当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、一部に足踏みがみられるものの、雇用環境・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかな回復基調が続いております。一方で、原材料や燃料費、物流コストの高止まり、円安による物価の上昇、日銀の金融政策の変更による金利上昇、長期化する国際情勢の緊迫化など今後も引き続き注視していく必要があります。
当建設業界におきましては、土木分野は高速道路の老朽化に伴う維持更新事業や暫定2車線区間の4車線化事業など社会インフラ整備を中心に堅調に推移しております。土木分野の先行きにつきましては、従来の公共事業関係費に加え、2021年度からスタートした政府主導の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(令和2年12月)」や高速道路会社の「中期事業見通し」などから、当連結会計年度においても引き続きインフラ老朽化対策など必要性の高い事業を中心に底堅く推移していくと見込まれます。一方で、最近、各発注者から四半期ごとに公表となっている発注見通しについては、大型案件を中心に発注が後ろ倒しとなる傾向が強くなってきたためその動向を注視していく必要があります。
また、建築分野につきましても主に首都圏を中心とした再開発事業が順調に進んでおり、市場は回復に向かうと予想しておりますが、一方で、就労人口の減少、建設資材・燃料費の高止まり、労務費・製品輸送費の上昇など建設コストが総じて高い価格水準で推移しており、当連結会計年度より労働時間上限規制が適用開始となり、人材の確保や生産性の向上に向けた施策が必須となっております。
このような経営環境のもと、当社グループは「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした第5次中期経営計画「VISION2030」の4年目を迎え、新時代への完全適合と全ての業務分野におけるハード・ソフト両面でのさらなる「革新」を進めるため、労働環境の改善や生産性の向上を目的とした既存工場のリニューアル、カーボンニュートラル等の環境対策や補修補強・防災分野に関する研究開発、専門部署によるさらなる「DX」の推進・普及、生産現場の業務を支援するバックオフィスの機能向上、子会社を核としたメンテナンス事業の拡大などに取り組みながら企業活動を進めてまいりました。また、多様性を重視したリクルート活動、労働環境の改善、生産現場の働きがい改革「リ・ブランディング」の推進、健康に関する福利厚生制度やイベントの充実、「SDGs」の全社的展開を通じた社会的な企業価値向上のための取り組みなど、生産性の向上とあわせて社員及び協力会社従業員の働き方改革の実現に向けて様々な施策を実施してまいりました。
a.財政状態
当中間連結会計期間末における資産合計は33,882百万円となり、前連結会計年度末に比べ213百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、現金預金が718百万円、未収入金が175百万円減少したものの、受取手形、完成工事未収入金等及び契約資産が586百万円、未成工事支出金が153百万円、有形固定資産が234百万円増加したことであります。
負債合計は23,723百万円となり、前連結会計年度末に比べ461百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、支払手形及び工事未払金が1,327百万円、長期借入金が374百万円減少したものの、短期借入金が1,294百万円、未成工事受入金が525百万円、預り金が795百万円増加したことであります。
純資産合計は10,159百万円となり、前連結会計年度末に比べ248百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する中間純損失76百万円の計上、剰余金の配当198百万円の支払いによるものであります。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績につきましては、受注高は、13,874百万円(前年同期比8.9%減)となりました。売上高につきましては、潤沢な手持ち工事が順調に進捗したことにより15,456百万円(前年同期比30.1%増)となりました。損益につきましては、売上高は増加したものの、工事採算性の悪化から営業損失37百万円(前年同期は営業損失176百万円)、経常損失28百万円(前年同期は経常損失178百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する中間純損失は76百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失90百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①土木事業
土木事業は、官庁発注の工事が大型化・長期化の傾向がより強まる中で、長期の大型手持ち工事の確保と中・短期的な工事確保による安定経営を目指し公入札、民間受注活動を進めました。その結果、当中間連結会計期間においては、NEXCO中日本発注の床版取替工事、NEXCO西日本発注のECI方式6車線化上部工工事に加え、国土交通省九州地方整備局発注、及び地元福岡県発注の大型上部工をそれぞれ技術提案優位で受注しました。その他、下請契約でのプレキャストPC床版など工場製品の受注活動を進めてまいりましたが、一部下請工事契約が下半期にずれ込んだこと等により、受注高は9,657百万円(前年同期比10.7%減)となりました。
売上高につきましては、現場施工、製品製作も概ね順調に進み、特に関西・関東地区でのNEXCOを中心とする大型工事の進捗が順調に進んだことから、当中間連結会計期間においては10,208百万円(前年同期比14.1%増)となりました。
セグメント利益につきましては、関西地区でのECI方式による大型工事での設計変更増額などもあり、売上高が増加したことで1,087百万円(前年同期比12.7%増)となりました。
②建築事業
建築事業は、関東地区で前連結会計年度において大型再開発事業の早期受注が出来たことによる反動減はありましたが、関西・中部地区におけるマンション事業の発注が順調に推移したことで受注高は3,948百万円(前年同期比5.0%減)となりました。
売上高につきましては、関西・中部地区で耐震補強工事等の進捗好転があったこと、首都圏及び近畿圏の大型再開発現場が順調に進捗したことで、5,114百万円(前年同期比82.7%増)となりました。
セグメント利益につきましては、各種資材、製品運送費、人件費等の建設コストの高騰の影響を受け、採算性が悪化しましたが、売上高の増加により436百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
③不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は、テナント獲得競争は依然として継続しているものの、安定した入居率の確保を目指して営業活動を展開した結果、受注高は268百万円(前年同期比1.5%増)、売上高は134百万円(前年同期比1.2%増)となりました。
セグメント利益につきましては、79百万円(前年同期比0.0%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ718百万円減少し、1,484百万円となりました
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は845百万円(前年同期は1,265百万円の使用)となりました。資金増加の主な要因は、預り金の増加、未成工事受入金の増加、減価償却費の計上によるものであります。資金減少の主な要因は、仕入債務の減少、売上債権、未成工事支出金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は633百万円(前年同期は588百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は760百万円(前年同期は1,416百万円の獲得)となりました。収入の主な要因は、短期借入金の増加によるものであります。支出の主な要因は、長期借入金の返済、配当金の支払いであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当中間連結会計期間における土木事業及び建築事業の研究開発費総額は64百万円であり、不動産賃貸事業及びその他につきましては、研究開発活動は行っておりません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。