第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

  当中間連結会計期間において、当社グループの事業等のリスクに重要な変更及び新たに生じたリスクはありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に対する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績等の概要

  当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下、各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、中東地域をめぐる不安定な情勢が続く中、原材料及び資源・エネルギー価格の高止まりや物価上昇、金融資本市場の変動等による国内景気への影響に加え、海外景気の下振れリスクが懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続きました。

  住宅業界におきましては、建設コストの上昇や住宅ローン金利の先高観等により、住宅取得マインドが低下しており、当社グループの業績と相関関係が強い持家や分譲戸建の新設住宅着工戸数は前年を下回る状況で推移しました。さらに、電力費や燃料費等の高止まりに加え、物流・運送業における2024年問題により物流コストが上昇するなど、企業収益を圧迫する状況が続いております。

  このような状況下、当社グループでは、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2026」の達成に向けて各施策に取り組んでおります。特に、物流・運送業における2024年問題をはじめとするコストアップによる損益への影響を抑制するため、全社を挙げて生産性の向上や経費削減に取り組むとともに、お客様に対して適正な販売価格への改定をお願いするなど、製販一体となって取り組んでおります。

  これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は、主力の住宅資材事業が新設住宅着工戸数の減少の影響を受けて販売量が伸び悩んだことから34,006百万円(前年同中間期比3.3%減)となりました。

 損益面では、住宅資材事業は売上減による影響を利益率の改善効果が上回りましたが、木質ボード事業の収益改善の遅れを補うには至らず、当中間連結会計期間は営業損失666百万円(前年同中間期は営業損失129百万円)、経常損失700百万円(前年同中間期は経常損失139百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失426百万円(前年同中間期は親会社株主に帰属する中間純利益75百万円)となりました。

 

  セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

(住宅資材事業)

 住宅資材事業におきましては、引き続き、フローリング、室内階段、室内ドア、収納等の色柄・デザインを体系化した基軸ブランド「Skism(スキスム)」の更なる販売拡大を図るとともに、フローリングの「銘樹」や室内ドア、収納のハイエンドモデル「グランマジェスト」といった独自ブランドの拡充をはじめとして、機能性、デザイン性、安全性に優れた新製品の開発に注力しました。また、TVドラマへの美術協力や当社ウェブサイト及びSNSを通じた情報発信を積極的に行うなど、認知度の向上に努めております。

 一方、物流・運送業における2024年問題への対応は喫緊の課題でありますが、生産性の向上や経費削減等のコスト低減の取組だけでは物流コストの増加を吸収することが困難であるため、お客様に製品価格の改定をお願いするなど、損益への影響の抑制に努めております。さらに、政府が策定した「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に沿った物流サービスの提供を大前提として、荷卸し作業や仕分け作業といった荷渡しの諸条件に係る費用負担についても、お客様のご了承をいただくべく、協議を進めました。

  このほか、各分野別の取組は以下のとおりであります。

  建材分野では、引き続きフローリングや室内階段において品揃えを充実させてきた「銘樹ブランド」の販売拡大に努めました。さらに、シートでありながらモチーフとなる素材に応じて質感をリアルに再現したフローリング「コンカーボ」の販売を強化するとともに、シートタイプのフローリングに対応するシート化粧階段を充実させるなど、商品力の向上を図っております。

  内装システム分野では、主力製品である「スキスムT」や最上位シリーズの「グランマジェスト」の販売拡大に努めるとともに、収納製品の「収納棚 フリーハンギングシェルフ」にペット(猫)対応アイテムを追加しました。また、既存商品の改廃を進めるなど、市場ニーズに合致した製品のラインナップ、さらには新たなニーズの掘り起こしに注力しました。

  住設分野では、システムキッチン「ラフィーナ ネオ リアリスタシリーズ」に連続木目柄デザインの扉を追加するとともに、「コンパクトキッチン プレッソ」をリニューアルするなど、システムキッチンの販売拡大に努めました。さらに、洗面化粧台においては、造作風洗面「アクアージュsai」を発売しました。

 

  当中間連結会計期間の売上高は、新設住宅着工戸数の減少の影響を受けて販売量が伸び悩んだことから29,217百万円(前年同中間期比6.3%減)となりましたが、セグメント利益は、売上減による影響を利益率の改善効果が上回ったため、1,518百万円(同14.9%増)となりました。

 

(木質ボード事業)

  木質ボード事業におきましては、昨年5月の火災事故からの信頼回復に努めるとともに、既存販売先のシェアアップや新規販売先の開拓に取り組みました。一方、連結子会社であるENボード株式会社では、引き続き生産性の改善に取り組んだ結果、生産量は徐々に増加しておりますが、収益改善が遅れております。

 これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は4,722百万円(前年同中間期比20.3%増)、セグメント損失は1,214百万円(前年同中間期はセグメント損失599百万円)となりました。

 

(その他事業)

  当社グループは、上記事業のほか、不動産有効活用事業、太陽光発電事業を行っております。

  当中間連結会計期間の売上高は67百万円(前年同中間期比2.5%増)、セグメント利益は41百万円(同6.5%増)となりました。

 

(2)財政状態の概要

  当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ7,660百万円減少し、88,457百万円となりました。主な要因は、投資有価証券が増加したものの、現金及び預金が減少したことによるものです。

  負債は、前連結会計年度末に比べ7,212百万円減少し、46,094百万円となりました。主な要因は、未払金、未払法人税等及び未払消費税等がそれぞれ減少したことによるものです。

  純資産は、前連結会計年度末に比べ448百万円減少し、42,363百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が増加したものの、親会社株主に帰属する中間純損失の計上及び配当金の支払いがあったことによるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

  当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動に6,074百万円、投資活動に1,005百万円、財務活動に874百万円の資金を使用したことにより、前連結会計年度末に比べ7,954百万円減少し、当中間連結会計期間末には4,842百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは6,074百万円の減少(前年同中間期は2,247百万円の増加)となりました。主な要因は、減価償却費1,672百万円を計上したものの、未払金の減少5,321百万円、その他負債の減少819百万円及び法人税等の支払額660百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは1,005百万円の減少(前年同中間期は746百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出901百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは874百万円の減少(前年同中間期は1,109百万円の減少)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入245百万円があったものの、長期借入金の返済による支出733百万円及び配当金の支払額220百万円によるものです。

 

(4)経営方針・経営戦略等

  当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  当中間連結会計期間において、当社グループにおける優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。

 

(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費は279百万円であります。なお、研究開発費については、各事業部門に配分できない基礎研究費用91百万円が含まれております。
  また、当中間連結会計期間におけるセグメント別の研究開発費については、住宅資材事業は159百万円、木質ボード事業に係る研究開発費は28百万円であります。
  その他、当中間連結会計期間において、当社グループが行っている研究開発活動について、重要な変更はありません。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性について

当社グループは製品製造のための原材料の調達、経費等の支払いを始めとした運転資金のほか、安定した製品の生産を行うための設備投資資金、ソフト開発資金の需要があります。これらの資金需要に対し、自己資金並びに外部からの資金調達も含め安定的かつ機動的な対応を基本としております。また、金融機関と総額5,000百万円の融資枠を設定し流動性リスクに備えております(当中間連結会計期間末において借入未実行)。

なお、当中間連結会計期間末の借入金残高21,463百万円は、ENボード株式会社の設備投資資金並びに運転資金に係るものであります。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、新たに決定又は締結した経営上の重要な契約等はありません。