第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

回次

第23期

中間連結会計期間

第24期

中間連結会計期間

第23期

会計期間

自 2023年4月1日

至 2023年9月30日

自 2024年4月1日

至 2024年9月30日

自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

売上高

(千円)

1,598,858

1,600,074

3,522,737

経常利益

(千円)

21,094

105,220

173,759

親会社株主に帰属する中間(当期)純利益

(千円)

17,202

84,083

166,920

中間包括利益又は包括利益

(千円)

17,857

84,083

167,576

純資産額

(千円)

1,814,326

2,066,819

1,959,934

総資産額

(千円)

3,190,876

3,405,677

3,277,838

1株当たり中間(当期)純利益

(円)

5.66

27.48

54.88

潜在株式調整後1株当たり中間(当期)純利益

(円)

自己資本比率

(%)

56.9

60.6

59.8

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

609,678

741,778

484,283

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

182,903

151,315

380,764

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

114,734

125,969

49,183

現金及び現金同等物の中間期末(期末)残高

(千円)

1,519,739

1,726,529

1,262,035

(注)1.当社は、中間連結財務諸表を作成しておりますので、提出会社の主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.潜在株式調整後1株当たり中間(当期)純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

 

2【事業の内容】

 当社及び子会社(以下「当社グループ」という。)の事業は、音声を中心とする通信技術に関するソリューション・サービスの提供を行う単一セグメントとなっております。

 創業当時から通信事業者向けの音声ネットワークのインターネット上での通信化と、ハード設備を要しないソフトウェア化を実現する高度なソリューションを提供しており、グローバルスタンダードの海外製品を輸入し、初期の製品開発投資のリスクをコントロールしながら、市場開拓を先行させるビジネスモデルとなります。いかに海外のグローバルスタンダードな製品を日本の国内環境にフィットさせるか、日々進化する通信業界において、研究開発及びマーケティング活動を行っています。その開発で培った技術や経験を活かし、市場のニーズに応えるため、IP-PBX※1や事業者間接続ゲートウェイ、通話録音装置をはじめ、音声認識やAIを活用したソリューションやクラウドサービスを提供しています。これらは大手通信事業者への直接販売や、NECネッツエスアイ株式会社、都築電気株式会社、サクサ株式会社などの通信系SI事業パートナーを通じて、官公庁や一般企業向けに展開しています。

 また、当社グループのCPaaS※2製品「U-cube CPaaS」を活用したサービスをご提供されるパートナーを対象に、サービスの相互利用や情報交換・交流の場となるCPaaSマーケットプレイス「NextGen CaMP(ネクストジェン キャンプ)」を運営しています。異なるサービスの接続を得意とする当社グループが国産CPaaS基盤を提供し、パートナー企業のクラウドサービス開発を促進すると共に、それらを相互に活用することでコミュニケーションサービス市場を拡大できるものとして、多くの企業にご賛同いただいております。CPaaSの市場拡大に向けて、国内外の最新情報を収集し、最適なサービスを市場へ提供できるよう、パートナーと共に取り組んでいます。

 当社グループが手掛ける事業内容は、主に2つに区分しています。あらゆる業種が利用する電話系ソリューションを高度化し、通信キャリア向けのコアシステムの提供や、企業・自治体向けのコミュニケーションソリューション・サービスの提供などを中心とする「ボイスコミュニケーション事業」、もうひとつは、特定のマーケットに特化し、DX化促進により需要が拡大している音声認識/AI及びCPaaSや、クラウドベースの業務支援システムであるBSS(Business Support System)などのソリューション・サービスの提供を中心とする「コミュニケーションDX事業」になります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループが営む事業の内容について重要な変更はありません。また、主要な関係会社における異動もありません。

 

※1.IP-PBX:インターネット回線を活用した電話交換機。内線通話、外線の制御、転送機能などを各電話機で利用するための専用装置。

※2.CPaaS :Communications Platform as a Serviceの略。音声通話、SMS(ショートメッセージサービス)、ビデオ会議システム、IVR(通話音声応答システム)など、企業で用いられている様々な音声・映像機能を、APIを利用してほかのアプリケーションやシステムと連携させることができます。

例:SMS送信、プッシュ通知など

 

[ボイスコミュニケーション事業]

 あらゆる業種が利用する電話系ソリューションを高度化し、通信キャリア向けのコアシステムの提供や、企業・自治体向けのコミュニケーションソリューション・サービスを通信事業者や多様な販売パートナーを通じて提供します。

・通信事業者向けのソリューションで培った音声通信に関するソフトウェアの開発、構築、運用を提供

・ハードウェア型PBXの更改期の到来やリモートワークの推進によって需要が拡大しているクラウドPBXの提供

・通信事業者の既設システムの更改や、機能の強化・セキュリティ対策への対応

・通信事業者の公衆電話網をIPネットワークに置き換えるPSTNマイグレーションに向けた既設システムの更改や、機能の強化・セキュリティ対策対応

・通信事業者向けモバイルサービスや音声コアシステム、運用監視・セキュリティソリューションの提供

・一般企業向けのDX化やPSTNマイグレーションに関する通信システムの更改、通信ソリューション・サービスの提供

・企業のコンタクトセンター向けにオムニチャネルでのシームレスなコミュニケーションを実現するための相互接続ソリューションや通話録音ソリューションの提供

・24時間365日提供可能な、日本全国への駆けつけ体制を保持する保守サービスの提供

 

 創業以来、一貫して音声通信に関わるソリューションを提供しており、自社開発のソフトウェアや海外製品を取り扱っています。これまで手掛けてきたソリューションの開発・導入実績は、通信事業者のみならず、大規模から小規模のビジネスユーザーに対応することができます。また、ハードウェア型PBXやビジネスホンを利用している顧客基盤を有するSI企業や、クラウドサービス事業者とパートナーシップを組み、当社グループの保有する技術を、OEM又はEnablerサービスとして提供していきます。

 

※Enablerサービス:パートナー企業が運営するクラウドサービスのメニューの一部に、当社のクラウドサービスを組み込みます。ブランドはパートナー企業のものであり、裏方として技術やインフラ、機能を提供することでパートナー企業のサービス運用をサポートします。

[コミュニケーションDX事業]

 コミュニケーションDX事業は、特定のマーケットに特化し、DX化促進により需要が拡大している音声収録、AIによる音声認識システムやクラウドベースの業務支援システム(BSS:Business Support System)などのソリューション・サービスを提供します。

 

・業務ごとのアプリケーションを選択できる音声認識/AI、オムニチャネルコミュニケーションなどのクラウドサービスを提供

・多様化したコミュニケーションを連携するプラットフォームとして、CPaaSを活用したソリューションの提供

・建設及び工事現場における危険予知活動に役立つ生成AIソリューションの提供

・CSM(Customer Service Management)のDX化対応であるクラウドIVR(自動音声応答)の提供

・クラウドベースの業務支援システム(BSS)サービスの提供

・業種やビジネスモデルに特化したソリューションの商用化に向けた研究開発(建設工事業界、医療介護業界、金融業界など)

 

 これまで音声通信に関わるソリューションを提供してきた実績を踏まえて新たな市場の開拓に取り組んでいます。従来のERPでは主流であった大規模な総合型基幹システムから、業務ごとにアプリケーションが選択できるクラウド型のサービス利用にシフトしている中で、オムニチャネルコミュニケーションのクラウドサービスや、多様化したコミュニケーションサービスの相互連携などの需要が拡大しています。このように将来発展の可能性が見込まれる市場のニーズを捉え、当社グループの強みであるコミュニケーション技術とクラウド技術の融合を図り、業種や業務に特化したDXソリューションを開発、事業化していきます。