第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。

(1) 経営成績

[環境認識]

当中間連結会計期間における我が国経済につきましては、好調な企業業績を背景に設備投資が拡大したほか、雇用・所得環境の改善もあり、景気は緩やかな回復基調となりました。一方で、海外経済の悪化等に伴う景気下振れの懸念もあり、今後の動向には引き続き留意が必要です。
 このようななか、当社グループが属する情報サービス産業につきましては、堅調な企業業績を支えに、引き続きDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けたIT投資が進むとともに、基幹システムの刷新ニーズ等もあり、受注環境は良好に推移しました。 

 

[当中間連結会計期間の取り組み]

当社グループは、5ヵ年の中期経営計画において、2026年3月期までに連結売上高1,000億円を超える企業グループを目標に掲げ、DX領域への対応強化やM&Aを活用した業績拡大を進めた結果、2024年3月期において2年前倒しで当該目標を達成することができました。残る2ヵ年におきましても、中期経営計画に掲げた施策を着実に推し進めています。
 システム開発事業につきましては、社会的ニーズの強い新技術やDX関連のシステム開発を成長ドライバーとし、加えて、上流工程におけるコンサルティング力の強化により、システム開発事業の持続的な拡大を進めています。
 ソリューション事業につきましては、第2の収益の柱とするため、市場ニーズを捉えた新たなソリューションの創出と販売力の強化に取り組んでいます。
 以上の施策の下、当中間連結会計期間においては、4月に商品・サービスの企画から開発、販売までを一気通貫で行える体制を整えることを目的に、これまでの組織を再編し、イノベーション戦略事業本部を設置しました。これにより新技術対応力を組織横断的に活用し、ソリューションの創出力等を強化しています。
 7月には、上流工程におけるコンサルティング力の強化を目的に、2022年10月に子会社化したTrigger株式会社を吸収合併し、コンサルティング事業本部を設置しました。同社が持つコンサルティングに関するノウハウと、当社が持つ技術力及び顧客業務に対する深い理解力とを融合し、お客様のDX推進を全方位的にサポートしていきます。
 さらに、昨年に買収した子会社のPMIに関しては、事業運営の効率化及び経営基盤の強化を図るため、株式会社アートホールディングス傘下の4社を合併させ、6月には完全子会社化しました。

 

[当中間連結会計期間の実績]

当中間連結会計期間の実績につきましては、受注環境が良好に推移したことから、以下のとおりとなりました。

 

単位:百万円


 

2024年3月

中間期

2025年3月

中間期

 

前年同期比

 

システム開発事業

42,942

44,436

1,493

3.5%

 

ソリューション事業

7,391

7,613

222

3.0%

売上高

50,333

52,050

1,716

3.4%

 

うち DAS事業

21,331

24,164

2,833

13.3%

営業利益

7,365

7,526

161

2.2%

経常利益

7,412

7,593

181

2.4%

親会社株主に帰属する中間純利益

4,402

4,898

495

11.3%

 

 

EBITDA

8,698

8,865

166

1.9%

EBITDAマージン

17.3%

17.0%

△0.2ポイント

 

  DAS事業とは、当社グループの注力事業で、DXを目的としたシステム開発事業、AI等の新技術を活用したシステム開発事業、及びソリューション事業をいいます(従来、新コア事業と定義していたもので、DASはDX・AI・Solutionの頭文字です)。

  EBITDAは「営業利益+減価償却費+のれん償却額」により算出しています。

  前中間連結会計期間に係る各計数については、2024年3月期決算で実施したセグメント区分の見直しを反映しています。

 

売上高につきましては、システム開発事業で、金融IT、社会基盤ITの受注が順調であったことを主因に、前年同期比3.4%増収の52,050百万円となりました。このうち注力分野であるDAS事業につきましては、クラウドを利用したDX関連のシステム開発事業が大きく伸長し、前年同期比13.3%増収の24,164百万円となりました。
 営業利益は、ベースアップに加え、PMIや創立55周年関連の一時的な費用が発生しましたが、前年同期比2.2%増益の7,526百万円、経常利益は前年同期比2.4%増益の7,593百万円となりました。
 親会社株主に帰属する中間純利益は、実効税率の低下により、法人税等が減少し、前年同期比11.3%増益の4,898百万円となりました。 

 

[セグメント別の実績]

セグメント別の実績は以下のとおりとなりました。

 

(セグメント別売上高)                                  単位:百万円

 

2024年3月

中間期

2025年3月

中間期

 

前年同期比

システム

開発事業

金融IT

15,300

15,875

575

3.8%

産業IT

11,936

12,274

338

2.8%

社会基盤IT

9,939

10,568

628

6.3%

ITインフラ

5,880

5,942

61

1.1%

ソリューション事業

7,396

7,620

223

3.0%

調整額

△119

△231

△111

合   計

50,333

52,050

1,716

3.4%

 

 

(セグメント別営業利益)                                 単位:百万円

 

2024年3月

中間期

2025年3月

中間期

 

前年同期比

システム

開発事業

金融IT

2,797

2,977

179

6.4%

産業IT

1,358

1,598

240

17.7%

社会基盤IT

1,813

1,974

161

8.9%

ITインフラ

1,006

1,066

60

6.0%

ソリューション事業

549

222

△326

調整額

△159

△312

△153

合   計

7,365

7,526

161

2.2%

 

  セグメント間の内部取引を含んだ計数を記載しています。

  調整額とは、セグメント間取引消去額及び全社費用(セグメントに帰属しない一般管理費等)をいいます。

  前中間連結会計期間に係る各計数については、2024年3月期決算で実施したセグメント区分の見直しを反映しています。

 

<システム開発事業(金融IT)>

金融向けソフトウエア開発事業につきましては、基幹システム更改案件をはじめ既存案件の拡大により大手銀行を中心に堅調に伸長したほか、証券会社、カード会社からの受注も伸長したこと等から、売上高は前年同期比3.8%増収の15,875百万円となり、営業利益は6.4%増益の2,977百万円となりました。

 

<システム開発事業(産業IT)>

産業向けソフトウエア開発事業につきましては、物流等の運輸業や建設業が堅調に推移したことにより、売上高は前年同期比2.8%増収の12,274百万円となりました。営業利益は利益率改善等により17.7%増益の1,598百万円となりました。

 

<システム開発事業(社会基盤IT)>

社会基盤向けソフトウエア開発事業につきましては、既存案件の拡大等により公共団体からの受注が大きく伸長したほか、電気・ガス・水道業からの受注も堅調に推移したことから、売上高は前年同期比6.3%増収の10,568百万円となり、営業利益は8.9%増益の1,974百万円となりました。

 

<システム開発事業(ITインフラ)>

ITインフラ事業につきましては、金融業や公共団体からのインフラ構築案件等の受注は引き続き堅調に伸長したものの、地方自治体からの業務委託案件の終了等もあり、売上高は前年同期比微増の5,942百万円となりました。営業利益は利益率改善等により6.0%増益の1,066百万円となりました。

 

<ソリューション事業>

ソリューション事業につきましては、セキュリティや株主優待サービス等、既存ソリューションの受注が拡大しましたが、医療・ヘルスケアのソリューションにおいて、前年同期にあった特需の反動減等により、売上高は前年同期比3.0%増収の7,620百万円にとどまりました。営業利益は子会社の販管費の増加やPMI関連費用の計上により326百万円減益の222百万円となりました。

 

(2) 財政状態

当中間連結会計期間末の総資産は、現金及び預金の減少347百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少585百万円などから前連結会計年度末比1,485百万円減少し、84,919百万円となりました。

負債は、賞与引当金の増加1,350百万円、未払法人税等の増加754百万円、その他流動負債の減少1,824百万円などから前連結会計年度末比153百万円増加し、22,526百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する中間純利益による増加4,898百万円、配当金支払いによる減少5,535百万円、非支配株主持分の減少902百万円などから前連結会計年度末比1,639百万円減少し、62,393百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、26,444百万円となり、前連結会計年度末比543百万円の減少となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益7,585百万円による収入を主因に7,559百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出350百万円等により、585百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額5,535百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,551百万円等により、7,467百万円の支出となりました。

 

(4) 経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は214百万円です。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。