当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国の経済は、国内経済の正常化が進み、景気回復の兆しが見られています。一方で、国際情勢は依然として不安定な状態が続いており、また世界的な金融引締めに伴う為替変動の影響、継続的な物価上昇圧力に伴う世界経済の下振れリスクにより、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
このような事業環境のもと、当社は当中間連結会計期間中に東証プライム市場へ市場変更を行いました。2022年12月の東証グロース市場上場以来、毎期増収増益を実現しており、今後も2つの主力事業のオーガニックな成長に加え、新規サービスの強化並びに新たなM&Aの機会や業務提携等を模索し、非連続的な成長を創出し続けることで、更なる企業価値向上を目指すため市場変更をいたしました。
そのような環境下の中、当中間連結会計期間においても、主力事業であるメディカルプラットフォーム事業の「Medical DOC」は引き続き需要が強く堅調な伸びを示しました。スマートクリニック事業においても、前中間連結会計期間に導入した新サービス「NOMOCa AI chat」が販売開始から1年が経ちましたが、主力商品の仲間入りを果たし、当中間連結会計期間において契約件数が拡大しました。当サービスはお客様のクリニックのFAQデータやWEBサイト情報をもとに、ChatGPTを搭載することで、複雑な質問に口語体で自然にAI chatbotが受け答えします。本サービスは当社のスマートクリニック事業が2024年年初から新たに掲げたビジョンである「クリニックオートメーションによる患者さんの利便性・クリニックの生産性最大化」に沿っており、新規および既存のお客様から継続的に反響を得ております。
当社の成長ドライバーの一つである人員においては、当中間連結会計期間においても採用活動を活性化させ、新たに約20名が中途採用として入社し、教育・育成部署に配属されました。また営業側の採用だけではなく、プロフェッショナル採用も行い、非営業部門の増員増強を図りました。弊社として社員は資産であるという考えのもと、積極投資を継続し、即戦力となる人員の採用を継続的に行い、人的資本の強化に努めております。また、営業人員一人当たりの生産性も改善していけるよう営業とサービスが連携しながら取り組みを強化しております。様々な取り組みの結果、当社グループの主力事業のオーガニック成長に貢献し、また、非連続的な成長の創出にも積極的に取り組むため、新事業・新サービスに向けた事業提携も引き続き検討を進めております。
セグメントごとの経営成績を示すと、以下のとおりです。
①メディカルプラットフォーム事業
医療メディアであるMedical DOCを中心に、医療機関と患者さんへの適切な医療情報のマッチングを実現しております。当メディアでは、月間PV数は継続して伸長しており、9月には過去最高の1,948万超の月間PV数を獲得し、過去最高のPV数を更新することに成功しました。
当中間連結会計期間では、前中間連結会計期間からMedical DOCの中で各治療や診療科目に特化する専門医を紹介する専門医サイトを構築し、当サイトが本格稼働を開始しました。当専門医サイトでは、各治療において基準を満たし、豊富な治療経験を持つ信頼のできるプロフェッショナルドクターの医療機関を紹介するサービスとして提供しております。
超高齢化社会を迎えた現代の日本において健康寿命増進という社会課題を解決すべく、利用者の皆様により一層適切な情報へアクセスいただくことを目的としております。利用者に求められるコンテンツの掲載ができていることから、月間PV数の増加を背景に顧客事業所数が伸長し増収となり、当中間連結会計期間の契約件数は2,046件と2,000件を超えることとなりました。
当中間連結会計期間では、RIZAP株式会社と連携を拡張し、株式会社サイバーエージェントと共同開発した、歯科に特化したデジタルサイネージ広告配信サービスを総代理店として販売を開始しました。その内容はchocoZAPの会員様向けに医療情報を分かりやすく伝える「Medical DOC News」のデジタルサイネージ動画配信サービスに続き、第2弾としてchocoZAPのセルフホワイトニングブースを活用し、歯科に関する正しい医療情報や地域の歯科クリニックの情報をデジタルサイネージで動画配信することで、chocoZAP会員様の口腔ケアへの意識を高め、治療機会の促進といった効果的な情報発信を実現し、地域医療の活性化に繋げる活動を推進する目的です。
新たな取り組みも含め、セグメント売上高は3,194,205千円(前中間連結会計期間比17.3%増)、セグメント利益は1,722,871千円(前中間連結会計期間比17.2%増)となりました。
②スマートクリニック事業
スマートクリニック事業では、新たに掲げたビジョンである「クリニックオートメーションによる患者さんの利便性・クリニックの生産性最大化」を軸に、主に、クリニックの業務効率化を進め、医療人材不足への対応、不要な医療事務業務の撲滅、患者さんの待ち時間短縮を目指しサービス開発を進めております。前中間連結会計期間から販売を開始した「NOMOCa AI chat」はクリニックの受付業務の1つである「電話業務」にかかる時間やコストを削減し、医療DX化により、ヒトからAIへタスクシフトすることでスタッフの余裕ある時間を生み出し、更には患者さんの利便性を向上することを目的としている取り組みになります。サービスの提供を開始してから医療機関からは継続的なニーズの獲得ができており、リリース以降で累計1,000件を超える1,200件の契約件数まで成長し、医療機関の生成AI利用の推進を実現しております。今後も、仮予約や利便性向上を目的とした開発を行い、更なる医療DX推進に貢献していく予定です。
当中間連結会計期間では、前連結会計年度から開発やPoC(Proof of Concept:概念実証)を行っていた、「SMART One(スマートワン)」の販売を開始いたしました。「SMART One(スマートワン)」は、予約・問診・決済がオンラインで完結する予約システムであり、予約から問診、決済、予約リマインド通知、診察結果報告までの一連のプロセスを一貫して行うことでクリニックの運営を円滑にし、患者満足度を高めることを目的としています。今後はオンライン診療・薬の配送、デジタル処方箋などの機能追加も予定しています。
なお、スマートクリニック事業の主力事業である自動受付精算機とセルフ精算レジについては、営業人員の育成強化や前連結会計年度に総販売代理店契約を締結した株式会社APOSTRO(旧株式会社新世紀)とのパートナーシップ強化から販売台数の増進が実現できました。
今後も医療機関の事務業務量の課題を解決しつつ、「多くの待ち時間と短い診察時間」という患者さんの抱える社会的不満を医療DXの推進を通じて解決することを引き続き目指します。
この結果、セグメント売上高は1,678,026千円(前中間連結会計期間比70.7%増)、セグメント利益は394,147千円(前中間連結会計期間比158.2%増)となりました。
これらの結果、当中間連結会計期間における売上高は5,143,392千円(前中間連結会計期間比29.2%増)となり、営業利益は1,217,704千円(前中間連結会計期間比25.6%増)、経常利益は1,203,405千円(前中間連結会計期間比23.9%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は814,872千円(前中間連結会計期間比30.2%増)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べ395,145千円増加し、8,594,619千円となりました。これは主に売掛金が110,349千円増加したこと、有形固定資産が75,177千円増加したこと、敷金が153,260千円増加したことによるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ512,017千円減少し、1,650,168千円となりました。これは主に短期借入金が300,000千円減少したこと、未払消費税等が100,843千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ907,162千円増加し、6,944,451千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する中間純利益814,872千円を計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ20,803千円増加し、5,986,382千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、588,789千円(前中間連結会計期間は577,057千円の獲得)となりました。主な増加要因は、税金等調整前中間純利益1,203,405千円、株式報酬費用92,273千円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額110,349千円、法人税等の支払額474,923千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、231,985千円(前中間連結会計期間は125,845千円の使用)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出98,880千円、敷金及び保証金の差入による支出83,647千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、335,692千円(前中間連結会計期間は106,671千円の獲得)となりました。主な減少要因は短期借入金の純減少額300,000千円であります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は77,995千円であり、セグメント別の内訳はメディカルプラットフォーム事業が20,942千円、スマートクリニック事業が55,924千円となっております。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)従業員数
当中間連結会計期間において、主として新卒採用を中心に従業員数が増加し、404人となりました。
(9)経営成績に重要な影響を与える要因
当中間連結会計期間において、新たな経営成績に重要な影響を与える要因、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した経営成績に重要な影響を与える要因についての重要な変更はありません。
(10)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当中間連結会計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。