第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、及び、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1) 当中間期の経営成績の概況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、インバウンド需要の回復や、雇用・所得環境の改善等により、緩やかな回復傾向が続いています。一方、ロシア・ウクライナ戦争の長期化や中東情勢の緊迫化、中国の景気減速、さらには、不安定な為替相場、各国中央銀行による金融政策見直しの動向など、依然として先行き不透明な状況が続いています。

住宅業界においては、当社グループの主力販売市場である日本国内の持家と分譲戸建住宅を合わせた着工戸数が、2022年1月以降、前年を下回る水準で推移しています。

当社グループはこのような事業環境のもと、無垢商品や省施工商品といった付加価値が高い商品を核とした内装建材等の拡販に注力するとともに、脱新築戸建市場依存に向けて国内のリフォーム・非住宅市場や海外市場といった新たな市場のさらなる開拓を進めています。

営業部門における業務プロセス改革の専担部署として立ち上げた「DX推進室」では、これまで各地に配置していた事務処理拠点を統合し、2024年6月にお客様へのサービス提供を一元化した新体制をスタートしました。製造部門では、デジタル技術などを活用した生産計画立案の最適化や、リアルタイムな在庫管理の精度向上を目指したDX推進プロジェクトに取り組んでいます。

また、2023年1月に立ち上げた「one's art準備室」では、絵を描くことが好きな才能あふれる3名のアーティストを雇用し、パラアート活動を応援していますが、2024年5月にアーティストや作品の紹介・販売を行う「one's artプロジェクト」を開始し、Webサイトをオープンしました。

さらに、当社のサステナブルな企業活動が社会や自然環境に与えるインパクトを包括的かつ定量的に評価され、2024年9月に株式会社みずほ銀行とのシンジケーション方式による「Mizuhoポジティブ・インパクトファイナンスPRO」の契約を締結しました。

国内販売については、「商品にサービスを加えて提供する建材サービス業」を目指し、省施工商品や無垢商品など、お客様にとって付加価値のある商品の拡販に取り組み、取引店数のさらなる拡大を進めています。また、度重なる資材調達コストの上昇に対応して、生産性向上によるコストダウンやサプライチェーンの強化に加え、適正な収益確保を行うべく床材・造作材等の販売価格の改定に継続的に取り組んでいます。

商品開発については、調湿機能、やすらぎ効果、経年美化、断熱効果、衝撃吸収性といった無垢材の特長を生かした無垢商品や、サイズ・カラーが豊富で組み合わせ自由な収納商品、職人不足など建築現場での課題に対応した省施工商品、上質で時代に左右されず、暮らすうちに味わい深く変化していく新ブランド「WO Timeless standard collection」といった付加価値のある新商品の開発に取り組んでいます。

リフォーム市場については、大都市圏である東京・大阪に、開発営業部内の営業戦力を集中し、中古再販業者・管材商流等、住宅ストック市場の開拓を進めています。

非住宅市場については、2024年4月に商業・医療・教育・宿泊施設などを主とした非住宅市場の開拓を担う専担部署として、開発営業部内に「特建グループ」を新設、構造材を担当する構造システム営業部とともに、営業部門全体で顧客、案件情報を共有し、一体となった営業活動を通して非住宅市場での売上拡大に取り組んでいます。

海外部門については、ニュージーランド子会社では、当社グループ向けの生産数量を確保した上で、原木や木製品などをニュージーランド国内市場などへ販売しています。また、インドネシア子会社では、欧米市場やインドネシア国内市場の販路開拓を続け、拡販に努めています。

こうした状況の中、国内外の住宅需要の低下による販売・生産数量の減少、円安やインフレの進行によるコスト高が続いたものの、日本国内での販売価格の改定による利益面での効果や労働生産性の向上による経費削減、前年度にニュージーランド子会社を事業再編した効果もあり、前年同期に比べ利益面では改善しました。

この結果、当中間連結会計期間の連結売上高は、31,826百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益は284百万円(前年同期は営業損失597百万円)、経常利益は301百万円(前年同期は経常損失844百万円)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は161百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失485百万円)となりました。なお、経常利益には、国内グループ子会社フォレストワンの庄原新工場への設備投資等に関する補助金収入330百万円が含まれています。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりです。

①住宅建材設備事業

住宅建材設備事業では、世界的なプロダクトデザイナー・深澤直人氏をディレクターに迎えた新シリーズ「WO Timeless standard collection」を発売(5月)、商品情報のウェブサイト公開や広島のショールームでの常設展示を開始し、幅303mmの一枚板で迫力ある床材を始め、ドア、キャビネット、階段、手すりなど、一連のコンセプトで統一された木質建材を提案しています。また、4月、ニュージーパインとオークを使用した、無垢の木の室内窓「imadoki [イマドキ]」を発売。7月には、人気の収納シリーズ「仕上げてる収納」に板で組み立てる収納「シカクム」を追加発売しました。「imadoki」は空間に調和し温かみのある無垢材で、室内に光と風を採り込み開放的な空間を演出するだけでなく、インテリアのアクセントにもなります。「シカクム」は収納に必要な分だけ板を連結していくことで、リビングから洗面室、書斎、趣味の部屋、ホール一面の本棚など、さまざまな設置場所や使い方に対応できます。9月には、ゆったりとした上質な空間をつくる152mmの幅広の床材「無垢フローリング ピノアースエコ152幅」を発売しました。ニュージーパインの美しいまっすぐな木目を生かし、つなぎ目の目立たない幅152mmの一枚板のような仕上がりで、ゆったりとした落ち着きのある上質な空間を演出できます。

リフォーム市場向けでは、専担部署である開発営業部主管で「リフォーム産業フェア」に出展(8月)、無垢の木のキッチン「スイージー」や無垢の木の内窓「MOKUサッシ」に加え、9月発売のドレタス タイプBの新デザイン「XJ」を先行展示しました。

非住宅市場向けでは、「非住宅 木造建築フェア2024」に初出展(5月)、高耐力フレームを活用し、川崎市内のフットサルコートのクラブハウスにも採用された「STRONG ONE工法」、木味を活かした「デザインウォール」、木に彩をプラスした内装建材ブランド「KITOIRO」等、非住宅向け構造材や商環境部材を現物展示・提案しました。また、非住宅市場の開拓に向け「地場産材使用 文教施設店舗用床材カタログ」を発刊(7月)、新たにヒノキ、スギの複合フローリング、グランドフローリングの商品展開や衝撃緩和機能の追加、足感加工などのオーダー対応も掲載し、専担部署である開発営業部「特建グループ」が中心となり、設計事務所やゼネコン、施工業者に対して提案活動を行いました。

海外部門については、ニュージーランド子会社では、原木の販売数量が減少、木製品についても日本国内の住宅需要の低下により当社グループ向け生産数量が減少したものの、グループ外向け売上高が増加し、前年度に事業再編した効果もあり、利益面でも前年同期比で改善しています。

また、インドネシア子会社では、主に欧米市場への新規開拓が順調に進み、前年同期に比べ売上高、利益面ともに好調に推移しました。

この結果、当中間連結会計期間における住宅建材設備事業の売上高は31,320百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は259百万円(前年同期は営業損失632百万円)となりました。

 

②発電事業

発電事業では、本社敷地内に設置している木質バイオマス発電設備で発電した再エネ電気を、電気事業者にFIT固定価格で全量売電しています。バイオマス燃料需要が増え続ける中、依然、燃料代は高止まりしましたが、電気事業者からの「出力制御」の要請が前年同期に比べ減少したことから、売上高はやや増加したものの、営業利益は減少しました。

木質バイオマス発電において排出されるCO₂は、木が成長する過程で大気から吸収したものであり、大気中のCO₂量の実質的な増加には繋がらない(「カーボンニュートラル」)とされるものです。当社では、森林から直接産出される「間伐材等由来の木質バイオマス」、当社国内工場やフィリピン子会社などで生じる端材などの「一般木質バイオマス」、建築解体現場から排出される「建設資材廃棄物」を燃料として、2015年からバイオマス発電事業を行っています。

この結果、当中間連結会計期間における発電事業の売上高は526百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益は25百万円(同25.9%減)となりました。

 

(2) 当中間期の財政状態の概況

当中間連結会計期間末における連結財政状態は、為替の影響もあり、前連結会計年度末に比べ資産が1,950百万円増加、負債が617百万円増加、純資産が1,332百万円増加しました。

資産1,950百万円の増加は、流動資産が250百万円減少したものの、固定資産が2,201百万円増加したことによるものです。流動資産250百万円の減少は、受取手形、売掛金及び契約資産が172百万円増加、棚卸資産が613百万円増加したものの、現金及び預金が1,133百万円減少したことによるものです。また、固定資産2,201百万円の増加は、主にニュージーランド子会社の立木等の増加により有形固定資産が947百万円増加(為替影響除きでは129百万円増加)、投資有価証券の時価評価により投資その他の資産が1,307百万円増加したことによるものです。

負債617百万円の増加は、未払消費税等の減少によりその他流動負債が1,024百万円減少したものの、主に国内および海外子会社での設備資金や運転資金の調達等により、借入金が1,870百万円増加したことによるものです。

純資産1,332百万円の増加は、主に為替換算調整勘定が557百万円増加、その他有価証券評価差額金が756百万円増加したことによるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動により251百万円の増加、投資活動により2,429百万円の減少、財務活動により1,196百万円の増加となりました。

営業活動により増加した資金251百万円(前年同期は741百万円の資金増加)は、主に棚卸資産が562百万円増加、未払消費税等が393百万円減少、仕入債務が201百万円減少したものの、税金等調整前中間純利益208百万円、非資金項目である減価償却費1,894百万円を加えたことにより資金が増加したものです。

投資活動により減少した資金2,429百万円(前年同期は2,676百万円の資金減少)は、主に国内および海外子会社での設備投資並びにニュージーランド子会社での山林投資等に2,311百万円支出したことによるものです。

財務活動により増加した資金1,196百万円(前年同期は810百万円の資金増加)は、主に配当金として110百万円を支出したものの、借入金による資金調達により1,503百万円増加したことによるものです。

この結果、現金及び現金同等物は1,133百万円の減少となり、当中間連結会計期間末残高は4,028百万円(前連結会計年度比22.0%減)となりました。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、134百万円です。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当中間連結会計期間における当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しは、重要な変更及び新たに生じたものはありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。