第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかに回復しているとみられております。先行きにつきましては、海外景気の下振れ、物価上昇、日本銀行によるマイナス金利政策の解除が及ぼす影響等に十分注視する必要がある状況にあります。

 当社グループを取り巻く受託臨床検査市場では、新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」という。)関連検査の受託数が減少したものの、感染を懸念した患者の医療機関への受診控えが解消したこと等により、コロナ禍前の事業環境に戻りつつあります。また、調剤薬局市場では、調剤報酬及び薬価の改定による影響が大きく、より厳しい事業環境となっております。一方で、医療分野におきましては、医療DXの実現に向け、情報通信、デジタル技術やデータを活用した新たなビジネスやサービスの創出が期待されております。

 このような事業環境のもと、当社グループは、中長期的な持続的成長に向けた収益基盤を確立するために、事業構造の転換を図り、基盤事業である臨床検査事業・調剤薬局事業の事業変革を推進するとともに、成長事業であるゲノム事業・ICT事業の更なる成長に向けた取り組みを推進しております。

 このような状況のもと、当中間連結会計期間においては、臨床検査事業及びICT事業の売上高、営業利益が増加したことにより、売上高は21,366百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は974百万円(同14.4%増)、経常利益は1,036百万円(同11.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は794百万円(同26.2%増)となりました。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

① 臨床検査事業

 臨床検査事業におきましては、COVID-19関連検査の受託数が減少したものの、COVID-19関連検査以外の受託数は増加いたしました。また、臨床検査の集荷体制の強化を図るとともに、依頼・集荷、検査及び報告の各過程におけるICT化・効率化を推進することにより、生産性が向上し、コスト構造の改善が進みました。

 ゲノム事業におきましては、体外診断用医薬品「MSI検査キット(FALCO)」の販売が堅調に推移し、周産期医療に係る遺伝子検査につきましても販売拡大に努めてまいりました。また、遺伝性腫瘍パネル検査の薬事申請・保険適用に向けた研究開発を推進しております。

 このような事業展開の結果、臨床検査事業の売上高は13,095百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は726百万円(同5.5%増)となりました。

② 調剤薬局事業

 調剤薬局店舗数は当中間連結会計期間に2店舗閉局したことにより、当中間連結会計期間末において当社グループが運営する調剤薬局等店舗総数は108店舗(フランチャイズ店5店舗含む)となっております。

 調剤薬局事業におきましては、かかりつけ薬剤師・薬局として求められる役割・機能を果たすとともに、高齢者施設及び在宅を中心とした地域医療との連携を進め、既存店舗の処方箋応需の拡大に取り組んでまいりましたが、店舗数減少等による処方箋応需枚数の減少及び薬価改定による影響により、売上高は7,733百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は347百万円(同9.9%減)となりました。

③ ICT事業

 ICT事業におきましては、販売活動を推進したことにより、診療所向けクラウド型レセプト総合支援サービス「レセスタ」は着実に契約数を伸ばしました。また、中小規模病院向けクラウド型電子カルテ「HAYATE/NEO」は、着実に新規導入数及び保守契約数が増加しました。また、医療DXの推進を見据えた顧客基盤の確立とサービス価値向上に向け、新たな機能開発を推進しております。

 このような事業展開の結果、ICT事業の売上高は538百万円(前年同期比19.8%増)、営業利益は76百万円(同62.9%増)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

 当中間連結会計期間末の財政状態につきましては、総資産は、主に売上債権が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ259百万円減少し、36,165百万円となりました。

 負債は、主に仕入債務の減少により、前連結会計年度末に比べ150百万円減少し、10,248百万円となりました。

 また、純資産は、主にその他有価証券評価差額金の減少により、前連結会計年度末に比べ109百万円減少し、25,917百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

  当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ486百万円増加し、10,551百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は1,420百万円(前年同期は1,660百万円)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益1,226百万円、減価償却費454百万円及び売上債権の減少額493百万円によるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は73百万円(前年同期は1,851百万円)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入226百万円、有形固定資産の取得による支出172百万円及び無形固定資産の取得による支出146百万円によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は860百万円(前年同期は3,237百万円)となりました。これは主に、配当金の支払額799百万円によるものであります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

  当社グループは、臨床検査事業においてゲノム医療に関する研究開発に取り組んでおります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。