第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年4月1日~9月30日)における世界の経済は、中国経済の低迷や米国経済の減速懸念に伴う下振れリスクはあったものの、総じて順調に推移しました。

事業環境としては、日本における物流関連投資が回復基調にあります。半導体産業では、中国におけるレガシー半導体投資が高水準で継続すると同時に、AI向け半導体の需要増加に伴い一部先端半導体投資が回復基調にあります。また、半導体後工程における自動化投資も顕在化してきました。自動車産業では、xEV(BEV、HEV、PHEV、FCEVなど電動車の総称)投資が高水準で継続しています。航空旅客数の回復に伴い空港における自動化投資も伸長しています。

このような経済・事業環境の下、当中間連結会計期間の受注は、北米における空港向けシステムが大きく伸長したほか、一般製造業・流通業、半導体生産ライン、自動車生産ライン向けシステムは順調に推移し、前年同期を上回りました。

売上は、豊富な前期末受注残高をベースに一般製造業・流通業、半導体生産ライン、空港向けシステムは増収となりました。

この結果、受注高は3,339億22百万円前年同期比13.5%増)、売上高は3,026億21百万円同7.6%増)となりました。

利益面は、原材料・人件費高騰に伴うコスト増加分の価格転嫁等が進展し、一般製造業・流通業、半導体生産ライン、自動車生産ライン、空港向けシステムとも利益率が改善しました。

この結果、営業利益は381億44百万円同100.1%増)、経常利益は381億86百万円同83.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は297億12百万円同109.2%増)となりました。

なお、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益は、いずれも中間連結会計期間としては過去最高です。

当中間連結会計期間の当社グループの平均為替レートは、米ドルで154.08円(前年同期136.54円)、中国元で21.26円(同19.55円)、韓国ウォンで0.1133円(同0.1047円)等となりました。為替の変動により、前年同期比で受注高は約379億円、売上高は約163億円、営業利益は約18億円、それぞれ増加しました。

 

〔セグメントごとの業績〕

セグメントごとの業績は次のとおりです。受注・売上は外部顧客への受注高・売上高を、セグメント利益は親会社株主に帰属する中間純利益を記載しています。

報告セグメントに関する詳細は、後記(セグメント情報等)をご覧ください。

なお、前連結会計年度より、量的重要性が増加したことに伴い、従来「その他」に含めていた「大福自動搬送設備(蘇州)有限公司(DSA)」を報告セグメントとしています。これに伴い、前中間連結会計期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントにより作成しています。

当社グループのうち、海外子会社については、そのほとんどが12月末決算のため2024年1月1日から6月30日までの期間の状況を記載しています。

 

 

① 株式会社ダイフク

受注は、半導体生産ライン向けシステムが大きく伸び、前年同期の実績を上回りました。

売上は、豊富な前期末受注残高をベースに全体としては好調に推移しました。

セグメント利益は、増収効果に加え、原材料・人件費高騰に伴うコスト増加分の価格転嫁の進展等により増益となりました。

この結果、受注高は1,053億85百万円前年同期比2.9%増)、売上高は1,214億77百万円同17.5%増)、セグメント利益は176億70百万円同40.8%増)となりました。

 

② コンテックグループ

日本市場・海外市場ともに顧客の在庫調整の影響を受け受注高は減少しました。一方、為替変動の影響等により海外で増収となり売上高は増加しました。

セグメント利益は、国内での売上減少が影響し減益となりました。

この結果、受注高は96億76百万円前年同期比11.4%減)、売上高は92億75百万円同4.1%増)、セグメント利益は3億62百万円同34.0%減)となりました。

 

③ Daifuku North America, Inc.(DNA)グループ

受注は、空港向けシステムが好調に推移し、大きく増加しました。

売上・セグメント利益は、豊富な前期末受注残高をベースに計画に対し概ね順調に推移しました。

この結果、受注高は1,168億15百万円前年同期比29.1%増)、売上高は864億15百万円同1.9%減)、セグメント利益は61億35百万円同16.8%増)となりました。

 

④ Clean Factomation, Inc.(CFI)

受注は低調だった前年からは回復基調にありますが、売上は前年同期の実績を下回りました。

セグメント利益は、高採算案件の売上計上が進んだこと等により増加しました。

この結果、受注高は123億72百万円(前年同期比1.2%増)、売上高は129億73百万円(同11.2%減)、セグメント利益は9億25百万円(同23.6%増)となりました。

 

⑤ 大福自動搬送設備(蘇州)有限公司(DSA)

受注は、前年同期の実績を下回ったものの、レガシー半導体向け投資が高水準で継続しました。

売上・セグメント利益ともに、豊富な前期末受注残高をベースに前年同期の実績を大幅に上回りました。

この結果、受注高は252億25百万円(前年同期比17.5%減)、売上高は252億23百万円(同143.0%増)、セグメント利益は70億6百万円(同330.8%増)となりました。

 

⑥ その他

「その他」は、当社グループを構成する連結子会社66社のうち、上記②③④⑤以外の国内外の子会社です。これらの各社は、マテリアルハンドリングシステム・洗車機等の製造・販売・工事・サービスを行っています。主な子会社の状況は、次のとおりです。

国内子会社:

株式会社ダイフクプラスモアは、各種洗車機の販売等を行っています。

海外子会社:

中国、台湾、韓国、タイ、インドなどにマテリアルハンドリングシステム・洗車機の生産拠点があり、最適地生産・調達体制の一翼を担いつつ、販売・工事・サービスも行っています。

また、北中米、アジア、欧州、オセアニアには販売・工事・サービスを行う子会社を幅広く配置しています。

受注は、半導体生産ライン向けシステムを中心に好調に推移しました。売上・セグメント利益は、前期末受注残高をベースに概ね計画通りに推移しました。

この結果、受注高は644億46百万円(前年同期比35.2%増)、売上高は464億70百万円(同15.2%減)、セグメント利益は19億87百万円同37億円増益)となりました。

 

 

〔当社グループの財政状態〕

資産は、前連結会計年度末に比べ434億4百万円増加し、6,895億59百万円となりました。これは主に受取手形・完成工事未収入金等及び契約資産が290億75百万円減少したものの、現金及び預金が577億15百万円有形固定資産が63億40百万円、流動資産その他に含まれている前払金が49億13百万円それぞれ増加したことによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ76億84百万円増加し、2,950億84百万円となりました。これは主に支払手形・工事未払金等が58億91百万円短期借入金が62億77百万円減少したものの、契約負債が174億43百万円増加したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ357億20百万円増加し、3,944億75百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が20億69百万円減少したものの、利益剰余金が200億61百万円為替換算調整勘定が175億84百万円それぞれ増加したことによるものです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ609億99百万円増加し、1,974億45百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、680億38百万円となりました(前年同期は14億19百万円の増加)。これは主に仕入債務の減少額が122億84百万円あったものの、税金等調整前中間純利益が385億47百万円売上債権及び契約資産の減少額が416億85百万円あったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の増加は、6億76百万円となりました(前年同期は122億95百万円の減少)。これは主に固定資産の取得による支出が54億81百万円あったものの、定期預金の払戻による収入が51億53百万円投資有価証券の売却による収入が16億11百万円あったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は、169億75百万円となりました(前年同期は323億47百万円の増加)。これは主に短期借入金の減少額が65億63百万円配当金の支払額が96億42百万円あったことによるものです。

 

(3) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況についての分析

当社グループの資金状況は、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入により必要資金を調達しています。また、300億円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の資金調達手段を確保しています。

 

(4) 研究開発活動

当中間連結会計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は6,428百万円です。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(5) 従業員の状況

連結会社の状況

  2024年9月30日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

株式会社ダイフク

3,679

コンテックグループ

481

Daifuku North America, Inc.グループ

2,643

Clean Factomation, Inc.

904

大福自動搬送設備(蘇州)有限公司

261

その他

2,990

合計

10,958

 

(注) 1 従業員数は就業人員数です。

2 当中間連結会計期間において、主に米国における事業縮小などの要因により、当社グループの従業員数は前連結会計年度末から2,113名減少し10,958名となりました。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。