当中間会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
当中間会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善するなかで緩やかながら回復基調で推移しております。一方で、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっているほか、物価上昇や金融資本市場の変動、中東地域をめぐる情勢悪化等の地政学リスクの拡大の影響にも注意する必要がでてきており、先行きは不透明な状況が続いております。
当社が属する外食産業においては、新型コロナウイルス感染症の収束による社会経済活動の正常化や、訪日外国人観光客の増加によるインバウンド需要の拡大等で人流の回復が一段と進み、緩やかな回復基調が続いておりますが、人手不足による人件費の高騰に加え、原材料価格のさらなる上昇や物価高による消費マインドの低下等、回復基調へ水を差す懸念事項も存在しており、事業を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。
このような事業環境のなか、当社は2022年4月からの3年間をコロナ禍で影響を受けた収益力の早期回復、また成長力向上に向けた事業基盤の構築期と定め、「人材力の強化」「収益基盤の強化」「財務基盤の強化」の3つの重点課題に取り組んでおり、最終年度となる当期は、足元の経営基盤の強化に注力するとともに、次のステージに向け、企業価値の向上に資する中期経営計画の策定と、その計画を実行可能にする体制基盤の確立を推し進めております。2024年8月には、店舗設備の老朽化により同年11月末日をもって『うかい竹亭』を閉店することを決議したほか、契約満了により同年8月末日をもって『アトリエうかい たまプラーザ』を閉店いたしました。一方で、2024年9月に「アトリエうかい」の新たな常設店を、首都東京の表玄関ともいうべきJR東日本東京駅のエキナカ商業施設「グランスタ東京」に出店いたしました。
この結果、当中間会計期間の売上高は、6,479百万円(前年同期比0.7%減)と微減収での着地となりました。利益面については、減収の影響に加え、人員数増加の影響による人件費の増加のほか、採用強化による人材募集費や電気料金の上昇に伴う水道光熱費等の経費の増加もあって営業利益は255百万円(前年同期比41.3%減)、経常利益は242百万円(前年同期比42.2%減)となりました。中間純利益は、前述の『うかい竹亭』『アトリエうかい たまプラーザ』の閉店に伴う費用38百万円を店舗閉鎖損失引当金繰入額に計上したことにより、93百万円(前年同期比72.3%減)の大幅減益での着地となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
〔レストラン事業部〕
新型コロナウイルス感染症の収束による社会経済活動の正常化が外食やインバウンドの需要回復を後押しし、人流の回復が加速するなか、レストラン事業部では、それぞれのブランド・店舗の特色を活かした販促活動を実施し、来店機会創出に努めてまいりました。
また、アフターコロナとなり、食に対する人々のニーズの多様化が進むなか、取り組みを加速させた最上のおもてなしの追求についても、お客様一組一組、一人一人に対してスタッフと時間を集中させることでこれまで以上に上質な料理ときめ細やかなサービスをご提供する、唯一無二のレストランであり続けるという方針のもと、定休日や営業時間の見直しを図ったほか、コース構成、並びに価格の見直しを実施いたしました。これらの営業活動により、お客様一人当たりの単価は上昇したものの、コロナ禍明けの特需が一服したこと等で来客数は前年同期比で減少いたしました。
以上の結果、レストラン事業部の売上高は、5,196百万円(前年同期比1.2%減)と微減収になりました。
〔物販事業部〕
物販事業部の主力である製菓部門では、『アトリエうかい 髙島屋京都店』『アトリエうかい 髙島屋大阪店』において、売り上げの伸びに弱さがみられるものの、商品力を高めて既存店のお客様満足度の向上を図るとともに、全国の百貨店の催事出店や卸販売、EC販売の販売強化等を積極的に行うことで安定した収益確保を図っております。また、2024年9月には洋菓子店「アトリエうかい」の新店舗を、東京の表玄関ともいうべきJR東日本東京駅のエキナカ商業施設「グランスタ東京」に出店し、より多くのお客様にご利用いただけるようにいたしました。なお、『アトリエうかい たまプラーザ』は同年8月末日をもって契約満了により閉店しております。
一方、成長促進を図る食品部門においては、お取り寄せグルメのオンラインショップ「UKAI GOURMET DELI(うかいグルメデリ)」がオープンして1年となり、多くのお客様にご利用いただいておりますが、認知度の更なる向上を見据え、「うかいのグルメ」として製菓、とうふ、冷凍商品を組み合わせて催事出店をする等、プロモーション活動の強化を進めております。
以上の結果、物販事業部の売上高は、754百万円(前年同期比1.8%増)と微増収での着地となりました。
〔文化事業部〕
文化事業部では、『箱根ガラスの森』にて、2024年4月27日から同年7月15日まで2024年初夏所蔵作品展として「ヴェネチアン・グラスと祝祭の都」を、また2024年7月19日から2025年1月13日まで2024年度 特別企画展「香りの装い~香水瓶をめぐる軌跡~」を開催しており、これらの作品展・企画展を柱に様々な企画や季節の移ろいに合わせクリスタルガラスの展示替えを行い、多くのお客様にご来館いただけるように細やかなプロモーションや旅行会社をはじめとする企業への営業の強化を行いました。
これらの営業施策に加え、訪日外国人観光客の増加によるインバウンド需要の拡大効果もあり、来館者数は前年同期比で伸長いたしました。
以上の結果、文化事業部の売上高は、527百万円(前年同期比0.9%増)と微増収での着地になりました。
当中間会計期間末における資産、負債及び純資産の状態は以下のとおりであります。
(資産)
当中間会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ337百万円減少し、10,422百万円(前事業年度比3.1%減)となりました。主な要因は、売掛金が209百万円、有形固定資産合計が55百万円、繰延税金資産が84百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(負債)
当中間会計期間末における負債は、前事業年度末に比べ344百万円減少し、5,716百万円(前事業年度比5.7%減)となりました。主な要因は、取引金融機関からの借入金の総額が358百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べ6百万円増加し、4,706百万円(前事業年度比0.1%増)となりました。主な要因は、譲渡制限付株式報酬としての新株式発行に伴い資本剰余金が19百万円増加したのに対し、投資有価証券の時価評価によりその他有価証券評価差額金が11百万円減少したこと等によるものであります。
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ25百万円減少し1,792百万円となりました。
当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、484百万円(前年同期は604百万円の収入)となりました。主な要因は、税引前中間純利益199百万円、減価償却費203百万円、売上債権の減少額209百万円等による資金増加に対し、仕入債務の減少額53百万円、棚卸資産の増加額25百万円、未払消費税等の減少17百万円、利息の支払額19百万円、法人税等の支払額17百万円等の支出があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、97百万円(前年同期は120百万円の支出)となりました。主な要因は、既存設備の更新等による有形固定資産の取得により85百万円の支出があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、412百万円(前年同期は1,228百万円の支出)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出108百万円、短期借入金の純減少額250百万円、配当金の支払額94百万円等の支出があったことによるものであります。
当中間会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。