当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当社グループは、Open Doorという企業理念のもと、いまだ誰も突破できていない障壁のある生活に密着した分野で、誰よりも先んじて事業機会を創造し、事業を展開し、産業構造を変え、あるべき社会を実現すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。特に、新しいIT技術を活用した通信環境の提供によりフィリピンの社会課題を解決し、SDGsに貢献しつつ、事業の拡大を図っております。
当中間連結会計期間は、商品価格・エネルギー価格高騰の影響が続く中、インフレの鈍化を背景に米国をはじめ世界的な金融緩和の動きが出る一方、日本においては日銀による追加利上げが行われるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。ウクライナ情勢、中東情勢等の地政学リスクへの警戒感も高まっており、世界経済の不確実性は増大しております。
当社グループの主要市場の一つであるフィリピンは、インフレの減速が見られる中、2024年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比6.3%増と、前期の5.8%増から上昇し、東南アジア諸国の中でも持続的な成長が期待されております。AIやデータセンター向けの投資が拡大するなど社会のデジタル化が加速しており、通信回線を介したコミュニケーションの重要性は一段と増しています。社会を支える生活基盤としての通信回線の整備・拡充は、日本やフィリピンをはじめ世界中で急務となっており、今後とも積極的に事業の拡大を図ってまいります。
当社グループは、フィリピンとシンガポール・香港を結ぶ海底ケーブル(City-to-City Cable System、以下「C2C回線」)の使用権の一部及び各国の陸上回線から成る国際通信ネットワークを取得して、キャリアズキャリア(通信事業者のための卸売業者)としてのポジションを確立し、拡大する通信需要に応えてまいります。また、フィリピン国内海底ケーブルネットワーク(以下「PDSCN」)が2023年12月に完成し、フィリピン全土にサービスを展開できる国内基幹網が整ったことを受け、さらなる事業の拡大を目指してまいります。
日本においては、通信トラフィックの需要があるコールセンター事業者向けを中心に、ソフトウェア、通信回線及びコンサルテーションを顧客ごとに最適化したサービスの提供を継続しております。
メディカル&ヘルスケア事業は、Shinagawa Lasik & Aesthetics Center Corporation(以下「SLACC」)によるレーシックの安定的な提供を行うとともに、Shinagawa Healthcare Solutions Corporation(以下「SHSC」)で2023年4月に開院した日本基準の健診センター・人間ドックである「Shinagawa Diagnostic & Preventive Care Center」(以下「SDPCC」)を通じて、フィリピンにおける予防医療の普及啓発に努めてまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は7,744百万円(前年同期比47.6%増)、営業利益は2,339百万円(同152.8%増)となりました。また、円高等の進行に伴い為替差損を677百万円計上(前年同期は為替差益を687百万円計上)したことにより経常利益は1,588百万円(同1.9%増)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は961百万円(同0.7%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(国際通信事業)
当社グループが使用権を保有する国際通信ネットワークC2C回線の販売促進に引き続き取り組んだことに加え、PDSCNを通じた地方の通信事業者等へのサービス提供が拡大しており、PDSCN関連の通信機器の販売も好調に推移いたしました。InfiniVAN, Inc.がマニラ首都圏を中心に展開する法人向けインターネット接続サービスは、2024年6月末の課金顧客数が3月末より130件増加し、1,281件へと拡大いたしました。事業全体では計画を上回り、増収増益になっております。
この結果、売上高は5,423百万円(前年同期比130.8%増)、セグメント利益は2,183百万円(同521.5%増)となりました。
(国内通信事業)
当社が日本国内の販売代理権を持つ、インドのDrishti-soft Solutions Pvt. Ltd.(現 Exotel社)が開発したコールセンターシステム「AmeyoJ」と、大手電気通信事業者が提供している電話回線を大量に仕入れて、コールセンター事業者向けに秒単位の課金体系で販売する秒課金サービスを組み合わせたコールセンター向けソリューションにおいて、新規顧客開拓や、電話網のIP化(PSTNマイグレーション)に対応したシステム開発などを継続して行いました。
他方、大手電気通信事業者等との間で音声通信回線の相互接続協定を締結しており、これにより得ている通信接続料(アクセスチャージ)において、第1四半期連結会計期間に過年度分の遡及精算に伴う収益減少を計上した影響等から減収減益となりました。
この結果、売上高は1,584百万円(前年同期比24.3%減)、セグメント利益は207百万円(同52.7%減)となりました。
(メディカル&ヘルスケア事業)
SLACCが主力とするレーシックにおいて、引き続き競争環境の激化の影響を受けており、マーケティング手法やサービス体系をきめ細かく見直すなどの取り組みを継続し、安定的なレーシックの提供を図っております。また、健診センター・人間ドックのSDPCCを通じ、法人の定期健診の利用促進に取り組むことにより、予防医療の重要性をフィリピンの方々に認識していただく啓発活動を続けております。
この結果、売上高は737百万円(前年同期比8.4%減)、セグメント損失は53百万円(前年同期は132百万円のセグメント利益)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産の状況)
当中間連結会計期間末の流動資産は21,768百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,903百万円増加いたしました。これは主に、売掛金が2,816百万円、リース投資資産が1,335百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は16,909百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,285百万円増加いたしました。これは主に、設備投資により有形固定資産が825百万円、無形固定資産が398百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は38,713百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,184百万円増加しました。
(負債の状況)
当中間連結会計期間末の流動負債は14,492百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,960百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が880百万円、未払金が438百万円、繰延延払利益が678百万円増加したことによるものであります。また、固定負債は4,643百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,171百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が1,183百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は19,135百万円となり、前連結会計年度末に比べ788百万円増加しました。
(純資産の状況)
当中間連結会計期間末の純資産は19,578百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,395百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益961百万円の計上、非支配株主持分1,105百万円の増加、為替換算調整勘定2,536百万円の増加、配当金の支払額250百万円の減少によるものであります。
この結果、自己資本比率は37.7%(前連結会計年度末は33.7%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ195百万円増加し、当中間連結会計期間末における残高は4,430百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動において獲得した資金は291百万円(前年同期は875百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益1,588百万円、減価償却費502百万円、未払金の414百万円の増加があった一方、売上債権の増加2,197百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動において使用した資金は348百万円(前年同期は2,771百万円の使用)となりました。これは主に、保険積立金の解約による収入60百万円、保証金の返戻による収入26百万円、有形固定資産の取得による支出278百万円、無形固定資産の取得による支出195百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動において獲得した資金は123百万円(前年同期は2,188百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の増加が880百万円、非支配株主からの払込みによる収入413百万円があった一方、配当金の支払いによる支出250百万円、長期借入金の返済による支出970百万円によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。