【要約中間連結財務諸表注記】
1.報告企業
当社は日本に所在する企業であり、医薬品の製造・販売を行う子会社の株式若しくは持分を保有することにより、当該会社の事業活動を管理し、その経営の支援や指導を行うことを事業としております。連結子会社は、医薬品事業を行っており、ジェネリック医薬品の研究開発、製造及び販売を行っております。
2.作成の基礎
当社グループの要約中間連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第2号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同312条の規定により、IAS第34号に準拠して作成しております。要約中間連結財務諸表は、連結会計年度の連結財務諸表で要求されるすべての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものです。
当社グループの要約中間連結財務諸表は、2024年11月11日において当社代表取締役社長である澤井光郎により承認されております。
(3) 測定の基礎
要約中間連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(4) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの要約中間連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満の端数を四捨五入して表示しております。
要約中間連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額並びに偶発資産及び負債の開示に影響を及ぼす見積り、判断及び仮定の設定を行うことが義務付けられております。実際の結果は当該見積りと異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は継続的に見直されます。会計上の見積りの変更は、見積りが見直され影響を受ける将来の期間に認識されます。
会計方針の適用及び本要約中間連結財務諸表に重要な影響を及ぼす会計上の見積り、判断及び仮定は、前連結会計年度と同様であります。
3.重要性がある会計方針
本要約中間連結財務諸表において適用される重要性がある会計方針は、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同様であります。
なお、当中間連結会計期間の法人所得税は、見積平均年次実効税率を基に算定しております。
4.事業セグメント
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、従来、ジェネリック医薬品の製造及び販売を日本及び米国で行っており、各地域で製造及び販売の戦略が異なっていることから、事業セグメント及び報告セグメントを「日本」及び「米国」としておりましたが、2024年1月16日開催の取締役会において、SAHの全株式、並びにその傘下にあるSALの当社持分とUSLの持分を、SALへの共同出資者であるSCOAとともに、Boraに譲渡することを決議し、同日付で当該契約を締結したことに伴い、「米国」を非継続事業に分類したため、前第3四半期連結累計期間より「医薬品等の製造及び販売」の単一セグメントに変更しております。
なお、2024年4月2日付で、SAHの全株式、並びにその傘下にあるSALの当社持分とUSLの持分の譲渡は完了しております。
「医薬品等の製造及び販売」は、主として当社及びジェネリック医薬品を中心とした医療用医薬品の製造販売を行う沢井製薬、化研生薬株式会社、トラストファーマテック株式会社、並びに、ジェネリック医薬品を中心とした医療用医薬品の売買を行うメディサ新薬株式会社の4子会社で構成されております。
当社グループの薬効別売上収益とセグメント売上収益との関連については、「5.売上収益」を参照ください。
5.売上収益
当社グループは、ジェネリック医薬品を卸売業者、販売会社及び小売業者等の顧客に販売することで収益を認識しております。製品及び商品の販売に係る収益は、製品及び商品に係る支配が顧客に移転した時点で認識されます。一定期間にわたり収益を認識する顧客との契約はありません。
当社グループの薬効別売上収益は、次のとおりであります。
6.1株当たり中間利益
(注)当社は2024年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、基本的1株当たり中間(当期)利益及び希薄化後1株当たり中間(当期)利益を算定しております。
また、希薄化効果を有しないため、希薄化後1株当たり中間利益の計算に含まれなかったストックオプション等の潜在的普通株式は、2023年9月30日現在及び2024年9月30日現在において該当ありません。
7.その他の資本の構成要素
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
8.配当金
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注)2024年5月13日開催の取締役会決議により、2024年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っておりますが、上記1株当たり配当額については、当該株式分割前の1株当たり配当額を記載しております。
9.金融商品
(ⅰ)株式
市場性のある株式の公正価値は市場価格を用いて測定しております。活発な市場が存在しない株式は、純資産価額や当該投資先が保有する主要な資産等の定量的な情報を総合的に考慮した適切な方法により、公正価値を測定しております。
(ⅱ)社債及び借入金
これらの公正価値は、元利金の合計額について同様の新規資金調達を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっております。
公正価値で計上される金融商品を評価方法ごとに分析した表は、次のとおりであります。
それぞれのレベルは、以下のように定義付けられております。
レベル1:活発な市場における同一資産・負債の市場価格(調整前の価格)
レベル2:レベル1に含まれる市場価格以外の、資産・負債について直接的(すなわち価格として)又は間接的(すなわち価格に起因して)に観察可能なインプット
レベル3:観察可能な市場データに基づかない資産・負債についてのインプット(観察不能なインプット)
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化の日に認識しております。
上記以外の金融資産及び金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しております。
なお、社債及び借入金の公正価値はレベル2であります。
前連結会計年度(2024年3月31日)
レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
当中間連結会計期間(2024年9月30日)
レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高への調整表は、以下のとおりであります。
当該評価の合理性については、経理担当部門が検証しており、部門管理者の承認を受けております。
10.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債
「売却目的で保有する資産」及び「売却目的で保有する資産に直接関連する負債」の内訳は、以下のとおりであります。
前連結会計年度末における売却目的で保有する資産及び直接関連する負債は、2024年1月16日開催の取締役会において、当社が保有する米国事業の持株会社であるSAHの全株式、並びにその傘下にあるSALの当社持分とUSLの持分を、SALへの共同出資者であるSCOAとともに、Boraに譲渡すること(以下、「本株式等譲渡」という。)を決議し、同日付で当該契約を締結したことから売却目的に分類したものであります。なお、2024年4月2日付で、SAHの全株式、並びにその傘下にあるSALの当社持分とUSLの持分の譲渡は完了しております。
SAHに関連する売却目的保有に分類される処分グループについては、売却コスト控除後の公正価値が帳簿価額を下回っているため、売却コスト控除後の公正価値により測定しております。なお、公正価値は、売却価額を基礎としており、非継続事業に分類した米国事業に起因する反トラスト訴訟に関連した損失の見積金額を含んでおり、当該公正価値のヒエラルキーはレベル3であります。また、前連結会計年度末の連結財政状態計算書における「その他の資本の構成要素」には、売却目的保有に分類した米国事業に係るその他の包括利益の累計額(主として在外営業活動体の換算差額)が11,706百万円含まれております。
11.非継続事業
「10.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債」に記載のとおり、米国事業に関する損益及びキャッシュ・フローを非継続事業に分類しております。
(1) 非継続事業の損益
(注)当中間連結会計期間において、米国事業を譲渡したことによる関係会社株式売却益14,622百万円が含まれております。
(2) 非継続事業のキャッシュ・フロー
(注)当社は、2024年4月2日に本株式等譲渡を完了いたしました。なお、本株式等譲渡による収支の関係は以下のとおりであります。
(※)譲渡対価については、本株式等譲渡契約において価格調整条項及び条件付対価等が定められているため、最終的な金額が変動する可能性があります。なお、譲渡対価として、Boraより当社持分の売買代金24,180百万円を受領し、別途SAHによる自己株式の取得により15,310百万円を受領しております。
12.偶発事象
訴訟
当社グループの連結子会社である沢井製薬は以下の訴訟案件の被告となっております。
(1) ナルフラフィン塩酸塩OD錠2.5μg「サワイ」製造販売に係る特許権侵害訴訟
2018年12月、東レ株式会社(以下、「東レ」という。)は沢井製薬に対して、ナルフラフィン塩酸塩OD錠2.5μg「サワイ」の製造販売行為が、東レが保有する延長特許権を侵害するとして訴訟を提起されております。当社は沢井製薬が製造販売するナルフラフィン塩酸塩OD錠2.5μg「サワイ」が、東レの延長特許権を侵害している事実は無いものと考えており、その正当性を本件訴訟にかかる手続の中で明らかにしていく方針です。
(2) テリパラチド皮下注用56.5μg「サワイ」製造販売に係る特許権侵害訴訟
2022年4月、旭化成ファーマ株式会社(以下、「旭化成ファーマ」という。)は沢井製薬に対して、テリパラチド皮下注用56.5μg「サワイ」の製造販売行為が、旭化成ファーマが保有する特許権を侵害するとして訴訟を提起されております。2024年9月、大阪地方裁判所において、沢井製薬から旭化成ファーマへ損害賠償額3,064百万円の支払いを命じる第一審判決の言い渡しを受けております。同年10月、沢井製薬はこれを不服とし知的財産高等裁判所に控訴しております。なお、第一審判決には仮執行宣言が付されておらず、沢井製薬は損害賠償額の支払いや強制執行停止申立てのための預託金の供託を行っておりません。当社は沢井製薬が製造販売するテリパラチド皮下注用56.5μg「サワイ」が、旭化成ファーマの特許権を侵害している事実は無いものと考えており、その正当性を本件訴訟にかかる手続の中で明らかにしていく方針です。
当社グループは、当中間連結会計期間末時点で、上記の訴訟が解決し資源が流出する可能性は高くないと判断していることから、当該訴訟に関する負債を認識しておりません。将来当該訴訟が解決し一定額の支払いが生じる場合、当該訴訟に対する資源の流出が生じ、当社グループは損失を認識することになります。
13.後発事象
当社は、2024年5月13日開催の取締役会で、株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更を決議し、2024年10月1日付でその効力が発生しております。
(1) 株式分割の目的
当社株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより、より投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大を図ることを目的としております。
(2) 株式分割の概要
①分割の方法
2024年9月30日最終の株主名簿に記録された株主の所有普通株式1株につき、3株の割合をもって分割いたしました。
②分割により増加する株式数
③1株当たり情報に及ぼす影響
当該株式分割が与える影響は、「6.1株当たり中間利益」に記載しております。
(3) 株式分割に伴う定款の一部変更
①変更の理由
上記の株式分割に伴い、会社法第184条第2項の規定に基づき、2024年10月1日を効力発生日として、当社定款の一部を変更いたしました。
②定款変更の内容(下線部が変更部分)
(4) 配当について
本株式分割の効力発生日は2024年10月1日であるため、2024年9月30日を基準日とする2025年3月期の中間配当は、株式分割前の株式数を基準に実施いたします。
第4期(2024年4月1日から2025年3月31日まで)中間配当については、2024年11月11日開催の取締役会において、2024年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主に対し、次のとおり中間配当を行うことを決議いたしました。