第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。なお、2024年10月1日から当半期報告書の提出日までにおいて、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について、重要な変更があった事項は以下のとおりになります。

 

<削除>

(4)その他リスク

①Cariotサービスの継続投資について

 Cariotサービスは新規サービスと位置付けており、全社損益のバランスを考慮しながら今後も投資を継続して行っていく方針です。Cariotサービスは開始以来赤字が続いており、当社の想定通りにサービス展開が進まなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(削除理由)

「第1 企業の概況 2 事業の内容」に記載のとおり、当半期報告書の提出日時点において、「Cariot事業」は当社が営む事業の範囲から外れておりますので、事業等のリスクから削除しております。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況

①財政状態の状況

 当中間会計期間末における財政状態は、資産合計は3,774,941千円(前事業年度末比5.9%減)、負債合計は1,523,843千円(前事業年度末比24.6%減)、純資産合計は2,251,098千円(前事業年度末比13.2%増)となりました。

(流動資産)

 当中間会計期間末における流動資産は、前事業年度末より240,447千円減少し、3,364,903千円となりました。これは主に、現金及び預金が312,887千円減少したこと、また売掛金及び契約資産が18,307千円減少したこと等によるものであります。

(固定資産)

 当中間会計期間末における固定資産は、前事業年度末より5,075千円増加し、410,038千円となりました。これは主に、ソフトウエアが7,989千円増加したこと等によるものであります。

(流動負債)

 当中間会計期間末における流動負債は、前事業年度末より514,360千円減少し、989,573千円となりました。これは主に、買掛金が135,465千円減少したこと、また未払法人税等が127,779千円減少したこと等によるものであります。

(固定負債)

 当中間会計期間末における固定負債は、前事業年度末より16,119千円増加し、534,269千円となりました。これは、長期前受金が48,309千円増加したこと等によるものであります。

(純資産)

 当中間会計期間末における純資産は、前事業年度末より262,868千円増加し、2,251,098千円となりました。これは主に、中間純利益257,342千円の計上により利益剰余金が同額増加したこと等によるものであります。

 

②経営成績の状況

 当社は、コーポレートビジョンである「あるべき未来をクラウドでカタチにする」のもと、クラウド先端テクノロジーとデザインで企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するマルチクラウド・インテグレーターです。

 当中間会計期間におけるわが国の経済は、設備投資、雇用情勢等緩やかに経済活動の改善がみられる一方で物価上昇、金融政策動向、海外経済の減速懸念等、先行き不透明感が継続しております。

 当社が属するDX市場に関して、DXには様々定義がありますが、日本経済団体連合会によれば、単純な改善や自動化、効率化をもってDXとは言い難く、社会の根本的な変化に対して、新たな価値を創出するための改革がDXと定義されております(出典:日本経済団体連合会「Digital Transformation(DX)」2020年5月19日)。コスト削減を目的とした、紙からデジタルへの置き換えといった社内のアナログな業務やデータをデジタル化する「守りのDX」から、収益や顧客エンゲージメントの向上を目的とした、新しい顧客体験を創出する「攻めのDX」にシフトすることが求められています。「攻めのDX」のステップとして、顧客接点の変革、サービス商品の変革、最後にビジネスモデルの変革となり、達成難度も高く、これを実現すると企業の高い競争力が獲得でき、この「攻めのDX」こそがDXの本質と言えます。

 日本企業において、ビジネス変革等の「攻めのDX」の必要性を強く感じる割合が約9割となりますが、その背景にはデジタル技術の普及による自社の優位性や競争力が低下することの懸念があります(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査(2019年5月17日)」)。一方で、顧客への新たな価値を創造するDXで成果が出ている企業の割合はわずか8.3%であり、DX推進の上位課題に「人材・スキルの不足」といった人や組織の課題が挙げられております(出典:一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)「企業IT動向調査報告書2024(2024年3月31日)」)。

 さらに、新型コロナウイルス感染症の流行拡大の影響により、各企業においてはリモートコミュニケーションを含めた業務のオンラインへのサービス転換や柔軟な労働環境への急速なシフト等の取り組みが加速し、DXは喫緊の経営課題となっております。

 このような環境下、国内DX市場の規模は、2022年度の3兆4,838億円から2030年度には8兆350億円に拡大すると 予測されております(出典:株式会社富士キメラ総研「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)。また、DX実現を支える国内パブリッククラウドサービス市場は2023年~2028年にかけて15.7%の年平均成長率で推移し、2028年の市場規模は2023年比2.1倍の6兆5,146億円になることが予測されております(出典: IDCJapan株式会社「国内パブリッククラウドサービス市場予測、2024年~2028年」)。

 当社においては、「クラウドインテグレーションサービス」及び「Cariotサービス」の2つのサービスについて事業運営を行ってまいりました。Cariotサービスについては、2024年10月1日に当社とソラコムとの合弁会社化が完了しており、以降は当社が営む事業の範囲から外れております。なお、当社の事業はクラウドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

 

(クラウドインテグレーションサービス)

 当中間会計期間において、複数の新規顧客を獲得しながら、既存顧客の取引を拡大した結果、過去最高の四半期売上高となりました。大手企業(注1)の「四半期契約顧客数(注2)」は46社(前年同期は39社。前四半期は46社)となり、大手企業の「顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)(注3)」については37.0百万円(前年同期は35.0百万円。前四半期は35.9百万円)となりました。

 従来からの強みであるIoT/MobilityやAIのサービスづくり、法人向けECサービス(B2B)やリアル店舗と連携するECサービス(B2C)、顧客とつながるコミュニティサービス、API(注4)連携及びID統合のプラットフォーム構築による顧客体験の向上といった「攻めのDX」を支援しました。

 大手企業の主力事業領域におけるSalesforceプラットフォームを活用したマルチクラウド案件が業績貢献しました。また、前四半期で獲得した公共領域における新規顧客の取引が拡大しました。注力しているSalesforce Data Cloud導入支援については、複数の大手企業から引き合いがあり、第3四半期以降のパイプラインを拡充しました。

 API連携プラットフォームのMuleSoft導入支援については、複数の新規顧客獲得に加えて、引き続き既存顧客の取引が拡大しました。

 ID認証プラットフォームのOkta導入支援については、既存顧客に対してクロスセルを展開し、新たな受注を獲得しました。なお、これまでの実績と知見が評価され、Oktaにおけるパートナーランクが上昇しました。

 クラウドエンジニア等の専門職従業員数(注5)については、2024年9月末時点で337人(前年同期は244人、前四半期は324人)となりました。経験者採用(中途採用)は計画を上回って推移しました。
 

1. 大手企業:日経225、日経400、日経500のいずれかに採用されている企業、または当該企業のグループ企業や

当該企業に準ずる売上(1,000億円以上)規模の企業

2. 四半期契約顧客数:再販案件及び四半期売上高が1百万円以下の顧客を除いた四半期会計期間における契約顧

客数。再販案件とは当社が仕入れたライセンスを顧客に再販売するリセールにあたり、当社においては金額が僅少なため、当該顧客は除く

3. 顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA):Average Revenue per Account の略(顧客当たりの平均売上高)

で、再販案件及び四半期売上高が1百万円以下の顧客を除いた顧客当たりの四半期平均売上高。再販案件及び四半期売上高が1百万円以下の顧客からの売上高を除いた四半期売上高÷四半期契約顧客数により算出

4. API:Application Programming Interfaceの略でソフトウエア同士が互いに情報をやりとりするのに使用す

るインタフェース仕様

5. クラウドエンジニア等の専門職従業員:事務職を除いたクラウドインテグレーションサービス部門のエンジ

ニア、マネージャー等の専門職

 

 上記により、当中間会計期間における当社の経営成績は、売上高3,909,019千円(前年同期比27.7%増)、売上総利益1,736,162千円(前年同期比35.4%増)、営業利益431,656千円(前年同期比77.2%増)、経常利益427,647千円(前年同期比76.5%増)、中間純利益257,342千円(前年同期比55.6%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ312,887千円減少し、1,262,179千円となりました。

 当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間の営業活動により支出した資金は208,721千円となりました。これは主に、法人税等の支払額が298,085千円、未払消費税等の減少額88,769千円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間の投資活動により支出した資金は74,741千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出37,187千円、無形固定資産の取得による支出35,412千円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間の財務活動により支出した資金は29,424千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出34,950千円があったこと等によるものであります。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

「第1 企業の概況 2 事業の内容」に記載のとおり、当半期報告書の提出日時点において、「Cariot事業」は当社が営む事業の範囲から外れております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

「第1 企業の概況 2 事業の内容」に記載のとおり、当半期報告書の提出日時点において、「Cariot事業」は当社が営む事業の範囲から外れておりますので、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題から削除しております。

 

(5)研究開発活動

 当中間会計期間における当社の研究開発活動の金額は27,690千円であります。これは既存サービスの付加価値向上と新規サービスの研究開発を目的とした活動によるものであります。

 なお、当中間会計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与えると推測される要因は、事業等のリスクに記載したとおりであります。

 

(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の運転資金需要のうち主なものは、クラウドインテグレーションサービスにおける労務費及び外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、社内利用の受注管理システムに係るソフトウエア開発費用等によるものであります。

    なお、当社の資金の源泉は主に借入等によるものであります。

 

3【経営上の重要な契約等】

「第1 企業の概況 2 事業の内容」に記載のとおり、Cariot事業の合弁会社化に伴い、2024年7月26日付けで吸収分割契約及び株式譲渡契約を締結いたしました。なお、これら契約は2024年10月1日効力発生となり、当半期報告書の提出日時点において、「Cariot事業」は当社が営む事業の範囲から外れております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。