第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善の一方で、物価高の継続による実質賃金の伸び悩みもあって個人消費の拡大にも力強さを欠いています。不安定さが続く国際情勢、原材料・エネルギー価格の高止まりがもたらす物価高の影響が強調される展開が続き、景気の先行き不透明感が強まっています。

国内の食品企業においては、これらの経済環境を踏まえ、厳しい舵取りが続いています。

 

こうした中、当グループは、「中長期成長戦略2030」の実行に向けて取り組んでいます。お米の恵みを美味しさ・健康・感動という価値に磨き上げ、お客様の健やかなライフスタイルに貢献する、“Better For You”をパーパス(存在意義)として位置づけ、お米の可能性を最大限に引き出し、世界で新価値・新市場を創造する姿、ビジョン(目指す姿)“ライスイノベーションカンパニー”の実現を通じて持続的な成長と企業価値向上を目指しています。

2024年度は、“ライスイノベーションカンパニー”の実現を目指して、独自価値創造型企業への基盤を固めるため、国内米菓事業の独自価値訴求によりキャッシュ創出力を高めるとともに、成長エンジンとなる海外事業と食品事業の拡大を図るための事業ポートフォリオ再構築に向けた様々な施策に取り組んでいます。

 

当中間連結会計期間の売上高は、国内米菓事業、海外事業、食品事業ともに前年同中間期を上回る実績を確保し、48,560百万円(前年同中間期比10.2%増)となりました。

営業利益は、国内米菓事業および食品事業が増益、海外事業の損失が前年同中間期から縮小したことで、1,768百万円(前年同中間期比106.9%増)となりました。また、経常利益は、営業利益の増加および持分法による投資利益が増加したものの一時的な為替差損益の影響を受け1,837百万円(前年同中間期比14.3%減)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は794百万円(前年同中間期比19.0%減)となりました。

 

各セグメントの概況は、次のとおりであります。

 

<国内米菓事業>

国内米菓事業については、商品性にこだわり、独自価値訴求型の競争戦略への転換を図ることで収益基盤の強化に取り組んでいます。

重点ブランドは従来の「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「亀田のつまみ種」「無限」シリーズの4ブランドに「技のこだ割り」「こつぶっこ」を加えた6ブランドを重点6ブランドとし、消費者コミュニケーション強化、ブランド価値強化に努めています。

「亀田の柿の種」は親子で楽しめるスナック需要への拡張を企図した「うましお」の継続的育成に取り組み、「ハッピーターン」はスナック感覚で食べられる新商品をスーパーマーケットとコンビニエンスストアにおいて期間限定で発売、「亀田のつまみ種」は通常品の供給を優先するために休止していた期間限定商品の販売を再開しました。また、「技のこだ割り」はこだわりの製法を伝えるテレビCMを放映するなど重点6ブランドの価値向上に向けた取り組みを推し進めました。加えて、当社が長年研究開発をしている「お米由来の植物性乳酸菌K-1」を添加した機能性表示食品となる米菓を発売するなど、顧客起点でブランド・製品の独自性に磨きをかける取り組みを進めました。加えて、商品戦略に連動する形で生産能力増強や適正価格販売、販売促進費用の効率的な執行等、価値訴求に軸足を置いた活動を展開しました。

これらの取り組みの結果、重点6ブランドの売上高については「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「亀田のつまみ種」「こつぶっこ」が前年同中間期を上回った一方、「無限」シリーズ「技のこだ割り」は前年同中間期を下回りました。

また、百貨店向け商品や土産物用商品を製造販売するグループ会社は、コロナ禍後の需要回復は一巡したものの新規店舗の出店効果もあり堅調に推移しました。これらの結果、国内米菓事業全体の売上高は33,329百万円(前年同中間期比7.0%増)となりました。

 

営業利益の改善に向けては、単体米菓において前期に実施した商品の価格改定・規格変更の効果に加え、重点6ブランドへの集中化による筋肉質なポートフォリオへの転換、販売促進費用の効率的な執行、商品の絞り込みや外部生産委託の活用による生産効率の向上など各種施策を継続的に取り組んでいます。また、百貨店向け商品や土産物用商品を製造販売するグループ会社の好調な業績が加わり、国内米菓事業全体の営業利益は1,647百万円(前年同中間期比26.4%増)となりました。

 

<海外事業>

海外事業については、北米のMary’s Gone Crackers, Inc.は売上拡大に向けて販路開拓に取り組んでおり、それに即した商品開発を行っていますが、業績回復の途上でもあり減収となりました。一方アジア地域はタイのSingha Kameda (Thailand) Co., Ltd.が輸出の拡大により好調を維持し全体業績を牽引したことで、海外事業全体の売上高は8,011百万円(前年同中間期比14.1%増)となりました。

営業利益については、Singha Kameda (Thailand) Co., Ltd.における輸出の拡大や中国の青島亀田食品有限公司の業績改善効果など、アジア地域が総じて好調に推移し、同地域では着実な利益成長を果たしました。一方、Mary’s Gone Crackers, Inc.が生産効率改善に取り組んでいるものの、減収影響により減益となった結果、海外事業全体では124百万円の営業損失(前年同中間期は営業損失269百万円)となりました。

 

<食品事業>

食品事業については、長期保存食が南海トラフ地震臨時情報の発表による防災意識の高まりを受けて個人および法人需要を中心に前年同中間期を大きく上回り、米粉パンもアレルゲン28品目不使用の米粉パンなどの取り扱い拡大により好調に推移しました。さらに、植物性乳酸菌についても、機能性を訴求し差別化を図ることで販路拡大に取り組み前年同中間期に比べ増収となりました。一方で、プラントベースフードは植物性原料100%の「グリーンチキン」のラインアップ拡充、販路拡大およびBtoB市場開拓に継続して取り組みましたが減収となりました。これらの結果、食品事業全体の売上高は3,773百万円(前年同中間期比41.6%増)となりました。

営業利益については、プラントベースフードや米粉パンの規模拡大に向けた先行投資負担の増加を長期保存食の増収影響が上回り、食品事業全体の営業利益は127百万円(前年同中間期は営業損失286百万円)となりました。

 

(2) 財政状態

(資産)

当中間連結会計期間末における流動資産は30,573百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,634百万円減少いたしました。これは主に「現金及び預金」が345百万円、「商品及び製品」が429百万円それぞれ増加した一方、「受取手形、売掛金及び契約資産」が3,574百万円、「その他」が945百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産は89,229百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,927百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産の「その他」が3,705百万円、投資その他の資産の「その他」が573百万円それぞれ増加した一方、「機械装置及び運搬具」が475百万円、「投資有価証券」が693百万円それぞれ減少したことによるものであります。

この結果、総資産は、119,803百万円となり、前連結会計年度末に比べ707百万円減少いたしました。

(負債)

当中間連結会計期間末における流動負債は29,299百万円となり、前連結会計年度末に比べ557百万円減少いたしました。これは主に「短期借入金」が1,480百万円、「賞与引当金」が243百万円それぞれ増加した一方、「支払手形及び買掛金」が200百万円、「未払法人税等」が572百万円、「その他」が1,262百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は16,466百万円となり、前連結会計年度末に比べ468百万円減少いたしました。これは主に「その他」が275百万円増加した一方、「長期借入金」が760百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は、45,765百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,026百万円減少いたしました。

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産合計は74,037百万円となり、前連結会計年度末に比べ318百万円増加いたしました。これは主に、「親会社株主に帰属する中間純利益」794百万円および「剰余金の配当」864百万円により「利益剰余金」が70百万円減少したことや、「為替換算調整勘定」が726百万円増加したことに加え、LYLY KAMEDA CO., LTD.の株式を2024年4月に追加取得したことにより「資本剰余金」が548百万円増加および「非支配株主持分」が1,032百万円減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は59.3%(前連結会計年度末は58.0%)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ344百万円増加し、7,786百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は4,952百万円(前年同中間期比406百万円の増加)となりました。

 これは主に、税金等調整前中間純利益に、減価償却費等の非資金項目、退職給付に係る資産や売上債権等の営業活動に係る資産及び負債の増減、法人税等の支払額を加減算したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は3,951百万円(前年同中間期比337百万円の支出減少)となりました。

 これは主に、有形固定資産の取得による支出や補助金の受取額によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は948百万円(前年同中間期比266百万円の支出増加)となりました。

 これは主に、短期借入金の純増減額や長期借入金の返済による支出、配当金の支払額、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出によるものであります。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(8) 研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、502百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。