名 称 出光興産株式会社
所在地 東京都千代田区大手町一丁目2番1号
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2024年11月12日開催の取締役会において、下記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに関し、賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」に記載の方法により決議されております。
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいて記載しております。
公開買付者は、2024年11月12日開催の取締役会において、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社株式の全て(但し、当社の所有する自己株式を除きます。以下同じです。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は当社株式を所有していないとのことです。
本公開買付けにおいて、公開買付者は、8,077,300株(所有割合(注1):66.67%)を買付予定数の下限と設定しており、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限を満たさない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全てを取得することを企図しているとのことですので、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(8,077,300株)は、本取引において、公開買付者が当社を完全子会社化することを目的としており、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」に記載の完全子会社化のために必要な株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、公開買付者単独で当該要件を満たすことができるように設定したとのことです。また、買付予定数の下限(8,077,300株)は、当社が2024年11月12日に公表した「2024年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社第3四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の当社の発行済株式総数(13,404,862株)から、当社より報告を受けた同日現在の当社が所有する自己株式数(1,288,889株。なお、当該自己株式数には、取締役等への株式報酬制度のために設定した株式交付信託に係る信託口が所有する当社株式135,537株を含んでいないとのことです。以下、当社が所有する自己株式数について同じとします。)を控除した株式数(12,115,973株)に係る議決権の数(121,159個)に3分の2を乗じた数(小数点以下を切り上げ。80,773個)に、当社の単元株式数である100株を乗じた数に設定しているとのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社第3四半期決算短信に記載された2024年9月30日現在の当社の発行済株式総数(13,404,862株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(1,288,889株)を控除した株式数(12,115,973株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の記載において同じとします。)とのことです。
本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年11月12日付で、当社の筆頭株主(2024年6月30日時点。以下株主の順位の記載について同じです。)である株式会社麻生(以下「麻生」といいます。)(所有株式数:2,199,400株、所有割合:18.15%、以下「本応募合意株式(麻生)」といいます。)との間で、本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(麻生)」といいます。)を、当社の第2位株主(注2)である株式会社ヴァレックス・パートナーズ(以下「ヴァレックス」といいます。)(所有株式数:1,600,400株、所有割合:13.21%)との間で、ヴァレックスがその運用する投資一任口座にて所有する当社株式の全て(1,599,300株、所有割合:13.20%、以下「本応募合意株式(ヴァレックス)」といいます。)について、本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(ヴァレックス)」といいます。)を、当社の代表取締役社長である櫛引博敬氏(以下「櫛引氏」といいます。)の資産管理会社であり、当社の第5位株主である兼商産業株式会社(以下「兼商産業」といいます。)(所有株式数:800,000株、所有割合:6.60%、以下「本応募合意株式(兼商産業)」といいます。)との間で、本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(兼商産業)」といいます。)を、当社の第9位株主である櫛引氏(所有株式数:404,194株(注3)、所有割合:3.34%、以下「本応募合意株式(櫛引氏)」といいます。)との間で、本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(櫛引氏)」といいます。)をそれぞれ締結しており、麻生、兼商産業及び櫛引氏が所有する当社株式の全て、並びにヴァレックスがその運用する投資一任口座にて所有する当社株式の全て(計5,002,894株、所有割合:41.29%)(麻生、ヴァレックス、兼商産業及び櫛引氏を総称して以下「本応募合意株主」といいます。)について本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。
本応募契約(麻生)、本応募契約(ヴァレックス)、本応募契約(兼商産業)及び本応募契約(櫛引氏)(総称して以下「本応募契約」といいます。)の概要については、下記「4.本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
(注2) 当社が2024年8月14日に提出した第66期半期報告書(以下「当社半期報告書」といいます。)の「第一部 企業情報」の「第3 提出会社の状況」の「1 株式等の状況」の「(5) 大株主の状況」によれば、当社株式については、ヴァレックスから大量保有報告書(同報告の変更報告書を含みます。)が提出されておりますが、当社として2024年6月30日現在におけるヴァレックスの実質所有株式数の確認ができないとされていることから、本書中の株主順位は、ヴァレックスについては、ヴァレックスから報告を受けた、本書提出日時点で所有する当社株式の所有割合を、その他の株主については、当社半期報告書の「第一部 企業情報」の「第3 提出会社の状況」の「1 株式等の状況」の「(5) 大株主の状況」における「発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合」を参照の上、割合が大きい順に記載したとのことです。
(注3) 櫛引氏は、2024年9月30日現在、当社の役員持株会を通じた持分に相当する当社株式794株(小数点以下を切り捨て。)(所有割合:0.01%)を間接的に所有しておりますが、かかる当社株式は所有株式数には含まれていないとのことです。また、2024年9月30日現在、当社の株式交付信託に係る株式交付規程に基づき、当社株式68,181株(小数点以下を切り捨て。)(所有割合:0.56%)について櫛引氏に対する給付が確定しておりますが、かかる当社株式は所有株式数には含まれていないとのことです。以下、櫛引氏の所有株式数について同じとのことです。
公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けにおいて当社株式の全てを取得できなかった場合には、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載されている、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することにより、当社株式の全てを取得することを予定しているとのことです。
2024年10月31日現在、公開買付者並びに子会社180社及び関連会社55社(以下「公開買付者グループ」といいます。)は、①燃料油事業、②基礎化学品事業、③高機能材事業、④電力・再生可能エネルギー事業、⑤資源事業、⑥その他の事業を行っているとのことです。公開買付者は、1911年6月、創業者の出光佐三氏の下で、出光商会として福岡県門司市(現・北九州市門司区)で創業し、関門地区を中心として石油販売を開始したとのことです。1940年3月に、東京で、出光佐三氏が出光興産株式会社を設立し、1947年11月には出光商会を吸収合併消滅会社として出光興産株式会社と合併したとのことです。なお、公開買付者は、2006年10月に東京証券取引所市場第一部に上場し、2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、現在は東京証券取引所プライム市場に上場しているとのことです。
一方、当社は、創業者櫛引大吉氏により、1951年8月に世界各国より農薬の輸入紹介を図る目的で光洋貿易株式会社(東京都千代田区大手町)として創立されました。同年11月に商号を兼商株式会社に変更した後、1959年4月に兼商化学工業株式会社を設立し、その後1985年1月に両社が吸収合併し、吸収合併存続会社となった兼商化学工業株式会社がアグロ カネショウ株式会社に商号を変更しております。1993年6月に日本証券業協会に店頭登録、2000年9月に東京証券取引所市場第二部に上場した後、2014年9月に東京証券取引所市場第一部に上場しております。また、2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い東京証券取引所プライム市場に移行した後、2023年10月に東京証券取引所スタンダード市場に移行し、現在に至ります。
本書提出日現在、当社のグループは、当社及び連結子会社2社(Kanesho Soil Treatment SRL/BV(ベルギー王国)及びAGRO-KANESHO KOREA CO., LTD(韓国))の計3社(以下「当社グループ」といいます。)で構成されており、土壌消毒剤、害虫防除剤、病害防除剤等農業用薬品の製造・販売を主な事業としております。当社グループは、経営理念である「我が信条」(お客様のため、社員のため、社会のため、株主のためという4か条)及び「どこまでも農家とともに」をモットーとして研究開発・技術普及・生産・販売を展開しております。
農業を取り巻く環境は、世界の人口増加に伴う食糧需要の拡大から、農業生産は今後も拡大するものと考えられ、世界の農薬市場は、農業生産の拡大から成長基調が継続しております。国内農業では、農業生産者の減少及び高齢化が進んでいる一方で、大規模生産者や農業法人の増加など農業生産構造の変化が表れてきております。このような中、国内農薬業界においては、改正農薬取締法(2018年12月施行)により一層の農薬の安全性向上が要求されており、国内の既登録農薬についても最近の科学的知見に基づいた安全性等の再評価が必要となっております。また、世界農薬市場におきましては、国内に先行し農薬登録制度の見直しが行われており、農薬使用時や残留農薬の安全性評価に留まらず生態系に対する環境影響評価が強化され、多くの既存薬剤の登録の失効・淘汰が進んでおります。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等、国際情勢の悪化により資源価格の高騰が続くなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような情勢の中で当社グループは、創業以来の経営理念を堅持しつつ100年企業を目指すために、「Lead The Way 2025」をスローガンとした長期事業計画とともに、新中期事業計画(2022年-2025年)を策定し、企業価値の向上に努めております。また、常に農家に対する敬愛のこころを忘れず、農家の生産への意欲を尊重し、何よりも農家の収益向上を目指し、さらに産業としての農業及び地域経済振興により大きな貢献ができる「農家、消費者、地域の期待に応えられる」サービス提供型企業になると掲げております。
研究開発部門では、高い安全性を有するユニークな新規農薬成分の創製生産現場のニーズに合致した製品の創製に加え、他社からの製品導入や無形資産の買収に取り組み、ポートフォリオの拡充に努めております。農業生産における社会課題として、欧州の「Farm to Fork」(注1)や日本の「みどりの食料システム戦略」(注2)に掲げられる化学農薬や化学肥料の低減がクローズアップされつつある状況下、様々な防除対策を組み合わせて行う総合的病害虫・雑草管理(IPM)に資する製品群を投入すべく、2023年に新設したバイオロジカル・ソリューション室を軸に、微生物や天然物由来の農薬・資材等の研究開発を加速させております。
(注1) 「Farm to Fork」とは、2020年5月20日に欧州委員会が公表したEUにおける今後の食品行政の大きな方向性を示した、持続可能な経済社会に向けた包括的な構想である「欧州グリーン・ディール」を実現するため農業部門において核になる戦略のことをいいます。
(注2) 「みどりの食料システム戦略」とは、国内農林水産業の生産力強化や持続可能性の向上を目指し、2021年5月に農林水産省が策定した食料生産の方針のことをいいます。
生産部門では、東京電力福島第一原子力発電所事故による福島工場の操業停止から13年となる中、その代替及び西日本の物流の拠点として2018年11月に山口工場を新設し運用しております(同工場は2021年2月にISO9001の認証を取得いたしました)。茨城工場、直江津工場、東日本の物流拠点である所沢事業所と併せ自社生産体制を強化し、製品の安定供給を図るとともにコストの見直しから、品質保証と顧客満足の向上、利益の創出に継続的に取り組んでおります。なお、かねてより研究開発本部と連携して進めていた「応用技術研究室」は、山口工場の敷地内に新たに建屋を竣工しました。農薬製造における製剤技術及びノウハウの確立と継承、製剤研究から工業生産へのスムーズな移行を可能にする体制を整えております。
技術普及部門では、農業生産者への適切な技術情報の提供に加えて、土壌分析室を活用し、農業の根幹となる土づくり、土壌のセンチュウ対策、病害虫診断の支援活動を拡大しております。さらに、GLOBALG.A.P.認証(注3)取得支援並びに地域の農業・栽培問題解決のための研究実践農場(カネショウファーム)の運営も全国5か所にて展開し、これらのサービス提供により地域農業や農業生産者への貢献に努めております。また、農薬の基礎情報、安全使用啓発、当社商品情報をお客様に提供する目的で「カネショウゼミナール」をWebにて2023年9月より開始し、お客様との関係強化に取り組んでおります。
(注3) 「GLOBALG.A.P.認証」とは、適正な農業の取り組みを証明する国際基準のことをいいます。
海外事業部門では、主力製品である害虫防除剤の「カネマイトフロアブル」の登録が世界54か国で認可され、さらに4か国で開発を進めております。アセキノシル新製剤である害虫防除剤の「Veto 30SC」は、2021年10月に米国カリフォルニア州で登録が認可されて以降、全世界的に開発を進めております。土壌消毒剤の「ネマキック粒剤・液剤」については現在10か国で登録が認可され今後も登録国の拡大に取り組んでおります。また、海外子会社を通じて全世界で土壌消毒剤の「バスアミド微粒剤」、「D-D」の登録維持・拡大・販売活動を継続し、韓国においては現地販売会社・小売店・農家に対する直接的な支援を強化しております。
このような状況の下、公開買付者は、循環型社会の実現に向けて、バイオ・ライフソリューション(注4)を重点領域と設定しており、農薬事業の拡大を目指しているとのことです。2011年6月にエス・ディー・エス バイオテックが公開買付者の子会社となって以降、公開買付者のアグリバイオ事業部(2022年にエス・ディー・エス バイオテックへ吸収分割により承継)とエス・ディー・エス バイオテックが連携して、本領域の拡大を目指してきましたが、新剤の開発や海外展開などの事業拡大に必要な施策を推進・実現させていくためには公開買付者グループ単独での推進は容易ならざるものと認識し、相応しいパートナーを求めていたとのことです。その中で、生物資材の販売委託先を探していたエス・ディー・エス バイオテックが同種製品の取り扱いをしている当社に協議の申し入れを行い、エス・ディー・エス バイオテックは、2022年10月11日に当社との間で、エス・ディー・エス バイオテックの保有する生物農薬・資材を中心としたIPM製品の普及販売について、業務提携契約を締結し、より緊密な関係を構築しながら事業展開することに合意し、連携を深めてきたとのことです。このように公開買付者グループと当社グループの間で交流が増える中、2024年2月上旬、公開買付者は、当社とエス・ディー・エス バイオテックとは商品ポートフォリオに重複が少なく、また技術やバリューチェーンの強み・弱みが補完関係にあるため、エス・ディー・エス バイオテックと当社が個別に協業するのではなく、公開買付者グループの一員として両社の技術力・販売力を集約することでシナジーが発揮され、事業拡大が見込まれると判断し、当社に対して、公開買付けにより公開買付者が当社を完全子会社化する取引の実施を検討している旨の説明をしたとのことです。これを踏まえ、2024年2月上旬以降、公開買付者と当社の間で当該取引の目的、想定ストラクチャー及びスケジュール等の初期的な協議を進めましたが、当社が、ファンドである他の候補先2社との間でも、中長期的な経営環境の見通しを踏まえた当社グループの経営戦略及び施策、並びに当社の最適な資本構成等について意見交換や協議を行っていたため、一度検討を保留することとなったとのことです。その後、2024年7月中旬に、当社より公開買付者に対し、公開買付者による当社の完全子会社化の検討を再開したい旨の申し入れを行いました。当社からの当該申し入れを受け、公開買付者は当社との間で、2024年7月中旬から、完全子会社化後の経営体制に関する協議を行ったとのことです。また、公開買付者は、本取引に関してさらに検討を進めるにあたり、2024年7月下旬、公開買付者グループ及び当社グループから独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業を、公開買付者グループ及び当社グループから独立した財務アドバイザーとしてゴールドマン・サックス証券株式会社をそれぞれ選任したとのことです。さらに、公開買付者は、2024年8月上旬、公開買付者グループ及び当社グループから独立した外部アドバイザーとしてEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下「EY」といいます。)を追加で選任したとのことです。その上で、公開買付者及びエス・ディー・エス バイオテックは、2024年8月下旬から、当社との間で、当社を完全子会社化した際に生まれるシナジーの初期的な協議を行ったとのことです。公開買付者は、協議の結果、(ⅰ)化学農薬においては、製品ポートフォリオの相互補完につながるだけでなく、公開買付者及びエス・ディー・エス バイオテック並びに当社の技術を掛け合わせることで、新剤開発を加速できること、(ⅱ)生物農薬においては、近年、日本の「みどりの食料システム戦略」や欧州の「Farm to Fork 戦略」などにおいて、化学農薬の使用量低減を目指す方向が示されており、グローバルでの生物農薬の需要拡大が期待されているものの、化学農薬と比べて、生物農薬の普及は難しく、農家への細やかな指導などが必要不可欠と認識していることから、現場の農家とのつながりを大切にしている当社と一体となることで、開発から販売までのサプライチェーンをさらに強化でき、公開買付者グループ及び当社グループ双方で生物農薬事業の拡大を目指すことができ、また、双方のライブラリや評価技術を活用した新規生物農薬の開発促進も見込まれること、(ⅲ)化学農薬と生物農薬のベストミックスにより、総合的な提案も可能になること、(ⅳ)製造・物流設備の共用、リソースの相互活用等による最適製造・物流体制の構築が見込まれることから、当社は公開買付者の農業事業強化及び拡大の最適なパートナーと考えるに至ったため、2024年9月10日、当社に対して、当社株式の全てを取得し、当社を公開買付者の完全子会社として当社を非公開化することに関する初期的提案書(以下「本初期的提案書」といいます。)を提示したとのことです。
(注4) 「バイオ・ライフソリューション」とは、公開買付者の高機能材事業セグメントが目指す成長事業領域の一つで、生物変換技術や生物資源を利用した、環境対応型農畜産資材やバイオ化成品等を重点分野とし、アグリバイオ事業(農薬事業)等での事業拡大を推進しているとのことです。
その後、公開買付者は、2024年9月中旬から10月下旬にかけて、当社に対するデュー・ディリジェンスを実施したとのことです。
その後、公開買付者は、2024年10月下旬、公開買付者グループ及び当社グループから独立した第三者算定機関としてEYを、公開買付者グループ及び当社グループから独立した財務アドバイザーとしてみずほ証券株式会社を追加で選任したとのことです。
そして、公開買付者は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を含む本取引の諸条件等の検討を進めた結果、2024年10月22日、2024年10月21日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,359円に対して17.73%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアム率の計算において同じです。)、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,339円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して19.49%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,281円に対して24.90%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,231円に対して29.98%のプレミアムが付与されていること、当社より提出された2024年12月期から2029年12月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を踏まえた分析、当該時点におけるデュー・ディリジェンスの結果、当社株式の市場株価推移の分析結果等を総合的に勘案し、本公開買付価格を1,600円とする初回提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2024年10月24日、本特別委員会(下記「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」において定義します。以下同じです。)より、提案された本公開買付価格が、過去の類似案件におけるプレミアム水準や当社の本源的価値と比較して著しく不十分な価格であり、少数株主に対して十分な配慮がされた水準には達していないことを理由に、本公開買付価格の再検討の要請を受けたため、当社に対し、2024年10月28日、2024年10月25日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,302円に対して26.73%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,340円に対して23.13%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,288円に対して28.11%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,238円に対して33.28%のプレミアムが付与されていること、当社より提出された本事業計画を踏まえた分析、当該時点におけるデュー・ディリジェンスの結果、当社株式の市場株価推移の分析結果等を総合的に勘案し、本公開買付価格を1,650円とする第2回提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2024年10月29日、本特別委員会より、提案された本公開買付価格が、過去の類似案件におけるプレミアム水準や当社の本源的価値と比較して著しく不十分な価格であり、少数株主に対して十分な配慮がされた水準には達していないことを理由に、本公開買付価格の再検討の要請を受けたため、当社に対し、2024年11月1日、2024年10月31日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,316円に対して40.58%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,339円に対して38.16%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,297円に対して42.64%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,241円に対して49.07%のプレミアムが付与されていること、当社より提出された本事業計画を踏まえた分析、当該時点におけるデュー・ディリジェンスの結果、当社株式の市場株価推移の分析結果等を総合的に勘案し、本公開買付価格を1,850円とする第3回提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2024年11月5日、本特別委員会より、提案された本公開買付価格が、過去の類似案件におけるプレミアム水準や当社の本源的価値を踏まえると、依然として少数株主に対して必ずしも十分な配慮がされた水準には達しておらず、本取引により生じるシナジー効果の一部が少数株主に対して必ずしも十分に分配されているものとは言い難いことを理由に、本公開買付価格を2,000円とすることの要請を受けたものの、当社に対し、2024年11月6日、2024年11月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,301円に対して42.20%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,341円に対して37.96%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,309円に対して41.33%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,244円に対して48.71%のプレミアムが付与されていること、当社より提出された本事業計画を踏まえた分析、当該時点におけるデュー・ディリジェンスの結果、当社株式の市場株価推移の分析結果等を総合的に勘案し、本源的な価値のみならず、本取引により期待されるシナジー効果の発現も充分に踏まえた価格であるとして、引き続き本公開買付価格を1,850円とする第4回提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2024年11月7日、麻生及びヴァレックスに対し、本公開買付価格を1,900円で提示したところ、麻生及びヴァレックスから応諾する意向である旨の回答を受領したため、当社に対し、2024年11月6日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,320円に対して43.94%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,340円に対して41.79%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,313円に対して44.71%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,244円に対して52.73%のプレミアムが付与されており、当社の株主に対して、期待されるシナジーの発現も充分に踏まえた価格での当社株式の売却機会を提供するものであるとして、本公開買付価格を1,900円とする最終提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2024年11月7日、本特別委員会より、提案された本公開買付価格について真摯に協議・検討を重ねた結果、本公開買付価格をもって、当社取締役会として本取引に賛同し、株主に対して応募推奨することを予定しているとの回答を受領したとのことです。
また、公開買付者は、応募契約を締結している本応募合意株主との間で応募契約に関する協議を行ったとのことです。具体的には、公開買付者は、麻生、ヴァレックス、兼商産業及び櫛引氏との間で2024年10月下旬に秘密保持契約を締結し、応募契約締結に向けた交渉を開始したとのことです。2024年10月下旬に、麻生及びヴァレックスに対し、本取引の概要及び本公開買付価格が1,700円となる想定である旨の説明を行い、本取引を実施した場合の本公開買付けへの応募の可否について打診したところ、麻生及びヴァレックスから検討は進めるものの、本公開買付価格の水準については引き続き協議が必要であるとの回答を受領したとのことです。その後、公開買付者は、2024年11月1日に麻生に対し、本公開買付価格を1,850円とすることを提示したところ、同日付で応諾する意向である旨の回答を受領したとのことです。また、2024年11月1日にヴァレックスに対し、本公開買付価格を1,850円とすることを提示したところ、2024年11月5日にヴァレックスから本公開買付価格を1,950円レベルで検討して欲しい旨の要請を受けたとのことです。公開買付者は、ヴァレックスに対し、2024年11月5日に、本公開買付価格を再度1,850円とすることを提示したところ、2024年11月6日に本公開買付価格を1,925円レベルが限界と考えている旨の回答を受けたとのことです。公開買付者は、ヴァレックスに対し、2024年11月6日に1,880円とすることを提示したところ、同日付でヴァレックスから再び本公開買付価格を1,925円レベルで考えている旨の回答を受けたとのことです。公開買付者は、ヴァレックスに対し、2024年11月6日に最終提案として本公開買付価格を1,900円とすることを提示したところ、2024年11月7日にヴァレックスより応諾する意向である旨の回答を受領したとのことです。その後、公開買付者は、2024年11月7日付で麻生に対し、ヴァレックスが応諾する意向である1,900円を提示し、同日付で応諾する意向の回答を受領したとのことです。さらに、公開買付者は、2024年11月7日に兼商産業及び櫛引氏に対し、本公開買付価格を麻生及びヴァレックスから応諾する意向を得た価格である1,900円を提示したところ、同日付で応諾する意向を受領したとのことです。以上の経緯を経て、2024年11月12日付で麻生、ヴァレックス、兼商産業及び櫛引氏との間でそれぞれ本応募契約を締結したとのことです。
以上の経緯の下で、公開買付者は、公開買付者が当社を完全子会社化することが、公開買付者グループ全体の企業価値向上に資するとの結論に至り、当社の2024年12月期の期末配当が無配であることを前提として、2024年11月12日開催の取締役会において、本公開買付価格を1,900円とし、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
公開買付者による当社の完全子会社化後の公開買付者グループ及び当社グループの具体的な事業戦略については、公開買付者及び当社が今後協議の上、決定していくことになりますが、循環型社会の実現に向けバイオ・ライフソリューションを重点領域とする公開買付者グループにおいて、当社とエス・ディー・エス バイオテックとの、製品ポートフォリオの相互補完、両社の技術やバリューチェーンの活用による研究開発の促進や国内・海外販売の強化等を通じて、当社がエス・ディー・エス バイオテックとともに農薬事業の基盤を強化・拡大していくことを基本方針と考えているとのことです。さらに、公開買付者グループの農薬事業の更なる発展やバイオライフ領域での事業展開に向けた取り組み等についても当社及び公開買付者グループが一体となって対応していく予定とのことです。なお、公開買付者グループは、当社とエス・ディー・エス バイオテックの完全親会社となる中間持株会社を設立し、両社より役員を派遣してシナジーの最大化を目指すことも検討しておりますが、その方法及び具体的な時期については、当社と協議の上、決定していく予定とのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けの実施後、当社を監査等委員会設置会社から監査役設置会社に移行することを予定しておりますが、その詳細や具体的な時期については、当社と協議の上、決定していく予定とのことです。なお、本公開買付けの実施後、当社従業員の各種制度・処遇等については、基本的に現状維持を前提としており、従業員の雇用を維持する方針とのことです。
当社は、2024年2月上旬に、公開買付者から、公開買付けにより公開買付者が当社を完全子会社化する取引の実施を検討している旨の説明を受けました。その後、当社は、公開買付者との間で、上記取引の目的、想定ストラクチャー及びスケジュール等の当該時点における想定を聴取することを目的とした上記取引に係る初期的な協議を行いました。また、当社は、公開買付者との間で上記協議を行うとともに、ファンドである他の候補先2社との間でも、中長期的な経営環境の見通しを踏まえた当社グループの経営戦略及び施策、並びに当社の最適な資本構成等について意見交換や協議を行っていたため、一度検討を保留することとなりました。その後、当社より公開買付者に対し、公開買付者による当社の完全子会社化の検討を再開したい旨の申し入れを行いました。その後、公開買付者との間で、意見交換や協議を重ねる中で、公開買付者及びエス・ディー・エス バイオテックが当社の経営理念である農家密着経営を継続でき、化学農薬、生物農薬の研究開発、普及販売面で国内、海外ともに補完性があり、事業シナジーを最大限発揮できるとの理由から当社の企業価値向上に資する最適なパートナーと考えるに至ったため、2024年7月中旬から、公開買付者との間で、完全子会社化後の経営体制に関する協議を再開し、また、2024年8月下旬から、公開買付者及びエス・ディー・エス バイオテックとの間で、当社を完全子会社化した際に生まれるシナジーの初期的な協議を開始しました。その後、当社は、2024年9月10日、公開買付者から本初期的提案書を受領し、同日、公開買付者に対して、本取引の実施に向けた検討・協議を開始することを伝達いたしました。そして、当社は、公開買付者が本応募合意株主との間で、本応募合意株主が所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募することを内容とする応募契約の締結を本取引の前提としていることを踏まえ、当社の少数株主の皆様への影響に配慮し、本公開買付けに関する本公開買付けを含む本取引に関し、実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性及び透明性を担保することを目的として、岩﨑泰一氏(当社社外取締役(監査等委員)、独立役員)、船越良幸氏(当社社外取締役、独立役員)、藤倉基晴氏(当社社外取締役(監査等委員)、独立役員)及び植田史恵氏(当社社外取締役(監査等委員)、独立役員)の4名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を2024年9月10日に設置いたしました(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。また、当社は本取引の実施に向けた検討を開始して以降、公開買付者グループ及び本応募合意株主から独立性を有する役職員6名から構成されるプロジェクトチームを構築しました。なお、プロジェクトチームのうち、取締役としては、井上智広氏(当社代表取締役専務 専務執行役員)、木下善夫氏(当社取締役 常務執行役員)及び山本修氏(当社取締役 上席執行役員)が関与しております。
また、当社は2024年9月中旬に公開買付者グループ、当社グループ及び本応募合意株主から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、公開買付者グループ、当社グループ及び本応募合意株主から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任いたしました。なお、当社取締役のうち、代表取締役社長 社長執行役員である櫛引氏については、公開買付者より、公開買付者と櫛引氏及び同氏が代表取締役を務める兼商産業との間で応募契約を締結する旨の意向を受領したため、利益相反の疑いを回避する観点から、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、2024年9月11日以降、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。
当社は、上記の検討体制を整備した上で、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、野村證券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性等に関して公開買付者との間で複数回に亘る協議・交渉を行いました。
具体的には、当社は、2024年10月22日、公開買付者から、本公開買付価格を1,600円とする、第1回提案を書面で受領しました。本公開買付価格として提案を受けた1,600円は第1回提案の提出日(2024年10月22日)の直前営業日である2024年10月21日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,359円に対して17.73%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,339円に対して19.49%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,281円に対して24.90%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,231円に対して29.98%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。当社は、第1回提案を受けて、2024年10月24日、公開買付者に対して、第1回提案における本公開買付価格である1,600円は、過去の類似案件におけるプレミアム水準や当社の本源的価値と比較して著しく不十分な価格であり、少数株主に対して十分な配慮がされた水準には達していないとして、本公開買付価格の引き上げに関する検討を要請いたしました。当社は、2024年10月28日、公開買付者から、本公開買付価格を1,650円とする、第2回提案を書面で受領しました。本公開買付価格として提案を受けた1,650円は第2回提案の提出日(2024年10月28日)の直前営業日である2024年10月25日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,302円に対して26.73%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,340円に対して23.13%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,288円に対して28.11%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,238円に対して33.28%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。当社は、第2回提案を受けて、2024年10月29日、公開買付者に対して、第2回提案における本公開買付価格である1,650円は、過去の類似案件におけるプレミアム水準や当社の本源的価値と比較して著しく不十分な価格であり、少数株主に対して十分な配慮がされた水準には達していないとして、本公開買付価格の引き上げに関する検討を要請いたしました。当社は、2024年11月1日、公開買付者から、本公開買付価格を1,850円とする、第3回提案を書面で受領しました。本公開買付価格として提案を受けた1,850円は第3回提案の提出日(2024年11月1日)の直前営業日である2024年10月31日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,316円に対して40.58%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,339円に対して38.16%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,297円に対して42.64%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,241円に対して49.07%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。当社は、第3回提案を受けて、2024年11月5日、公開買付者に対して、第3回提案における本公開買付価格である1,850円は、過去の類似案件におけるプレミアム水準や当社の本源的価値を踏まえると、少数株主に対して必ずしも十分な配慮がされた水準には達していないとして、本公開買付価格を2,000円とすることを要請いたしました。当社は、2024年11月6日、公開買付者から、あらためて本公開買付価格を1,850円とする、第4回提案を書面で受領しました。本公開買付価格として提案を受けた1,850円は第4回提案の提出日(2024年11月6日)の直前営業日である2024年11月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,301円に対して42.20%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,341円に対して37.96%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,309円に対して41.33%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,244円に対して48.71%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。
その後、公開買付者は、2024年11月7日に本公開買付価格を1,900円とする最終提案を行うに至ったとのことです。なお、最終提案において本公開買付価格として提案した1,900円はかかる最終提案の提出日(2024年11月7日)の直前営業日である2024年11月6日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,320円に対して43.94%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,340円に対して41.79%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,313円に対して44.71%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,244円に対して52.73%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。
当社は、公開買付者による最終提案を受けて、下記「(ⅲ)当社の意思決定の内容」に記載のとおり慎重に協議及び検討を行った上で、2024年11月7日、当社は公開買付者に対し、本公開買付価格を1,900円とすることに応諾する旨を書面で回答いたしました。以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、適宜、当社や当社のアドバイザーから報告を受け、確認及び意見の申述等を行っております。具体的には、当社は、本株式価値算定書(野村證券)(下記「(ⅲ)当社の意思決定の内容」に定義します。)を野村證券から取得する上で、また、公開買付者から本公開買付価格等についての提案を受領する上で、本事業計画を策定しましたが、その内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、本特別委員会の確認を受け、その後に公開買付者に提示いたしました。また、当社のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券は、公開買付者との交渉にあたって、本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、また、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、その意見、指示、要請等に従って対応を行っております。
以上の経緯の下で、当社は、2024年11月12日開催の取締役会において、野村證券から2024年11月11日付で取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)の内容、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた2024年11月12日付の答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら(本答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)、本取引により当社の企業価値向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引に関する諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、以下の点等を踏まえると、公開買付者の完全子会社となることにより、大要以下のようなシナジーの創出を見込むことができ、本取引が当社グループの企業価値向上に資するものであると考えるに至りました。
(a)エス・ディー・エス バイオテックとの協業により両社事業の相互強化が可能になり、両社の収益安定性及び成長性が大きく向上するものと考えられること。また、農家との強固な信頼関係に裏打ちされた広範な販売網を活用したエス・ディー・エス バイオテックの生物剤の更なる拡販が可能になること。
(b)土壌消毒剤や害虫防除剤を主力製品とする当社と病害防除剤や水稲除草剤を強みとするエス・ディー・エス バイオテックは、両社の開発力やノウハウを相互に活用することで混合剤や新規剤の開発を加速させることができること。商品ラインナップの拡充により、販社や農家に対して包括的な商品提案が可能になるなど、バリューチェーンのより一層の強化が可能になること。
(c)公開買付者グループが長年蓄積した発酵や遺伝子組換えを始めとしたバイオ関連技術、AI・MIを活用したデジタル技術等の基盤技術、及び、公開買付者グループの資本力や海外を含めた広範なリソース・ネットワークを活用できること。重要なエリア戦略としての海外事業の拡大、市場拡大が見込まれるバイオスティミュラント等の周辺事業への展開等、当社、公開買付者、エス・ディー・エス バイオテックの3社で戦略的取り組みを加速させ、日本の農薬業界の発展をリードしていく力を得られること。
(d)近年の新市場区分における上場維持基準への適合対応及び改訂されたコーポレートガバナンス・コード等に対応するために、上場を維持するための体制や業務負担は、年々増大しており、本取引により当社株式を非公開化することによって、これらのコスト及び業務を軽減できること。
なお、一般的に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが挙げられます。しかしながら、当社の現在の財務状況及び昨今の間接金融における低金利環境等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であり、また、知名度や社会的信用の向上についても、当社グループは業界内において既に一定の知名度及び社会的信用を確立しており、また、東京証券取引所プライム市場に株式上場している公開買付者のグループ会社となることで、総合的知名度やグループガバナンスの向上も見込まれることから、当社株式の非公開化に伴うデメリットは限定的と考えております。
また、当社は、以下の各点等の諸事情を考慮し、本公開買付価格である1株当たり1,900円は当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(a)本公開買付価格は、当社において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正さを担保するための措置が十分に講じられたうえで、当社が公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(b)本公開買付価格は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会から取得した本答申書において、妥当であると認められると判断されていること。
(c)本公開買付価格は、本取引の公表日の直前営業日である2024年11月11日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,347円に対して41.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,328円に対して43.07%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,325円に対して43.40%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,249円に対して52.12%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であるところ、経済産業省作成の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)が公表された2019年6月28日以降に公表し、2024年11月11日までに成立した国内上場企業を対象とし完全子会社化を企図した上限が付されていない他社株公開買付けの事例(REIT関連事例、マネジメント・バイアウト(MBO)(注1)事例、エンプロイー・バイアウト(EBO)(注2)事例、対抗的な公開買付けの事例、公開買付け公表時点において対象者が応募推奨を決議していない事例、二段階公開買付けの事例及び買付者と対象会社との間に一定の資本関係がある事例等を除く。)37件のプレミアム水準(公表日前営業日の終値に対するプレミアムの中央値・平均値(52.74%、61.92%)、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値・平均値(54.42%、62.24%)、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値・平均値(52.46%、64.33%)及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値・平均値(54.65%、63.54%))と比較しても過去事例の水準と概ね近接しており遜色がなく、本公開買付価格には合理的なプレミアムが付されていると考えられること。
(d)本公開買付価格は、下記「(3) 算定に関する事項」に記載されている野村證券による当社株式の価値算定結果のうち、市場株価平均法及び類似会社比較法に基づくレンジの上限を上回っており、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づくレンジの中央値を上回る水準となっていること。
(注1) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が当社の役員である取引、又は公開買付者が当社の役員の依頼に基づき公開買付けを行う者であって当社の役員と利益を共通にする者である取引をいいます。
(注2) 「エンプロイー・バイアウト(EBO)」とは、一般に、買収対象会社の従業員が買収資金の全部又は一部を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を取得する取引をいいます。
以上より、当社は、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る条件は妥当なものであると判断し、2024年11月12日開催の取締役会において、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、上記当社取締役会における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、本公開買付価格に関する意思決定の過程における公正性を担保するため、公開買付者グループ、当社グループ及び本応募合意株主から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対して、当社株式価値の算定を依頼しました。なお、野村證券は、公開買付者グループ、当社グループ及び本応募合意株主の関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
当社は本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置(具体的な内容については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、本公開買付けの価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。また、本取引に係る野村證券の報酬は、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により野村證券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。
野村證券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在していることから市場株価平均法による算定を行うとともに、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較法による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、さらに将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を採用して当社株式価値の算定を行い、当社は、2024年11月11日付で本株式価値算定書(野村證券)を取得いたしました。野村證券により上記各手法において算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりです。
市場株価平均法 :1,249円~1,347円
類似会社比較法 :1,432円~1,834円
DCF法 :1,581円~2,099円
市場株価平均法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年11月11日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値1,347円、直近5営業日の終値単純平均値1,323円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,328円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,325円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,249円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,249円から1,347円までと算定しております。
類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社株式の株式価値を算定し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,432円から1,834円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した本事業計画に基づく収益予測や投資計画等、合理的と考えられる前提を考慮した上で、当社が2024年12月期第4四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,581円から2,099円までと算定しております。なお、本公開買付け実行により実現することが期待されるシナジー効果については、算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、本事業計画には加味されておりません。なお、本事業計画の2025年12月期及び2026年12月期の売上高、営業利益及び当期純利益についても、直近の経営環境や事業状況を反映した結果、当社が2024年2月13日に公表いたしました収益目標よりも低い数値となっております。また、上記DCF法の算定の基礎となる本事業計画については、対前期比較において大幅な増益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年12月期においては、海外子会社の売上高の減少に伴う利益率悪化及び全体の売上高増加に伴う運転資本の増加により、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおります。また、2026年12月期においては、海外を含む事業環境の好転により営業利益の大幅な増加を、海外を含む事業環境の好転及び設備投資額が対前年度比で減少することによりフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。
下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会は、本事業計画の算定基礎となる財務予測や前提条件等の策定にあたり設定された仮定及びそれに基づく数値等について、当社より説明を受けた上で質疑応答を行いましたが、特段不合理な点は見受けられず、その算定方法及び算定結果は合理的なものと認められることを確認しております。
(注) 野村證券は、当社株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、当社の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2024年11月11日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、当社取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
公開買付者がEYから取得した2024年11月11日付の株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(EY)」といいます。)の概要については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場していますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者にて、当社株式の全ての取得を目的とした手続を実施することを予定しておりますので、その場合、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。なお、上場廃止を目的とする理由につきましては、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおりです。
公開買付者は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」のとおり、当社を公開買付者の完全子会社とする方針であり、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、当社株式の全ての取得を目的とした手続を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社が取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、当社の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、当社の株主全員(公開買付者及び当社を除きます。)からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。そして、当該各株主の所有していた当社株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会にてその株式売渡請求を承認する予定です。株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、当社の株主は、裁判所に対して、その有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。
他方で、本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき当社株式の併合(以下「株式併合」といいます。)を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、当社の企業価値向上の観点から、本臨時株主総会を可能な限り早期に開催することが望ましいと考えており、本公開買付けの決済の開始日(以下「本決済開始日」といいます。)後の近接する日(本書提出日現在においては、2024年12月31日を予定しているとのことです。)が本臨時株主総会の基準日となるように、本公開買付けの買付期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に基準日設定公告を行うこと、本臨時株主総会を2025年2月中旬を目途に開催することを当社に対して要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を公開買付者又は当社に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者のみが当社株式の全てを所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定です。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合がなされた場合であって、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主は、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、価格決定の申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。
また、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があるとのことです。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。もっとも、株式売渡請求に関する売買価格の決定の申立て又は株式併合についての株式買取請求に関する価格の決定の申立てがなされた場合において、当社株式の売買価格又は株式買取請求に関する価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認ください。
本書提出日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)にも該当いたしません。
もっとも、公開買付者は、本応募合意株主との間で、本応募合意株主が所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募することを内容とする応募契約を締結する意向を有していたことから、本応募合意株主と当社の一般株主の利害が必ずしも一致しない可能性があることを踏まえ、当社及び公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保しつつ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性及び透明性を担保するため、以下の措置を講じております。
なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けによる当社株式の売却を希望する当社の少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者及び当社において、以下の措置をそれぞれ実施していることから、公開買付者としては、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置等については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者の第三者算定機関であるEYに対し、当社株式の価値算定を依頼し、これに関して本株式価値算定書(EY)を受領しているとのことです(注)。なお、EYは、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、公開買付者は、公開買付者及び当社において本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置(具体的には、「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の措置)を実施し、当社の少数株主の利益に十分配慮されていると考えられることから、EYから本公開買付価格又は本公開買付けの公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておらず、EYはかかる意見を一切表明していないとのことです。
EYは、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり、採用すべき算定手法を検討の上、当社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、さらに将来の事業活動の状況を価値算定に反映するためにDCF法(注)を用いて当社株式の価値算定を行っているとのことです。本株式価値算定書(EY)によると、採用した算定手法及び当該算定手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの価値の範囲は、それぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価法 :1,249円~1,347円
DCF法 :1,786円~2,228円
市場株価法においては、2024年11月11日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値1,347円、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,328円、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,325円及び同過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,249円を基に、当社株式1株当たりの価値の範囲を1,249円から1,347円と算定しているとのことです。
DCF法においては、当社より提示された本事業計画を基礎とし、当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、本取引の実行により想定されるシナジー効果、直近までの業績の動向及び一般に公開された情報等の諸要素を考慮して、公開買付者が修正を加えた当社の事業計画に基づき、当社が2024年12月期第4四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことにより、当社株式1株当たりの価値の範囲を1,786円から2,228円と算出しているとのことです。なお、DCF法で前提とした財務予測には、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減及び大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2025年12月期においては、海外子会社の売上高の減少に伴う利益率悪化により営業利益の大幅な減少とフリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおり、また、2026年12月期においては、海外を含む事業環境の好転により営業利益の大幅な増加を、海外を含む事業環境の好転及び設備投資額が対前年度比で減少することによりフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでいるとのことです。なお、DCF法において前提とした当社の将来の財務予測においては、本取引の実行を前提としており、本取引により想定されるシナジー効果を見込んでいるとのことです。
なお、本公開買付価格である1株当たり1,900円は、公開買付者による本公開買付けの公表日の前営業日である2024年11月11日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,347円に対して41.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,328円に対して43.07%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,325円に対して43.40%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,249円に対して52.12%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となるとのことです。
また、本公開買付価格は、本書提出日の前営業日である2024年11月12日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,389円に対して36.79%のプレミアムを加えた金額となるとのことです。
(注) EYは、当社株式の価値算定に際して、当社又は公開買付者から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、採用したそれらの情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っていないとのことです。また、当社とその関係会社の資産又は負債(偶発債務を含みます。)について、個別の各資産、各負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っていないとのことです。加えて、当社の財務予測については公開買付者の経営陣による現時点で可能な最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としているとのことです。EYの価値算定は、2024年11月11日現在までに入手可能な上記情報等と経済条件を前提としたものであるとのことです。
当社は、本取引に関する当社取締役会の意思決定過程の透明性及び合理性を確保するために、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、公開買付者グループ、当社グループ及び本応募合意株主から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を選任し、野村證券より、当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2024年11月11日付で本株式価値算定書(野村證券)を取得しております。本株式価値算定書(野村證券)の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。
なお、野村證券は、公開買付者、当社及び本応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、第1回の特別委員会において、野村證券の独立性に問題がないことを確認した上で、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社は、本公開買付けを含む本取引に関し、当社の意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立することを目的として、2024年9月10日付の取締役会における決議により、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本公開買付けを含む本取引の成否に利害関係を有しない、岩﨑泰一氏(当社社外取締役(監査等委員)、独立役員)、船越良幸氏(当社社外取締役、独立役員)、藤倉基晴氏(当社社外取締役(監査等委員)、独立役員)及び植田史恵氏(当社社外取締役(監査等委員)、独立役員)の4名から構成される本特別委員会を設置いたしました。なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更されておらず、また、互選により、本特別委員会の委員長として岩﨑泰一氏を選定しております。
なお、本特別委員会の委員の報酬は、固定額となっており、本公開買付けを含む本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。
当社取締役会は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、①本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、②本取引に係る取引条件(本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、③本取引に係る手続の公正性が確保されているか、④上記①から③を踏まえ、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか、⑤当社取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することの是非(以下①乃至⑤の事項を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問し、これらの点についての答申書を当社に提出することを委嘱しました。さらに、当社取締役会は、本取引に関する当社取締役会の意思決定は本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に係る取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は本取引に賛同しないものとすることを2024年9月10日付の取締役会にて併せて決議しております。また、当社取締役会は本特別委員会に対して、(ⅰ)本公開買付けにおける公開買付価格その他の本取引に係る取引条件等に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与する権限、(ⅱ)当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等(以下「アドバイザー等」といいます。)を承認(事後承認を含む。)する権限、(ⅲ)本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、独自の第三者算定機関その他のアドバイザー等を選任する権限(なお、本特別委員会は、当社のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がない等、特別委員会として当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言又は説明を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言又は説明を求めることができるものとしております。また、特別委員会のアドバイザー等の専門的助言に係る合理的な費用は当社が負担することとしております。)、(ⅳ)当社の役職員その他特別委員会が必要と認める者から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限を付与することを2024年9月10日付の取締役会にて併せて決議いたしました。
本特別委員会は、2024年9月11日から2024年11月12日まで合計13回開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メール等を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。具体的には、本特別委員会は、2024年9月11日に開催された第1回特別委員会において、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びにリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所については、その独立性及び専門性に問題がないことから、本特別委員会としてもそれぞれを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関並びにリーガル・アドバイザーとして承認しております。なお、本特別委員会も必要に応じてその専門的助言を受けることができることを確認した上、本特別委員会独自の外部アドバイザーの選任は行わないことを決定するとともに当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認しております。
その後の具体的な審議状況として、①当社に対して質問事項を提示し、当社から、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式により質疑応答を実施し、②別の会合において、公開買付者に対して質問事項を提示し、同社から、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式により質疑応答を実施しております。
また、本特別委員会は、当社が作成した本事業計画について、当社からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認しております。また、野村證券からの本事業計画を基礎として行った株式価値算定の内容、DCF法における割引率の計算根拠、類似会社比較法における類似会社の選定理由を含む重要な前提条件についての説明も踏まえて、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。
さらに、本特別委員会は、当社、野村證券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本取引の手続面における公正性を担保するための措置並びに本取引に係る当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容について説明を受け、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について審議・検討を行っております。
本特別委員会は、野村證券から受けた財務的見地からの助言を踏まえ、公開買付者からより高い価格を引き出すために、相互に独立した第三者間のM&Aで行われる一般的な交渉プロセスに即して十分な交渉を実施することを含む交渉方針について審議・検討するとともに、2024年10月22日に公開買付者より公開買付価格を1株当たり1,600円とする、第1回提案を受領して以降、本特別委員会が公開買付者から公開買付価格に関する提案を受領する都度、野村證券から受けた財務的見地からの助言も踏まえて公開買付者に対する交渉方針を審議・検討し、公開買付者との間で公開買付価格に関する交渉過程に実質的に関与いたしました。その結果、公開買付者から、同年11月7日に公開買付価格を1株当たり1,900円とする、最終的な提案を受けるに至りました。
本特別委員会は、以上の経緯の下、当社の依頼により当社のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券から受けた財務的見地からの助言及び本株式価値算定書(野村證券)の内容、並びにアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的見地からの助言を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2024年11月12日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。
(A)答申内容
(a)本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められる。
(b)本取引に係る取引条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性は確保されていると認められる。
(c)本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められる。
(d)上記(a)から(c)までを踏まえ、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められる。
(e)当社取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明すること並びに当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することは相当であると認められる。
(B)答申理由
(a)本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)
以下の点を踏まえると、本取引により想定されるシナジーは合理的なものということができ、公開買付者の想定と当社の想定との間に矛盾・齟齬もなく、本取引の実行は、当社が認識する経営課題の解決に資することが認められる。また、業務提携等の他の手法によるのではなく、本取引によるべき理由として説明された内容も合理的なものであると認められ、本取引によることも相当であると考えられる。加えて、本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものも見受けられない。したがって、本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められる。
・ 農業を取り巻く環境は、世界の人口増加に伴う食糧需要の拡大から、農業生産は今後も拡大するものと考えられ、世界の農薬市場は、農業生産の拡大から成長基調が継続している。国内農業では、農業生産者の減少及び高齢化が進んでいる一方で、大規模生産者や農業法人の増加など農業生産構造の変化が表れてきている。このような中、国内農薬業界においては、改正農薬取締法(2018年12月施行)により一層の農薬の安全性向上が要求されており、国内の既登録農薬についても最近の科学的知見に基づいた安全性等の再評価が必要となっている。また、世界農薬市場においては、国内に先行し農薬登録制度の見直しが行われており、農薬使用時や残留農薬の安全性評価に留まらず生態系に対する環境影響評価が強化され、多くの既存薬剤の登録の失効・淘汰が進んでいる。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等、国際情勢の悪化により資源価格の高騰が続くなど、依然として先行き不透明な状況が続いている。
・ そのような情勢の中、当社グループは、創業以来の経営理念を堅持しつつ100年企業を目指すために、「Lead The Way 2025」をスローガンとした長期事業計画とともに、新中期事業計画(2022年-2025年)を策定し、企業価値の向上に努めている。また、常に農家に対する敬愛のこころを忘れず、農家の生産への意欲を尊重し、何よりも農家の収益向上を目指し、さらに産業としての農業及び地域経済振興により大きな貢献ができる「農家、消費者、地域の期待に応えられる」サービス提供型企業になると掲げている。
・ 以上のような当社による事業環境及び経営課題の認識については、矛盾した点や明らかに客観的事実に反している点はない。したがって、上記に寄与する方策(M&Aを含むがこれに限られない。)を講じることは、個別に当該方策に係るリスクや当該方策に伴うデメリットを勘案する必要はあるものの、一般論としては当社の企業価値の向上に資するものであると考えることができる。
・ 公開買付者によれば、公開買付者が想定する本取引のシナジーは、①本取引により、化学農薬においては、製品ポートフォリオの相互補完に繋がるだけでなく、当社、公開買付者及び公開買付者の子会社であるエス・ディー・エス バイオテックの技術を掛け合わせることで、新剤開発を加速できること、②生物農薬においては、従来の枠組みを超えた開発から販売までの一貫体制を構築することで、事業拡大を実現することが可能になること、③化学農薬と生物農薬のベストミックスにより、総合的な提案も可能になること、とのことである。
・ 当社が想定する本取引のシナジーは、①エス・ディー・エス バイオテックとの協業により両社事業の相互強化が可能になり、両社の収益安定性及び成長性が大きく向上するものと考えられること。また、農家との強固な信頼関係に裏打ちされた広範な販売網を活用したエス・ディー・エス バイオテックの生物剤の更なる拡販が可能になること、②土壌消毒剤や害虫防除剤を主力製品とする当社と病害防除剤や水稲除草剤を強みとするエス・ディー・エス バイオテックは、両社の開発力やノウハウを相互に活用することで混合剤や新規剤の開発を加速させることができること。商品ラインナップの拡充により、販社や農家に対して包括的な商品提案が可能になるなど、バリューチェーンのより一層の強化が可能になること、③公開買付者グループが長年蓄積した発酵や遺伝子組換えを始めとしたバイオ関連技術、AI・MIを活用したデジタル技術等の基盤技術、及び、公開買付者グループの資本力や海外を含めた広範なリソース・ネットワークを活用できること。重要なエリア戦略としての海外事業の拡大、市場拡大が見込まれるバイオスティミュラント等の周辺事業への展開等、当社、公開買付者、エス・ディー・エス バイオテックの3社で戦略的取り組みを加速させ、日本の農薬業界の発展をリードしていく力を得られること、④近年の新市場区分における上場維持基準への適合対応及び改訂されたコーポレートガバナンス・コード等に対応するために、上場を維持するための体制や業務負担は、年々増大しており、本取引により当社株式を非公開化することによって、これらのコスト及び業務を軽減できること、である。
・ 上記の想定されるシナジーの内容は、相互に矛盾する点や明らかに客観的事実に反している点は見当たらず、合理的なものであると考えられる。また、公開買付者と当社が想定するシナジーは一致しており、相互に矛盾又は齟齬はない。
・ 公開買付者は、当社とエス・ディー・エス バイオテックのシナジー追求、持続的な事業成長を企図しているが、これは、当社の完全子会社化によりグループ一体となってこそ実現できると考えており、その後国内の農薬業界No.2クラスの強固な企業体を目指して、積極的に投資を行うことを想定しており、その意思決定を適時に実施していくためには完全子会社でなければ実現できないと考えたとのことである。また、当社の少数株主を存続させたまま公開買付者が過半数株式を取得する、いわゆる親子上場に関しては、昨今、東京証券取引所においても、親会社株主と子会社株主の利益相反状態に陥る可能性があるとして問題視されてきており、解消の動きがあると考えており、このため、万一親子上場の状況下になった場合、当社の少数株主の皆様より完全子会社化あるいは持分売却を求められるようになる等、当社が事業戦略の実行に専念することが阻害される可能性も高く、公開買付者の目的に鑑みれば最初から完全子会社化を目指すべきであると考えているとのことである。
・ 以上の点に鑑みると、他の手法によらず、本取引による経営課題の解決を目指すという判断は、合理的なものと考えられる。
・ 本取引による当社におけるデメリットとして、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが挙げられる。しかしながら、当社の現在の財務状況及び昨今の間接金融における低金利環境等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であり、また、知名度や社会的信用の向上についても、当社グループは業界内において既に一定の知名度及び社会的信用を確立しており、また、東京証券取引所プライム市場に株式上場している公開買付者のグループ会社となることで、総合的知名度やグループガバナンスの向上も見込まれることから、当社株式の非公開化に伴うデメリットは限定的であると当社は考えている。
・ 当社の事業について、①本取引後における株式譲渡や会社分割、事業譲渡等によるカーブアウト、又は、子会社の解散、事業の廃止等の組織再編の有無、②本取引後の人員削減の有無・既存従業員への悪影響、③本取引に伴う資金調達及び人材採用への悪影響の有無、及び④本取引後の当社と当社の顧客・仕入先その他の取引先との関係性への悪影響等の当社の企業価値の低減のおそれのある行為が想定されているかも問題となる。これらの点については、以下の事項が確認できた。
① 本取引後の当社グループに関する組織や事業・製品ラインについては、基本的に現状維持を前提としている(なお、公開買付者グループは、当社とエス・ディー・エス バイオテックの完全親会社となる中間持株会社を設立し、両社より役員を派遣してシナジーの最大化を目指すことも検討しているとのことであるが、かかる中間持株会社の設立自体はこれらに直接影響するものではないと考えられる。)。
② 本取引後も、当社従業員の各種制度・処遇等については、基本的に現状維持を前提としており、従業員の雇用を維持する方針である。
③ 公開買付者は本取引を自己資金により行うことを想定している。また、東京証券取引所プライム市場に株式上場している公開買付者は、高い社会的信用及び知名度を有していると考えられることから、当社が公開買付者の完全子会社となることで、上場会社である現状と比して当社の社会的信用に悪影響を及ぼすことはないと考えられることから、人材採用への悪影響は想定していない。
④ それらの行為は想定されていない。
・ 以上の点に鑑みると、本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものも見受けられない。
(b)本取引に係る取引条件(本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性
以下の点を踏まえると、本取引の交渉状況やスキーム等の妥当性を前提に、本公開買付価格については、その公正性・妥当性が認められる。また、本取引においては、少数株主が本公開買付け又は本スクイーズアウト手続のいずれによって対価を得たとしても、当社株式1株当たり本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されていることから、本公開買付けを含む本取引の条件の公正性・妥当性は確保されていると認められる。
・ 本公開買付価格の交渉状況についてみると、公開買付者による当初の提示額(1株当たり1,600円)を出発点として、当社が、野村證券から取得した暫定的な株式価値算定結果及び本特別委員会における審議・検討に基づく本特別委員会からの買付価格の引き上げ要請を踏まえ、野村證券の助言を受けながら公開買付者と交渉を重ねた結果、公開買付者から、3度にわたり買付価格を引き上げる提案を引き出した上、最終的に本公開買付価格(1株当たり1,900円)での合意に至ったとのことである。なお、かかる一連の交渉においては、その進行過程において、野村證券から、委員会の場で又は電子メールにて適時に本特別委員会に対して共有及び説明がなされ、随時本特別委員会による方針の確認及び本特別委員会の意見の聴取を得ながら、本特別委員会の実質的な関与の下に行われた。その結果、最終的な本公開買付価格は、当初に公開買付者が提示した価格から相応の上積みがされており、当社として、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して交渉がされたことが経緯として認められる。以上からすれば、本取引における本公開買付価格の合意は、当社と公開買付者との間において、実質的にも独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた交渉の結果なされたものであることが推認され、合意プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらない。
・ 本事業計画は、2024年12月期から2029年12月期までの当社の財務予測として、本取引の実施を前提としないスタンドアローン・ベースで作成されている。公開買付者又はそれらの関係者がその作成に関与し、又は影響を及ぼした事実は窺われない。また、当社は、公開買付者との交渉において、本事業計画について公開買付者に対して一定の説明を行っているが、公開買付者の指示により、又はその意を汲んで、策定又は修正が行われたという事実も窺われない。以上からすれば、本事業計画については、その策定プロセスに、公開買付者の圧力が介在した事実は認められず、また、その内容において不合理な予測となっている点は認められない。
・ 野村證券が採用した評価手法は、継続企業を前提とした企業価値評価手法であり、具体的には、市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法を採用している。市場株価を基準にして、将来キャッシュフローの現在価値を評価に織り込むDCF法にて評価上限を把握する評価手法の組み合わせは、企業評価の標準的アプローチに沿ったもので妥当であると認められる。市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法の選択、並びにそれぞれの算定方法及び算定根拠について、いずれも不合理な点は見当たらず、本特別委員会は、当社株式の株式価値の検討に当たり、本株式価値算定書(野村證券)に依拠することができるものと評価した。本公開買付価格である1株当たり1,900円は、①市場株価平均法により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの上限を上回り、②類似会社比較法により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの上限を上回り、かつ、③DCF法により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの中央値を上回る価格であると認められる。さらに、本公開買付価格は、2024年11月11日の東京証券取引所における当社株式の終値に対して41.05%、同過去1ヶ月の平均終値に対して43.07%、同過去3ヶ月の平均終値に対して43.40%、同過去6ヶ月の平均終値に対して52.12%のプレミアムを加えた金額となっている。これらのプレミアムは、M&A指針公表の2019年6月28日以降に公表し、2024年11月11日までに成立した国内上場企業を対象とし完全子会社化を企図した上限が付されていない他社株公開買付けの事例(REIT関連事例、マネジメント・バイアウト(MBO)事例、エンプロイー・バイアウト(EBO)事例、対抗的な公開買付けの事例、公開買付け公表時点において対象者が応募推奨を決議していない事例、二段階公開買付けの事例及び買付者と対象会社との間に一定の資本関係がある事例等を除く。)37件のプレミアム水準(公表日前営業日の終値に対するプレミアムの中央値・平均値(52.74%、61.92%)、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値・平均値(54.42%、62.24%)、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値・平均値(52.46%、64.33%)及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値・平均値(54.65%、63.54%))と比較しても、本公開買付けにおいては他の同種案件と概ね近接しており遜色ないプレミアムが確保されていると認められる。以上のような野村證券による株式価値算定の結果との比較の観点に加え、本取引においては、近時の公開買付けにおけるプレミアムとの関係でも概ね近接しており遜色のないプレミアムが確保されていること及び本公開買付価格は当社の直近1年間の株価推移に照らしてもその最高値を超える水準にあることを勘案すれば、本公開買付価格の水準は、不合理とはいえない。
・ 本取引においては、一段階目に公開買付けを行い、二段階目に株式等売渡請求又は株式併合を行うという手法が想定され、株式交換等の組織再編によることは想定されていない。本取引の手法は、この種の非公開化取引においては一般的に採用されている方法であり、かつ、二段階目のいずれの手続においても、裁判所に対する売渡価格の決定の申立て又は株式買取請求後の価格決定の申立てが可能である。また、本取引の方法は、株主が受領する対価が現金であることから、対価の分かり易さ、並びにその価値の安定性及び客観性が高いという点で望ましく、当社の完全子会社化を迅速に行うという要請と、少数株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会と時間の確保を両立させることができるという観点でも、特に株式等を対価とする株式交換等の組織再編よりも望ましいと考えられる。さらに、本公開買付けにおいては買付予定数の上限が設定されておらず、強圧性の問題も小さいと認められる。以上より、買収の方法として公開買付けを伴う二段階買収の方法を採用し、買収対価を現金とすることには、合理性が認められる。
(c)本取引に係る手続の公正性は確保されているか
以下の点を踏まえると、本取引では、①取引条件の形成過程において実質的にも独立当事者間取引といえる状況が確保され、②少数株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点から見ても充実した公正性担保措置が採用され、かつ、実効性をもって運用されていると認められるから、結論として、本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められる。
・ 本特別委員会は、当社より、本諮問事項についての諮問を受けており、その諮問事項の検討にあたって、①当社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、M&Aの是非について検討・判断するとともに、②少数株主の利益を図る観点から、(ア)取引条件の妥当性及び(イ)手続の公正性について検討・判断することを実施している。
・ 本特別委員会については、独立社外取締役4名で構成されており、各委員について、公開買付者及び本取引の成否から独立していることが確認されていること、当社取締役会は、当社取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否を含め、委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び、本特別委員会が本公開買付けを含む本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本公開買付けを含む本取引に賛同しないこととすることを決議している等が認められることから、公正性担保措置として有効に機能していると認められる。
・ 当社は、本取引に関する意思決定過程における透明性及び合理性を確保するため、当社グループ、公開買付者グループ、本応募合意株主並びに本取引の成否から独立したリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常律事務所から、特別委員会の設置や委員の選定、その他の公正性担保措置に係る助言を受けている。また、本特別委員会は、第1回委員会において、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、高い専門性及び独立性に問題がないことを確認した上で、本特別委員会として、必要に応じて専門的助言を求めることを確認し、助言を受けている。
・ 当社は、本公開買付価格の公正性を担保するために、当社グループ、公開買付者グループ、本応募合意株主並びに本取引の成否から独立した第三者算定機関である野村證券から、当社株式の株式価値に関する資料として本株式価値算定書(野村證券)を取得している。
・ 公開買付期間は、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日とされることが予定されている。公開買付期間を法令に定められた最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、対抗的買収提案者による買収提案の機会を確保するものと認められる。また、当社と公開買付者との間において、当社による対抗的買収提案者との接触等を過度に制限するような内容の合意は行われない。このように、本件では、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックが実施されていると認められる。
・ 本公開買付けにおける買付予定数の下限につきマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)は採用していないものの、他の公正性担保措置が行われていることも踏まえると、当社の少数株主について相当程度の配慮が行われていると認められる。
・ 本取引では、公開買付届出書及び当社意見表明プレスリリースにおいて、本特別委員会に付与された権限の内容、本特別委員会における検討経緯や公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況、本答申書の内容及び本特別委員会の委員の報酬体系等、本株式価値算定書(野村證券)の概要、本取引の実施に至るプロセスや交渉経緯等について充実した情報開示がなされる予定となっており、当社の株主に対し、取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料が提供されるものと認められる。
・ 公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式の全てを取得するに至らなかった場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、当社株式の全ての株式等売渡請求を行い、又は株式併合を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を当社に要請する予定である。また、株式等売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭が、本公開買付価格に各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定する予定であることが明らかにされている。さらに、株式等売渡請求の場合は当社の株主に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が、それぞれ確保されていることを踏まえると、強圧性が生じないように配慮がなされていると認められる。
(d)上記(a)から(c)までを踏まえ、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められるか
上記(a)から(c)までについて、いずれも問題があるとは認められないことからすると、本諮問事項(d)について、本取引を行うことの決定は、当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められる。
(e)当社取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明すること並びに当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することは相当であると認められるか
上記(a)から(d)までについて、いずれも問題があるとは認められないことからすると、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行うことは相当であると認められる。
当社は、本取引に関する当社取締役会の意思決定過程の透明性及び合理性を確保するために、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、公開買付者グループ、当社グループ及び本応募合意株主から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、同法律事務所より、本公開買付けを含む本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本取引に関する意思決定にあたっての留意点等について、必要な法的助言を受けております。
なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付者グループ、当社グループ及び本応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、第1回の特別委員会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性に問題がないことを確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとして承認しております。また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
当社は、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載の本特別委員会から提出された本答申書、上記「④ 当社における独立した法律事務所からの助言の取得」に記載の法的助言及び上記「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の本株式価値算定書(野村證券)等を踏まえ、本公開買付けについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年11月12日開催の当社取締役会において、当社取締役全9名のうち決議に参加した利害関係を有しない取締役8名(監査等委員である取締役を含みます。)全員の一致により、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしております。
なお、当社取締役のうち、櫛引氏は、公開買付者が同氏及び兼商産業との間で応募契約を締結する意向を有していたことから、利益相反の疑いを回避する観点から、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、2024年9月11日以降、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉に参加しておらず、上記取締役会における審議及び決議には参加しておりません。
当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、公開買付者グループ及び本応募合意株主から独立した立場で、本公開買付けに係る検討、交渉及び判断を行うため(本公開買付けの検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)、当社は本取引の実施に向けた検討を開始して以降、公開買付者グループ及び本応募合意株主から独立性を有する役職員6名から構成されるプロジェクトチームを構築しました。なお、プロジェクトチームのうち、取締役としては、井上智広氏(当社代表取締役専務 専務執行役員)、木下善夫氏(当社取締役 常務執行役員)及び山本修氏(当社取締役 上席執行役員)が関与しております。具体的には、当社は、2024年9月11日、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、櫛引氏について、当社と公開買付者との間の本公開買付価格等を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、検討及び判断に関与させず、また、当社株式の価値評価の基礎となる本事業計画の作成過程に関与させないこととしており、かかる取扱いを継続しております。また、2024年9月11日に開催された第1回特別委員会において、本特別委員会により、かかる検討体制につき独立性及び公正性の観点から問題がないことについて承認を受けております。
公開買付者は、当社との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。また、公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しているとのことです。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことです。
公開買付者は、本応募合意株主との間で、それぞれ、2024年11月12日付で以下の概要の本応募契約を締結しているとのことです。なお、公開買付者は、本取引に関して、本応募合意株主に対して、本公開買付けの応募の対価のほかに、何らかの利益を供与又は提供する旨の合意はしていないとのことです。
本応募契約(麻生)
本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年11月12日付で、麻生との間で、麻生が所有する本応募合意株式(麻生)について、本書提出日から遅くとも10営業日以内に本公開買付けに応募する旨の本応募契約(麻生)を締結したとのことです。本応募契約(麻生)において、麻生は、公開買付者の事前の書面による同意を得た場合又は公開買付期間中に麻生の義務の前提条件の一部若しくは全部が充足しないこととなった場合、その裁量により、応募を行わず、応募を撤回し、又は応募の結果成立した本応募合意株式(麻生)の買付けに係る契約を解除することができるものとされているとのことです。また、麻生は、本決済開始日までの間、本応募契約(麻生)に基づく応募を除き、直接又は間接に、(ⅰ)本応募合意株式(麻生)の譲渡、承継、担保設定その他一切の処分、又は、当社の株式若しくは当社の株式に係る権利の取得、提供若しくは譲渡(空売り及び第三者による当社の発行する株券等を対象とする公開買付けに対する応募を含みます。)を行わず(但し、上記に従い、麻生が本公開買付けに応募せず、応募を撤回し、又は応募の結果成立した本応募合意株式(麻生)の買付けに係る契約を解除することができる場合を除きます。)、また、(ⅱ)第三者に対して本公開買付けと競合し若しくは本公開買付けを阻害する又はそれらのおそれのある一切の取引(当社による第三者との間の合併・株式交換・会社分割等の組織再編行為、当社の事業の全部又は一部の譲渡及び第三者による当社の発行する株券等を対象とする公開買付けその他の売買を含みます。)に関する提案、勧誘を自ら積極的に行わず、第三者からかかる取引に関する情報提供、提案、勧誘を受けた場合には実務上合理的に可能な限り速やかに公開買付者に通知するものとされているとのことです。また、麻生は、本公開買付けが成立し本応募契約(麻生)に基づく応募に係る決済が完了した場合であって、本決済開始日の前日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催されるときには、公開買付者の指示に従って、当該株主総会における麻生が所有する当社株式に係る議決権その他の一切の権利を行使するものとされているとのことです。
本応募契約(麻生)においては、麻生による応募の前提条件として、①本公開買付けが適法かつ有効に開始されており、撤回されていないこと、②公開買付者の表明保証(注1)に重大な誤りがないこと、③公開買付者について、本応募契約(麻生)に定める義務の重要な違反が存しないこと、④当社の取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明する旨の決議を行い、かつ当該意見表明が変更又は撤回されていないこと、及び⑤本公開買付け又は麻生による本応募契約(麻生)に基づく応募を制限又は禁止する旨のいかなる法令等又は司法・行政機関等によるいかなる命令、処分若しくは判決も存在していないことが規定されているとのことです。なお、本応募契約(麻生)上、麻生は、その任意の裁量により、当該前提条件を放棄の上、本公開買付けに応募することは禁止又は制限されていないとのことです。
加えて、本応募契約(麻生)においては、各当事者は、上記のほか、契約終了事由(注2)、秘密保持、公表、契約上の地位の譲渡禁止、費用、完全合意、準拠法・管轄、誠実協議を合意しているとのことです。
(注1) 本応募契約(麻生)では、公開買付者の表明保証事項として、①設立及び存続の有効性、②本応募契約(麻生)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③本応募契約(麻生)の有効性及び執行可能性、④法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、並びに、⑥反社会的勢力との取引・関与の不存在が規定されているとのことです。
本応募契約(麻生)では、麻生の表明保証事項として、①設立及び存続の有効性、②本応募契約(麻生)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③本応募契約(麻生)の有効性及び執行可能性、④法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥当社株式の保有、並びに、⑦反社会的勢力との取引・関与の不存在が規定されているとのことです。
(注2) 本応募契約(麻生)では、①各当事者の重要な義務の違反による解除、②各当事者の表明保証の重要な違反による解除、及び③本公開買付者が、法令等に従い本公開買付けを撤回した場合又は本公開買付けが不成立となった場合が、契約終了事由となっているとのことです。
本応募契約(ヴァレックス)
本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年11月12日付で、ヴァレックスとの間で、ヴァレックスが所有する本応募合意株式(ヴァレックス)について、本書提出日から遅くとも10営業日以内に本公開買付けに応募する旨の本応募契約(ヴァレックス)を締結しているとのことです。本応募契約(ヴァレックス)において、ヴァレックスは、公開買付者の事前の書面による同意を得た場合、応募の結果成立した本応募合意株式(ヴァレックス)の買付けに係る契約を解除することができるものとされているとのことです。また、ヴァレックスは、公開買付期間の末日までに、ヴァレックスが、下記(ⅰ)(ⅱ)に定める義務に違反していないにもかかわらず、公開買付者以外の者により本公開買付価格(但し、買付条件の変更により本公開買付価格が引き上げられた場合には、当該変更後の買付価格をいいます。)を5%以上上回る買付価格による当社株式に対する公開買付け(但し、当該公開買付けは、買付予定数の上限が設定されておらず、かつ、当該公開買付けの買付者が保有する当該公開買付け後の議決権が当社の総議決権の3分の2以上となる株式数を買付予定数の下限としているものであることを要します。)(以下「対抗公開買付け」といいます。)が開始された場合であって、かつ、ヴァレックスが応募をすること若しくは既に行った応募を撤回しないことがヴァレックスの投資家に対して負っている受託者責任に違反すると合理的に認められる旨の弁護士による意見書が提出され、当該意見書の写しが公開買付者に交付された場合には、ヴァレックスは、公開買付者に対し本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができ、公開買付者が当該申入れの日から起算して10営業日を経過する日又は公開買付期間の末日のいずれか早い日までに本公開買付価格を対抗公開買付けの買付価格以上の価格に変更しない場合には、ヴァレックスは、損害賠償、違約金その他名目を問わず何らの金銭の支払いをすることなく、またその他何らの義務、負担又は条件を課されることなく、応募を行わず、又は応募を撤回することができるものとされているとのことです。そして、ヴァレックスは、本決済開始日までの間、本応募契約(ヴァレックス)に基づく応募を除き、直接又は間接に、(ⅰ)本応募合意株式(ヴァレックス)の譲渡、承継、担保設定その他一切の処分、又は、当社の株式若しくは当社の株式に係る権利の取得、提供若しくは譲渡(空売り及び第三者による当社の発行する株券等を対象とする公開買付けに対する応募を含みます。)を行わず、また、(ⅱ)第三者に対して本公開買付けと競合し若しくは本公開買付けを阻害する又はそれらのおそれのある一切の取引(当社による第三者との間の合併・株式交換・会社分割等の組織再編行為、当社の事業の全部又は一部の譲渡及び第三者による当社の発行する株券等を対象とする公開買付けその他の売買を含みます。)に関する提案、勧誘を行わず、第三者からかかる取引に関する情報提供、提案、勧誘等を受けた場合には速やかに公開買付者に通知するものとされているとのことです。また、ヴァレックスは、自らが応募を行って本公開買付けが成立した場合であって、本決済開始日の前日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催されるときには、公開買付者の指示に従って、当該株主総会におけるヴァレックスが所有する当社株式に係る議決権その他の一切の権利を行使するものとされているとのことです。
本応募契約(ヴァレックス)においては、ヴァレックスによる応募の前提条件として、①本公開買付けが適法かつ有効に開始されており、撤回されていないこと、②公開買付者の表明保証(注1)に重大な誤りがないこと、③公開買付者について、本応募契約(ヴァレックス)に定める義務の重要な違反が存しないこと、④当社の取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明する旨の決議を行い、かつ当該意見表明が変更又は撤回されていないこと、及び⑤当社に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)並びに当社の株券等の公開買付け等の実施に関する事実及び中止に関する事実(法第167条第2項に定めるものをいいます。但し、本公開買付けに関する事実を除きます。)で未公表のものが存在しないことが規定されているとのことです。なお、本応募契約(ヴァレックス)上、ヴァレックスは、その任意の裁量により、当該前提条件を放棄の上、本公開買付けに応募することは禁止又は制限されていないとのことです。
加えて、本応募契約(ヴァレックス)においては、各当事者は、上記のほか、契約終了事由(注2)、秘密保持、公表、契約上の地位の譲渡禁止、費用、完全合意、準拠法・管轄、誠実協議を合意しているとのことです。
(注1) 本応募契約(ヴァレックス)では、公開買付者の表明保証事項として、①設立及び存続の有効性、②本応募契約(ヴァレックス)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③本応募契約(ヴァレックス)の有効性及び執行可能性、④法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、並びに、⑥反社会的勢力との取引・関与の不存在、⑦未公表の重要事実の不知が規定されているとのことです。
本応募契約(ヴァレックス)では、ヴァレックスの表明保証事項として、①設立及び存続の有効性、②本応募契約(ヴァレックス)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③本応募契約(ヴァレックス)の有効性及び執行可能性、④法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥当社株式の保有、並びに、⑦反社会的勢力との取引・関与の不存在、⑧未公表の重要事実の不知が規定されているとのことです。
(注2) 本応募契約(ヴァレックス)では、①各当事者の重要な義務の違反による解除、②各当事者の表明保証の重要な違反による解除、及び③公開買付者が、本公開買付けを2024年11月13日に開始しなかった場合若しくは法令等に従い本公開買付けを撤回した場合、本公開買付けが不成立となった場合又はヴァレックスが上記に従い本応募を行わず若しくは本応募を撤回した場合が、契約終了事由となっているとのことです。
本応募契約(兼商産業)
本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年11月12日付で、兼商産業との間で、兼商産業が所有する本応募合意株式(兼商産業)について、本書提出日から遅くとも15営業日以内に本公開買付けに応募する旨の本応募契約(兼商産業)を締結しているとのことです。本応募契約(兼商産業)において、兼商産業は、公開買付者の事前の書面による同意を得た場合を除き、いかなる場合であっても、本公開買付けへの応募を撤回し、当該応募の結果成立した当該株式の買付けに係る契約を解除することはできないものとされているとのことです。また、兼商産業は、本決済開始日の前日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催されるときには、公開買付者の指示に従って、当該株主総会における兼商産業が所有する当社株式に係る議決権その他の一切の権利を行使するものとされているとのことです。
本応募契約(兼商産業)においては、兼商産業による応募の前提条件は規定されていないとのことです。
なお、本応募契約(兼商産業)においては、各当事者は、上記のほか、契約終了事由(注1)、秘密保持、公表、準拠法・管轄、誠実協議を合意しているとのことです。
(注1) 本応募契約(兼商産業)では、①各当事者の表明保証(注2)の重要な違反による解除、及び②本公開買付者が、法令等に従い本公開買付けを撤回した場合又は本公開買付けが不成立となった場合が、契約終了事由となっているとのことです。
(注2) 本応募契約(兼商産業)では、公開買付者の表明保証事項として、①設立及び存続の有効性、②本応募契約(兼商産業)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③本応募契約(兼商産業)の有効性及び執行可能性、④法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、並びに、⑥反社会的勢力との取引・関与の不存在が規定されているとのことです。
本応募契約(兼商産業)では、兼商産業の表明保証事項として、①設立及び存続の有効性、②本応募契約(兼商産業)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③本応募契約(兼商産業)の有効性及び執行可能性、④法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥当社株式の保有、並びに、⑦反社会的勢力との取引・関与の不存在が規定されているとのことです。
本応募契約(櫛引氏)
本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年11月12日付で、櫛引氏との間で、櫛引氏が所有する本応募合意株式(櫛引氏)について、本書提出日から遅くとも15営業日以内に、(ⅰ)本応募合意株式(櫛引氏)のうち担保権が設定されている47,000株につき、当該担保権の担保権者をして全て解除させ、かつ、(ⅱ)本応募合意株式(櫛引氏)のうち貸株取引の対象となっている250,000株につき、当該貸株取引に係る貸株契約を終了させ、又は当該貸株契約に基づきその返還を受けた上、本公開買付けに応募する旨の本応募契約(櫛引氏)を締結しております。本応募契約(櫛引氏)において、櫛引氏は、公開買付者の事前の書面による同意を得た場合を除き、いかなる場合であっても、本公開買付けへの応募を撤回し、当該応募の結果成立した当該株式の買付けに係る契約を解除することはできないものとされているとのことです。また、櫛引氏は、本決済開始日の前日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催されるときには、公開買付者の指示に従って、当該株主総会における櫛引氏が所有する当社株式に係る議決権その他の一切の権利を行使するものとされているとのことです。
本応募契約(櫛引氏)においては、櫛引氏による応募の前提条件は規定されていないとのことです。
なお、本応募契約(櫛引氏)においては、各当事者は、上記のほか、契約終了事由(注1)、秘密保持、公表、準拠法・管轄、誠実協議を合意しているとのことです。
(注1) 本応募契約(櫛引氏)では、①各当事者の表明保証(注2)の重要な違反による解除、及び②本公開買付者が、法令等に従い本公開買付けを撤回した場合又は本公開買付けが不成立となった場合が、契約終了事由となっているとのことです。
(注2) 本応募契約(櫛引氏)では、公開買付者の表明保証事項として、①設立及び存続の有効性、②本応募契約(櫛引氏)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③本応募契約(櫛引氏)の有効性及び執行可能性、④法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、並びに、⑥反社会的勢力との取引・関与の不存在が規定されているとのことです。
本応募契約(櫛引氏)では、櫛引氏の表明保証事項として、①本応募契約(櫛引氏)の締結及び履行に必要な権利能力及び行為能力の保有、②本応募契約(櫛引氏)の有効性及び執行可能性、③法令等との抵触の不存在、④倒産手続等の不存在、⑤当社株式の保有、並びに、⑥反社会的勢力との取引・関与の不存在が規定されているとのことです。
当社は、2024年11月12日付で当社の2024年12月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)を公表しております。詳細については、当社の上記公表資料をご参照ください。
当社は、2024年11月12日開催の取締役会において、本公開買付けが成立することを条件に、2024年8月13日に公表した2024年12月期の配当予想を修正し、2024年12月期の期末配当を行わないことを決議いたしました。詳細については、当社の上記公表資料をご参照ください。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
(注2) 所有株式数及び議決権の数には、それぞれ当社役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれに係る議決権の数を含めております。
(注3) 櫛引博敬の所有株式数及び議決権の数には、同氏の資産管理会社である兼商産業株式会社が所有する当社の普通株式の数及びそれに係る議決権の数を含めております。
(注4) 取締役の船越良幸、藤倉基晴、岩﨑泰一及び植田史恵は社外取締役です。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】
以 上