第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」からの重要な変更は以下のとおりであります。

なお、項目番号は前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に対応したものであり、当該変更及び追加箇所については下線を付して表示しております。

また、文中の将来に関する事項は、本書の提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

④ 法規制・動向について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:長期)

当社が提供するサービスを規制する主な法律として「個人情報の保護に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」及び「フリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス新法)」、「下請代金支払遅延等防止法(以下、「下請法」)」等があります。

当社は、これらの規制に準拠したサービス運営を実施しており、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施などを行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、当社が運営するサービスが新たな法規制の対象となる場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお下請法の適用対象となる取引につき、2024年10月25日に、公正取引委員会による勧告及び指導(以下、「本勧告等」)が行われております。本勧告等は、2022年4月~2024年2月までの期間におけるLive2Dモデル及び3Dモデルの作成委託を中心とする情報成果物に関する取引の一部が対象となっており、第4条第1項第2号(下請代金の支払遅延)、第4条第2項第4号(不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止)の規定に違反すると判断されたものであります。

当社としては、既に本勧告等の対象となる取引先に対して遅延損害金に相当する金額を支払い済みであり、従業員の採用をはじめ、取引フローの見直しや研修による周知、社内体制の刷新等、適切な再発防止策及び改善策を構築のうえ対策を講じておりますが、今後、下請法に違反すると判断された事象が再発した場合、当社の社会的信用が失墜するなどの可能性があります。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当社はミッションとして「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を掲げ、日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。

 

当中間会計期間につきましては、9月に販売を開始したトレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME』をはじめとするマーチャンダイジング分野の新商品の販売や、ライセンス/タイアップ分野における案件獲得の進捗が好調であったこと等から売上高及び各利益水準が当社の計画を上回って拡大しました。マーチャンダイジング分野においては諸外国間接税引当金を特別損失として計上しているものの、純利益水準についても計画を上振れて着地しております。

 

サービス分野別の業績は、次のとおりです。

 

配信/コンテンツ分野におきましては、昨年以降デビューした国内外のタレントが着実に人気化していることに加え、音楽を軸とした多面的なメディアへの露出が拡大したことにより、YouTubeのみに限定されない様々な経路からの集客が進捗しました。その結果、同分野の売上高は4,219百万円(前年同期比22.3%増)となりました。

 

ライブ/イベント分野におきましては、英語圏向けVTuberグループ「ホロライブEnglish」によるライブコンサート『hololive English 2nd Concert -Breaking Dimensions-』やホロライブプロダクション初のワールドツアー『hololive STAGE World Tour’24 -Soar!-』といった海外市場における実績を着実に積み上げました。一方で、昨年度よりも同期間における国内大型ライブコンサートの実施件数は相対的に少なくなりました。その結果、同分野の売上高は1,493百万円(前年同期比10.1%減)となりました。

 

マーチャンダイジング分野におきましては、前述のトレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME』の売上が想定を上回って拡大したことに加え、小売店販路の拡充が進捗しました。その結果、同分野の売上高は8,810百万円(前年同期比64.3%増)となりました。

 

ライセンス/タイアップ分野におきましては、年初から推進している営業組織の改革の効果が顕在化し始めており、海外クライアント等を含む取引パイプラインが順調に拡大しました。その結果、同分野の売上高は2,581百万円(同43.2%増)となりました。

 

以上の結果、当中間会計期間における売上高は17,104百万円(前年同期比39.3%増)、営業利益は3,372百万円(前年同期比46.3%増)、経常利益は3,301百万円(前年同期比42.8%増)、中間純利益は2,120百万円(前年同期比28.0%増)となりました。

 

(2)財政状態の状況

 (資産)

当中間会計期間末における資産合計は、前事業年度末より4,704百万円増加し27,417百万円となりました。これは主に、マーチャンダイジング分野における取引量拡大等に伴い商品の増加1,800百万円及び未収入金の増加940百万円があったこと、現金及び預金の増加1,646百万円、メタバースサービス「ホロアース」開発に伴うソフトウエア仮勘定を中心とした無形固定資産の増加1,070百万円があった一方で、売掛金が1,011百万円減少したことによるものであります。

 

 (負債)

当中間会計期間末における負債合計は、前事業年度末より2,523百万円増加し14,093百万円となりました。これは主に、マーチャンダイジング分野におけるEC販売の取引量拡大等に伴い前受金が3,282百万円増加したことによるものであります。

 

 (純資産)

当中間会計期間末における純資産合計は、前事業年度末より2,180百万円増加し13,323百万円となりました。これは主に、中間純利益の計上により利益剰余金が2,120百万円増加したことによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,646百万円増加し、10,312百万円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において営業活動により獲得した資金は2,903百万円(前年同期は2,787百万円の獲得)となりました。これは主に、資金の減少要因として棚卸資産の増加1,808百万円、法人税等の支払額1,076百万円及び未収入金の増加949百万円があった一方で、資金の増加要因として前受金の増加3,282百万円、税引前中間純利益2,840百万円の計上及び売上債権の減少1,011百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において投資活動により支出した資金は1,315百万円(前年同期は2,975百万円の支出)となりました。これは主に、メタバースサービス「ホロアース」開発等に伴う無形固定資産の取得による支出955百万円、スタジオ備品及び本社備品等の有形固定資産の取得による支出310百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において財務活動により獲得した資金は59百万円(前年同期は増減なし)となりました。これは、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入であります。

 

(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間会計期間の研究開発費の総額は31百万円であります。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。