当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」から重要な変更があった事項は以下のとおりであります。変更箇所は下線で示しており、変更箇所の前後について記載を一部省略しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において判断したものです。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
<主要なリスクの概要と対応策>
(6)海運市況・顧客信用・カントリーリスク
(省略)
・カントリーリスク
(省略)
なお、現時点において地政学リスクが発現しているロシア関連の事業については、LNG船15隻、コンデンセートタンカー1隻が貸船契約に従事中、もしくは貸船契約開始前の状態にあります。この内、砕氷機能を有する、LNG船3隻及びコンデンセートタンカー1隻(合計投資額約1,056億円(*))の貸船契約について、当社は欧米の制裁強化に伴い契約スキームの変更を行わざるを得ない状況にあり、関係者と協議を行っています。
契約スキームの変更を要さないものも含めた砕氷機能を有する等特殊仕様の7隻(合計投資額約1,702億円(**))は他事業への転用が難しいため、万一契約が継続できない状況になった場合、関係先への船舶の売却など最大限の対策を講じるものの、資産価値が減少する可能性があります。
(*)当中間連結会計期間末投資残高579億円及び今後投資予定の477億円の合計であり、関連会社保有分は当社持分相当を含めて算出している。
(**)当中間連結会計期間末投資残高1,225億円及び今後投資予定の477億円の合計であり、関連会社保有分は当社持分相当を含めて算出している。
なお、いずれの隻数も関連会社保有分を含めた隻数。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間の対ドル平均為替レートは、前年同期比\15.00/US$円安の\153.71/US$となりました。また、当中間連結会計期間の船舶燃料油価格平均は、前年同期比US$15/MT上昇し、US$625/MTとなりました。
当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高9,006億円、営業損益891億円、経常損益2,490億円、親会社株主に帰属する中間純損益は2,466億円となりました。
当中間連結会計期間の連結業績及び対前年同期比較は以下のとおりです。
|
前中間連結会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) |
増減額/増減率 |
売上高 (億円) |
7,901 |
9,006 |
1,105 / 14.0% |
営業損益 (億円) |
493 |
891 |
398 / 80.9% |
経常損益 (億円) |
1,545 |
2,490 |
944 / 61.2% |
親会社株主に帰属する 中間純損益 (億円) |
1,507 |
2,466 |
959 / 63.6% |
為替レート (6ヶ月平均) |
\138.71/US$ |
\153.71/US$ |
\15.00/US$ |
船舶燃料油価格(6ヶ月平均)※ |
US$610/MT |
US$625/MT |
US$15/MT |
※平均補油価格(全油種)
また、セグメントごとの売上高、セグメント損益(経常損益)及び概況は次のとおりです。
上段が売上高(億円)、下段がセグメント損益(経常損益)(億円)
セグメントの名称 |
前中間連結会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) |
増減額/増減率 |
|
ドライバルク事業 |
1,898 |
2,135 |
236 / 12.4% |
|
321 |
90 |
△231 / △71.9% |
||
エネルギー事業 |
2,149 |
2,774 |
625 / 29.1% |
|
376 |
627 |
250 / 66.5% |
||
製品輸送事業 |
2,992 |
3,157 |
165 / 5.5% |
|
716 |
1,800 |
1,084 / 151.4% |
||
|
うち、コンテナ船事業 |
280 |
318 |
37 / 13.3% |
333 |
1,309 |
975 / 292.2% |
||
ウェルビーイングライフ事業 |
522 |
563 |
41 / 7.9% |
|
49 |
94 |
45 / 90.3% |
||
|
うち、不動産事業 |
199 |
216 |
16 / 8.3% |
45 |
83 |
37 / 82.6% |
||
関連事業 |
233 |
270 |
37 / 16.1% |
|
12 |
12 |
△0 / △0.2% |
||
その他 |
105 |
104 |
△0 / △0.6% |
|
26 |
24 |
△2 / △7.9% |
||
(注)「売上高」は外部顧客に対する売上高を表示しております。 |
① ドライバルク事業
ケープサイズの市況は、8月前半に西アフリカの雨期による出荷停滞から一時的な落ち込みを見せたものの、堅調な西豪州・ブラジルの鉄鉱石出荷及び9月以降は西アフリカのボーキサイト出荷も回復したことで底堅く推移しました。新造船供給数が限定的である点も市況を底支えしています。
パナマックスの市況は南米からの出荷最盛期が7月に終わり、船腹需給が緩和傾向に転じたことから全水域で落ち込みましたが、スープラマックス以下の市況は、塩や石灰石をはじめとするミネラル及び木材製品等のマイナーバルクに加え、鋼材の荷動きも堅調で、底堅く推移しました。
堅調な市況動向ではありますが、ドライバルク事業全体では、昨年計上した貸倒引当金の戻し入れによる利益が剥落した影響という特殊要因により、前年同期比で減益となりました。
② エネルギー事業
<タンカー>
原油船の市況は、中国経済の減速による輸入減の影響もあり見込みほどの上昇基調とはならなかったものの、ロシア産原油輸入回避によるトンマイルの伸長と米国やブラジル等の非OPECプラス諸国からの原油供給増が継続する中、紅海情勢等の地政学リスクの影響も受けながら、前年同期比では高い水準で推移しました。
石油製品船については、米国及び中国が石油製品の輸出を増やす等荷動きが活発である上にロシア産原油輸入回避や紅海情勢を背景にトンマイルが伸長する一方、新造船の供給隻数は限定的で、市況は高水準を維持しました。
LPG船については、中国での工業需要の拡大や、OPECプラスの減産延長により米国産LPGと中東産LPGの価格差が拡大し、米国出しが引き続き堅調である一方、8月頃からパナマ運河の混雑が緩和され、市況はやや軟化しました。
ケミカル船においても紅海情勢を背景に多くの船社が喜望峰経由の航路を選択しているためトンマイルが伸長し、好市況が続きました。加えて、当社100%子会社のMOL Chemical Tankers Pte. Ltd.が2024年3月に株式を取得し、連結子会社としたFairfield Chemical Carriers Pte. Ltd.も増益に貢献しました。
このような市況環境の中、安定的な長期契約の履行、コスト削減に努めた結果、タンカー事業全体では前年同期比で増益となりました。
<オフショア>
FPSO事業においては、三井海洋開発㈱の持分法適用化に伴う株式再評価による、持分法による投資利益の計上もあり、前年同期比で増益となりました。
<液化ガス>
LNG船事業は、既存の長期貸船契約や新造船竣工に伴い引き続き安定収益が積み上がっておりますが、管理船の入渠等による一時的な費用増のため、前年同期比で減益となりました。
LNGインフラ事業は、既存プロジェクトの安定操業により、前年同期比で増益となりました。
③ 製品輸送事業
<コンテナ船>
当社持分法適用会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.においては、喜望峰経由の輸送が継続する中、欧米向けの貨物需要も盛り上がりをみせ船腹需給が逼迫しました。その結果、スポット運賃市況が大幅に上昇し、前年同期比で大幅な増益となりました。
<自動車船>
港湾混雑の影響や、中東情勢の緊張により一部海域を避航して運航する状況が続き、配船効率に制約を受けたため、輸送台数は前年度比で減少しましたが、為替の影響や運航効率の向上等により、前年同期比で増益となりました。
<その他製品輸送>
港湾事業においては、国内コンテナターミナル事業の取扱量は概ね堅調に推移しました。一方、ロジスティクス事業は航空・海上貨物輸送の需給変化が大きい中、利益水準が低下し、前年同期比で増収減益となりました。
④ ウェルビーイングライフ事業
<不動産事業>
当社グループの不動産事業の中核であるダイビル㈱の業績が堅調に推移、持分法適用会社の増加に伴う持分法による投資利益計上により前年同期比で増益となりました。
<フェリー・内航RORO船>
㈱商船三井さんふらわあにおいて、貨物事業はモーダルシフトの進行により積高が前年同期比で大幅に増加しました。旅客事業も好調で、前年同期比増益を達成しました。
<クルーズ事業>
堅調な旅行需要を捉え、利用客数は好調であったものの、MITSUI OCEAN FUJI就航に向けた投資等費用が先行し、前年同期比で減益となりました。
⑤ 関連事業
曳船事業及び商社事業を含む関連事業は前年同期比でほぼ横ばいとなりました。
⑥ その他
その他の事業には、船舶運航業、船舶管理業、金融業等がありますが、前年同期比で減益となりました。
(2)財政状態の状況
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,530億円増加し、4兆4,736億円となりました。これは主に建設仮勘定が増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ437億円増加し、1兆7,946億円となりました。これは主に長期借入金が増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ3,093億円増加し、2兆6,790億円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、2.4ポイント上昇し、59.5%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、278億円増加し、1,409億円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益が2,599億円、持分法による投資損益が△1,649億円、減価償却費が602億円となったこと等から、1,732億円(前年同期2,039億円)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、船舶を中心とする固定資産の取得等により△1,429億円(前年同期△1,775億円)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により△93億円(前年同期△119億円)となりました。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において経営方針・経営戦略等について新たな見直し、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した、経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(7)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は880百万円となっております。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。