当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当中間連結会計期間における世界経済は、金融引き締めの継続による各国経済への影響や、地政学リスクの高まり等、先行きが不透明な状況が続いております。米国では、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の動向が注視されますが、底堅い雇用情勢や好調が続く個人消費を背景に堅調に推移しました。欧州では、インフレ圧力緩和による個人消費の持ち直し等に伴い穏やかな回復基調となりました。中国では、個人消費の減少や不動産市場の低迷により、依然として弱い動きが継続しております。国内経済においては、世界経済の停滞や為替レートの急激な変動による物価の変動等が懸念されますが、企業の業績回復を背景に景気は回復基調にあります。当社の属する電子部品業界は、自動車業界では一部自動車メーカーの生産や出荷停止の影響が緩和し回復基調にあります。一方でエアコン向け製品など最終需要の低迷等により回復が遅れている分野では伸び悩む等、予断を許さない状況です。
このような状況の中、当社グループは5月20日に発表した中期経営計画(2024-2026)の達成に向けて取組んでおり、長期的な経営構想を立て、新たな価値を創造することを目指しています。そのための経営基盤として製品開発、生産性向上、マーケティングに注力します。技術面である製品開発につきましては、お客先さまのニーズを超える製品を開発し、顧客満足度の向上及び技術革新に繋げ、新製品の開発、新市場の拡大を目指します。製造面での生産性向上につきましては、AIやロボットを導入した製造設備の研究・開発や継続的な改善活動、また海外工場へのライン移管、多直化により生産性向上を目指します。引き続き原材料調達については、グローバル調達を推進し、リードタイムの短縮や材料調達コスト削減等、コストを抑え安定的に供給出来る体制づくりを進めております。
マーケティングにつきましては、全世界のお客先さまとの連携によるシナジー効果を創出し、新分野や新市場の開拓、新製品開発等に繋げてまいります。また、引き続きEV/HVへの販売拡大を中心とし、加えて環境規制やエネルギー効率化に関わる分野へも積極的に営業活動を展開しております。事業分野毎の実績につきましては、ホームアプライアンスでは電子レンジやコーヒーメーカー等を始めとした調理機器用センサが増加した一方、エアコン向けセンサの落ち込みが続いており、販売が減少しました。オートモーティブでは引き続き、電動化推進などにより、EV/HV用モーター向けセンサの販売が増加しました。インダストリアルでは汎用インバータ向け素子の販売が減少しました。
最近の取り組みとしましては、2024年11月に新事業開発室を発足し、新たな価値創造の取り組みに着手しております。また、2026年1月を目途に、事業拡大に伴う本社機能の充実、社員の働きやすさ、優秀な人財確保を図るため、自社保有の社屋に移転する予定です。人的資本に関する投資では、引き続き働き方の多様化への対応や人財育成、ダイバーシティ推進、社員の健康増進支援、ガバナンス強化、二酸化炭素排出量削減などのESG課題にも積極的に取組んでおります。
その結果、当中間連結会計期間の業績は以下の通りとなりました。
(単位:百万円)
各事業分野の売上高は、以下のとおりであります。
(2) 財政状態
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動に必要な資金の確保及び健全な財政状態の維持を財務方針としております。
当中間連結会計期間の連結財政状態は以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
(資産)
当中間連結会計期間の流動資産は、前連結会計年度比1,814百万円減少しました。現金及び預金が937百万円、製品及び商品が411百万円、流動資産その他の中の未収消費税が513百万円減少しました。
固定資産は前連結会計年度比で749百万円増加しました。国内外各社の製造設備部材購入及び製造設備導入並びに新社屋建設等により、建設仮勘定が607百万円増加しました。
(負債)
当中間連結会計期間の負債は、前連結会計年度比829百万円減少しました。買掛金が393百万円減少しました。
また、長短借入金が300百万円減少しました。
(純資産)
当中間結会計期間の純資産は、前連結会計年度比235百万円減少しました。配当金の支払い等により利益剰余金が220百万円減少し、自己株式を取得したことにより自己株式が592百万円増加した一方、為替換算調整勘定が557百万円増加しました。
このように純資産は全連結会計年度比で減少しましたが、負債の減少が純資産の減少を上回ったため、自己資本比率は、前連結会計年度末の80.6%から82.0%となりました。期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の2,300円80銭から2,313円10銭となりました。
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,385百万円(前中間連結会計期間3,725百万円)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益2,638百万円、減価償却費816百万円、未収消費税の減少額513百万円等の資金の増加が、法人税等の支払額831百万円、棚卸資産の減少額735百万円、仕入債務の減少額298百万円等の資金の減少を大幅に上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,338百万円(前中間連結会計期間1,010百万円)となりました。これは主に、国内外各社の生産性向上のための設備投資や新社屋建設費用等の有形固定資産の取得による支出1,297百万円を行ったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3,248百万円(前中間連結会計期間は使用した資金2,085百万円)となりました。これは主に、配当金の支払2,306百万円及び自己株式の取得による支出637百万円、長期借入金の返済による支出300百万円等の資金の減少によるものです。
上記に加え円安要因による為替換算の影響により、40百万円の資金が減少した一方、海外子会社の決算期変更により、連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増加額が299百万円ありました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は185百万円となりました。
該当事項はありません。