当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。なお、重要事象等は存在していません。
<経済環境>
当中間連結会計期間における世界経済は、地政学リスクの継続や金利、為替相場の変動等により、不透明な状況が続きました。米国経済は個人消費が成長を牽引し、堅調に推移しました。欧州経済は緩やかに回復し、物価の沈静化と賃上げが家計消費を支えています。中国経済は内需の弱さと不動産市場の低迷が影響し、減速傾向にあります。日本経済は賃金の伸びと定額減税が個人消費を支え、緩やかに回復しました。
<外航海運業>
タンカー傭船市況は、地政学的な影響を受けやすい状況が継続しています。原油船については、ウクライナ情勢や中東の緊張が船腹需要を押し上げ、市況は比較的高位で推移しましたが、依然として変動が大きく不安定な状況が続いています。これに加え、OPECプラスの生産調整や、アメリカのシェールオイル生産の動向など、原油の供給状況も傭船市況の変動要素となっています。石油製品船については、ロシア出し貨物の代替調達やコロナ禍後の荷動き増加が続いており、現時点では季節的要因による下落傾向にはあるものの、比較的好調な市況が維持されています。特にアジア地域での需要増加が顕著であり、これが市況を支える要因となっています。LPG/LNG船についても、地政学的な要因による船腹需要の増加やトレードパターンの変化が引き続き市況に大きな影響を与え、傭船マーケットは活況を維持しました。特にLNG船は、新造船の増加にもかかわらず、底堅い船腹需要が継続しており、エネルギー需要の高まりに対応しています。
バルカー傭船市況については、大型船においては中国経済の不安定さが影響し、船腹需要が減少する場面もありましたが、全体としては堅調に推移しています。特に、中国による輸出鋼材需要の増加が国内における鉄鋼需要の減少をカバーする形で鉄鉱石や石炭の輸送需要は堅調であり、これが市況を支える要因となっています。中小型船については、パナマ運河の通峡規制や穀物の豊作による荷動きの増加が市況を押し上げました。北米や南米の穀物収穫期には、出荷量の増加とそれに伴う滞船の増加が見られ、秋口には市況が反転上昇する兆しが見られます。また、一時期の異常気象によるパナマ運河の通航制限や、中東情勢の緊迫からスエズ運河の利用が難しくなったことで航路変更が余儀なくされるなど、バルカー傭船市況においてもタンカー同様の不安定要因が見られます。
自動車船傭船市況は、2020年の荷動き減退時のスクラップ促進による船腹量絞り込みの影響が未だ強く、コロナ禍からの回復に伴う自動車生産量と荷動きの増加に伴う旺盛な船腹需要をカバーしきれない状況が継続しており、歴史的な高水準で推移しています。特に電気自動車(EV)の生産増加が顕著であり、これがさらなる船腹需要を生み出し、輸送需要は引き続き高水準を維持しています。
コンテナ船市況は、2023年末から2024年にかけて上昇基調にあります。特にパナマ運河の渇水問題や中東情勢の緊迫化に伴う輸送ルートの変更が需給を引き締め、これによりコンテナ船の運賃は年初より緩やかな上昇を続け、現在は一服した状態にありますが、2023年を上回る状況となりました。
このような状況のもと、当社外航海運部門は、円安の進行、タンカー1隻の新規稼働はあったものの、前年に売却した船舶の稼働減があり、売上高は28,499百万円(前中間連結会計期間比0.4%増)、外航海運業利益は5,537百万円(前中間連結会計期間比7.7%減)となりました。
<ホテル関連事業>
ホテル関連事業部門では、コロナ禍からの回復基調に転じた昨年から比べ宿泊部門では国内個人客やインバウンドの急増により更に実績を伸ばした結果、売上高は4,121百万円(前中間連結会計期間比12.8%増)となりました。一方で食材費の高騰およびエネルギーコストの上昇により営業費用が増加したため、ホテル関連事業損失は178百万円(前中間連結会計期間はホテル関連事業損失100百万円)となりました。
<不動産賃貸業>
不動産賃貸業部門は、稼働率は安定して推移し、売上高は278百万円(前中間連結会計期間比2.2%増)、設備の修繕費の計上もあり、不動産賃貸業利益は105百万円(前中間連結会計期間比26.8%減)となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は32,899百万円(前中間連結会計期間比1.8%増)、営業利益は5,465百万円(前中間連結会計期間比9.6%減)、営業外費用に為替差損2,195百万円の計上もあり、経常利益は2,077百万円(前中間連結会計期間比13.7%減)、また、前中間連結会計期間に計上した特別利益(船舶売却益)1,317百万円の剥落により、親会社株主に帰属する中間純利益は775百万円(前中間連結会計期間比59.0%減)となりました。
当中間連結会計期間末における資産の部は、前連結会計年度末より23,050百万円増加し、299,507百万円となりました。これは主に、建設仮勘定において、建造中のLNG船4隻を新たに設立した持分法適用関連会社2社への保有に変更したことにより減少した一方で、現金及び預金の増加、船舶1隻竣工に伴う船舶の増加、前述の持分法適用関連会社2社への出資による投資有価証券の増加によるものです。
負債の部は、前連結会計年度末より15,307百万円増加し、210,351百万円となりました。これは主に船舶取得に伴う長期借入金の増加および在外子会社の為替換算によるものです。
また、純資産の部は、前連結会計年度末より7,742百万円増加し、89,156百万円となりました。これは主に非支配株主持分、その他の包括利益累計額、利益剰余金の増加によるものです。
キャッシュ・フローにおいては、当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて11,492百万円増加し、49,181百万円となりました。 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によって得られた資金は、13,839百万円(前中間連結会計期間比0.9%増) となりました。これは主に税金等調整前中間純利益2,077百万円に、減価償却費8,603百万円を加算し、その他非資金項目を加減算した結果です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動に使用した資金は、704百万円(前中間連結会計期間は3,006百万円の支出) となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出9,031百万円、有形固定資産の取得による支出4,705百万円、有形固定資産の売却による収入12,772百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動に使用した資金は、4,685百万円(前中間連結会計期間は4,350百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出8,722百万円、長期借入れによる収入4,668百万円によるものです。
当中間連結会計期間において、前連結会計年度末に建造中の船舶5隻のうち1隻が竣工し、稼働を開始しました。また、4隻は持分法適用関連会社への保有に変更しています。これにより当中間連結会計期間末現在、重要な設備の新設計画はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。