第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

なお、当中間連結会計期間の期首より、会計方針の変更を行っており、前中間連結会計期間及び前連結会計年度末との比較分析に当たっては、遡及適用後の数値を用いております。詳細については、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」をご参照ください。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績の分析)

当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の当中間期連結会計期間の業績は、全般的な需要回復基調のもと想定を上回る進捗となり、売上高は5,704億円前年同期比13.4%増)、営業利益は175億円(前年同期比222億円改善)と、前年に比べ増収増益となりました。経常利益は、持分法による投資利益の増加等により190億円(前年同期比226億円改善)、その結果、親会社株主に帰属する中間純利益は、112億円(前年同期比153億円改善)となりました。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

〔インフラ〕

情報通信ソリューション事業では、テレコム関連の受注は停滞したものの、データセンタ関連製品等の売上増により増益となりました。エネルギーインフラ事業では、国内超高圧・再エネ関連・機能線の売上増等により増益となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は1,440億円前年同期比6.8%増)、営業損失は29億円前年同期比58億円改善)となりました。

 

〔電装エレクトロニクス〕

自動車部品事業は、安定した受注による生産性の改善や電池の価格適正化により増益となりました。電装エレクトロニクス材料事業は、製品ミックス等の改善や為替影響等により増益となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は3,506億円前年同期比13.6%増)、営業利益は143億円前年同期比114億円増)となりました。

 

〔機能製品〕

データセンタ関連製品の売上増により、当セグメントの売上高は724億円前年同期比30.1%増)、営業利益は79億円前年同期比58億円増)となりました。

 

〔サービス・開発等〕

水力発電、新製品の研究開発、不動産の賃貸、各種業務受託等による当社グループ各事業のサポート等を行っております。当セグメントの売上高は162億円前年同期比4.6%増)、営業損失は17億円前年同期比6億円悪化)となりました。

 

(財政状態の分析)

当中間連結会計期間末における資産の部は、前連結会計年度末に比べ92億円減少して9,758億円となりました。現金及び預金29億円、受取手形、売掛金及び契約資産13億円、棚卸資産が127億円増加し、有形固定資産が48億円、投資有価証券が192億円減少しました。

負債の部は、前連結会計年度末に比べ42億円減少して6,225億円となりました。借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの残高が3,315億円と前連結会計年度末比で15億円減少しました。

純資産の部は、その他有価証券評価差額金の増加、利益剰余金及び為替換算調整勘定の減少等により、前連結会計年度末に比べ50億円減少して3,533億円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末から0.1ポイント低下し33.2%となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況の分析

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は565億円(前年同期比+3億円)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益+159億円、減価償却費+204億円、棚卸資産の増減額(△は増加)△116億円等により合計で+155億円前年同期比+26億円)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出△187億円、投資有価証券の売却及び償還による収入+159億円等により△64億円前年同期比+78億円)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入+104億円や長期借入金の返済による支出△97億円、短期借入金の純増減額(△は減少)△48億円配当金の支払額△42億円等により△85億円前年同期比△107億円)となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

世界経済は、景気後退することなくインフレ率が低下しました。金融引き締め政策が、インフレ期待を安定させ、賃金と物価の悪い循環を回避しました。先行きも、世界経済は安定した成長が見込まれていますが、中東における地域紛争の激化や貿易政策や産業政策の転換の可能性等、下振れリスクは高まっています。先行き不透明な状況が続くと予想されますが、当社グループが重点領域と位置づけているインフラ(情報通信、エネルギー)/自動車分野、また、注力事業と位置づけている半導体に関連する機能製品分野は、中長期では継続的な市場成長が見込まれます。

情報通信分野は、クラウドをベースとしたサービスが様々な分野で成長していますが、データセンタ関連の光ネットワークの建設が今後も続くと考えられます。

エネルギー分野は、国内に関しては国のエネルギー政策に伴う洋上風力を中心とする再生可能エネルギーや電力会社のリプレース需要が見込まれます。

自動車分野は、自動車メーカーのBEVシフトの進展等、今後も当該分野は継続的に成長する見通しであります。

機能製品分野は、スマートフォンやパソコンの需要回復は鈍いものの、AI関連の需要は急増しており、先行きは中長期的にも継続的な市場拡大・成長が見込まれます。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間における研究開発費は124億円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況について、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当中間連結会計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。

 

(7) 生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は、広範かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額又は、数量で示すことはしておりません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

(1)当社は、2024年7月11日開催の取締役会において、2025年4月1日を効力発生日として、当社の完全子会社(以下、「新会社」という)を設立し、会社分割(吸収分割)の方法により、当社の光ファイバ・ケーブル事業(以下、「当社分割事業」という)を新会社に承継させること(以下、「本吸収分割」という)を決議いたしました。なお、当社は、本吸収分割に関連して、当社の完全子会社であり光ファイバ・ケーブル関連事業を行っている株式会社正電成和の発行済株式の全部を新会社に承継させることも決議しております。

また、当社は、別途当社の完全子会社(以下、「持株会社」という)を設立し、新会社、当社の完全子会社であるOFS Fitel, LLC(以下、「OFS」という)及びFurukawa Electric LatAm S.A.(以下、「FEL」という)の株式(持分)を現物出資することにより、これら3社は、持株会社の完全子会社になる予定であります。

 

 1)吸収分割の目的

これまで、当社グループの光ファイバ・ケーブル事業は、当社ファイバ・ケーブル事業部門(日本)、OFS(米国)及びFEL(ブラジル)の3事業ユニットで構成し、それぞれの地域で各ユニットが異なる事業特性及び強みを生かしつつ事業を展開してきました。

情報通信市場は、引き続き成長分野であるものの、外部環境の急速な変化に伴い社会やお客様の課題も多様化しており、事業環境変化への対応力のさらなる強化が必要となっております。

今般、これら3事業ユニットを実質的に統合し、各ユニットが持つ強みをグローバルに最大限に生かし、統一した方針で効率的に事業運営を行い、同市場で収益拡大を図るべく、本吸収分割を決定いたしました。

持株会社は日本に設立する予定で、柔軟なガバナンス設計が可能な合同会社形態を採用いたします。また、より顧客志向を高めるべく、本部機能と地域統括のマトリクス組織を採用することによりユニット間のシナジーを高め、一体感あるグローバル経営を実現いたします。

 

 2)吸収分割の方法

    当社を分割会社とし、新会社を承継会社とする吸収分割(当社においては簡易吸収分割)であります。

 

 3)吸収分割に係る割当ての内容

    本吸収分割に際して、金銭その他の財産の交付は行いません。

 

4)吸収分割に係る割当ての内容の算定根拠

    本吸収分割に際して、金銭その他の財産の交付は行いません。

 

 5)承継により増減する資本金

    本吸収分割による当社の資本金の増減はありません。

 

 6)分割会社の新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い

    該当事項はありません。

 

 7)承継会社が承継する資産・負債の状況

 新会社は、本吸収分割の効力発生日において、別途吸収分割契約に定める当社分割事業に係る資産・負債等の権利義務を承継いたします。

 

 8)承継会社についての事項

  ①資本金

    1百万円

 

  ②事業の内容

    光ファイバ、光ファイバ・ケーブル及びそれら関連付属品の製造並びに販売

 

 9)吸収分割の日程

本吸収分割承認の取締役会決議日

2024年7月11日

本吸収分割契約締結日

2024年10月17日

本吸収分割予定日(効力発生日)

2025年4月1日(予定)

(同日付で、当社から持株会社に新会社、OFS、FELの株式(持分)を現物出資予定)

 

 

(2)当社は、2024年7月11日開催の取締役会において、2025年10月1日を効力発生日として、当社のメタル電線事業を、当社を分割会社、当社の完全子会社である古河電工産業電線株式会社(以下、「FEIC」という)を承継会社とする吸収分割の方法により、承継させること(以下、「本吸収分割」という)を決議いたしました。

なお、当社は、本吸収分割を含む、当社、FEIC、当社の完全子会社である株式会社KANZACC及び理研電線株式会社、並びに子会社である岡野電線株式会社を当事者とする、メタル電線事業に係るグループ内組織再編を行うことも決議しております。

 

 1)吸収分割の目的

国内メタル電線市場が年々縮小していく中、これまで選択と集中を進めポートフォリオの転換を図ると同時に、差別化商品や優位技術による将来が期待できる製品を生みだしてまいりましたが、人材不足や設備老朽化による更新投資負担など当社グループで共通する課題も顕在化してきております。

このような状況において、これらの課題を解決しながら多様化、高度化するニーズに迅速に対応するため、メタル電線事業に係る部門を統合しシナジー効果を最大化することが当社グループ全体の企業価値向上に資するとの判断に至り、本吸収分割を決定いたしました。

 

 2)吸収分割の方法

    当社を分割会社とし、FEICを承継会社とする吸収分割(当社においては簡易吸収分割)であります。

 

 3)吸収分割に係る割当ての内容

本吸収分割に際して、FEICは譲渡制限株式である普通株式2株(予定)を発行し、その全てを当社に交付いたします。

 

 4)吸収分割に係る割当ての内容の算定根拠

承継会社となるFEICは当社の完全子会社であり、本吸収分割に際し、FEICが発行する全株式を当社に割当交付するため、当社とFEICで協議し割当株式数を決定いたしました。

 

 5)承継により増減する資本金

    本吸収分割による当社の資本金の増減はありません。

 

 6)分割会社の新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い

    該当事項はありません。

 

 7)承継会社が承継する資産・負債の状況

 承継会社は、本吸収分割の効力発生日において、別途吸収分割契約に定める、当社ファイバ・ケーブル事業部門におけるメタル電線の開発、製造及び販売に関する事業に係る資産・負債等の権利義務を承継いたします。

 

 8)承継会社についての事項

  ①資本金

    450百万円

 

  ②事業の内容

    各種電線並びに電気機械器具の製造販売

 

 9)吸収分割の日程

本吸収分割承認の取締役会決議日

2024年7月11日

本吸収分割契約締結日

2024年8月30日

本吸収分割予定日(効力発生日)

2025年10月1日(予定)

 

 

(3)当社は、2024年7月23日の取締役会決議において、株式会社アドバンテッジパートナーズが投資関連サービスを提供するファンド(以下、「APファンド」という)、東京センチュリー株式会社(以下、「TC」という)の完全子会社であるTCインベストメント・パートナーズ株式会社(以下、「TCIP」という)が議決権株式の全てを保有するサステナブル・バッテリー・ホールディングス株式会社(以下、「SBH」という)の完全子会社である株式会社AP78(以下、「公開買付者」という)との間で、①公開買付者による当社の連結子会社である古河電池株式会社(以下、「古河電池」という)の普通株式(以下、「古河電池株式」という)に対する公開買付け(以下、「本公開買付け」という)に当社が応募しないこと、②本公開買付けの成立後に古河電池の株主を当社及び公開買付者のみとするための株式併合(以下、「本株式併合」という)を実施すること、③本株式併合の効力発生を条件として、古河電池が実施する自己株式取得によって当社が所有する古河電池株式の全て(18,781,200株。株式所有割合57.30%)を譲渡すること等に関する契約(以下、「本不応募契約」という)、並びに、APファンド、TC及びTCIPとの間で、当社によるSBHの普通株式(株式所有割合約20%)の取得、その後のSBH及び古河電池の運営等について定めた株主間契約を締結することを決定し、同日付で本不応募契約を締結いたしました。

   なお、本不応募契約等により予定される一連の取引により、古河電池は当社の連結子会社から外れる予定であります。

   詳細は、「第4 経理の状況 1.中間連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。