当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
(1) 業績の状況
当中間連結会計期間における世界経済は、米国において、個人消費や設備投資が増加基調で推移し、景気の拡大が続きました。欧州では、賃金上昇や利下げの効果により、景気は持ち直しの動きがみられました。また、わが国では、企業収益や雇用情勢に改善の動きがみられ、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、中国では、不動産市場の停滞や物価下落が継続し、景気は足踏み状態となりました。
このような状況下、当社グループは中期経営計画「Growing Global for Sustainability(GGS)」に取り組み、事業戦略の深化、環境経営の高度化および人的資本経営の推進を行い、社会全体と当社グループの持続可能性の両立を目指しました。
当中間連結会計期間における主な取り組みとしては、化学農薬以外のビジネス拡大に向け、新規生物殺菌剤の登録開発販売等に関する権利を取得しました。スマート農業関連では、国内において、スマートフォン用アプリケーション「レイミーのAI病害虫雑草診断」(以下「本アプリ」)のJA全農が提供する「Z-GIS」とのシステム連携、株式会社クボタの営農システム「KSAS」への病害虫雑草AI診断システム提供を行ったほか、本アプリの機能向上の一環として、新機能「AI予察」の搭載や診断対象作物の拡大を行いました。また、本アプリの海外向けサービス版である「AcroSeeker」の現地語での利用エリアをラオスおよびインドネシアに拡大し、世界160以上の国と地域においても英語版「AcroSeeker」が利用可能となりました。
当中間連結会計期間の売上高は、中核事業である農薬事業で、インドでの同業者向け農薬販売が減収になったことなどにより、391億29百万円(前年同期比15億41百万円減、同3.8%減)となりました。利益面では、営業利益は10億29百万円(前年同期比1億46百万円減、同12.5%減)、経常利益は5億19百万円(前年同期比4億32百万円減、同45.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は6億20百万円(前年同期比75百万円減、同10.8%減)となりました。
当中間連結会計期間における報告セグメントの概況は以下のとおりです。
[農薬事業]
国内農薬販売では、水稲用殺虫剤ベンズピリモキサン(商品名「オーケストラ」)を始めとする主力自社開発品目の普及拡販に努めました。また、コルテバ社製品の販売が好調だったことなどから、国内販売全体の売上高は前年同期を上回りました。
海外農薬販売では、北米で、多雨による除草剤需要の高まりからカナダ向けでピラフルフェンエチルの販売が好調だったこともあり、売上高が伸長しました。欧州では、バイエル社向けフルベンジアミド原体販売が減少した一方、ベネルクスや英国などで多雨により除草剤の販売が好調に推移し、Nichino Europe Co.,Ltd.の売上高が伸長しました。中南米では、世界最大の農薬市場であるブラジルで、多雨による殺菌剤需要の高まりや自社開発品目の新規分野開拓の取組みが奏功したものの、同業者向け販売が競争激化の影響などから伸び悩み、販売が減少しました。アジアでは、インドで、一部地域での豪雨の影響から農薬の散布機会が減少したほか、前年の干ばつにより滞留した流通在庫の影響などから伸び悩み、販売が低調に推移しました。これらにより、海外販売全体の売上高は前年同期を下回りました。
以上の結果、農薬事業の売上高は362億69百万円(前年同期比16億37百万円減、同4.3%減)、営業利益は9億84百万円(前年同期比8百万円増、同0.9%増)となりました。
[農薬以外の化学品事業]
化学品事業では、シロアリ薬剤分野の販売が好調に推移しました。医薬品事業では、爪白癬向けで外用抗真菌剤ルリコナゾールの販売が伸び悩みました。
以上の結果、農薬以外の化学品事業の売上高は19億95百万円(前年同期比19百万円減、同1.0%減)、営業利益は3億61百万円(前年同期比1億57百万円減、同30.3%減)となりました。
当中間連結会計期間の総資産は、前連結会計年度末に比べ160億86百万円減少し、1,418億97百万円となりました。これは、売上債権の減少が主な要因です。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ143億73百万円減少し、632億14百万円となりました。これは、仕入債務及び借入金の減少が主な要因です。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ17億13百万円減少し、786億82百万円となりました。これは、為替換算調整勘定等のその他の包括利益累計額の減少が主な要因です。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ25億13百万円増加し、217億77百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は、129億1百万円となりました。これは、売上債権の減少額175億6百万円等の資金の増加が、仕入債務の増加額64億65百万円等の資金の減少を上回ったことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は、13億80百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出8億7百万円、無形固定資産の取得による支出6億9百万円等の資金の減少が主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は、86億47百万円となりました。これは、短期借入金純減額57億88百万円、社債の償還による支出17億68百万円等の資金の減少が主な要因です。
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
なお、当社は、ビジョン「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」のもと、中期経営計画「Growing Global for Sustainability(GGS)」に取り組み、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいる所存です。また、当社株券等の大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様が検討するための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。
当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は、26億28百万円であり、主に農薬事業です。
なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。