第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境が改善するなか、緩やかな改善傾向にあります。一方、円安やエネルギー価格の上昇が続いており、消費者の生活防衛意識は依然として高い状態が継続し、先行きが不透明な状況が続いております。 

当社グループが属する食品スーパーマーケット業界におきましては、インターネット販売などを中心に消費者の購買行動が多様化するなど、販売を取り巻く環境は依然厳しい状況が続いております。

このような状況のもと、当社グループは、「まずはお客様ありき」の精神のもと、地域のお役立ち業として安全・安心な食の提供と、豊かな地域社会の実現に寄与すべく事業活動に取り組んでまいりました。

なお、2024年4月18日付の「ウエルシアホールディングス株式会社による株式会社ウェルパークの完全子会社化、株式会社いなげやにおける子会社の異動(株式譲渡)並びに当該子会社からの特別配当の受領及び特別利益の計上に関するお知らせ」にて公表のとおり、(株)ウェルパークはこの株式譲渡に伴い2024年9月より当社の連結子会社から除外しております。

当中間連結会計期間における経営成績は、1品単価の上昇とともに既存店客数が前期比1.2%増と回復したものの、上記㈱ウェルパークが連結子会社から除外されたことから営業収益が1,277億91百万円(前年同期比1.1%減)の減収となりました。営業総利益は389億77百万円(同1.1%減)、販売費及び一般管理費は水道光熱費の上昇や積極的な改装に伴う経費の増加により386億90百万円(同1.5%増)となりました。

以上の結果、営業利益は2億87百万円(同77.8%減)、経常利益は2億74百万円(同80.4%減)、また、特別利益に関しましては政策保有株式の縮減及び見直しにより投資有価証券売却益27億42百万円、子会社株式の譲渡に伴う関係会社株式売却益15億60百万円を計上する一方で、特別損失に関しましては店舗閉鎖損失引当金繰入額5億53百万円などを計上したことにより親会社株主に帰属する中間純利益は24億63百万円(同213.3%増)となりました。

当社グループにおける事業セグメントごとの状況は次のとおりです。

 

[スーパーマーケット事業]

当社は、“新鮮さを お安く 心をこめて”を経営目標とし、価値ある商品の開発、お値打ち価格での商品提供、お客様の立場に立った「お買い場」づくりを行い、お客様の来店頻度を高めることをテーマとして施策を推進してまいりました。

商品面では、競合他社との差別化のため、生鮮、惣菜、インストアベーカリーの強化を図りました。2024年4月には日本唐揚協会主催のコンクールにおいて東日本スーパー惣菜部門で金賞を受賞しました。そして、鮮魚コーナーでは、新鮮なネタにこだわった「鮮魚鮨」の展開店舗を拡大し、お客様に魅力を感じていただける、「こだわり商品」を提供してまいりました。そして、イオングループのプライベートブランドである「トップバリュ」の拡大を進め、「価値」と「価格」の消費者の二極化への対応を行ってまいりました。

販売促進といたしましては、来店動機となるコモディティ商品の曜日セールを実施するとともに、会員のお客様への対応としてポイント施策の強化を行いました。さらにチラシだけでなく、デジタルコンテンツを活用したお客様との接点の拡大を図ってまいりました。

生活様式の変化への対応といたしまして、ネットスーパーの展開をしております。さらには、ラストワンマイル(お客様からのご注文からお届けまで)への対応として、クイックコマースへの取り組みを強化しております。

地域のお客様のお困りごとの解消といたしましては、移動スーパー「とくし丸」のエリアの拡大を行い、配車台数は9月末時点で27台と順調に配車台数を増やしております。

お客様のレジ待ちストレス軽減および多様化した決済手段への対応、そして、労働不足の解消を目的とした、セミセルフレジ、セルフレジの導入を全店導入しております。

DXの推進として電子棚札を活用した、ドライ商品の賞味期限の日付チェックシステムを順次導入し、お客様への安全安心への対応とともに生産性向上を進めてまいります。

設備投資といたしましては、既存店の活性化を引き続き推進し、武蔵村山残堀店(東京都武蔵村山市)、ina21相模原下九沢店(相模原市緑区)など9店舗の改装を実施いたしました。一方で2店舗を閉鎖し、当中間連結会計期間末における店舗数は、128店舗となっております。

以上の結果、既存店売上高は前期比5.1%増となり、当中間連結会計期間のセグメント別売上高(外部顧客)は1,020億83百万円(前年同期比1.6%増)、セグメント損失は40百万円(前年同期は7億55百万円のセグメント利益)となりました。

 

[ドラッグストア事業]

㈱ウェルパークにおいては、「チェーンストア経営深化による成長力・収益力の拡大」を基本方針として、自動発注の精度向上やそのデータをもとに売れ筋商品の発掘、またグループ内においてPB商品の販売拡大や共同仕入れなどグループシナジー効果による収益力向上により、チェーンストア経営のメリットを最大限に引き出し、個店の魅力を高め顧客満足度向上の実現を目指して営業活動を行っております。

設備投資といたしましては、板橋相生店(東京都板橋区)、東矢口店(東京都大田区)、調剤薬局飯田橋駅前店(東京都千代田区)など5店舗を新設し、既存店の活性化のため、府中街道中野島店(川崎市多摩区)など2店舗の改装を実施いたしました。当中間連結会計期間末(連結除外前)の店舗数は、145店舗となっております。

以上の結果、当中間連結会計期間のセグメント別売上高(外部顧客)は200億72百万円(前年同期比12.9%減)、セグメント利益は1億31百万円同67.5%減)となりました。

なお、2024年4月18日付の「ウエルシアホールディングス株式会社による株式会社ウェルパークの完全子会社化、株式会社いなげやにおける子会社の異動(株式譲渡)並びに当該子会社からの特別配当の受領及び特別利益の計上に関するお知らせ」にて公表のとおり、(株)ウェルパークはこの株式譲渡に伴い2024年9月より当社の連結子会社から除外しております。

 

[小売支援事業]

デイリー食品卸しと惣菜製造を行っている㈱サンフードジャパンは、安全・安心でおいしい価値ある商品の提供に取り組んでおります。惣菜製造事業においては、㈱いなげやと連携した独自商品の開発、内製化等、グループ内の同事業強化のバックアップに注力してまいりました。

商業施設を中心に建物施設の企画、設計や警備、清掃等を行っている㈱サビアコーポレーションは、いなげやグループが地域のお役立ち業として企業価値を高めるために、店舗の企画段階から検討を行い開発および管理におけるコスト削減やリスク低減に取り組んでおります。また、これらグループ内事業で積みあげた安全・安心で快適な各種機能・サービスを一般のお客様に提供することも行ってまいりました。

障がい者雇用の推進を目的とした特例子会社㈱いなげやウィングは、従業員の能力開発や自立支援、グループ各社に向け障がい者雇用の支援に取り組んでおります。また、障がい者の職場での定着支援活動などを行うことによりグループ会社全体に障がい者への理解を深めていく役割も担っております。

露地栽培・水耕栽培等、農業経営を行う㈱いなげやドリームファームは、「安全」「安心」「おいしい」で健康と笑顔の創造を目指し品質向上や地産地消の推進に取り組んでおります。また、㈱いなげやの青果担当者に対する学びの場として農業研修を実施する等、グループ内の人財育成の役割も担っております。

以上の結果、当中間連結会計期間のセグメント別売上高(外部顧客)は2億69百万円(前年同期比27.5%増)、セグメント利益は2億3百万円同68.0%増)となりました。

 

当社グループにおける環境、地域貢献活動の状況は次のとおりです。

いなげやグループは、地域のお客様に安全・安心な食を中心とした日常を提供するお役立ち業として、社是・経営理念・グループビジョンに基づき「サステナビリティ方針」を策定し、持続可能(サステナブル)な経営の推進に取り組んでおります。

環境活動への取り組みといたしましては、脱炭素社会の実現に向けて、2030年までに46%削減、2050年までにカーボンニュートラルを目指し、省エネ機器の導入や太陽光発電設備の設置拡大などに、また循環型社会の実現に向けて「食品ロス削減」や「食品リサイクル」、「ペットボトルリサイクル(ボトルtoボトル)」に継続的に取り組んでまいります。

社会貢献活動では、障がい者雇用の促進(㈱いなげやウィング)や地産地消の促進(㈱いなげやドリームファーム)、実店舗への買い物が困難なお客様への対応(移動スーパーとくし丸)、店舗での募金活動(盲導犬育成支援)など様々な取り組みを行ってまいりました。

また、当社グループの「健康経営宣言」に基づく健康経営の取り組みが評価され、今年度も経済産業省と日本健康会議が共同で認定する制度「健康経営優良法人2024」に認定されました。

今後も地域とのつながりを大切に健全な社会の実現に貢献してまいります。

 

②財政状態の状況

(資産の部)

当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ135億60百万円減少し、887億60百万円になりました。

流動資産は、58億89百万円減少し、382億30百万円になりました。これは主に、商品及び製品が57億56百万円、有価証券が56億円、売掛金が37億84百万円、流動資産のその他(未収入金など)が17億20百万円それぞれ減少した一方で、関係会社預け金が110億円増加したことによるものです。

固定資産は、76億65百万円減少し、504億87百万円になりました。これは主に、投資その他の資産が65億66百万円、有形固定資産が10億41百万円、無形固定資産が56百万円それぞれ減少したことによるものです。

繰延資産は、5百万円減少し、42百万円になりました。これは社債発行費の償却によるものです。

(負債の部)

当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ125億96百万円減少し、337億8百万円になりました。

流動負債は、94億56百万円減少し、250億33百万円になりました。これは主に、買掛金が74億47百万円(電子記録債務を含め74億12百万円)、流動負債その他(未払金など)が19億22百万円、賞与引当金が8億15百万円、契約負債が7億70百万円それぞれ減少した一方で、未払法人税等が15億8百万円増加したことによるものです。

固定負債は、31億39百万円減少し、86億74百万円になりました。これは主に、繰延税金負債が12億26百万円、資産除去債務が6億94百万円、長期借入金が5億34百万円、リース債務が3億86百万円、社債が2億61百万円それぞれ減少したことによるものです。

(純資産の部)

当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比べ9億63百万円減少し、550億52百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が17億72百万円、非支配株主持分が12億51百万円それぞれ減少した一方で、利益剰余金が21億15百万円増加したことによるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ8.5ポイント上がり、62.0%になりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ53億47百万円増加254億29百万円となりました。また、前年同期と比べ46億26百万円増加しました。

当中間連結会計期間における各活動別キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は33億8百万円(前年同期比6億5百万円の収入減少)となりました。これは主に、売上債権の減少額22億3百万円、減価償却費16億27百万円などによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は38億61百万円(前年同期は18億59百万円の資金の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入41億94百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入28億74百万円などの収入があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は18億22百万円(前年同期比34百万円の支出増加)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が7億64百万円、少数株主への配当金の支払額2億36百万円、リース債務の返済による支出2億26百万円などによるものです。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

(株式交換契約及び経営統合契約締結)

当社及びユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社(以下「U.S.M.H」)は、2024年4月18日付の両社の取締役会決議により、U.S.M.Hを株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」)を実施することを決定し、2024年4月18日、両社間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」)を締結するとともに、U.S.M.H、株式会社マルエツ(以下「マルエツ」)、株式会社カスミ(以下「カスミ」)、マックスバリュ関東株式会社(以下「MV関東」、U.S.M.H、マルエツ、カスミ、MV関東を総称して「U.S.M.Hグループ会社」)、当社、及びイオン株式会社(以下「イオン」)、は、U.S.M.Hによる当社の経営統合に関する経営統合契約(以下「本経営統合契約」)を締結しております。

なお、本株式交換は、2024年5月24日開催のU.S.M.Hの定時株主総会及び2024年6月26日開催の当社の定時株主総会の決議により本株式交換契約の承認を得ており、2024年11月30日が効力発生日となる予定です。また、本株式交換の効力発生日に先立ち、当社の普通株式(以下「当社株式」)は、株式会社東京証券取引所プライム市場において上場廃止(最終売買日は2024年11月27日)となる予定です。

また、本株式交換の実行により、当社はU.S.M.Hの完全子会社となります。

 

(ウエルシアホールディングス㈱による当社子会社の㈱ウェルパークの完全子会社化、当社における子会社の異動(株式譲渡)等)

当社とイオン㈱及びウエルシアホールディングス㈱は、2024年4月18日、ウエルシアホールディングス㈱が㈱ウェルパークの株式を当社及びイオン㈱からそれぞれ取得し、ウエルシアホールディングス㈱の完全子会社とする株式譲渡契約を締結し、2024年9月2日に株式譲渡が成立しております。

詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりです。