当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当中間連結会計期間における世界経済は、米国や欧州等において政策金利が引き下げられ、金融引き締めから金融緩和に向かうなかで、米国を中心に景気の持ち直しが続きました。
日本経済は、個人消費の持ち直し等に足踏みがみられるものの、鉱工業生産に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、自動車関連の需要が低調に推移したものの、半導体関連の需要には回復の兆しがみられました。また、前年同期と比べて銅価格の上昇や為替水準が円安基調で推移した影響がありました。
このような状況のもと、当中間連結会計期間は、金属事業、加工事業、再生可能エネルギー事業において、前年同期と比べて売上高及び営業利益が増加しました。この結果、当中間連結会計期間は、連結売上高は9,895億92百万円(前年同期比38.2%増)、連結営業利益は275億81百万円(同130.8%増)となりました。連結経常利益は、持分法による投資利益が増加したことなどから、249億15百万円(同35.3%増)となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、インドネシア・カパー・スメルティング社の持分法適用関連会社化に伴う持分変動利益を計上したことなどから、246億69百万円(同121.9%増)となりました。
セグメント情報は次のとおりであります。
なお、前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間の報告セグメントごとの営業利益は、有限責任監査法人トーマツの期中レビューを受けておりません。
(金属事業)
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(単位:億円) |
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減(増減率) |
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売上高 |
4,768 |
7,324 |
2,556 |
(53.6%) |
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営業利益 |
71 |
224 |
152 |
(214.0%) |
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経常利益 |
84 |
180 |
95 |
(112.8%) |
金属事業は、為替が円安基調で推移した影響に加えて、銅や金の価格が大幅に上昇したことなどから、前年同期と比べて、売上高及び営業利益は増加しました。経常利益は、営業利益が増加したことなどから、増加しました。
(高機能製品)
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(単位:億円) |
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減(増減率) |
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売上高 |
2,429 |
2,611 |
182 |
(7.5%) |
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営業利益又は営業損失(△) |
8 |
△10 |
△18 |
(-%) |
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経常利益又は経常損失(△) |
1 |
△23 |
△24 |
(-%) |
高機能製品は、銅加工事業において、銅価格及び為替の変動による影響がありました。また、電子材料事業において、半導体関連製品の一部の需要に回復の兆しがみられました。
以上により、前年同期と比べて、売上高は増加したものの、営業利益は減少しました。経常利益は、営業利益が減少したことなどから、減少しました。
(加工事業)
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(単位:億円) |
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減(増減率) |
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売上高 |
698 |
746 |
48 |
(6.9%) |
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営業利益 |
52 |
68 |
16 |
(30.5%) |
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経常利益 |
63 |
63 |
△0 |
(△0.3%) |
加工事業は、主要製品である超硬製品において、自動車向けの需要が低調であったものの、為替が円安基調で推移した影響や値上げ効果等により、前年同期と比べて、売上高及び営業利益は増加しました。経常利益は、為替変動により為替差損が発生したことなどから、前年同期並みとなりました。
(再生可能エネルギー事業)
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(単位:億円) |
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減(増減率) |
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売上高 |
22 |
45 |
22 |
(99.2%) |
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営業利益 |
2 |
16 |
14 |
(517.6%) |
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経常利益 |
3 |
18 |
15 |
(492.4%) |
再生可能エネルギー事業は、2024年4月より安比地熱株式会社が連結子会社となったことから、前年同期と比べて、売上高及び営業利益は増加しました。経常利益は、営業利益が増加したことに加えて、持分法による投資利益が増加したことから、増加しました。
(その他の事業)
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(単位:億円) |
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減(増減率) |
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売上高 |
725 |
727 |
2 |
(0.3%) |
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営業利益 |
15 |
21 |
6 |
(39.5%) |
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経常利益 |
82 |
89 |
7 |
(8.8%) |
その他の事業は、合算で、前年同期と比べて、売上高は前年同期並みとなり、営業利益は増加しました。経常利益は、営業利益が増加したことに加えて、UBE三菱セメント株式会社に関する持分法による投資利益が増加したことから、増加しました。
②財政状態
当中間連結会計期間末における総資産は2兆2,468億円となり、前連結会計年度末比792億円増加しました。これは、棚卸資産が増加したことなどによるものであります。
負債の部は1兆5,728億円となり、前連結会計年度末比908億円増加しました。これは、有利子負債及び預り金地金が増加したことなどによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益を計上したものの、棚卸資産の増加等により、806億円の支出(前年同期比637億円の支出増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、234億円の支出(前年同期比377億円の支出減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、社債、コマーシャル・ペーパーによる調達等により、713億円の収入(前年同期比484億円の収入増加)となりました。
以上に、換算差額等による増減を加えた結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、861億円(前連結会計年度末比449億円減少)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発活動は、各事業の基幹となる研究開発を当社単独またはグループ会社と連携をとりながら行い、各社固有の事業及びユーザーニーズに応える研究開発についてはそれぞれが単独で行っております。研究開発戦略としては、各セグメントと、コーポレート部門ものづくり・R&D戦略部が協力して、新製品・新技術・新事業創出を通じて、持続的な企業価値向上を実現してまいります。その中で、中期経営戦略2030では、未来を見据えた素材・材料開発、事業競争力強化に向けた新製品・新技術の創出、産官学連携による研究開発成果の早期実現を基本方針として、資源循環、脱炭素、半導体関連、モビリティの4つの注力分野を中心に、循環をデザインするサステナブルなマテリアルを提供して行きます。
研究開発費の総額は、42億26百万円であり、当中間連結会計期間における研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社は、タングステン事業を営むH.C.Starck Holding(Germany)GmbHの全株式を取得(以下、「本取得」という。)することについて、Masan High-Tech Materials Corporation(以下、「MHT」という。)との間で合意し、MHTのグループ会社であるMasan Tungsten Limited Liability Companyとの間で本取得に関する最終契約書を締結することを2024年5月29日開催の取締役会において決議し、同日付で最終契約を締結いたしました。
詳細は「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。