当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、半期報告書提出日(2024年11月12日)現在において当社グループが判断したものであります。なお、当社は、2023年6月24日開催の第30期定時株主総会における、定款一部変更の決議により、前期より決算期を3月31日から12月31日に変更いたしました。これに伴い、前中間連結会計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)と当中間連結会計期間(2024年1月1日~2024年6月30日)は比較対象期間が異なるため、対前年増減比較については記載を省略しております。
(1)経営成績の状況
当社グループの当中間連結会計期間における経営成績の概況は、連結売上高1,202,689千円となりました。
これは、主にHTML5ゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」の売上高によるものであります。
売上原価は、434,299千円となりました。これは、主にHTML5ゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」に係る支払ロイヤルティ及び2023年12月期第3四半期からROAD101 Co., Ltd.を連結の範囲に含めたことによる人件費・外注費等によるものであります。
販売費及び一般管理費は、870,443千円となりました。主な内訳は、役員報酬145,641千円、給与手当222,799千円及び支払手数料102,623千円であります。
これらの結果、営業損失102,054千円、経常損失31,424千円、親会社株主に帰属する中間純損失146,549千円となりました。
セグメントごとの経営成績の概況は、次のとおりであります。
① 日本
日本セグメントでは、連結子会社Gala Lab Corp.が開発したスマートフォンゲームアプリ「Rappelz(ラペルズモバイル)」について、2021年10月にアメリカ・カナダでのサービス提供を開始いたしましたが、2022年11月にサービス提供を一時終了いたしました。現在、「Rappelz(ラペルズモバイル)」にブロックチェーン技術を組み合わせてNFTゲーム/ブロックチェーンゲーム(※1)「Rappelz Universe(ラペルズユニバース)」にリニューアルし、グローバルエリアにおけるリリースに向けて準備を進めております。NFTゲーム/ブロックチェーンゲームは、ゲーム内のアイテム等が暗号資産基盤技術であるブロックチェーン(※2)により「NFT(※3)化」され、ユーザーがゲーム内で得たアイテム等を暗号資産に変えて取引所等で売買が可能となります。これにより、ゲームの魅力をより高め、ゲーム事業の収益化に向けて注力してまいります。現在、「Rappelz Universe(ラペルズユニバース)」のリリース準備を進めておりますが、ゲーム内で使用する暗号資産の韓国国内での法律面及び税務面での検討に時間を要しており、現在のところサービス開始日が未定となっております。
また、連結子会社㈱ツリーフルが沖縄県名護市で行っているツリーハウスリゾート事業は、ツリーハウス及び地上の建築物であるエアロハウスを1つのセットにして宿泊者に提供するリゾート事業であります。㈱ツリーフルは、2021年7月に「旅館業法に基づく旅館業営業許可申請」が許可され、日本で初めて宿泊料を受けて宿泊が可能なツリーハウスリゾートとして2021年8月にオープンいたしました。
2024年1月において、当社は、㈱ツリーフルの第三者割当増資引受の決議を行い、同社の株式を15.7%追加取得し、当社の持分比率は24.4%となりました。当該第三者割当増資により、ツリーハウス及びエアロハウスの建築投資を促進させ、また、当社グループと同社の協力関係をより強化することが当社グループの企業価値向上につながると判断いたしました。
なお、2024年8月に追加のエアロハウス2棟が完成し、現在、新しいツリーハウス2棟とセットで、既存の1セットを含めた合計3セットのサービス提供を行っております。
ツリーハウスリゾートのコンセプトは、「サステイナブル(持続可能な)リゾート」であり、化石燃料を使用せず、代わりに電気を使用し、使用量よりも多くの太陽光発電により持続可能な社会を構築することを目指しております。当社グループは、ツリーハウスビジネスを日本のみならず海外にも普及させ、森林ビジネスの価値を生み出すことにより海外における森林破壊を食い止めていきたいと考えております。ツリーハウスリゾート事業の海外展開のファーストステップとして㈱ツリーフルは、2023年11月において、カンボジアにTREEFUL (CAMBODIA) Co., Ltd.を設立いたしました。TREEFUL (CAMBODIA) Co., Ltd.は、持続可能な高級リゾートホテルとして、ツリーハウスを通じて安定した収益を上げ、森と人間社会の共存の道を目指しております。
費用面では、売上原価2,171千円、販売費及び一般管理費272,412千円を計上いたしました。販売費及び一般管理費の主な内訳は、役員報酬が80,541千円、給与手当29,050千円であります。
これらの結果、日本セグメントにおける売上高は38,497千円(内部取引を含む)となり、セグメント損失が236,085千円となりました。
② 韓国
韓国セグメントでは、2022年5月にサービス提供を開始したHTML5ゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」の売上高が557,706千円となりました。なお、HTML5ゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」については、2023年7月において契約形態の変更により、売上高の計上方法がパブリッシャーとしてのパブリッシング売上高から受取ライセンス料によるライセンス売上高に変更になっております。HTML5ゲームは、ダウンロード不要でPC及びスマートフォン等、様々なデバイスからプレイが可能な接近性が高いゲームであります。Gala Lab Corp.は、2023年7月にBPMG Co., Ltd.及びWemade Connect Co., Ltd.との間でHTML5ゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」のHTML5ゲームの要素にブロックチェーン技術によるPlay To Earn(P2E)(※4)要素を組み合わせたNFTゲーム/ブロックチェーンゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」について、パブリッシング及びゲーム事業に関する戦略的提携契約を締結いたしました。現在、リリースに向けて準備を進めておりますが、「Rappelz Universe(ラペルズユニバース)」と同様の理由によりNFTゲーム/ブロックチェーンゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」について、現在のところサービス開始日が未定となっております。
なお、Gala Lab Corp.は、現在、Wemade Play Co., Ltd.が開発し、韓国で大ヒットを記録したモバイルゲーム「AniPang」のIPを活用したHTML5版ゲームの開発を進めております。他社のゲームのIPと、当社グループにおけるHTML5ゲームの開発力を用いたHTML5ゲームの開発にも注力してまいります。
続いて、スマートフォンアプリ事業では、売上高150,169千円となりました。現在、Gala Lab Corp.がスマートフォンゲームアプリ「Flyff Legacy(フリフレガシー)」を提供しており、また、連結子会社Gala Mix Inc.が歩数計アプリ「winwalk(ウィンウォーク)」、スマートフォンアプリ「winQuiz(ウィンクイズ)」及びスマートフォンアプリ「Poll Cash(ポールキャッシュ)」を提供しております。
オンラインゲーム事業では、売上高が230,369千円となりました。Gala Lab Corp.の主力ゲーム「Flyff Online(フリフオンライン)」及び 「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」について、サービス提供を行っております。現在、ライセンス展開及びチャネリング(※5)展開を進めております。
さらに、当社グループは、収益貢献へのもう一つの施策として、Gala Lab Corp.、韓国における大手電機通信事業会社LG Uplus Corp.及び韓国最大規模のデジタルIT企業であるMegazone Corporationとメタバース(※6)キャンパスプラットフォーム「UVERSE(ユーバース)」事業(以下、「Meta Campus事業」という。)を進めております。Meta Campus事業は、メタバースプラットフォームによる仮想キャンパスを開発・構築し、大学等の教育機関に生徒のコミュニティ空間や大学入試説明会等のイベントの場としてメタバースプラットフォームを提供していく事業であります。業務の役割分担は、Gala Lab Corp.がメタバースプラットフォームの開発、LG Uplus Corp.が学校誘致及びマーケティング、Megazone Corporation がクラウド等のインフラ提供を担当いたします。現在、複数の有名大学にサービスを提供しており、Meta Campus事業では、売上高が173,043千円となりました。
また、連結子会社ROAD101 Co., Ltd.が行うVFX事業の売上高は、33,980千円となりました。
VFXとは、視覚効果を意味するvisual effectsの略で、映画やテレビドラマなどの映像作品において、現実には見ることのできない画面効果を実現するための技術のことをいいます。VFX事業は、VFX技術を用いた映画・CMコンテンツ等の制作事業であります。
費用面では、売上原価432,128千円、販売費及び一般管理費593,730千円を計上いたしました。販売費及び一般管理費の主な内訳は、役員報酬65,099千円、給与手当193,748千円及び支払手数料107,053千円であります。支払手数料は、主にゲーム開発に係るアウトソーシング費用であります。
これらの結果、韓国セグメントの売上高は1,188,166千円(内部取引を含む)となり、セグメント利益が162,307千円となりました。
(※1)NFTゲーム/ブロックチェーンゲームとは、暗号資産基盤技術であるブロックチェーン(※2)を利用し、ゲーム内アイテムが「NFT化」されているゲームをいいます。GameFi(GameとDecentralized Finance:ゲームと分散型金融を掛け合わせた造語)とも言われております。
(※2)ブロックチェーンとは、分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターに暗号技術を組み合わせ、取引情報等のデータを同期して記録する手法であり、一定期間の取引データをブロック単位にまとめ、コンピューター同士で検証し合いながら正しい記録をチェーン(鎖)のようにつないで蓄積する仕組みであります。
(※3)NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」のことであり、暗号資産と同じく、ブロックチェーン上で発行及び取引されるデジタルデータであります。
(※4)Play To Earn(P2E)とは、ブロックチェーンゲーム内で得た収入やポイントを暗号資産に変えて取引所等で売買が可能であり、このゲームで遊んで収入が得られることが「Play To Earn」(P2E)と呼ばれております。
(※5)チャネリングとは、オンラインゲーム等に関して、他社のゲームポータルサイトにてプレイできるようになるサービスをいいます。
(※6)メタバース(Metaverse)は、超を意味するメタ(meta)と宇宙を意味するユニバース(universe)から作られた合成語で、多人数が参加可能で、参加者がその中で自由に行動できるインターネット上に構築された多人数参加型の3次元仮想空間です。利用者はアバターと呼ばれる自分の分身を介して仮想空間に入ることでその世界の探索、他の利用者とのコミュニケーションを図ることができます。また、ユーザーが独自のゲームを作成し、他のユーザーにプレイさせて収益化することやユーザーがゲーム内のアイテム等をNFT(※3)として他のユーザーと暗号資産により売買することができる仕組みを構築できます。
(2)財政状態の状況
当社グループの当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて569,386千円増加し、2,583,942千円となりました。
主な増減は、資産では、現金及び預金が251,937千円、売掛金及び契約資産が59,684千円、短期貸付金が175,000千円増加した一方で、敷金及び保証金が38,708千円減少いたしました。現金及び預金は、主に、HTML5ゲーム「Flyff Universe (フリフユニバース)」の収益によるもの及び新株予約権の行使によるもの、短期貸付金は、新規貸付により増加したものであります。敷金及び保証金は、ROAD101 Co., Ltd.の事務所移転により減少したものであります。
負債では、未払金が25,905千円、前受金が21,500千円、退職給付に係る負債が33,650千円増加した一方で、未払費用が35,515千円、長期前受収益が34,130千円減少いたしました。未払金は、主に、特別調査委員会設置による調査費用、前受金は、主にVFX事業の進行により増加したものであります。
純資産では、利益剰余金が146,549千円減少した一方で、資本金が277,621千円、非支配株主持分が392,071千円増加いたしました。利益剰余金は、親会社株主に帰属する中間純損失の計上によるものであります。資本金は、新株予約権の行使によるものであり、非支配株主持分は、主に㈱ツリーフルが2024年1月に行った第三者割当増資による持分変動によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末残高に比べて205,467千円増加し当中間連結会計期間末には1,138,095千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、133,182千円の資金使用(前年同中間期は32,749千円の資金使用)となりました。主な内訳は、減価償却費50,309千円、のれん償却額26,906千円、退職給付に係る負債の増加20,813千円の収入要因に対して、税金等調整前中間純損失37,399千円、売上債権の増加44,878千円、前受収益の減少28,710千円、長期前受収益の減少47,184千円の支出要因によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フローの状況
投資活動によるキャッシュ・フローは、220,129千円の資金使用(前年同中間期は366,949千円の資金使用)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出85,884千円、貸付けによる支出175,000千円の支出要因によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フローの状況
財務活動によるキャッシュ・フローは、528,756千円の資金獲得(前年同中間期は63千円の資金獲得)となりました。主な内訳は、新株予約権の行使による株式の発行による収入550,012千円の収入要因によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお、評価につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。なお、当社グループは、2024年3月23日付でVision及びSocial Missionを改定いたしました。新しいVision及びSocial Missionは以下のとおりであります。
・Vision
ボーダーレスで革新的なサービスを提供し世界中の人々を楽しませる
・Social Mission
私たちは、自然の保護と人類の幸せを優先し、イノベーションの推進に取り組んでいます。持続可能な実践と責任ある開発を通じて、技術が環境を損なうことなく、また人類の存続を危険にさらすことなく、生活を向上させる未来を築くことを目指しています。皆さんと共に、技術と自然の持続可能で調和のとれた共存への道を切り拓いていきます。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、外部機関より当社の連結子会社であるGala Lab Corp.において2016年3月期から資産計上を開始し、2021年3月期に減損損失228,257千円を計上したソフトウェアの資産計上の妥当性について疑義があるとの指摘を受けたため、2024年5月30日付で当社と利害関係の無い外部の有識者で構成される特別調査委員会を設置して調査を行い、2024年9月9日付で特別調査委員会から調査報告書を受領いたしました。
当該調査結果を踏まえ、当社は、再発防止策を策定し、2024年10月30日付で公表しております。また、2024年11月12日付で過去に提出済みの有価証券報告書等について訂正を行っております。
今後、これらの施策を着実に実行すると共に、適正な内部統制の整備及び運用のさらなる強化に真摯に取り組み、再発防止に努めてまいります。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び設備投資資金であります。運転資金及び設備投資資金については、主に自己資本により調達することを基本としております。
当社は2022年5月13日開催の当社取締役会において、第三者割当による新株式の発行及び第7回新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の発行を決議し、2022年5月30日に払込手続が完了いたしました。また、当中間連結累計期間において本新株予約権の行使が全て完了しており、事業運営上必要な資金を確保及び流動性の維持を図っております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。