第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①財政状態

    当中間連結会計期間末の資産合計は40,510百万円となり、前連結会計年度末と比べて318百万円減少しました。商品及び製品が増加したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が減少したことが主な要因であります。

     負債合計は29,109百万円となり、前連結会計年度末と比べて832百万円減少しました。これは短期借入金が減少したことが主な要因であります。

     純資産合計は11,401百万円となり、前連結会計年度末と比べて514百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する中間純利益の計上により利益剰余金が増加したことが主な要因であります。

 

②経営成績

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、海外景気の下振れリスクをはじめ、物価上昇、不安定な国際情勢、金融資本市場の変動等の影響が懸念され、先行きが見通せない状況にあります。

当社グループを取り巻く経営環境は、都市再開発計画やスタジアム・アリーナ改革の進展、大阪・関西万博需要の本格化が見られ、コンサート・イベント市場も活況を維持しています。

このような状況のもと当社グループは、グループビジョン「世界のヒビノへ」の実現に向け、中期経営計画「ビジョン2025」(2023年3月期~2026年3月期)に取り組んでいます。本中期経営計画では、中期経営方針として「持続的成長を可能とする経営体質の構築」「健全経営の確立」の2つを掲げています。「ハニカム型経営」と「イノベーション」を成長戦略の柱とし、M&Aも活用して新領域を開拓するとともに、適正な利益、財務の安定、人的資本の向上の好循環サイクルを確立していきます。

この方針に基づき、第1四半期には、株式会社エルロイなど映像制作会社9社を傘下に持つCHホールディングス株式会社を子会社化し、映像制作サービスの提供を開始しました。また、第2四半期には、高機能ワークチェアを中心とするオフィス家具の販売及びオフィス空間の設計・施工を行う株式会社オフィックスを子会社化しました。

当中間連結会計期間の業績は、大型案件の剥落があったコンサート・イベントサービス事業は前年同期実績を下回りましたが、販売施工事業及び建築音響施工事業は大型案件が増加し、前年同期実績を上回りました。中でも、「長崎スタジアムシティ」及び「大型オンライン配信スタジオ」の2案件が寄与したほか、第3四半期以降に予定していた一部案件が前倒しで計上されたことから、上方修正後の計画(2024年8月7日付)をさらに上回る進捗となりました。長崎スタジアムシティへは、当社3事業部とグループ会社3社が連携し、建築音響施工からLEDディスプレイ・音響・照明システムの販売施工まで、グループの総合力で、顧客のニーズにワンストップで応えるトータル・ソリューションを提供しています。なお、営業外損益について、前年同期の為替差益が為替差損に転じましたが、売上高及び営業利益の拡大により、経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益も前年同期と比べ増加しました。

これらの結果、売上高26,897百万円(前年同期比27.5%増)、営業利益1,464百万円(同136.7%増)、経常利益1,360百万円(同69.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益780百万円(同137.1%増)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

なお、当中間連結会計期間より報告セグメントの区分を新たに追加しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 」に記載のとおりであります。

 

[販売施工事業]

販売施工事業は、主軸である業務用音響・映像機器等の輸入販売及び施工において、超大型案件の長崎スタジアムシティに係る売上が、業績拡大を牽引しました。コンサート・イベント市場、設備市場、放送局市場における顧客の活発な設備投資も継続しました。

LEDディスプレイ・システム販売については、長崎スタジアムシティを筆頭に、企業の本社アトリウムや体験型ブランドショップ向けの大型案件があり、好調に推移しました。また、2023年12月に連結子会社化した株式会社エヌジーシーの業績が、当期は第1四半期より寄与しています。

韓国子会社は、国内景気が低迷し、特に建設業の不振が深刻化するなか、計画されていた案件の延期、中止が発生しています。取扱いブランドの拡充や為替動向に応じた価格改定等の取り組みにより、収益確保を図りました。

これらの結果、売上高13,468百万円(前年同期比35.7%増)、セグメント利益547百万円(前年同期比37,315.5%増)となりました。

 

[建築音響施工事業]

建築音響施工事業は、顧客の旺盛な設備投資需要や都内で複数進行する再開発を背景に、放送局の建替やスタジオの新設、文化・交流施設の新築計画が中長期的に控えていることから、良好な事業環境にあります。前連結会計年度から継続するメディア関連の大規模プロジェクトが引き続き貢献したほか、大型オンライン配信スタジオ、アニメーション制作スタジオ、メーカーの音響実験室、ホールの建築音響施工及びメーカーの研究開発施設の騒音対策施工等の大型案件が集中し、順調に工事が進捗しました。また、第3四半期以降に予定していた一部案件が前倒しで計上されたことから、計画を上回って推移しています。さらに、原価低減による利益率向上の取り組み、工事契約の見直しや追加工事が行われたことから、売上高及びセグメント利益が押し上げられました。

これらの結果、売上高5,604百万円(前年同期比67.9%増)、セグメント利益580百万円(前年同期はセグメント損失34百万円)となりました。

 

[コンサート・イベントサービス事業]

コンサート・イベントサービス事業は、人流の増大に加え、関東圏を中心とした大規模会場の増加等を背景に、コンサート・イベント開催の動きが活発化しています。主力のコンサート市場をはじめ、企業イベント、コンベンション、スポーツイベントの各市場とも活況が続いていますが、コンサートの受注案件が前年同期と比べやや小規模なものが多かったことや、前年同期に大型案件(G7広島サミット及び世界水泳選手権2023福岡大会)があったことにより、売上高及びセグメント利益は前年同期を下回りました。

他方、第1四半期において映像制作会社10社を子会社化し、そのうちCHホールディングス株式会社、株式会社エルロイ及び株式会社massiveの3社を連結化しました。映像制作サービス事業に新たに参入し、コンテンツ制作から大型映像システムの活用まで、ソフトとハードの両面から総合的なビジュアルサービスを提供していきます。

また、今春より本格運用を開始した「Immersive LED System」については、コンサート、エンターテインメントイベント、展示会で採用され、着実に実績を積んでいます。

これらの結果、売上高7,824百万円(前年同期比0.1%減)、セグメント利益1,060百万円(前年同期比19.9%減)となりました。

 

[その他の事業]

当中間連結会計期間より、株式会社オフィックスの株式を取得し、連結の範囲に含めたことに伴い、「その他の事業」の報告セグメントを新たに追加しております。みなし取得日が中間連結会計期間末であるため、当中間連結会計期間は貸借対照表のみを連結しております。

これらの結果、当中間連結会計期間の業績は、当該企業結合に係るアドバイザリーに対する報酬・手数料等51百万円のみが計上され、セグメント損失51百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前中間連結会計期間末に比べて598百万円減少し、3,292百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は1,054百万円(前年同期比74.0%減)となりました。

資金の主な増加要因としては、税金等調整前中間純利益1,360百万円及び減価償却費1,264百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,735百万円(前年同期比3.0%増)となりました。

資金の主な減少要因としては、有形固定資産の取得による支出1,442百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は317百万円(前年同期比76.5%減)となりました。
 資金の主な減少要因としては、短期借入金の純減額1,600百万円であります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、116百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。