第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

(当中間連結会計期間におけるハイライト)

当社を取り巻く経営環境は、日本においては、雇用・所得環境の改善に加え、インバウンド需要の増加などから、緩やかな回復傾向となりました。一方、海外景気の下振れ懸念や物価上昇、金融資本市場の変動等による影響など、先行きは不透明な状況が継続しました。

2024年5月に発表した「中長期経営戦略 2030」では、価値創造モデルを新たに構築し、年齢軸・地域軸を成長ドライバーに事業機会と事業規模の拡大を図り、それらを支えるコーポレート戦略を相互に連携させることで、2030年3月期に売上高3,000億円、営業利益率10%の達成を目指しています。

本戦略のスタートとなる2025年3月期において、タカラトミーでは、昨年7月より日本およびアジアで展開を開始した「BEYBLADE X(ベイブレードエックス)」が「ベイブレードは、スポーツへ。」をテーマとしたブランディング施策の推進により、販売が拡大しました。さらに、欧米に向けた輸出を開始し、各国でのアニメ放送をスタートさせるなど年齢・地域を超えた展開が本格化しました。なお、欧米のアニメ展開においては、ライセンス業務を担うT-Licensing Inc.が現地での放送局との取組みにより、視聴エリアが拡大しました。

タカラトミーアーツでは、「ぬいぐるみ」等のポケットモンスター関連商品が伸長したことに加え、「ガチャ」においては、キャラクター商品をはじめとしたアイテム数の拡大やカプセルトイ専門店等への設置を進めるとともに海外展開を拡大するなど、好調な推移が継続しました。また、アミューズメントマシンにおいては、4月に「ひみつのアイプリ」、7月に「ポケモンフレンダ」の稼働を開始し、前作を上回る立ち上がりとなりました。

キデイランドは、昨年に引き続き新鮮で話題性の高いキャラクター商品や雑貨を扱うなど、国内外の幅広い年齢層から人気を集めています。そのような中、キャラクターの人気継続やインバウンド需要もあり、原宿店、梅田店をはじめとした旗艦店やキャラクター専門店、催事展開が好評を博すなど、好調な推移が継続しました。

また、コーポレート戦略の一環として、ジョブ型人事制度への改定や出産育児祝い金制度の新設をはじめとした両立支援の拡充等、人事諸制度の改定を6月に発表するなど、持続的な成長を推進する為の体制整備を行いました。

このような取組みの結果、当中間連結会計期間における業績は、日本において、タカラトミーアーツ、キデイランドの好調継続に加え、タカラトミーが大幅に伸長するなど、国内3社が好調に推移するとともに、アジアも堅調に推移し、売上高は当初想定を上回る120,709百万円(前年同期比25.6%増)と2期連続で過去最高となりました。

また、利益面におきましては、売上高の増加に伴う売上総利益の伸長等により、営業利益は12,361百万円(前年同期比54.3%増)、経常利益は11,892百万円(前年同期比61.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は8,454百万円(前年同期比50.6%増)といずれも過去最高を更新し、新たな経営体制のもと順調な進捗となりました。

 

 

(経営成績の概況)

 <セグメント別業績の概況>

                                        (単位:百万円)

 

 

2024年3月期

中間期

2025年3月期

中間期

増減

増減率(%)

売上高

 

96,078

120,709

24,631

25.6

 

日本

79,881

104,780

24,899

31.2

 

アメリカズ

13,598

14,076

477

3.5

 

欧州

2,861

3,003

141

4.9

 

オセアニア

1,248

1,329

80

6.5

 

アジア

29,379

36,517

7,137

24.3

 

消去又は全社

△30,891

△38,996

△8,104

営業利益又は営業損失(△)

8,013

12,361

4,347

54.3

 

日本

10,116

13,598

3,482

34.4

 

アメリカズ

△459

△312

146

 

欧州

△302

△128

173

 

オセアニア

136

62

△73

△54.1

 

アジア

904

1,702

798

88.3

 

消去又は全社

△2,381

△2,561

△179

 

 

 <日本>

                                          (単位:百万円)

 

2024年3月期

中間期

2025年3月期

中間期

増減

売上高

79,881

104,780

24,899

営業利益

10,116

13,598

3,482

 

 タカラトミーでは、「トミカ」をはじめとした定番ブランドが幅広い年齢・地域への展開により好調に推移するとともに、昨年7月より日本およびアジアで展開を開始した現代版ベーゴマ「BEYBLADE X」において「ベイブレードは、スポーツへ。」をテーマとしたブランディング施策の推進により、販売が拡大しました。さらに、欧米に向けた輸出を開始し、各国でのアニメ放送をスタートさせるなど年齢・地域を超えた展開が本格化しました。なお、欧米のアニメ展開においては、ライセンス業務を担うT-Licensing Inc.が現地での放送局との取組みにより、視聴エリアが拡大しました。自社IP「ぷにるんず」は、日本・アジア地域での人気を受け、4月より欧米向けの輸出がスタートするなど、グローバルコンテンツ化に向けた成長を続けています。また、5月には、幅広い顧客層に向け、大人気コミック「名探偵コナン」をトレーディングカードゲームとして展開を開始し、7月には第2弾を発売するなど、新たな売上となりました。デジタル事業では、「デュエル・マスターズ プレイス」においてVTuberグループ「ホロライブ」やアニメ「推しの子」とのコラボレーションが話題となるとともに、昨年10月に発売した「人生ゲーム for Nintendo Switch™」が引き続き人気を集めました。

 タカラトミーアーツでは、「ぬいぐるみ」等のポケットモンスター関連商品が伸長したことに加え、「ガチャ」においては、キャラクター商品をはじめとしたアイテム数の拡大やカプセルトイ専門店等への設置を進めるとともに海外展開を拡大するなど、好調な推移が継続しました。また、アミューズメントマシンにおいては、4月に「ひみつのアイプリ」、7月に「ポケモンフレンダ」の稼働を開始し、前作を上回る立ち上がりとなりました。

 キデイランドは、昨年に引き続き新鮮で話題性の高いキャラクター商品や雑貨を扱うなど、国内外の幅広い年齢層から人気を集めています。そのような中、キャラクターの人気継続やインバウンド需要もあり、原宿店、梅田店をはじめとした旗艦店やキャラクター専門店、催事展開が好評を博すなど、好調な推移が継続しました。

 以上の結果、売上高については104,780百万円(前年同期比31.2%増)、営業利益は13,598百万円(同34.4%増)となりました。

 

 

 <アメリカズ>

                                          (単位:百万円)

 

2024年3月期

中間期

2025年3月期

中間期

増減

売上高

13,598

14,076

477

営業損失(△)

△459

△312

146

 

玩具市場全体の低迷もあり、農耕車両玩具やトイ&ホビー商品の販売が減少しました。一方、「The First Years」をはじめとしたベビー用品の販売が堅調に推移するとともに、 Fat Brain Holdings, LLCの売上高が前年同期を上回ったことなどから、売上高は14,076百万円(前年同期比3.5%増)、営業損失は312百万円(前年同期営業損失459百万円)となりました。

 

 

 <欧州>

                                           (単位:百万円)

 

2024年3月期

中間期

2025年3月期

中間期

増減

売上高

2,861

3,003

141

営業損失(△)

△302

△128

173

 

玩具市場全体が低調に推移したものの、バストイやタカラトミーアーツの「ガチャ」等のトイ&ホビー商品が堅調に推移したことに加え、農耕車両玩具の販売が増加したことなどから、売上高は3,003百万円(前年同期比4.9%増)、営業損失は128百万円(前年同期営業損失302百万円)となりました。

 

 <オセアニア>

                                          (単位:百万円)

 

2024年3月期

中間期

2025年3月期

中間期

増減

売上高

1,248

1,329

80

営業利益

136

62

△73

 

タカラトミーアーツの「ガチャ」の販売が増加し、グループシナジーの効果を上げるとともに、ベビー用品やプリスクール商品の販売が堅調に推移しました。一方、低調な玩具市況もあり、農耕車両玩具の販売が減少しました。これらにより、売上高は1,329百万円(前年同期比6.5%増)となりました。営業利益は輸送コストの増加等による売上総利益率の悪化もあり、62百万円(同54.1%減)となりました。

 

 

 <アジア>

                                          (単位:百万円)

 

2024年3月期

中間期

2025年3月期

中間期

増減

売上高

29,379

36,517

7,137

営業利益

904

1,702

798

 

「トミカ」が幅広い年齢層に人気となるなど好調に推移するとともに、中国での販売拡大を背景として、9月には「トミカ」初となる海外ブランドストアを上海に開店しました。昨年7月より玩具販売を開始している「BEYBLADE X」では、各地でアニメ放映が開始となるなど展開が本格化しました。また、4月から関連玩具の販売をスタートさせた「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」は7月から香港、9月から台湾でテレビアニメ放送が開始されたこともあり、販売が伸長しました。さらに、「名探偵コナンカードゲーム」シリーズを日本と同時期の5月に香港、韓国、台湾をはじめとした9つの国と地域で販売を開始し人気を集めました。

加えて、生産子会社であるTOMY (Hong Kong) Ltd.では「BEYBLADE X」をはじめとした海外向け輸出が増加したこと等もあり、売上高は36,517百万円(前年同期比24.3%増)、営業利益は1,702百万円(同88.3%増)となりました。

 

 

財政状態(連結)の変動状況は次のとおりであります。

<資産>

 流動資産は、前連結会計年度末に比較して9,410百万円減少し、108,151百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金、商品及び製品が増加した一方で、現金及び預金が減少したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比較して1,015百万円増加し、49,706百万円となりました。これは主として、無形固定資産が減少した一方で、有形固定資産、投資その他の資産が増加したことによるものです。

<負債>

 流動負債は、前連結会計年度末に比較して4,348百万円減少し、49,373百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が増加した一方で、未払金、1年内返済予定の長期借入金、未払法人税等が減少したことによるものです。

 固定負債は、前連結会計年度末に比較して2,459百万円減少し、10,070百万円となりました。これは主として、長期借入金、繰延税金負債が減少したことによるものです。

<純資産>

 純資産は、前連結会計年度末に比較して1,586百万円減少し、98,413百万円となりました。これは主として、利益剰余金が増加した一方で、自己株式の取得があったことや、為替換算調整勘定、繰延ヘッジ損益が減少したことによるものです。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比較して21,599百万円減少し、42,583百万円となりました。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業活動によるキャッシュ・フローは、6,049百万円の支出(前年同期は5,022百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前中間純利益11,883百万円があった一方で、売上債権の増加9,731百万円、棚卸資産の増加5,663百万円、法人税等の支払額4,217百万円等があったことによるものです。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

 投資活動によるキャッシュ・フローは、4,741百万円の支出(前年同期は2,213百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出3,923百万円、無形固定資産の取得による支出823百万円等があったことによるものです。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 財務活動によるキャッシュ・フローは、10,395百万円の支出(前年同期は7,005百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出3,363百万円、配当金の支払額2,949百万円、自己株式の取得による支出2,712百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,520百万円等があったことによるものです。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当連結会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,718百万円であります。
 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

  当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。