当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)の売上高は前年同期に比べ4.7%減少の2,923百万円となりました。利益面においては積極的な人的投資等を実施していることから、営業利益は同37.8%減少の519百万円、経常利益は同37.4%減少の522百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同36.1%減少の356百万円となりました。
当中間連結会計期間は、上場企業をターゲットとするアクティビスト活動が活発化・多様化する中、アクティビストによる株主提案が過去最高水準を継続しており、事業戦略、コーポレート・ガバナンス、株価・資本効率向上、政策保有株式縮減等に関する幅広い指摘が行われました。
アクティビスト対応、支配権争奪、M&A対応等に係る有事対応案件*1については、支配権争奪等を中心としたPA業務*2とFA業務*3は受託が減少したものの、アクティビスト対応PA・FA案件を中心とした案件は前年度と同水準の案件受託状況が継続しています。
実質株主判明調査等の平時対応案件*4については、前年度の下期以降、お客様との強固な信頼関係にもとづくエクイティ・コンサルティングに関する年間リテーナー契約を含め新規・追加のプロジェクト受託が増加しており、その傾向が当年度においても継続しております。
我が国の資本市場においては、外国人株主による日本企業への改革期待が強まる中、持ち合い株式の解消、機関投資家・金融機関の議決権行使の厳格化も一層進展し、株主総会議案の反対率も増加する等、議決権の安定確保がますます注目されています。また、企業再編・M&A領域においては、上場企業をターゲットとするアクティビスト活動の活発化に加えて、近時の事業会社による「同意なきTOB」の広がりは、買収ファイナンスやFA受任を巡る金融機関の態度変容も相俟って更なる増加が見込まれております。まさに当社グループが基軸として掲げる「Power of Equity®*5(株式議決権の力)」という概念の通り、「株主」の外圧のもとで上場企業の存続や支配権を大きく左右する資本リスクが高まっています。
こうした中、当社グループは、株式市場からの期待・外圧を、お客様である上場企業の持続的成長につなげるための支援を行うべく、アクティビストサイドにつかないプロキシー・アドバイザリーを基盤業務に、金融系列に属さない独立系エクイティ・コンサルティング集団、フィナンシャル・アドバイザー集団として、株式議決権に関わるコンサルティングと経営支配権に関わるM&Aアドバイザリーを両輪に、日本の上場企業の皆様の持続的な企業成長を支援してまいります。
*1 有事対応案件;アクティビスト対応、支配権争奪、M&A対応等の有事局面のPA業務やFA業務の対応を行う案件。
*2 PA業務;プロキシー・アドバイザリー業務:委任状争奪戦業務、圧倒的な勝利の実績を誇る。
*3 FA業務;フィナンシャル・アドバイザリー業務:アクティビスト対応、敵対的TOB対応、高度なMBO、M&Aにおいて日本最大級かつ先鋭の専門集団を配備する。
*4 平時対応案件;実質株主判明調査、議決権分析、企業防衛・企業価値向上等に関連する、平時局面のエクイティ・コンサルティング業務を行う案件。
*5 Power of Equity®;「Power of Equity」は、当社子会社株式会社アイ・アールジャパンの登録商標です(登録第6196294号)。
(2)売上高のサービス別の状況
当社グループの事業領域は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」であり、単一セグメントであります。サービス別に売上高の概要を示すと次のとおりであります。
≪サービス別の売上高の概要≫
(a) 当中間連結会計期間の大型プロジェクト(50百万円以上)と通常プロジェクト(50百万円未満)の内訳
(b) 当中間連結会計期間の大型プロジェクト(50百万円以上)の種類、及び売上金額
当中間連結会計期間の大型プロジェクト(50百万円以上)は、支配権争奪PA・FA案件の受託等が減少したことから、前年同期に比べ33.8%減少の676百万円となりました。通常プロジェクト(50百万円未満)は、前年度の下期以降から、お客様との強固な信頼関係にもとづくエクイティ・コンサルティングに関する年間リテーナー契約含め新規・追加のプロジェクト受託が増加しており、前期同期に比べ9.9%増加の2,246百万円となりました。
(c) 当中間連結会計期間の有事対応案件と平時対応案件の内訳
当中間連結会計期間のアクティビスト対応、支配権争奪、M&A対応等に係る有事対応案件については、支配権争奪PA・FA案件の受託等が減少したことから、前年同期に比べ20.4%減少の1,107百万円となりました。
当中間連結会計期間の実質株主判明調査等の平時対応案件においては、前年同期に比べ8.4%増加の1,815百万円となりました。昨年度の下期以降は、お客様との強固な信頼関係にもとづくエクイティ・コンサルティングに関する年間リテーナー契約含め新規・追加のプロジェクト受託が増加しております。
証券代行事業においては、受託決定済み企業は2024年9月30日時点で64社、管理株主数は396,739名となりました(前年同期の受託決定済み企業は65社、管理株主数は407,952名)。株式会社SMBC信託銀行との証券代行業務に関する連携を強化するとともに、従来の証券代行機関とは一線を画し、革新的なサービスを展開することで、時代のニーズに応えた証券代行サービスを継続してまいります。
① IR・SRコンサルティング
SRアドバイザリー(実質株主判明調査、議決権賛否シミュレーション、コーポレート・ガバナンス改善、取締役会実効性評価、株主還元を含む資本政策等)、プロキシー・アドバイザリー(PA:委任状争奪における全ての戦略立案と実行、臨時株主総会の招集と対応、委任状回収・集計等)、フィナンシャル・アドバイザリー(FA:敵対的TOB対応、自社株TOB、TOB応諾シミュレーション、M&A及びMBOの全ての戦略立案・エクゼキューション等)、証券代行事業等を中心とする当社グループの中核的サービスです。
当中間連結会計期間のIR・SRコンサルティングの売上高は、前年同期に比べ4.8%減少の2,744百万円となりました。
② ディスクロージャーコンサルティング
ツールコンサルティング(アニュアルレポート・統合報告書・株主通信等、IR活動において必要とする各種情報開示資料の企画・作成支援)及びリーガルドキュメンテーションサービス(企業再編やM&A時における各種英文開示書類の作成や和文資料の英訳等)を提供するサービスです。
当中間連結会計期間のディスクロージャーコンサルティングの売上高は、前年同期に比べ0.8%減少の132百万円となりました。
③ データベース・その他
大量保有報告書や国内・海外公募投信における株式の組み入れ状況等を提供する「Stock Watch」、IR活動総合サポートシステム「IR-Pro」、IR説明会への参加受付や参加者の管理等を上場企業が一括実施することが可能な「アナリストネットワーク」等をWEB上で提供するサービスです。また、個人株主向けアンケートサービス「株主ひろば」を展開しております。
当中間連結会計期間のデータベース・その他の売上高は、前年同期に比べ7.0%減少の46百万円となりました。
(3)財政状態の分析
① 資産
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ0百万円増加し、6,670百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加72百万円、ソフトウエアの減少34百万円、有形固定資産の減少26百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少22百万円等によるものであります。
② 負債
当中間連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ74百万円減少し、1,222百万円となりました。主な要因は、未払法人税等の減少56百万円、賞与引当金の減少27百万円等によるものであります。
③ 純資産
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ75百万円増加し、5,448百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する中間純利益による利益剰余金の増加356百万円、配当による利益剰余金の減少266百万円等によるものであります。
(4)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ72百万円増加し、4,170百万円となりました。当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローは以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動の結果得られた資金は461百万円(前年同期は1,917百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、税金等調整前中間純利益522百万円、法人税等の支払額224百万円、減価償却費169百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動の結果使用した資金は121百万円(前年同期は143百万円の使用)となりました。
支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出121百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動の結果使用した資金は266百万円(前年同期は1,209百万円の使用)となりました。
支出の内訳は、配当金の支払額266百万円によるものであります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。