当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(1) 経営成績の分析
当社グループは、今期より3カ年の中期経営計画「CHALLENGE 2026」(2025年3月期~2027年3月期)をスタートしました。注力事業をクラウド、セキュリティ、超高速開発の3事業に洗練・集約して事業構造変革を加速するとともに、データ&AIを活用した新たな価値創造に挑み、継続的な成長と高い収益性の実現を目指します。
当社グループのお客様においては、クラウドファースト(クラウド利用を最優先とする考え方)でのIT環境やシステムの検討が進んでいます。複雑化するIT環境や働き方の多様化など、企業の様々なニーズに柔軟に対応するためマルチクラウドに対応したクラウド、セキュリティのサービスとソリューションを展開し、企業のクラウド活用を促進しています。クラウド、セキュリティのクロスセルや、最適なサービスを組み合わせた全体提案の推進が案件の大型化につながり、ストックビジネスの受注が拡大しました。
超高速開発は、大型案件を含む複数の開発プロジェクトが進行しており、前期末に遅延が発生したプロジェクトの対応に引き続き専念しました。高付加価値の超高速開発に注力する一方で、大手メーカーの汎用機撤退に伴うモダナイゼーションの大型案件(従来型開発)の受注が安定確保できており、結果としてSIビジネス全体のマイナス幅を縮小することができました。
この結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高35,822百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益3,182百万円(同39.5%増)、経常利益3,321百万円(同39.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益2,307百万円(同36.2%増)となりました。注力事業であるクラウド、セキュリティの大幅な成長に加え、お客様のシステム更改に伴うハードウェアの刷新も重なり、前年同期比で増収増益を達成しました。
計画を上回る進捗により通期業績予想及び期末配当予想を上方修正しました。修正後の通期業績予想は、営業利益5,800百万円(増減率13.7%増)、経常利益5,900百万円(同13.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,100百万円(同14.2%増)を見込んでいます。尚、売上高については当初予想を据え置きます。また、期末配当予想は1株当たり71円(前回予想比18円増)、年間配当予想は124円に修正しました。
事業分野別の概況は、以下の通りです。
[情報ソリューション]
情報ソリューションは、システム開発(SI)、サービス、システムの3つに分類し、注力事業であるクラウド、セキュリティ、超高速開発を中心にビジネスを展開しています。
・システム開発(SI)
超高速開発については、先行したローコード開発への取り組みと480件を超える導入実績から、基幹システム刷新の案件規模が大型化しています。それに伴い業界・業務理解における課題が顕在化し、前期末より一部のプロジェクトで遅延が生じました。引き続き人的リソースの集中投入と体制強化を図り、今期正常化に向けて段階的に改善しています。注力業種(学習塾、建材業、鉄鋼業、食品業)を中心にマイクロアセットサービスの蓄積及び開発における適用率は着実に向上しており、継続的な業種・業務知識の習得促進と併せ、開発品質と生産性の向上を実現していきます。
・サービス
クラウドについては、前期後半に発表されたVMware製品(仮想化ソフトウェア)のライセンス価格の高騰を背景に、VMwareを利用するオンプレミス環境からクラウドへの移行提案を推進しています。既存のインフラ投資額と比較して平均30%のコスト削減を可能にする、運用&最適化付クラウドサービス「EcoOne」が好調で、当中間連結会計期間における新規受注高は過去最高となりました。SaaS領域ではMicrosoft 365、オンラインストレージ(Dropbox)、kintoneがそれぞれ順調に伸長しました。JBCC株式会社は大手企業へのkintoneシステムの構築実績や技術力などが総合的に評価され、サイボウズ社初のkintoneエンタープライズパートナーの1社に認定されました。下半期にはkintone、Microsoft 365の運用サービスの拡充を予定しています。
- JBCC、「kintoneエンタープライズパートナー認証」を取得(2024年7月発表)
https://www.jbcchd.co.jp/news/2024/07/09/110000.html
- 江ノ島電鉄のDX基盤をMicrosoft Azure、Microsoft 365で実現(2024年10月発表)
https://www.jbcchd.co.jp/news/2024/10/15/110000.html
セキュリティについては、昨今のサイバー攻撃による深刻な被害の報道を受け、お客様の関心と投資意欲が高まっています。セキュリティの提案機会も増加しており、好調なクラウド事業と併せてクラウドセキュリティの領域が継続して伸長しました。また、実際にサイバー攻撃を受けた企業からの調査・復旧などの対応依頼が増加しており、高度技術エンジニアを中心にセキュリティインシデントへの対応力が評価され、恒久的なセキュリティ対策の受注につながりました。継続したセキュリティの全体提案の推進により、1社当たりの契約金額は増加傾向にあります。
・システム
ハードウェアやソフトウェアの販売を行っており、お客様のクラウド利用への移行に伴い、中長期では縮小傾向にあります。当中間連結会計期間においては、お客様のシステム更改によるハードウェアの刷新が重なり、売上高が増加しました。
以上の結果、情報ソリューションの売上高は、34,879百万円(前年同期比8.9%増)となりました。
[製品開発製造]
製品開発製造は、当社グループ独自のソフトウェア、クラウドサービス及びプリンターなどの情報機器の開発・製造・販売を行っています。主力サービスであるクラウドデータ連携基盤「Qanat Universe」は、国内の主要な業務系SaaSにデータ連携機能を提供するビジネスを展開しており、安定した高品質サービスの提供を第一に連携先SaaSの拡充を図っています。プリンター類のハードウェアは、引き続き縮小傾向にあります。
- タレントマネジメントシステム「HRBrain」、Qanat Universeを活用したCSV連携プラットフォームを提供開
始(2024年7月発表) https://www.jbat.co.jp/topics/20240718.html/
- 大塚商会「たよれーる ATTAZoo+Lite」、JBATのkintone連携プラグイン「ATTAZoo+」(*)を機能限
定パッケージで提供(2024年7月発表) https://www.jbat.co.jp/topics/20240708.html/
*ATTAZoo+:JBアドバンスト・テクノロジー株式会社が開発・提供する、サイボウズ社kintoneのプラグ
イン
以上の結果、製品開発製造の売上高は942百万円(前年同期比1.0%減)となりました。
[事業分野別の状況] (単位:百万円)
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2024年3月期 中間期 |
2025年3月期 中間期 |
前年同期比 |
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情報ソリューション |
システム |
売上高 |
9,084 |
8,350 |
△8.1% |
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売上総利益 |
3,052 |
2,236 |
△26.7% |
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% |
33.6% |
26.8% |
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|
|
サービス |
売上高 |
15,931 |
18,882 |
+18.5% |
|
|
|
売上総利益 |
4,530 |
5,902 |
+30.3% |
|
|
|
% |
28.4% |
31.3% |
|
|
|
システム |
売上高 |
7,004 |
7,647 |
+9.2% |
|
|
|
売上総利益 |
1,547 |
1,621 |
+4.8% |
|
|
|
% |
22.1% |
21.2% |
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|
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合計 |
売上高 |
32,019 |
34,879 |
+8.9% |
|
|
|
売上総利益 |
9,130 |
9,761 |
+6.9% |
|
|
|
% |
28.5% |
28.0% |
|
|
製品開発製造 |
|
売上高 |
951 |
942 |
△1.0% |
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売上総利益 |
602 |
616 |
+2.2% |
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|
|
% |
63.3% |
65.4% |
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|
合計 |
|
売上高 |
32,971 |
35,822 |
+8.6% |
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|
|
売上総利益 |
9,733 |
10,377 |
+6.6% |
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|
|
% |
29.5% |
29.0% |
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(2) 財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,118百万円増加し、39,325百万円となりました。これは主に現金及び預金が2,658百万円増加、受取手形、売掛金及び契約資産が992百万円増加した一方、商品及び製品が1,951百万円減少したことによるものです。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ436百万円増加し、16,465百万円となりました。これは主に賞与支払いにより未払費用が580百万円減少した一方、契約負債が867百万円増加したことによるものです。なお、システム開発での遅延プロジェクトの見直しと正常化のため将来損失見込みを追加し、受注損失引当金が160百万円増加しましたが、今期正常化を見込んでいます。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,681百万円増加し、22,859百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する中間純利益により2,307百万円増加した一方、配当金の支払いにより836百万円減少したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ2,658百万円増加し、12,561百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動による資金の増加は3,498百万円(前年同期は315百万円の減少)となりました。増加要因としては、主に税金等調整前中間純利益3,346百万円、減少要因としては、主に売上債権及び契約資産の増加1,000百万円によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動による資金の増加は46百万円(前年同期は289百万円の増加)となりました。増加要因としては、主に投資有価証券の売却による収入113百万円によるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動による資金の減少は879百万円(前年同期は919百万円の減少)となりました。減少要因としては、主に配当金の支払い836百万円によるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は160百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。