第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

 当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用や所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。ただし、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクに十分注意する必要があります。

そのような状況の中、当社グループが属するゲーム業界を取り巻く環境につきましては、2024年の世界のゲーム市場の収益はマクロ経済が厳しい状況にもかかわらず、前年比で2.1%増加の1,877億ドルと予測されており、その中でも最も大きな割合を占めているモバイルゲームにつきましては前年比3.0%増の926億ドルの市場規模へ成長することが見込まれております。また2027年までに世界のゲーム市場の収益は2,133億ドルに成長することが見込まれているため、引続きグローバルで成長し続ける業界であると考えられております。(出典:Newzoo「Global Games Market Forecast」)

また、コミック事業を取り巻く環境につきましては、2023年の国内コミック市場全体で前年比2.5%増の6,937億円と過去最高を更新しております。その中でも電子コミック市場は巣ごもり需要終息の影響で伸び率は縮小しているものの、前年比7.8%増の4,830億円と成長しております。(出典:公益社団法人全国出版協会「出版指標」)さらに、当社グループが提供を始めた縦読みフルカラーコミック「ウェブトゥーン」の世界市場は、2029年に約3兆円規模にまで成長すると予想されております。(出典:QYResearch)

 このような環境の中、当社グループは今後、さらなる成長を加速させるため、責任と権限を一体化して事業を運営するベンチャーグループを目指し、2023年3月期においてゲーム事業とコミック事業の分社化及びDawn Capital1号投資事業有限責任組合の組成等を進め、国内市場に閉じたプロジェクトへの事業投資を凍結し、グローバルポテンシャルを持つ大型プロジェクトへ集中投資することで、長期間の継続運営で大きなリターンを目指してまいりました。当社グループの主力事業であるゲーム事業では、既存タイトルの堅実な運用の他、3D×マルチデバイス×多言語を見据えた大型プロジェクトにリソースの大部分を集中させ、新規開発タイトルへの積極的な投資を進めてまいりました。また、コミック事業では当初予算内で検証フェーズを継続し、作品制作および他社プラットフォームでの販売強化を優先する方針のなか、有名クリエイターとの協業によるオリジナル作品の制作を進めてまいりました。また、2023年12月には株式会社NTTドコモが主体となる海外向け電子コミック配信サービスの提供に向けた業務提携契約を締結し、米国でのサービス提供開始に向けた準備に注力しております。

 この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高12,483百万円(前年同中間期比8.0%増)、営業利益2,991百万円(同51.0%増)、経常利益2,927百万円(同44.1%増)、親会社株主に帰属する中間純利益1,410百万円(同26.7%増)となっております。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(ゲーム事業)

 当社グループのゲーム事業につきましては、より高いクオリティとユーザー体験にこだわり、タイトルを厳選して開発・運用していく方針の下、既存タイトルの堅実な運用と、3D×マルチデバイス×多言語を見据えた大型プロジェクトにリソースの大部分を集中させ、新規開発タイトルへの積極的な投資を進めてまいりました。主力タイトルである株式会社バンダイナムコエンターテインメントとの協業タイトル「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」につきましては、世界同時キャンペーンやユーザーのニーズをとらえた複数の施策が盛況で、日米仏を含む10の国と地域にてストアセールスランキング(注)1位を獲得しました。また、株式会社スクウェア・エニックスとの協業タイトル「ロマンシング サガ リ・ユニバース」では、5.5周年イベントの開催や同IPのゲームコンテンツとのコラボ施策、新章開始記念イベント等を開催し、コアファンを惹きつける長期目線での安定運営を継続してまいりました。それらの結果、売上高については前年同期比で増収となり、新規タイトル開発の加速に伴い研究開発費が増加したものの増益での着地となりました。

 この結果、当中間連結会計期間においては、売上高11,444百万円(前年同中間期比5.0%増)、セグメント利益3,075百万円(同14.9%増)となっております。

(注)ストアセールスランキング:App Store またはGoogle Playのセールスランキング

 

(コミック事業)

 当社グループのコミック事業につきましては、当初予算内で引続き検証フェーズを継続し、作品制作および他社プラットフォームでの販売強化を優先する方針のなか、有名クリエイターと協業によるオリジナル作品の製作及び出版に注力し、オリジナル作品数を堅調に積み上げております。また、オリジナル作品の他社プラットフォームへの展開や映像化による原作漫画の閲覧数増加に伴って作品の販売が堅調に推移し売上高が伸長しており、海外向け電子コミック配信サービスの提供に向けた業務受託も業績に貢献しております。

 この結果、当中間連結会計期間においては、売上高613百万円(前年同中間期比77.5%増)、セグメント利益64百万円(前年同中間期はセグメント損失231百万円)となっております。

 

(その他)

 当社グループのその他事業はIPソリューション事業等が含まれており、当中間連結会計期間においては、売上高425百万円(前年同中間期比33.6%増)、セグメント損失5百万円(前年同中間期はセグメント損失81百万円)となっております。

 

② 財政状態の状況

(資産)
 当中間連結会計期間末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて1,045百万円増加し53,089百万円となりました。主な要因として現金及び預金の増加973百万円及び売掛金及び契約資産の増加1,320百万円があった一方で、その他流動資産の減少1,192百万円があった影響によるものであります。

(負債)

 当中間連結会計期間末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べて64百万円増加し11,896百万円となりました。主な要因として未払法人税等の増加1,234百万円があった一方で、買掛金の減少477百万円及び賞与引当金の減少335百万円があった影響によるものであります。

(純資産)

 当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて981百万円増加し41,192百万円となりました。主な要因として、親会社株主に帰属する中間純利益の計上1,410百万円及びその他有価証券評価差額金の増加116百万円があった一方で、剰余金の配当578百万円があった影響によるものであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ645百万円増加し、31,510百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において、営業活動の結果獲得した資金は1,612百万円となりました(前年同期は405百万円の支出)。これは主に、税金等調整前中間純利益2,673百万円の計上及びその他の資産の減少額769百万円があった一方で、売上債権及び契約資産の増加額1,321百万円及び仕入債務の減少額476百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において、投資活動の結果支出した資金は68百万円となりました(前年同期は389百万円の支出)。これは主に、暗号資産の売却による収入626百万円があった一方で、投資有価証券の取得による支出783百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において、財務活動の結果支出した資金は577百万円となりました(前年同期は6,004百万円の支出)。これは主に、配当金の支払額578百万円があったことによるものであります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間における研究開発費は2,701百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。