前年同期比6億円(3.9%)増の172億円となり、営業利益は同15億円(62.2%)減の9億円となりました。
(環境・機能材)
樹脂・ケミカル事業では、エンジニアリングプラスチックは、北中米向け自動車用途の販売が拡大しました。水現像型感光性印刷版用途の光機能材料は、中国を中心に販売が増加しました。
環境・ファイバー事業では、環境ソリューションは、リチウムイオン電池セパレータ製造工程で使用されるVOC回収装置や交換用エレメントの販売が増加したことに加え、リチウムを濃縮回収するためのBC(Brine Concentration)膜装置の販売が寄与しました。高機能ファイバーは、海外需要を着実に取り込み、堅調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は前年同期比27億円(5.1%)増の552億円、営業利益は同30億円(806.9%)増の34億円となりました。
(機能繊維・商事)
衣料繊維事業では、中東向け特化生地は、強い需要に牽引され販売を伸ばしたことに加え、為替影響により輸出採算が好転しました。さらに、国内生産拠点集約などの構造改革により、収益性が改善しました。
エアバッグ用基布事業では、製品価格の改定が進み、収益性が改善しました。
この結果、当セグメントの売上高は前年同期比23億円(5.0%)増の479億円、営業利益は1億円となりました(前年同期は営業損失9億円)。
(不動産、その他)
当セグメントでは、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は前年同期比6億円(9.7%)減の60億円、営業利益は同2億円(15.9%)減の12億円となりました。
資産、負債及び純資産の状況
総資産は、前年度末比38億円(0.6%)減の6,032億円となりました。これは主として設備投資により有形固定資産が増加した一方で、現金及び預金や受取手形及び売掛金が減少したことによります。
負債は、前年度末比26億円(0.7%)減の3,743億円となりました。これは主として借入金が増加した一方で、支払手形及び買掛金や電子記録債務が減少したことによります。
純資産は、非支配株主持分が増加した一方で、配当金の支払などにより利益剰余金が減少したことから、前年度末比12億円(0.5%)減の2,289億円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比70億円(69.6%)収入が増加し、171億円の収入となりました。主な内容は、減価償却費112億円と売上債権の減少による資金の増加29億円および税金等調整前中間純利益23億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比26億円(9.6%)支出が減少し、243億円の支出となりました。主な内容は、有形及び無形固定資産の取得による支出246億円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期154億円の支出に対し、13億円の収入となりました。主な内容は、長期借入れによる収入306億円および社債の発行による収入170億円と、短期借入金の純減少額198億円、社債の償還による支出150億円、長期借入金の返済による支出53億円および配当金の支払額35億円です。
この結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前年度末比62億円減の271億円となりました。
(3)事業上および財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は7,235百万円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。