第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)業績の状況

 当中間連結会計期間(2024年4月1日から2024年9月30日まで)における当社グループの事業環境は、ウクライナ・中東の地政学的問題、米中貿易摩擦、円安の進行などにより、引き続き、先行きを見通すことが困難な状況でした。

 

 このような状況の下、主力製品であるセパレートガス(酸素、窒素、アルゴン)の出荷数量は、前期比で増加しましたが、グループ全体での製商品需要は軟調でした。また、一部の主要な地域では、セパレートガスの製造原価に多く占める電力コストが前期比で減少しました。グループ全体としては、コスト上昇による販売価格への転嫁等の価格マネジメント、そして地域ごとに生産性向上プログラムに取り組みました。これらの結果、当中間連結会計期間における業績は、売上収益6,430億45百万円(前年同期比 5.0%増加)、コア営業利益934億98百万円(同 14.5%増加)、営業利益825億12百万円(同 1.1%増加)、親会社の所有者に帰属する中間利益491億94百万円(同 1.3%増加)となりました。

 

 為替の影響については、期中平均レートが前年同期に比べ、米ドルで142円61銭から152円45銭へと9円84銭(同 6.9%増加)の円安、ユーロで154円81銭から165円83銭へと11円2銭(同 7.1%増加)の円安となるなど、売上収益は全体で約279億円、コア営業利益は全体で約43億円多く表示されています。

 

 なお、コア営業利益は営業利益から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。

 

 セグメント業績は、次のとおりです。

 なお、セグメント利益はコア営業利益で表示しております。

 

① 日本

 産業ガス関連では、セパレートガスの出荷数量は微減、炭酸ガスは前年同期並みでした。また、電子材料ガスは増収でした。機器・工事では、産業ガス関連、エレクトロニクス関連共に、中大型案件の工事の進捗に伴う売上等により、増収となりました。一方、前期の特定顧客向けにオンサイト供給を担う子会社のジョイント・オペレーション化及び民生用LPガス事業を担う子会社の非連結化による減収影響がありました。

 以上の結果、日本セグメントの売上収益は、1,949億5百万円(前年同期比 3.6%減少)、セグメント利益は、219億94百万円(同 3.1%増加)となりました。

 

② 米国

 産業ガス関連の売上収益は、セパレートガスの出荷数量が堅調に推移したことや、価格マネジメントの効果により、増収となりました。機器・工事では、産業ガス関連、エレクトロニクス関連共に販売が軟調でした。

 以上の結果、米国セグメントの売上収益は、1,795億68百万円(前年同期比 5.9%増加)、セグメント利益は、285億73百万円(同 21.9%増加)となりました。

 

③ 欧州

 産業ガス関連の売上収益は、主に価格マネジメントの効果により、増収となりました。機器・工事では、ガス関連機器及び医療関連機器の販売が好調で増収となりました。

 以上の結果、欧州セグメントの売上収益は、1,655億28百万円(前年同期比 12.3%増加)、セグメント利益は、318億52百万円(同 20.8%増加)となりました。

 

 

④ アジア・オセアニア

 産業ガス関連では、セパレートガスの出荷数量は堅調に推移しました。主に豪州地域での販売が多くを占めるLPガスでは、販売数量が堅調に推移し、売上収益は増収となりました。エレクトロニクス関連では、ガス・機器共に増収となりました。

 以上の結果、アジア・オセアニアセグメントの売上収益は、865億54百万円(前年同期比 10.8%増加)、セグメント利益は、88億35百万円(同 3.1%増加)となりました。

 

⑤ サーモス

 日本では、ケータイマグの販売は堅調で、機能的でスタイリッシュなデザインの新製品の上市もあり、売上収益は増加しました。また、海外の業績は軟調でした。セグメント利益は、販売費及び一般管理費、円安に伴う製造コストの増加により、減益となりました。

 以上の結果、サーモスセグメントの売上収益は、164億41百万円(前年同期比 7.2%増加)、セグメント利益は、27億24百万円(同 5.0%減少)となりました。

 

(2)財政状態の分析

 当中間連結会計期間末の資産合計は2兆3,434億87百万円で、前連結会計年度末比で655億96百万円の減少となりました。為替の影響については、前連結会計年度末に比べて米ドルで8円68銭の円高、ユーロで3円81銭の円高となるなど、約622億円少なく表示されております。

〔資産〕

 流動資産は、前連結会計年度末比で267億13百万円減少し、5,414億88百万円となりました。これは主に営業債権やその他の金融資産の減少によるものです。

 非流動資産は、前連結会計年度末比で388億83百万円減少し、1兆8,019億98百万円となりました。これは主に為替の影響によるものです。為替影響除外後の実質的な金額で比較すると、主に有形固定資産が増加、また無形資産が減少しております。

〔負債〕

 流動負債は、前連結会計年度末比で646億0百万円減少し、4,334億19百万円となりました。これは主にその他の金融負債や社債及び借入金の減少によるものです。

 非流動負債は、前連結会計年度末比で68億59百万円減少し、9,580億91百万円となりました。これは主に為替の影響によるものです。為替影響除外後の実質的な金額で比較すると、主に社債及び借入金が増加、また繰延税金負債が減少しております。

〔資本〕

 資本は、親会社の所有者に帰属する中間利益の計上による増加や、利益剰余金の配当による減少、在外営業活動体の換算差額の減少等により、前連結会計年度末比で58億63百万円増加し、9,519億76百万円となりました。

 なお、親会社所有者帰属持分比率は39.2%で前連結会計年度末に比べ1.2ポイント高くなっております。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

 税引前中間利益、減価償却費及び償却費、営業債権の増減額等により、営業活動によるキャッシュ・フローは

1,194億21百万円の収入(前年同期比 35.7%増加)となりました。

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

 有形固定資産の取得による支出等により、投資活動によるキャッシュ・フローは871億98百万円の支出(前年同

期比 56.6%増加)となりました。

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

 長期借入金の返済による支出、長期借入れによる収入、配当金の支払額等により、財務活動によるキャッシュ・

フローは214億16百万円の支出(前年同期は447億45百万円の収入)となりました。

 

 これらの結果に、為替換算差額等を加えた当中間連結会計期間の現金及び現金同等物の中間期末残高は、1,351

億29百万円となりました。

 

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当中間連結会計期間において、当社グループの対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、23億67百万円であります。また、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。