第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

  当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

  なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

 当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)におけるわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、エネルギーコスト上昇等の影響による物価高は依然として継続しており、急激な為替相場の変動や不安定な国際情勢の継続等により、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、当社グループは、競争力強化と顧客満足の向上および製品の販売価格改定に取り組んでまいりました。

 この結果、下記の表に記載のとおり、当中間連結会計期間の業績は、売上高が222億5千7百万円で、製品の販売価格改定が一定程度進捗したこと等により、前年同中間期比9億9千万円の増収(4.7%増)、営業利益は2億6千7百万円で、前年同中間期比1千4百万円の増益(5.5%増)となりました。一方、経常利益は2億9千万円で、米国連結子会社の出資金運用損計上および外貨建資産の為替評価等で、前年同中間期比2億8百万円の減益(41.8%減)となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は3億4百万円で、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益計上等はありましたが、経常利益の減益要因が大きく前年同中間期比7千8百万円の減益(20.4%減)となりました。

 今後のわが国の経済については、緩やかな回復基調が継続すると見込んでおります。一方で、物価高の長期化による消費マインド自体の低下や不安定な国際情勢の継続等による当社グループ業績に対する影響が不透明であるため、引き続き市況を注視しつつ、持続的成長と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。

                                           (単位:百万円)

 

24年3月期

中間期

25年3月期

中間期

増減額

増減率

売上高

21,267

22,257

990

4.7%

営業利益

253

267

14

5.5%

経常利益

499

290

△208

△41.8%

親会社株主に帰属する中間純利益

383

304

△78

△20.4%

 

 

 

「売上高・営業利益の中間期業績推移」 (単位:百万円)

0102010_001.png

 

 

 次にセグメント別に概況をご報告いたします。

 当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当中間期の売上高とセグメント利益の構成は以下のとおりであります。

 詳細につきましては、「第4「経理の状況」1「中間連結財務諸表」「注記事項」(セグメ

ント情報等)」をご参照ください。

 なお、2023年3月期の期首より全社費用の区分を見直しております。それに伴い、各事業のセグメント利益又は損失については2022年3月期中間期からの数値を記載しております。

 

中間期業績推移

セグメント売上高    (単位:百万円)  セグメント利益又は損失(△)(単位:百万円)

0102010_002.png

(インキ事業)

 オフセットインキおよび印刷用材料は、産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、選択と集中を進めることで、利益確保に努めてまいりました。前年度に実施した製品販売価格改定効果に加え、引き続き、重要顧客への販売強化を行った結果、売上高・利益ともに前年同中間期に比べ増加いたしました。

 グラビアインキは、安定した市場が継続する中、印刷物に各種機能を付与する機能性製品拡販を中心に利益拡大に努めました。前年度に実施した製品販売価格改定効果に加え、機能性製品が伸長した結果、売上高は前年同中間期に比べ増加いたしました。一方、利益は投資に伴う減価償却費増加の影響等により低下いたしました。

 インクジェットインクは、産業用途市場が堅調に推移する中、受託製品と自社製品の両輪により利益拡大に努めました。自社製品は前年同中間期並みであったものの、受託製品の海外需要が回復したことで、売上高・利益ともに前年同中間期に比べ増加いたしました。

 この結果、下記の表に記載のとおり、インキ事業の当中間連結会計期間の業績は、前年同中間期に比べ増収増益になりました。

 今後のインキ事業につきまして、オフセットインキ市場の縮小が継続することが考えられますので、より一層の選択と集中により、事業構造の改革を進めてまいります。グラビアインキおよびインクジェットインク市場は堅調に推移することが見込まれますので、利益拡大に向け、製品開発および販売活動強化に努めてまいります。事業全体を通じて、持続可能な社会の実現に向け、環境負荷低減もしくは社会貢献に寄与する製品(以下、サステナブル対応製品)の開発・拡販に努めてまいります。

                                           (単位:百万円)

 

24年3月期

中間期

25年3月期

中間期

増減額

増減率

売上高

6,779

7,458

678

10.0%

セグメント利益

16

154

137

831.4%

 

(化成品事業)

 化成品事業は、プラスチック用着色剤・機能性付与剤であるマスターバッチおよび樹脂コンパウンドを中心に事業を展開し、利益改善に努めてまいりました。

 自社製品は、国内自動車生産台数の減少影響が継続する中、販売活動を強化したことで自動車用途向け製品は前年同中間期並みを維持いたしました。また、環境問題の加速化によりプラスチック製消耗材市場の縮小が継続する中、前年度に市況が大きく落ち込んだフィルム用途製品、容器用途製品等が増加したことにより、売上高は前年同中間期に比べ増加いたしました。

 受託製品は、顧客における在庫調整等の影響により、売上高は前年同中間期に比べ減少いたしましたが、第1四半期連結累計期間より減少幅は縮まりました。

 この結果、下記の表に記載のとおり、化成品事業の当中間連結会計期間の業績は、前年度に実施した製品販売価格改定効果もあり、前年同中間期に比べ増収増益になりました。

 今後の化成品事業につきましては、プラスチック製消耗材市場縮小の継続が考えられますので、既存の事業領域を周辺領域まで拡げることで、利益改善に努めるとともに、持続可能な社会の実現に向け、プラスチックリサイクルに貢献できる製品等のサステナブル対応製品の開発・拡販に努めてまいります。

                                           (単位:百万円)

 

24年3月期

中間期

25年3月期

中間期

増減額

増減率

売上高

10,528

10,771

243

2.3%

セグメント利益

118

138

19

16.7%

 

(加工品事業)

 幅広い分野にプラスチック製品を提供している加工品事業は、回転異形成形技術を駆使したネトロン®(注)、一軸延伸フィルム、土木資材、農業資材を中心に利益拡大に努めてまいりました。

 ネトロン®の売上高は、原材料メーカーのプラント事故の影響で、原材料の供給が不安定となったことによる販売数量の減少があったものの、製品販売価格改定効果もあり、前年同中間期に比べ増加いたしました。一方、利益は販売数量の減少に加え、生産体制の再構築に伴う一時的な経費増加の影響等により減少いたしました。

 一軸延伸フィルムの売上高は、産業用途フィルム等が増加したことに加え、製品販売価格改定を実施したことにより、前年同中間期に比べ増加いたしました。一方、利益は一部製品の採算性が低下したこと等により、減少いたしました。

 土木資材は、防災・減災用途に使用されるジオセル工法が第1四半期連結累計期間から回復し、前年同中間期に比べ増加したものの、一般土木資材が低調であった影響が大きく、売上高・利益ともに前年同中間期に比べ減少いたしました。

 農業資材の売上高は、燃油使用量削減に寄与する保温資材等の高機能製品が順調に推移し、一般農業資材が若干回復したことにより、前年同中間期に比べ増加いたしました。一方、利益は前年同中間期並みになりました。

 この結果、下記の表に記載のとおり、加工品事業の当中間連結会計期間の業績は、ネトロン®の減益の影響が大きく、前年同中間期に比べ増収減益になりました。

 今後の加工品事業につきまして、ネトロン®の水処理用資材と、国が「国土強靭化計画」を推進している土木資材の防災・減災用途製品需要の高まりが見込まれますので、最適生産体制の構築による生産能力増強や販売活動の強化に努めるとともに、次世代製品の開発を進め、利益拡大を目指してまいります。また、事業全体を通じて、持続可能な社会の実現に向け、サステナブル対応製品の開発・拡販に努めてまいります。

(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。

                                           (単位:百万円)

 

24年3月期

中間期

25年3月期

中間期

増減額

増減率

売上高

3,915

3,982

67

1.7%

セグメント利益

238

86

△151

△63.7%

 

(不動産賃貸事業)

 不動産賃貸事業は、賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。

 この結果、下記の表に記載のとおり、不動産賃貸事業の当中間連結会計期間の業績は、売上高・利益ともに前年同中間期並みになりました。

                                           (単位:百万円)

 

24年3月期

中間期

25年3月期

中間期

増減額

増減率

売上高

44

44

0

0.6%

セグメント利益

27

27

△0

△1.2%

 

(2)財政状態の分析

                                           (単位:百万円)

区分

2024年3月期

2025年3月期

中間期

増減額

増減率

資産

52,466

50,307

△2,158

△4.1%

負債

23,067

20,697

△2,370

△10.3%

純資産

29,398

29,610

211

0.7%

 

 当中間連結会計期間末の総資産は503億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億5千8百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金の減少5億5千7百万円、受取手形の減少2億7百万円、電子記録債権の減少7億9千2百万円、売掛金の減少6億6千1百万円、棚卸資産の減少2億8千9百万円、有形固定資産の増加4億3千5百万円および投資有価証券の時価評価等に伴う減少2億3千9百万円等によるものです。

  負債合計は206億9千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億7千万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少20億1千5百万円、短期借入金の増加6億円、未払法人税等の減少9千4百万円および長期借入金の減少5億3千2百万円等によるものです。

  純資産の部は296億1千万円となり前連結会計年度末に比べ2億1千1百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加1億4千5百万円及びその他の包括利益累計額の増加6千2百万円等によるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

                                           (単位:百万円)

区分

2024年3月期

中間期

2025年3月期

中間期

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,226

239

△986

投資活動によるキャッシュ・フロー

△440

△771

△330

フリー・キャッシュ・フロー

785

△531

△1,317

財務活動によるキャッシュ・フロー

△238

△127

111

現金及び現金同等物の期首残高

3,374

3,734

360

現金及び現金同等物の中間期末残高

3,974

3,176

△798

 

  当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は31億7千6百万円で、前連結会計年度末に比べ5億5千7百万円の減少(14.9%減)となりました。

  当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは、2億3千9百万円の収入となりました(前年同中間期は、12億2千6百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前中間純利益4億1千4百万円、減価償却費7億2千3百万円が計上され、売上債権の減少16億6千8百万円、仕入債務の減少20億1千8百万円、棚卸資産の減少3億1百万円、退職給付に係る資産の増加2億7千3百万円、投資有価証券売却益1億5千6百万円、役員退職慰労引当金の減少2億6百万円、法人税等の支払額1億7百万円等によるものです。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、7億7千1百万円の支出となりました(前年同中間期は、4億4千万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出9億9千1百万円、無形固定資産の取得による支出3千7百万円、投資有価証券の売却による収入1億8千9百万円等によるものです。

 (フリー・キャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が減少したことにより5億3千1百万円の支出となりました(前年同中間期は、7億8千5百万円の収入)。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、1億2千7百万円の支出となりました(前年同中間期は、2億3千8百万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純増額6億円、長期借入金の返済による支出5億3千2百万円、配当金の支払額1億5千9百万円等によるものです。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前連結会計年度の有価証券報告書に記載しました「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載に重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

  当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、6億1千1百万円であります。

  なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(8)従業員数

  当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数の著しい増減はありません。

 

(9)生産、受注及び販売の実績

  当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。

 

(10)主要な設備

  当中間連結会計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

  当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。