文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、法改正を含む外部経営環境の変化に応じたコンプライアンスの徹底を前提として、「世界中の人々に最高のファイナンスとサービスを提供し、豊かな社会を築き上げることに貢献します」「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」というミッションの具現化と、将来にわたりこれらを継承する人財育成の両立により、企業価値の中長期的な向上を図ってまいります。
(2) 経営環境
① 事業を行う市場の状況
当社グループの主力事業であるファイナンス事業及び故障保証事業の対象市場である国内中古車マーケットにおいて、中古車の自家用登録台数は横ばい傾向にあります。生活必需品としての色彩が強い自動車は、成熟市場でありながらも、今後もその需要は「底堅く」推移するものと考えております。
特にファイナンス事業は、競争環境の面において、新たに事業を開始するためには多額の資金及びシステム投資が必要であるため、新興企業が容易に参入できる事業ではないものと捉えております。一方、マーケットにおける当社グループのシェアはまだ低い水準にあり、将来におけるファイナンス事業の成長余地を示すものと考えております。
② 当社グループの強みについて
a.独立系であることについて
当社グループは、独立系(注)であることから、オートクレジットの主な取引先である自動車販売店(以下「オート取引先」という。)に対し、オートクレジット以外の複数サービスを提供することが可能です。
こうした複数サービスの提供によって、オート取引先ごとのニーズに応えうる「機会」=「取引の接点」を増やすこと、またサービス間の併用割引による「取引回数や利用頻度の向上」=「取引の深化」を進めることが、オート取引先との関係性をより強く・深く・長く・継続しやすくする重要なポイントであると考えております。
(注)当社グループでは、銀行の子会社や関連会社ではないことを「独立系」と表現しております。
b.営業活動における強みについて
当社グループは、複数のサービスを提供しておりますが、主要商品である「オートクレジット」や「故障保証」につきましては、同一の営業担当者が営業活動を行っております。一方、競合他社によっては、各サービス専属の営業担当者を配置し、自動車販売店に対して営業活動を行っております。当社グループは、「オートクレジット」や「故障保証」を並行的に販売することによって、競合他社と比較して営業コストを抑えられることとなり、結果として収益性を高めることが可能であると考えております。
c.ファイナンス事業における強みについて
当社グループにおきまして、オートクレジットの営業担当者は、オート取引先に特化した営業活動を行っており、これを「オート専業」と表現しております。なお、当社グループはオートクレジット以外のクレジットも取り扱っておりますが、オートクレジット以外の営業担当者が営業活動を行っております。
競合他社によっては、営業担当者はオートクレジット加盟店以外の加盟店(例えば呉服や宝飾品類を取り扱う小売店等)も担当しており、並行的に営業活動を行っております。
一方、当社グループは、オート取引先に対してはオート専業の営業担当者が営業活動を行っております。従って、営業担当者は、オートクレジットやオート取引先の特性のみならず、自動車販売業界及び自動車そのものに対する知識・理解を得やすい環境で日々の営業活動を行うこととなり、そうした環境により培われた自動車販売業界全般への見識のもと、オート取引先のオーナーや従業員と円滑にコミュニケーションを行えるようになります。また、オート取引先の資金繰り状況についても同様に理解・把握することで、立替金の振込だけでなく、中古自動車のオークション開催日を考慮した訪問スケジュールの組立てなど、オート取引先の立場や状況を踏まえた営業活動が可能となると考えております。
また、クレジット契約書や車検証の写し等の各種書類の回収等業務の大部分をオンラインに移行し、効率化を図る一方で、オート取引先とのコミュニケーションの質や頻度に留意し、電話やSNSを通じたフォローを行う等、きめ細やかな対応を継続しております。
このように、自動車販売業界全般への理解と、オート取引先の立場・状況を踏まえた営業活動を通じて、オート取引先との信頼を構築することが、当社グループの強みであると考えております。
d.故障保証事業における強みについて
ア.リクルートとの提携
当社グループは、株式会社リクルートホールディングスの100%子会社であり紙媒体及びWeb媒体において自動車情報を掲載するサービス「カーセンサー」を運営する株式会社リクルートと、中古車修理保証制度「カーセンサーアフター保証」の販売促進を図る目的で業務提携しております。
カーセンサーアフター保証は、当社グループにおいて開発した故障保証商品を一部カスタマイズしたOEM商品であり、株式会社リクルートが展開する中古車情報媒体「カーセンサー」に掲載している車両に付保されます。株式会社リクルートが当社グループの提携先に対し販売促進の営業活動を行う一方で、当社グループは故障保証業務(オート取引先とのカーセンサーアフター保証に係る業務提携契約の締結、お客様との保証契約の締結、保証の履行等)を受託しており、当社グループの故障保証取扱件数の増加に寄与しております。
イ.故障車両に係るデータ保有
故障保証は、お客様から代金を頂戴し、故障が発生したお客様に修理を行うスキームであるため、故障車両の走行距離、経過年数及び修理内容といった実績を蓄積し分析することで、より適切な故障保証商品の設計やプライシングが可能となります。その点、当社グループの累計故障保証契約台数は160万台(2010年4月~2024年3月の累計)を超過し、この契約台数を背景とした故障車両に係るデータを有しております。
ウ.修理対応力
当社グループは、お客様に安心してご利用いただけるよう、整備士資格を保有する従業員を故障保証の受付・審査を行うコールセンターへ配置し、故障内容や修理範囲の直接確認、FAINES(注)の閲覧等を通じて、不必要な修理を未然に防止し、正確かつ迅速な車両修理対応を行っております。また、リサイクル部品及びリビルド部品の活用、当社グループで構築した整備工場ネットワークへの優先入庫の促進及び直営の自動車整備工場の保有などにより、修理コストの削減を徹底しております。
(注)FAINESとは、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会が整備事業者に対して提供する、整備マニュアルや故障整備事例等の情報データベースをいいます。
e.オートモビリティサービス事業における強みについて
ア.整備工場ネットワーク及び有料会員組織を構築
当社グループは、整備工場ネットワーク及び有料会員組織を構築しております。故障保証事業にて発生した修理車両をこの整備工場ネットワーク及び有料会員組織へ優先入庫することで、修理コストを削減しています。また、自動車整備工場は当社グループの整備工場ネットワーク及び有料会員組織に加入することで当社グループからお客様を獲得することができるため、双方にメリットのある関係性を構築しております。このことから、整備工場ネットワーク及び有料会員組織は順調に拡大しております。また、これらが拡大してくると、当社グループの自動車部品、車両卸及びソフトウェアの販売先が増えることにもつながり、オートモビリティサービス事業の更なる業容拡大が可能となります。
イ.グループ間での車両の有効活用
当社グループは、ファイナンス事業にて一定期間延滞となったお客様の車を引き揚げて、売却することでお客様の債権残高に充当しております。オートモビリティサービス事業では、その内、相見積りを経て購入した引揚車両について、当社グループの有料会員組織に通常の仕入れよりも安い価格で販売することで、当社グループは利益を獲得しながら、有料会員にもメリットのある関係性を構築しております。
ウ.ソフトウェア販売
当社グループは、自動車整備工場向けの業務ソフトウェアの販売を行っております。ソフトウェアの内容は競合他社と遜色ないものではありますが、より安い価格で提供することで、販売の拡大を目指しております。
エ.サブスクリプション(リース)
当社グループは、ご希望の車種、所有期間、アフターケアを選択できるオートリースの提供を行っております。多様化する自動車の所有形態に合わせ、当社サービスラインナップを拡充することで、より多くの人が当社サービスを提供できる環境を構築しております。
f.カープレミア事業モデルにおける強みについて
当社グループは、ファイナンス事業・故障保証事業で培った自動車販売店及び自動車整備工場のネットワークを組織化した会員組織「カープレミアクラブ」を組成し、自動車の仕入れや経営のサポートサービス等、当社グループが提供する様々な事業の会員限定サービスを提供しております。独立系であることにより、複数のサービスが提供できる当社グループは、会員のニーズに沿ったサービスの提供や会員向けに特化した営業組織や企画運営を行う体制を築き、会員個々の満足度向上を図っております。会員とより強固な信頼関係を構築し、当社グループが展開するサービスの稼働率の向上や各事業とのシナジーの創造に繋げております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載の経営環境に加え、自動車業界はCASEやMaaSに代表されるような100年に一度の大変革期を迎えており、この新しい時代に対応するべく、将来、カーシェアやメンテナンスの拠点となり得る自動車販売店や自動車整備工場とのネットワークづくりを進めていくことが、中長期的に重要になると考えております。そのため、2023年5月2日に発表した2026年3月期までの3ヵ年の中期経営計画では、当社グループは「ONE&ONLYのオートモビリティ企業」へと変化していくことを基本方針に掲げ、主力事業であるファイナンス分野、故障保証分野、オートモビリティサービス分野を引き続き拡充していくことに加え、カープレミア事業モデルを確立し、複合的に加盟店や個人の皆様と接点を持ち、日本で唯一のファイナンス事業を含んだ中古車領域経済圏の構築を目指しております。
なお、新中期経営計画「ONE&ONLY 2026」の重視する財務指標は下表のとおりです。
|
重視する財務指標 |
2024年3月期 (計画値) |
2024年3月期 (実績) |
2026年3月期 (最終年度計画値) |
|
営業収益 |
305億円 |
315億円 |
440億円 |
|
税引前利益 |
60億円 |
62億円 |
102億円 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
42億円 |
46億円 |
70億円 |
上記の方向性のもと、当社グループにおいて優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。
① カープレミア事業モデルの確立
「ONE&ONLYのオートモビリティ企業」を目指し、ファイナンス事業、故障保証事業、オートモビリティサービス事業の3つの領域でのNo.1を達成するため、カープレミアクラブ(モビリティ事業者向け会員組織)を中心とした中古車領域経済圏の構築が重要であると考えております。引き続き、カープレミアクラブの拡大、カープレミアブランドの認知拡大による集客力の強化、サービスのオンライン化の推進等により、会員に特化した営業組織や企画運営を行う体制を築き、会員個々の満足度向上を図ることで、より強固な信頼関係を構築し、当社グループが展開するサービスの稼働率の向上や各事業とのシナジーの創造に繋げてまいります。
② ファイナンス事業の深化
ファイナンス事業の主要サービスであるオートクレジットにおきましては、取扱高を伸長し、業界内におけるシェア向上を図ることでその基盤を更に強固にしてまいります。そのためには、カープレミアクラブの拡大による営業施策の仕組み化や営業エリアの更なる開拓、加盟店の稼働率の向上が重要と考えております。また、債権回収業務におきましても、当社のサービサー子会社のバックヤード体制の強化や当社の車両卸販売との連携を強め、グループ全社が協力して効率化を図ります。さらに、 国内で培ったノウハウを活用し、東南アジアを中心とした海外展開にも注力してまいります。既に進出しているタイ王国では、現地でファイナンス事業を営むEastern Commercial Leasing p.l.c.の業務支援を行っており、海外展開における布石としてまいります。
③ 故障保証事業の拡充
故障保証事業におきましては、その市場自体の拡大が今後の事業伸長において重要であると考えております。そのため、引き続き営業活動の強化と、加盟店・個人のお客様双方のサービス自体の認知度向上に努めてまいります。また、収益のみならず利益の向上を目指し、自社商品の取扱件数を増加させること、故障が発生した修理車両をカープレミアガレージの会員加盟店へ優先的に入庫誘導すること、及び当社グループ内で調達した中古部品を修理に利用することで、原価削減も図ってまいります。また、ファイナンス事業と同様に、海外展開にも注力してまいります。既にタイ王国、インドネシア共和国及びフィリピン共和国において事業を開始しており、既存展開先での収益化と新たなニーズの獲得に努めてまいります。
④ オートモビリティサービス事業の拡充
オートモビリティサービス事業におきましては、新たな収益の柱の構築及び安定した収益化の継続が重要であると考えております。そのため、既に収益化しているサービスの取引量の伸長に加え、既存事業とシナジー効果のある新しい事業領域への参入に取り組んでおります。展開するサービスラインナップを拡充することで自動車販売店・自動車整備工場等のモビリティ事業者への訴求力を高め、ファイナンス事業や故障保証事業、カープレミアクラブとのクロスセルの促進に努めてまいります。
⑤ 組織力の強化
今後も積極的な新卒・キャリア採用の活動を継続するとともに、ダイバーシティの推進、従業員個々の経験値の蓄積や組織としての一体感の維持、マネジメント力の更なる強化が必要であると考えております。そのため、知識・実務に係る社内研修及びOJTのみならず、当社グループの行動規範である「VALUE」という概念に基づいた研修を、執行役員を含む従業員層に対し継続的に実施することで、全従業員が各自の職務の中でその役割を体現できる、「高みを目指す」「最後まで諦めない」「既成概念の打破」といった組織風土を醸成してまいります。
⑥ グループ企業の統括
事業拡大に伴いグループ企業が増加している当社グループにおきましては、グループシナジーを創出するために、優れた事業戦略の構築及び各子会社の経営陣との情報共有、グループ企業全体のコンプライアンス強化や適切なリスク管理が重要であると考えております。また、ファイナンスをはじめとした各事業に統括会社を設置し、グループ企業の事業進捗の把握や計数の管理を徹底してまいります。
⑦ 持続的成長へ向けた取り組み
「Environment(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(ガバナンス)」に関する課題に適切に対応するESG経営を推進し、事業活動において策定した持続可能な開発目標(SDGs)を達成することが、企業価値の継続的な向上を図るうえで重要であると考えており、以下の課題に取り組んでまいります。
・E 気候変動への取り組み、資源循環型社会への取り組み、脱炭素社会への取り組み
・S (社会資本)顧客のプライバシー及びデータ保護を徹底、適切な取引・販売プロセスの実施
(人的資本)従業員の働き甲斐の醸成・人財育成、従業員の健康と安全の保護
・G コーポレート・ガバナンス体制の拡充、コンプライアンス強化・リスク管理
・その他競争力強化に向けた取り組み・イノベーション、サプライチェーンマネジメント
⑧ 中期経営計画における重点課題に向けた取り組み
2026年3月期までの3ヵ年の中期経営計画(2023年5月に発表)において、設定した重点課題に取り組み、定量目標を達成していくことで、当社グループにおける事業基盤をより盤石なものにしていくとともに、事業領域を拡大できる企業体力を養成し、更なる企業価値の向上を目指してまいります。
⑨ DXの推進
取引工程や業務のオンライン化を推進して安全かつ効率性の高い手法に移行していくとともに各事業のバックオフィス業務の効率化を図ることが重要であると考えております。また、DXの推進により、利益向上の促進かつ新たなビジネスモデルの確立による競争力の強化を行うことも重要であると考えております。2021年5月に策定した「DX戦略」のとおり、DX推進のため、経営陣を責任者とした専門組織による、事業を横断した取り組みを継続し、競争力強化や更なる企業価値の向上を目指してまいります。
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
1.サステナビリティ
当社グループは、「心豊かなメンバー(従業員)と共に、最高のファイナンスとサービスの提供、また循環型社会の形成への貢献を通じて、豊かな社会を築き上げることに貢献する」という目的の達成のため、社会的課題の解決、環境への配慮、ガバナンスへの取り組みを重要と考え、サステナビリティ経営を推進するための体制を構築しています。当社が提供する事業や取り組みを通じて、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。
気候変動をはじめとした地球規模の環境問題への配慮、人権の尊重、従業員を含む全てのステークホルダーへの公正・適正な事業活動等、社会や企業のサステナビリティを巡る課題解決を事業機会と捉え、これに向けた取り組みを推進するため、2023年7月に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。サステナビリティ委員会の活動や検討・協議された方針・課題は経営会議及び取締役会に付議又は報告しております。
2.気候変動対策
当社グループは、未来のために限りある資源を有効利用し環境保全に取り組みながら、事業活動を通じて脱炭素社会へ貢献するとともに、持続可能な循環型社会の実現を目指してまいります。
ア.循環型社会形成への貢献(有限の資源の活用)
当社グループは、展開する3事業(ファイナンス事業・故障保証事業・オートモビリティサービス事業)において、自動車に関するリデュース(Reduce)、リサイクル(Recycle)、リユース(Reuse)、リペア(Repair)である4Rビジネスを推進しております。このような点から、本業の拡大を継続することで循環型社会の形成に貢献してまいります。
イ.気候変動に対する基本的な考え方
モノの生産に伴い排出される温室効果ガス(以下、「GHG」という。)は脱炭素化が極めて難しいと言われておりますが、その解決のカギを握るのが循環型社会であります。当社グループでは、モビリティ事業者向けの二次流通支援ビジネスをメインに行っており、本業の拡大そのものが循環型社会の形成に貢献することになると考えております。本業での取り組みを加速することで、今や世界的な要請である気候変動対策にも貢献することを目指してまいります。
今後も、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行うことの重要性を認識し、更なる情報開示の充実に努めてまいります。
(1)ガバナンス
サステナビリティ委員会を中心に、最重要テーマである気候変動対策についての取り組み状況の開示を積極的に行うとともに、環境マネジメントシステム等の仕組みを通じてデータを管理することで継続的に改善を行いながら、その結果についてマネジメントレビューを行ってまいります。
(2)戦略
当社グループは、気候変動のリスクと機会を明確にするために2つのシナリオを設定しております。「気候変動対策が進まず成行きのまま気温が上昇し、それによる物理的リスク・機会が発生するシナリオ」を4℃シナリオとして「急性」「慢性」について分析を行っております。
一方、「温暖化防止に向けて様々な活動が実施され、脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会が発生するシナリオ」を2℃シナリオとして「政策・規制」「技術」「市場」「評判」について分析を行っております。
ア.シナリオの設定
気候関連リスクと機会の分析においては、国際的に認められた複数のシナリオを参照しております。
|
2℃ シナリオ |
脱炭素社会の実現へ向けた政策・規制が実施され、世界全体の産業革命前からの気温上昇幅を2℃未満に抑えられるシナリオ。移行リスクは高いが、物理リスクは4℃シナリオと比較すると低く抑えられる。 |
■IPCC ・Shared Socio-economic Pathways(SSP1.9) ・Shared Socio-economic Pathways(SSP2.6) ■IEA ・Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE) |
|
4℃ シナリオ |
パリ協定における国別目標など、公表済み目標が達成されることを前提としたシナリオ。新たな政策・規制は導入されず、世界のエネルギー起源CO2排出量は継続的に増加する。移行リスクは低いが、物理リスクは高くなる。 |
■IPCC ・Shared Socio-economic Pathways(SSP8.5) ■IEA ・World Energy Outlook ・Stated Policies Scenario(STS) |
(注)1.パリ協定では、世界全体の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求されております。それに基づき、2018年10月に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、1.5℃の地球温暖化による影響と、そこに至る温室効果ガスの排出経路についての特別報告書を作成しており弊社のシナリオ分析においてもシナリオを活用しております。
2.炭素市場の推進により、EV市場が拡大することが想定されております。当社ではIEAのシナリオにおけるEVの販売台数予想の値を用いてリスクと機会の分析を行っております。
イ.シナリオ分析手順
気候関連リスク・機会の分析の手順においては下記の順序で検討をしております。
a.気候関連リスク・機会項目の列挙
・気候変動リスク及び機会の抽出
・重要性の高いリスク及び機会の評価
・重要性の高いリスク及び機会に関する評価軸設定
b.事業インパクトの定性化
・既存シナリオの中で関連性の深いものを列挙
・気候変動シナリオの設定
c.財務インパクトの定量化
・各シナリオと、特定した重要な気候関連リスク及び機会と関連パラメータを踏まえ、
各シナリオにおける財務インパクトを分析
d.対応策の検討
・気候変動リスク及び機会に対する当社戦略のレジリエンスの評価
・現状評価を踏まえた対応策の検討
ウ.シナリオ分析結果
シナリオ分析を行う上で、当社の主要事業の2030年時点における主要なリスク及び機会による財務インパクトの算定、その対応策等、具体的な検討を行っております。
さらに、機会においては、財務インパクトの評価に加え、主要事業の市場規模、脱炭素への貢献度の2つの項目について評価を行い、当社の新規事業開発及び事業成長の可能性について検討を行っております。
a.リスク
脱炭素社会への移行やEV市場の拡大に伴うリスクを洗い出し、事業へ与えうる財務インパクトの定量評価を行っております。分析結果を踏まえ、想定規模ごとに大、中、小に分類を行い、それぞれに対する対応策の検討を行っております。
|
大分類 |
中分類 |
小分類 |
事業インパクト |
被害規模 |
対応策 |
|
移 行 リ ス ク |
政策・規制 |
エネルギーミックスの変化 |
電気料金の上昇 |
中 |
LEDの導入や省エネ設備の導入を行うことによって、電力使用量の削減を行う |
|
原油価格の高騰 |
ガソリン価格高騰によるコストの増加 |
中 |
EV車の導入によるエネルギーコスト削減を行う |
||
|
EVとガソリン車の補助金予算の格差 |
EV新車市場の低迷に伴い、EV中古車市場形成に時間が必要 |
小 |
EV市場だけではなく、ガソリン車や水素自動車などにも事業を展開することでリスクの分散を行う |
||
|
市場 |
中古車市場の縮小 |
消費者の環境意識の高まりにより、EV需要が拡大し、ガソリン車需要が減少する |
大 |
中古車向けのサービスの拡充により1台あたりの収益性の向上を図る |
|
|
EV中古車市場の形成の遅れ |
EVバッテリーの査定方法が確立せず、EV中古車価値が正しく評価されないため、市場形成に時間を要する |
大 |
バッテリー診断技術を販売店に早期促進していく 設備投資も含めてEVの普及を支援する |
||
|
自動車販売市場の低迷 |
循環型社会、カーシェアリングなどのモビリティサービスへの移行により自動車販売台数が減少し市場が低迷する |
中 |
カーシェアやサブスク系のビジネスで事業領域を拡大していくことで、リスクを回避する |
||
|
部品流通の遅れ |
EV用・リビルト・リサイクル部品の流通がなく、EV故障保証事業に影響を与える |
大 |
解体事業から使用できる部品を調達 解体工場ネットワークからパーツを直接調達 |
||
|
物 理 リ ス ク |
慢性 |
海面上昇 |
沿岸地域の施設・設備被害による輸送の遅延又は停止 |
小 |
物流の分散化により、リスクの低減を行う |
|
事業所移転コストの発生 |
小 |
洪水や海面上昇のリスクの高い拠点については毎年モニタリングを行い、必要に応じてリスクの低い拠点に移動する |
(注)被害規模:「大:10億円以上 中:1,000万円~10億円 小:1,000万円以下」と設定しております。
b.機会
脱炭素社会やEV市場の拡大を見据えた事業を想定し、当社がその事業を実際に行った際の機会の大きさの検討を行っております。
また、「EV専用故障保証」「カープレミア店舗を利用した、太陽光発電システムとEV充電設備の設置」「EV充電ネットワークの構築」の3つについては既に着手を行っております。
|
大カテゴリ |
小カテゴリ |
内容 |
市場規模 |
脱炭素への貢献度 |
機会の 大きさ |
|
EV仕入れ/買取領域 |
EV新車仲介 |
EV専用の新車仲介販売事業 |
中 |
小 |
小 |
|
アフターサービス領域 |
EV車検/点検 |
未成熟であるEVに対する車検/点検 |
大 |
大 |
大 |
|
EV整備ネットワーク |
EVに関する整備を安定的に実現するためのネットワークを構築する事業 |
大 |
大 |
小 |
|
|
EV販売領域 |
EV専用クレジット |
EV専用のクレジットを脱炭素貢献に向けたSLLなどを活用し、低金利に提供を行うことでEV市場の成長とともに自社サービスの拡大を目指す |
大 |
大 |
大 |
|
EV専用故障保証 |
EVの普及を見据えたEVならではの特徴を捉えた専用の故障保証事業 |
中 |
大 |
大 |
|
|
インフラ領域 |
有料会員店舗を利用した太陽光発電 |
有料会員店舗上に太陽光発電設備を設置し、その電力によりサプライチェーンの脱炭素を進めるとともに新たな収益源を構築する |
中 |
中 |
小 |
|
EV充電ネットワーク |
EVの充電設備のネットワークを構築し、EVの航続距離が短いデメリットの解消を目指す事業 |
中 |
中 |
小 |
|
|
EVネットワークのマップ |
消費者向けのEV情報に関わるネットワークマップを作成し、EVスタンドなど共有を行う事業 |
小 |
中 |
小 |
(注)1.市場規模:「大:1兆円以上 中:1,000億円~1兆円 小:1,000億円以下」としております。
2.脱炭素への貢献度:「大:脱炭素のボトルネックを解消 中:削減貢献量が大きい 小:削減貢献量が小さい」としております。
3.機会の大きさ:「大:10億円以上 中:1億円~10億円 小:1億円以下」としております。
(3)リスク管理体制
ア.リスクの識別・評価プロセス
当社グループは、気候変動に伴うリスクについて、経営・財務・事業などへの影響を考慮し、現状のリスクの再評価を行うとともに新規リスクの抽出・評価を行い、重要リスクを特定・見直しを行っております。また、重要リスクについては取締役会に報告し、管理・監督を行っております。
イ.リスクの軽減プロセス
特定したリスクについて、そのリスクの軽減のためにサステナビリティ委員会にて対応方針を検討・決定し、関係部署に展開し、その対応状況をモニタリングいたします。
ウ.優先順位づけプロセス
特定したリスクについて、影響度、発生頻度から重要性を判断し、重要なリスクについてはその対応策を検討、実施を行っております。
エ.全社リスク管理への統合
時間軸を考慮した気候変動関連リスクを検討するサステナビリティ委員会と全社リスクを検討するリスクマネジメント委員会は、定期的に双方のリスク認識についてすり合わせを行い、時間軸が短期かつ緊急性を要するものについては全社的なリスク管理の観点からリスクマネジメント委員会が対策の実施、モニタリングを行います。
(4)指標及び目標
当社グループは、GHGプロトコルに基づき温室効果ガスの排出量の算定を行っております。
現在、目標設定に向けて削減策の洗い出しを進めており、2023年3月期のCO2排出量(tCO2)は下記の通りであります。2024年3月期のCO2排出量(tCO2)及び来期以降の排出量の目標は、2025年3月期中に算出し、開示を予定しております。
|
|
カテゴリー |
説明 |
23/3 排出量 |
|
スコープ1 |
- |
エネルギー使用量 |
|
|
スコープ2 |
- |
電力使用量 |
|
|
スコープ3 |
1 |
購入した製品・サービス |
5,977 |
|
2 |
資本財 |
4,008 |
|
|
3 |
エネルギー関連 |
121 |
|
|
6 |
出張 |
853 |
|
|
7 |
雇用者の通勤 |
103 |
|
|
9 |
輸送、配送(下流) |
390 |
(参考)CO2削減貢献量の試算
当社の事業(ファイナンス事業・故障保証事業・パーツ事業)によるCO2削減量を試算しております。
■ファイナンス事業(Reuse) 自動車の廃棄を削減
削減貢献量:約 112,841 tCO2
■故障保証事業(Reduce) 自動車の廃棄を削減
削減貢献量:約 693 tCO2
■リサイクルパーツビジネス(Recycle) 自動車解体工場を保有するグループ会社からパーツを回収し再利用
削減貢献量:約 1,222 tCO2
リサイクルパーツビジネスの削減貢献量
|
|
リビルト |
中古 |
||||
|
排出量(Kg) |
点数 |
合計(tCO2) |
排出量(Kg) |
点数 |
合計(tCO2) |
|
|
エンジン |
641.7 |
638 |
409.4 |
681.3 |
576 |
392.4 |
|
オートマチックミッション |
368.4 |
337 |
124.2 |
516.3 |
256 |
132.2 |
|
クーラー |
39.4 |
22 |
0.9 |
43.8 |
7 |
0.3 |
|
コンプレッサー |
39.4 |
3,167 |
124.8 |
43.8 |
212 |
9.3 |
|
フロントストラット |
131.7 |
0 |
0 |
131.7 |
5 |
0.7 |
|
フロントドア |
157.4 |
0 |
0 |
157.4 |
62 |
9.8 |
|
フロントナックル |
85.2 |
0 |
0 |
85.2 |
5 |
0.4 |
|
フロントバンパー |
37.2 |
13 |
0.5 |
37.2 |
27 |
1 |
|
マフラー |
74.9 |
23 |
1.7 |
74.9 |
197 |
14.8 |
|
マフラーキット |
74.9 |
0 |
0 |
74.9 |
0 |
0 |
|
ラジエーター |
26.3 |
1 |
0 |
34.9 |
8 |
0.3 |
|
合計 |
- |
4,201 |
661.4 |
- |
1,355 |
561.1 |
3.人的資本
当社グループは、「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成する」という人財育成面のミッションを掲げており、事業や未来を創るのは「人」という考えから、社内では人を「財産」としており、「人財」という表記を用いております。心豊かなメンバー(従業員)と共に、最高のファイナンスとサービスの提供、また循環型社会の形成への貢献を通じて、豊かな社会を築き上げることに貢献します。
(1)ガバナンス
人的資本経営の実行体制として、グループ会社における重要な人事配置及び人事制度改定等の事前承認・報告事項を定め、経営視点で方針の議論を経ることで人事に関するガバナンス体制を構築しております。当社グループの人事体制は各人事関連業務を専門的に対応するため、採用の機能を担う「人財採用グループ」と、教育・開発の機能を担う「人財開発グループ」、労務・厚生の機能を担う「人事管理グループ」の3つの組織で構成されております。各事業・各機能における組織開発・人財開発は当社グループの部門やチームの責任者と意見交換や協議の場を設け、組織の活性化や人財の適材適所に向けた配置方針・課題について共有・議論を行っております。
(2)戦略
当社グループの多様な人財が個々の能力を発揮することで各事業の成長、更に当社グループの掲げるミッションの達成に繋がると考えております。そのため、従業員が生き生きと働けるよう従業員幸福度「Well-being」の向上に努め、従業員が個々のパフォーマンスを最大化することができる環境の醸成が必要となります。
この実現のため、下記の取り組みを行っております。
ア.採用・ダイバーシティインクルージョン
当社グループは、「強い」「明るい」「優しい」という従業員共通の価値観であるバリューに賛同し、当社グループとともに成長できる人財の獲得を行っております。継続した新卒採用と通年のキャリア採用を行うことで当社の価値観とあった優秀な人財を確保してまいります。そのうえで、グローバル人財やDX人財などの専門職の採用も積極的に行い、専門性を発揮していただくことで各ビジネスの早期立ち上げ及び堅調な進展を可能といたします。
さらに、当社グループではダイバーシティ経営を成長戦略の一環と位置付けております。女性活躍推進プロジェクト(Lean in Premium)の継続実施や、男性の育児休業取得の奨励、外国籍人財の採用の強化により女性や外国人などの多様な人財の活躍の場の創出を行っております。すべての従業員が働き甲斐を持ち、力を発揮できるジェンダーニュートラルな職場環境を構築してまいります。
イ.配置・異動
当社グループは、従業員が中長期的なキャリアの目標を掲げられる環境を提供し、一人ひとりのキャリア形成を尊重しております。今後の目標をともに考え応援していくために自己申告制度を設け、従業員の意思を把握し適材適所な人事配置を行っております。部署別の資格取得推奨を行うことで該当部署に必要な人財要件の定義を明確化し自律したキャリア形成を支援、さらに資格取得のお祝い金制度を導入し前進への意欲を向上させております。今後も公募制ジョブ制度の導入を検討するなど、更なるチャレンジの応援を行ってまいります。
ウ.人財開発
新しい社会を創造する心豊かな人財を育成するため、創業以来行ってきたOJTだけでなく、幅広い研修を階層別に実施しております。新卒、キャリアの若手従業員だけでなく、中堅層や幹部層にも多様な研修を用意しております。様々な役職や能力に合わせた内容であり、若手従業員の管理職登用に繋げております。また、e-ラーニングを用いて役割責任の把握、成長意欲のある人財への投資を継続的に行ってまいります。更なる研修体制の充実を図るため、2020年1月に自社の研修会社として株式会社VALUEを設立し、当社グループの人財研修を内製化いたしました。当社グループ内だけでなく、対外的に当社の研修サービスを提供することで、社会全体の人財育成にも貢献しております。
《階層別研修》
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対象 |
目的 |
|
新入社員層 |
・当社グループの全役職員が共有する価値観「バリュー」の理解及び体現を行う ・物事を客観的・多角的に捉える能力を養い、社会人としての視野を広げ行動する ・チームへの貢献力の向上を図る |
|
若手層 |
・当事者意識の醸成を図る ・業務の進め方や考え方の中で良かった点や悪かった点を見つめ直し、自身の思考の傾向を 理解し自発的な成長課題の発見を促す |
|
中堅層 |
・物事を客観的・多角的に捉える能力のブラッシュアップを図る ・他者への影響力を発揮する責任と覚悟の醸成を行う |
|
管理職候補層 |
・組織・結果への貢献を図る ・組織のリーダーとしてのリーダーシップを習得する |
|
役員候補層 |
・ビジネスの現場で起こりうる緊急時のリーダーシップ、統率力、決断力を 実践形式により養う |
エ.評価・処遇
評価及び処遇は、従業員に求められる効果基準指標や各従業員の業務内容に応じて期待されるパフォーマンスなどを所属部門及び人事部門で総合的かつ適正に検討・評価を行っております。また、当社の共通の価値観であるバリュー「強い」「明るい」「優しい」が業務で発揮されていることも評価対象としております。適正な評価に基づき、給与のベースアップや若手から責任のあるポジションに抜擢することで従業員のモチベーションを向上させております。
オ.従業員幸福度「Well-being」の追求
多様な人財の活躍を目的に、すべての従業員が十分に力を発揮することができるように様々な働き方の整備を推進しております。当社グループは、有給休暇の取得推進(年2回の長期休暇取得制度)やフレックスタイム制度・時短勤務を導入しております。時短勤務は条件を拡充し、時短フレックス勤務制度の追加や対象の延長の検討を行うなど、積極的に労働環境の改善を検討し続けております。そのほか、健康相談窓口の設置、介護両立支援の周知等も行い、多様な従業員が長期的かつ健康的に働き続けられる施策を取り入れております。
カ.組織開発
上記の人財戦略の効果を検証・改善するためにエンゲージメントサーベイの導入による現状把握・組織課題の抽出を行ってまいります。今後も人的資本経営の強化を行い、企業の資産である人財の価値を最大限に引き出せるよう努めてまいります。
(3)リスク管理体制
当社グループの人的資本に関わる取り組みのリスクは、従業員に対するキャリア形成の支援や人財育成の投資に注力した結果、当社グループを離れて活躍する機会を見出し、離職してしまうリテンションリスクがあります。従業員の声を聞き逃さないよう自己申告制度や日々の対話を行い計画的な人的資本投資を行うことで、様々な視点から成長とやりがいが実感できる環境づくりを進めてまいります。
また、今後の人財獲得競争の激化やグローバル人財・DX人財等の専門的な人財の不足が顕在化した場合、事業の発展や継続性に影響を及ぼす可能性があります。常に働きやすい環境の提供に関する議論や社会的要請を取り入れることで人財確保に努めてまいります。
当社グループは、予見が難しく変化の激しい政治・経済・社会情勢において、新たなリスクの発現に注視し適切な対応を実施するために、リスクの軽減、回避等を目的としたこれまでのリスク管理に留まらず、定性・定量の両面での網羅的なリスク把握に取り組んでまいります。
(4)指標及び目標
当社グループは2030年の目指す姿として「ONE&ONLYのオートモビリティ企業」を掲げております。その実現には、グループ全体で統一的な人事施策の策定及び推進・効果測定を行うことが重要と考え、経営環境や社会的要請に応じて柔軟に対応ができるように定期的な見直しなども踏まえながら、人的資本の各指標を注視し人的資本経営の拡充に努めてまいります。
《人的資本の指標》
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2023年3月期実績 |
2024年3月期実績 |
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33.3 |
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19.1 |
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12.4 |
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32 |
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8.33 |
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10.0 |
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72.4 |
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(注)男性の育児休業取得率は、2023年6月29日に開示の第8期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)有価証券報告書にて、2026年3月期目標を50%と掲げておりましたが、当連結会計年度で目標を達成したため、2026年3月期の目標数値を上方修正しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)経済環境の変化について
当社グループの主力事業であるファイナンス事業、故障保証事業及びオートモビリティサービス事業は、経済環境の変化や税制改正、雇用情勢の悪化等が発生すると、個人消費が減退し、ファイナンス事業においては取扱高の減少や債権回収状況への悪影響の発生、故障保証事業においては取扱高の減少、オートモビリティサービス事業においては各種商品の売上減少が発生する可能性があります。また、物価高による消費抑制や能登半島地震、自動車認証不正問題の影響については、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に与える影響は限定的と見込んでおります。
(2)大規模災害等について
当社グループは、大規模災害や感染症の拡大等が発生した場合に、重要な事業を継続し顧客及び社会に対する責務を最大限円滑に遂行するため、事業継続体制に関連する規程及び事業継続計画(BCP)を制定し、教育・訓練を実施しております。但し、予想を超えた事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)システムリスクについて
当社グループは、クレジット基幹システムやWeb受付システム、自動審査システム、債権管理システム、故障保証管理システム、モビリティプラットフォーム等のコンピューターシステムや通信ネットワーク、クラウドサービスを使用し、クレジットや故障保証の申込み時に徴収する個人属性情報やクレジット審査に必要な個人信用情報等、重要かつ大量の情報を処理しております。このため、日頃からサーバやネットワーク等のシステムセキュリティの強化及びシステムの安定稼動の維持に努めるとともに、不測の事態に備え、システムの冗長化、データセンターの二重化や通信ネットワークの複数キャリアの利用等の対策を講じておりますが、自然災害や事故、サイバー攻撃等によるコンピューターシステムの停止や通信ネットワークの切断、不備による誤動作、不正使用、不正アクセス、コンピューターウイルス等に起因して当社グループの業務に支障が生じた場合、また、システム開発計画を大幅に見直した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)法的規制等について
当社グループの事業は、「割賦販売法」、「古物営業法」、「道路運送車両法」及び関連する各種法令による規制を受けております。クレジット事業は、「割賦販売法」により「個別信用購入あっせん業者」の事業登録を必要とする事業とされており、同法に基づき業者登録を行い、3年ごとに当該登録の更新を行っております。また、整備事業、オートリース事業並びにオートモビリティサービス分野の一部事業において、「古物営業法」により古物商許可が必要とされるため、同法に基づき許可を受けております。さらに、整備事業における自動車の分解整備について「道路運送車両法」により自動車分解整備事業の認証が必要とされており、同法に基づき認証を受け、認証工場を営んでおります。
当社グループは「割賦販売法」、「古物営業法」、「道路運送車両法」、また当然ながら「個人情報保護法」や「景品表示法」「債権管理回収業に関する特別措置法」等の法令等を遵守して業務を遂行しており、現時点において当該許認可等が取消となる事由に抵触する事象は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により当該許認可等が取消され又は更新が認められない場合、将来における法律、規則、政策、実務慣行等の変更が発生した場合、遵法コストが増加した場合、上記法令の他「消費者契約法」、「特定商取引法」等に定める契約の取消、無効事由に該当した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、新たな会計基準や税制の導入・変更が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在における当社グループの主な許認可等取得状況は、以下のとおりです。
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取得・登録者名 |
プレミア株式会社 |
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|
許認可等の名称 |
個別信用購入あっせん業者 |
古物商許可 |
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所轄官庁等 |
関東経済産業局 |
東京都公安委員会 |
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登録年月日 及び登録番号等 |
2010年4月20日 関東(個)第11号 |
2008年10月24日 第301110808929号 |
|
更新年月日 及び登録番号等 |
2013年4月20日 関東(個)第11号-1 2016年4月20日 関東(個)第11号-2 2019年4月20日 関東(個)第11号-3 2022年4月20日 関東(個)第11号-4 |
なし |
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有効期限 |
2025年4月19日 |
有効期限の定めなし |
|
法令違反の要件 及び主な許認可 取消事由 |
過剰与信防止等の各種行為規則に関する業務改善命令に違反した場合、法定純資産(50百万円)を下回った場合 等 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
|
取得・登録者名 |
プレミアモビリティサービス株式会社 |
PLS株式会社 |
|
許認可等の名称 |
古物商許可 |
古物商許可 |
|
所轄官庁等 |
東京都公安委員会 |
東京都公安委員会 |
|
登録年月日及び 登録番号等 |
2021年3月2日 第301122115943号 |
2018年10月26日 第301111806570号 |
|
更新年月日及び 登録番号等 |
なし |
なし |
|
有効期限 |
有効期限の定めなし |
有効期限の定めなし |
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法令違反の要件 及び主な許認可 取消事由 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
|
取得・登録者名 |
PAS株式会社 |
プレミアオートパーツ株式会社 |
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許認可等の名称 |
古物商許可 |
古物商許可 |
|
所轄官庁等 |
東京都公安委員会 |
東京都公安委員会 |
|
登録年月日及び 登録番号等 |
2016年12月28日 第301111607310号 |
2021年3月2日 第301122115941号 |
|
更新年月日及び 登録番号等 |
なし |
なし |
|
有効期限 |
有効期限の定めなし |
有効期限の定めなし |
|
法令違反の要件 及び主な許認可 取消事由 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
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取得・登録者名 |
カープレミア株式会社 |
|
許認可等の名称 |
古物商許可 |
|
所轄官庁等 |
東京都公安委員会 |
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登録年月日及び 登録番号等 |
2022年7月8日 第301122218530号 |
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更新年月日及び 登録番号等 |
なし |
|
有効期限 |
有効期限の定めなし |
|
法令違反の要件 及び主な許認可 取消事由 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
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取得・登録者名 |
PAS株式会社 カープレミア札幌 |
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許認可等の名称 |
自動車分解整備事業(認証) |
自動車特定整備事業(認証) |
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所轄官庁等 |
国土交通省 |
国土交通省 |
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認証年月日 及び認証番号等 |
2016年4月14日 第1-2933号 |
2016年4月14日 第1-2933号 |
|
更新年月日 及び登録番号等 |
なし |
認証取得日付 2020年12月25日 |
|
有効期限 |
有効期限の定めなし |
有効期限の定めなし |
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法令違反の要件 及び主な許認可 取消事由 |
道路運送車両法等の違反、認証条件違反又は役員等の欠格条項違反の場合 等 |
道路運送車両法等の違反、認証条件違反又は役員等の欠格条項違反の場合 等 |
(5)資金調達リスクについて
当社グループの主な資金調達方法は、銀行借入、提携ローン、金融債権の流動化等です。銀行借入では、コミットメントライン等による流動性の確保を通じて資金調達リスクを低減しておりますが、財務制限条項を含むものがあり、当社グループの業績低迷により、資金調達が継続できなくなるリスクがあります。また、コーポレート・ガバナンスの不徹底等に起因する信用力の低下や、金融市場の混乱等により資金調達環境が悪化した場合、新規の資金調達が制限されるリスクがあります。これらの改善がなされない場合には、当社グループの事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。
(6)金利の変動について
当社グループでは資金調達の一部は変動金利による借入となっているため、金融情勢の変化によっては想定外の調達コストの変動が生じ、その場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、すでに契約済みのオートローンの調達金利については、固定金利のため金利変動による影響はありません。今後生じる新規のオートローンについては、金利変動の影響を受ける可能性があります。
(7)コンプライアンスについて
当社グループはコンプライアンスを重要な経営課題の一つと位置づけ、コンプライアンス規程を制定し、コンプライアンス推進体制を構築するとともに、行動規範に基づいた自発的な行動を促すため各種研修を実施し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めております。しかしながら、コンプライアンス違反による重大な不祥事等、コンプライアンス上の問題が発生した場合、監督官庁等からの処分や社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)個人情報について
当社グループでは、事業の性格上、個人信用情報を中心とした大量の個人情報を取得し、かつ保有、利用しております。このため当社の主要な子会社であるプレミア株式会社及びプレミアワランティサービス株式会社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会によりプライバシーマークの認定(プレミア株式会社、登録番号10670054(06)(更新日2023年9月4日)、及びプレミアワランティサービス株式会社、登録番号17001612(06)(更新日2023年7月30日))を受けております。また、当社グループは、「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」等を定め、各社・各部門で取り扱う個人情報を特定し、取得や利用、保管する時のリスクを明らかにした上で、そのリスクを軽減する策を決定し、漏えい等の事故を防ぐ体制を構築しております。その他にもネットワークセキュリティの強化、個人情報を取り扱う委託先の確認及び評価、従業員教育、プライバシーマーク内部監査員として認定された当社社員による監査の実施等により、実効性の確保に努めております。但し、当社グループ又は業務委託先等から、個人情報の漏えいや紛失又は不正利用等が発生した場合、当社グループの信用毀損、損害賠償責任を招き、業績に影響を与える可能性があるほか、個人情報取扱事業者として法令に違反した場合、勧告、命令等の行政処分を受ける可能性があります。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)人財について
当社グループは、人財育成をミッションの一つとして掲げているように、人財こそが競争力の源泉であり、当社グループの最大の強みであるという認識を持っております。そのため、有能な人財の採用、教育研修、人事考課に至るまで情熱を注ぎ、強い組織力を維持することに尽力しております。但し、当社グループが有能な人財の採用及び雇用の維持、人財の教育ができなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)市場の競争激化について
当社を取り巻く中古車販売市場の売上動向は、中古車の在庫不足に伴う車両価格高騰の鎮静化や自動車業界の不正発覚及び出荷停止等の影響の収束により、2024年3月期通期では回復傾向が見られます。今後、中古車販売台数の低迷により、ファイナンス事業及び故障保証事業のマーケットにおける競争が今後激しくなり、収益率の低下やシェアの低下等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)風評について
当社グループの風評は、お客様、投資者及び監督官庁等のステークホルダーとの良好な信頼関係の構築・維持に重要であります。法令違反、従業員の不正行為、システム障害等、様々な原因により損なわれる可能性があります。これらを回避することができず、又は適切な対処が行えなかった場合、当社グループは、お客様、投資者及び監督官庁等のステークホルダーとの信頼関係を失うこととなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)のれん及び無形資産について
当社は、2015年6月19日にプレミア株式会社のすべての株式を取得した時点でのれん及び無形資産を計上しており、当該資産が当社の同項目のうち大きな部分を占めております。当該資産については、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、将来の収益性が低下した場合には減損損失を計上する可能性があります。なお、当社グループの連結財務諸表はIFRSを採用しており、当該のれん及び無形資産の一部は非償却資産であるため、毎期の定期的な償却は発生しません。参考情報として、当連結会計年度末で3,958百万円ののれん及び4,581百万円の非償却の無形資産を計上しており、取得日以降の償却をしておりません。当該資産について減損損失を計上した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13)信用リスクについて
当社グループでは割賦売掛金や未収金の貸倒損失に備えるため、(14)に記載の取引信用保険等を締結することで貸倒リスクをヘッジしております。なお、2019年3月期からIFRS第9号「金融商品」が適用されたことにより、償却原価で測定する金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。但し、景気の動向、個人破産申立の増加、その他の予期せぬ理由等により、保険料の増加及び貸倒引当金の増加の可能性があります。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(14)信用保険契約について
当社グループは、クレジット事業及びオートリース事業における貸倒リスクをヘッジするため、複数の損害保険会社と取引信用保険及び保証機関型信用保険を締結しております。当該信用保険契約に定められている保険金の支払限度額を超過する貸倒損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、貸倒損失の増加による保険料の増加、保険業法の改正及び損害保険会社のスタンス変化等により信用保険契約が継続できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(15)修理原価について
当社グループが営む故障保証事業においては、保証サービスの提供をご希望されるお客様に一定のお支払いをいただくことで、購入された自動車に故障が発生した際、あらかじめ定めた保証の提供範囲内において、無償で修理対応をしております。このため、高価格帯の車両故障の増加や車両部品の高騰等を原因として、修理原価が事前の想定より著しく増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(16)新規事業について
当社グループは、既存の主要事業であるファイナンス事業、故障保証事業に次ぐ新しい収益の柱としてオートモビリティサービス事業の拡大・伸長を積極的に推進しております。同事業が当初予定していた事業計画を達成できず、十分な収益を将来において計上できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(17)海外事業について
当社グループは、タイ王国におけるオートファイナンス事業、故障保証事業及び自動車整備事業やインドネシア共和国及びフィリピン共和国における故障保証事業及び故障保証に関連するコンサルティング事業等を展開しております。今後その他の国・地域に事業を展開する可能性がありますが、海外市場への事業進出には以下のようなリスクが内在しております。これらの事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
①予期しえない租税制度の変更や外国資本に対する規制等の法律・規制の設定又は改廃
②予期しえない経済的又は政治的事件の発生
③予期しえないテロ・紛争・伝染病等による社会的混乱等
④予期しえない労働環境の急激な変化
⑤社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの活動への悪影響
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
なお、セグメント間の内部営業収益は含まない実績を表記しております。また、当社グループは、前連結会計年度まで、「ファイナンス事業」、「故障保証事業」、「オートモビリティサービス事業」及び「カープレミア事業」の4つを報告セグメントとしておりました。事業運営をより効果的にする観点から、2023年4月1日付にて実施した当社グループ企業のビジネスユニットの見直しに伴い、当連結会計年度より「カープレミア事業」を「オートモビリティサービス事業」に統合し、「ファイナンス事業」、「故障保証事業」及び「オートモビリティサービス事業」の3つの報告セグメントといたします。前連結会計年度のセグメント情報は、実務上可能な範囲で当連結会計年度と同様の方法で計算し、修正再表示しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行により、サービスを中心とした個人消費の増加やインバウンド需要が高まり、社会経済活動の正常化をみせました。一方、金利の上昇や円安水準の継続、さらに不安定な世界情勢の変動に伴うエネルギー供給不足によるインフレ傾向も持続し、依然として先行きが不透明な状況が続いております。このような経済環境下、当社グループの主要ターゲットである中古車市場につきましては、2023年4月から2024年3月までの普通乗用車及び小型乗用車、軽四輪乗用車を合算した国内の中古車登録台数は5,420,429台(前連結会計年度比3.1%増)と、前年を上回る結果となりました。(出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会統計データ、一般社団法人全国軽自動車協会連合会)
当社グループは、法改正を含む外部経営環境の変化に応じたコンプライアンスの徹底を前提として、「世界中の人々に最高のファイナンスとサービスを提供し、豊かな社会を築き上げることに貢献します」「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」というミッションの実現を目指し、主要取引先である自動車販売店や自動車整備工場に対して、クレジット、故障保証に加え、「クルマ」に関する様々な工程においてお役立て頂けるオートモビリティサービスを複合的に提供することで取引接点を拡大し、業容・収益の成長を加速させるとともに、新たな成長モデルの実現に向けた様々な取り組みに挑戦しております。
a.財政状態
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ1,998百万円増加し、15,351百万円となりました。これは主に、利益剰余金が3,674百万円増加したこと等によるものです。親会社の所有者に帰属する持分合計は前連結会計年度末に比べ1,989百万円増加し、15,310百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における状況は次のとおりであります。なお、セグメント別の営業収益については、セグメント間収益を除く外部収益を表記しております。当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、これにより前連結会計年度のセグメント情報を、実務上可能な範囲で当連結会計年度と同様の方法で計算し、セグメント情報を修正再表示しております。
ファイナンス事業は、中古車流通台数の回復傾向や中古車価格高騰の沈静化により、新車生産台数の回復に並び、中古車市場も好転の兆しがみられました。このような環境下、当社グループは、競争優位性を堅持しながら、自動車販売店の有料会員化による囲い込み活動を行なった結果、クレジット取扱高は前年及び前々年を上回る実績となりました。また、人員増強及びDX推進に伴うシステムツールの導入による延滞債権回収の効率化や連結子会社である中央債権回収株式会社との協業に伴う回収業務の継続的な強化が寄与し、営業収益は17,810百万円(前連結会計年度比18.6%増)、営業利益は4,699百万円(前連結会計年度比40.2%増)となりました。
故障保証事業は、ファイナンス事業と同様に中古車市場の回復傾向が見られるなか、自社商品及び提携商品の販売促進並びに新商品の獲得に注力した結果、故障保証取扱高についても前年及び前々年を上回る実績となり、営業収益は7,851百万円(前連結会計年度比18.5%増)となりました。また、故障が発生した修理車両を当社グループの整備ネットワークに入庫誘導し、グループ会社から調達した中古部品を修理に利用することで原価低減を図ったことにより、営業利益は858百万円(前連結会計年度比67.8%増)となりました。
オートモビリティサービス事業は、有料会員サービスの開発及び新規事業の拡充へ注力したことや、有料会員組織の拡大やクレジット加盟店への営業強化に伴いソフトウェア販売や車両卸販売が伸長した結果、営業収益は5,874百万円(前連結会計年度比54.0%増)、営業利益は673百万円(前連結会計年度比77.8%増)となりました。
また、海外での事業においては、前期にタイ王国におけるEastern Commercial Leasing p.l.c.への投資の減損損失の戻入益を計上した影響で、持分法による投資利益が119百万円(前連結会計年度比89.0%減)となりました。
営業費用は、事業拡大に係る各種費用が増加しましたが、故障保証事業における原価低減施策やDX推進による各種業務プロセスのシステム化等の経費削減施策を講じた結果、25,351百万円(前連結会計年度比19.5%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は31,546百万円(前連結会計年度比23.9%増)、営業利益は6,195百万円(前連結会計年度比45.9%増)、税引前利益は6,241百万円(前連結会計年度比16.8%増)、親会社の所有者に帰属 する当期利益は4,608百万円(前連結会計年度比15.4%増)となりました。
c.主要な経営指標の状況
当社グループの経営成績に影響を与える主要な経営指標として、ファイナンス事業におきましてはクレジット取扱高、クレジット債権残高、3ヵ月以上延滞債権残高率を、故障保証事業におきましては故障保証取扱高を、オートモビリティサービス事業におきましては自動車販売店の有料会員数、自動車整備工場の有料会員数、自動車整備工場ネットワーク社数を主要な経営指標として考えております。各経営指標の推移を常に把握し、各経営指標の数値を向上させるべく施策の立案及び実施をPDCAサイクルで回した結果として、当社グループの収益拡大、費用低減及び債権内容の向上に貢献していると考えております。それぞれの経営指標における収益との関連性、当該経営指標に対する当社グループの取り組み及び各経営指標の推移は以下のとおりです。
(ファイナンス事業)
当社グループが営むファイナンス事業における収益は、主にオートクレジットを中心としたクレジット事業から構成されており、個別のクレジット契約に基づきお客様が支払う分割払手数料の総額を実効金利法で計上しております。個別のクレジット契約は、当社グループと加盟店契約を締結した中古車小売店等の加盟店及び2021年3月期より募集を開始した有料会員制組織を通じてお客様からのクレジット申込を受け、審査等を経てお客様へ提供され、クレジット取扱高(注1)及びクレジット債権残高(注2)が増加します。従って、クレジット事業におきましては、クレジット加盟店網及び有料会員制組織を拡大することで個別のクレジット契約を増加させ、クレジット取扱高及びクレジット債権残高を積み上げることが、収益の拡大に繋がってまいります。また、有料会員制組織を拡大することで、自動車販売店における当社グループが提供するオートクレジットの利用率を高めてまいります。
当社グループは、全国主要都市に営業店やアウトバウンド営業に特化したコンタクトセンターを設置し、中古車小売店を中心とした自動車販売業者等に対する新規加盟店契約先の開拓及び既存加盟店の掘起し、有料会員への促進を継続して実施しております。また、長期クレジットの取扱いやシステム利用による営業ルートの効率化、契約書ペーパーレス化の促進などの各種施策により、お客様からお申込みいただく個別のクレジット契約も継続的に増加しており、その結果、クレジット取扱高及びクレジット債権残高につきましては下表のとおり推移しております。
一方、収益を拡大するためには、クレジット取扱高及びクレジット債権残高を増加させるのみならず、クレジット債権全体の質を維持管理する必要がございます。債権の質を管理する主要な指標として、延滞債権残高率(注3)を設定し、数値が悪化することのないよう延滞債権の回収業務に注力することで、デフォルト債権の発生を抑制し、収益の拡大を図っております。
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2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
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クレジット取扱高 |
百万円 |
202,302 |
243,799 |
303,793 |
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内_オートクレジット取扱高 (注4) |
百万円 |
187,982 |
224,579 |
271,447 |
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内_ショッピングクレジット取扱高 |
百万円 |
8,823 |
9,859 |
18,819 |
|
クレジット債権残高 |
百万円 |
422,289 |
507,830 |
632,632 |
|
内_オートクレジット債権残高 (注4) |
百万円 |
383,895 |
456,200 |
557,569 |
|
内_ショッピングクレジット債権残高 |
百万円 |
27,675 |
33,827 |
48,204 |
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延滞債権残高率 |
% |
0.78 |
0.81 |
0.99 |
(注)1.クレジット取扱高とは、その期間で新たに締結したクレジット契約金額及びリース保証契約金額の総額であり、オートクレジット以外の商品(エコロジークレジット等)の取扱高も含めた値です。
2.クレジット債権残高とは、開業から期末までの累計取扱高のうち、当該時点において返済されていない又は保証期間が経過していないクレジット契約金額及びリース保証契約金額の総額であり、オートクレジット以外の商品(エコロジークレジット等)の債権残高も含めた値です。
3.延滞債権残高率とは、当該期末時点のクレジット債権残高に対し、延滞月数が3ヵ月を超える債権及び特別債権(お客様が弁護士等に債務整理手続き等を委任している債権)の合計額が占める割合をいいます。
4.オートクレジット取扱高及びオートクレジット債権残高にはリース保証契約金額を含めておりません。
5.本表はクレジット事業を取り扱うプレミア株式会社における実績を記載しております。
(故障保証事業)
当社グループが営む故障保証事業における収益は、お客様が支払う故障保証代金を保証契約期間にわたって按分し、最終的に当社の収益となる故障保証収益相当部分を収益に計上しております。個別の故障保証契約は、当社グループと故障保証販売に係る業務提携契約を締結した中古車小売店等の提携先及び2021年3月期より募集を開始した有料会員制組織を通じてお客様へ提供され、故障保証取扱高(注1)が増加します。従って、故障保証事業におきましては、故障保証提携先網及び有料会員制組織を拡大することで個別の故障保証契約を増加させ、故障保証取扱高を積み上げることで、収益の拡大に繋がってまいります。また、有料会員制組織を拡大することで、自動車販売店における当社グループが提供する故障保証の利用率を高めてまいります。
当社グループは全国主要都市に営業店を設置し、オートクレジット加盟店と同様、中古車小売店を中心とした自動車販売業者に対し新規提携先の開拓及び既存提携先の掘起し、有料会員への促進を継続して実施しております。また、自社商品及び有料会員向け商品の販売促進や提携商品に特化した営業人員の配置、バックオフィスの組織細分化によるマネジメント体制・効率性の強化などの各種施策により、お客様からお申込みいただく個別の故障保証契約も継続的に増加しており、その結果、故障保証取扱高につきましては下表のとおり推移しております。
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2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
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故障保証取扱高 |
百万円 |
5,147 |
5,761 |
6,883 |
(注)1.故障保証取扱高とは、各連結会計年度等のある一定期間において、新たに締結した故障保証契約金額の総額をいいます。
2.本表は故障保証事業を取り扱うプレミアワランティサービス株式会社における実績を記載しております。
(オートモビリティサービス事業)
当社グループが営むオートモビリティサービス事業における収益は、主に自動車販売店及び自動車整備工場などのモビリティ事業者へ提供する各種サービスの取引額を収益として計上しております。具体的なサービス内容は、自動車販売店及び自動車整備工場の有料会員制組織(注)を通じた会費収入、ファイナンス事業で発生する引揚車両の販売、自動車整備工場向け業務ソフトウェアの販売などがあります。有料会員制組織を拡大することで、当社が展開する各種サービスの利用率が上がり、収益の拡大につながってまいります。
当社グループは、自動車販売店及び自動車整備工場専門の営業部門を設置し、有料会員及び整備工場ネットワークの開拓を行っております。また、有料会員サービスの開発や新規事業の拡充等の各種施策により、会員数は継続的に増加しており、その結果、有料会員数及びネットワーク数は下表のとおり推移しております。
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2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
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自動車販売店 有料会員数 |
社 |
1,525 |
2,581 |
2,660 |
|
自動車整備工場 有料会員数 |
店舗 |
251 |
370 |
710 |
|
自動車整備工場 ネットワーク数 |
店舗 |
3,514 |
4,279 |
4,726 |
(注)自動車販売店及び自動車整備工場の有料会員数とは、当社グループと加盟契約を締結した自動車販売店・自動車整備工場単位をいいます。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動による収入2,489百万円(前連結会計年度は449百万円の支出)、投資活動による支出3,093百万円(前連結会計年度は2,320百万円の支出)及び財務活動による収入6,892百万円(前連結会計年度は6,181百万円の収入)でした。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,292百万円増加し、21,139百万円となりました。
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|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
△449 |
2,489 |
+2,938 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
△2,320 |
△3,093 |
△773 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
6,181 |
6,892 |
+711 |
(営業活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は2,489百万円となりました。収入の主な内訳は、金融保証契約の増加額8,908百万円、税引前利益6,241百万円であり、支出の主な内訳は、金融債権の増加額11,136百万円、その他の資産の増加額3,699百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は3,093百万円となりました。支出の主な内訳は、無形資産の取得による支出1,748百万円、差入保証金の差入による支出462百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度における財務活動の結果、獲得した資金は6,892百万円となりました。収入の主な内訳は、長期借入金の借入による収入21,004百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出9,384百万円、自己株式の取得による支出2,062百万円、短期借入金の返済による支出1,000百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
c.販売実績
(事業サービス別営業収益)
当連結会計年度における営業収益実績を事業サービス別に示すと、以下のとおりであります。
|
事業サービスの名称 (百万円) |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前連結会計年度比 (%) |
|
ファイナンス事業 |
15,020 |
17,810 |
+18.6 |
|
故障保証事業 |
6,624 |
7,851 |
+18.5 |
|
オートモビリティサービス事業 |
3,815 |
5,874 |
+54.0 |
|
その他 |
6 |
11 |
+66.2 |
|
合計 |
25,465 |
31,546 |
+23.9 |
(注)1.セグメント間収益を除く外部収益を表記しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
4.前連結会計年度のセグメント情報は、実務上可能な範囲で当連結会計年度と同様の方法で計算し、修正再表 示しております。
(事業サービス別取扱高)
当連結会計年度における取扱高実績を事業サービス別に示すと、以下のとおりであります。
|
事業サービスの名称 (百万円) |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前連結会計年度比(%) |
|
ファイナンス事業 |
243,799 |
303,793 |
+24.6 |
|
故障保証事業 |
5,761 |
6,883 |
+19.5 |
(注)1.ファイナンス事業の取扱高とは、ある一定期間(2024年3月期であれば2023年4月1日から2024年3月31日までの期間)において、新たに締結したクレジット契約金額の総額及びリース保証契約金額の総額をいいます。
2.故障保証事業の取扱高とは、ある一定期間(2024年3月期であれば2023年4月1日から2024年3月31日までの期間)において、新たに締結した故障保証契約金額の総額をいいます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれらの見積りと異なる可能性があります。
当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。
a. のれん及び耐用年数が確定できない無形資産の評価
b. 償却原価で測定する金融資産の減損
c. 保険資産の計上
d. 持分法投資会社の評価
e. 繰延税金資産の回収可能性
f. 収益の認識
不安定な世界情勢の変動に伴う資源価格の高騰や各国の金融引き締めに伴う景気後退などの懸念が広がっており、依然として不透明な状況が続いておりますが、主力事業における営業活動も継続できていることなどから、当社グループの国内事業における業績影響は僅少であり、a.及びe.について、のれんや無形資産の減損損失や繰延税金資産の取り崩しの可能性は限定的と考えております。またb.及びc.についても、ファイナンス事業における債権内容の悪化等の影響も同じく僅少であり、従って、クレジット債権に関する保険契約方針についても変更ございません。d.について、持分法適用関連会社であるECLの業績が堅調に推移し、当連結会計年度において持分法による投資利益は119百万円となっております。
なお、当社グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについて、翌連結会計年度における資産や負債の帳簿価額に重要な影響を生じさせるようなリスクを伴う会計上の見積り及び仮定につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な見積り及び判断の利用」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産、負債、資本の状況は以下のとおりであります。
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|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
増減 |
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資産合計(百万円) |
101,431 |
125,274 |
+23,843 |
|
負債合計(百万円) |
88,078 |
109,923 |
+21,845 |
|
資本合計(百万円) |
13,353 |
15,351 |
+1,998 |
|
親会社の所有者に帰属する持分合計(百万円) |
13,322 |
15,310 |
+1,989 |
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ23,843百万円増加し、125,274百万円となりました。これは主に、金融債権が11,416百万円、現金及び現金同等物が6,293百万円増加したこと等によるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ21,845百万円増加し、109,923百万円となりました。これは主に、借入金が10,651百万円、金融保証契約が8,908百万円増加したこと等によるものです。
(資本の部)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ1,998百万円増加し、15,351百万円となりました。これは主に、利益剰余金が3,674百万円増加したこと等によるものです。親会社の所有者に帰属する持分合計は前連結会計年度末に比べ1,989百万円増加し、15,310百万円となりました。
b.経営成績の分析
当連結会計年度末における営業収益、費用合計、親会社の所有者に帰属する当期利益の状況は以下のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
増減 |
|
営業収益(百万円) |
25,465 |
31,546 |
+6,081 |
|
費用合計(百万円) |
21,220 |
25,351 |
+4,131 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) |
3,994 |
4,608 |
+614 |
(営業収益)
当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度に比べ6,081百万円増加し、31,546百万円となりました。なお、事業サービス別の営業収益につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(費用合計)
当連結会計年度における費用合計は、前連結会計年度に比べ4,131百万円増加し、25,351百万円となりました。主な増加要因は、認知度向上を目的としたマスマーケティングの実施やDX推進による投資、オートモビリティサービス事業の拡大によるものです。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ614百万円増加し、4,608百万円となりました。主な増加要因は、事業拡大に伴う営業収益の増加に加え、故障保証事業における原価低減施策やDX推進による各種業務プロセスのシステム化等の経費削減施策によるものです。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループにおける資金需要は、大きく分けて運転資金需要とクレジット事業の立替資金需要の二つがあります。運転資金需要のうち主なものは営業費用等の支払いであります。また、立替資金需要につきましては、クレジット事業におけるお客様が商品等を購入された際の代金を加盟店に立て替えることにより発生するものであります。
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、立替資金につきましては、内部資金より充当し、一定程度の債権が積み上がった時点で流動化を実施しております。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
e.経営者の問題認識と今後の方針について
今後、世界的な資源価格の高騰や為替相場の大幅な変動による影響など、不透明な状況が続くことが予想されますが、このような経済環境の中で当社グループが業容を拡大しつつ、より良い商品及びサービスを継続的に提供していくためには、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。課題への対応にあたって、経営者として常に外部環境の変化に関する情報を入手及び分析を実施し、現在及び将来における事業環境を把握しながら、それに対する課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。
子会社であるプレミア株式会社は、以下のとおり、「オートクレジット(提携ローン方式)の提携に関する基本契約」及び「太陽光ローン(提携ローン方式)の提携に関する基本契約」を締結しております。
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相手先の名称 |
住信SBIネット銀行株式会社 |
オリックス銀行株式会社 |
楽天銀行株式会社 |
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所在地 |
東京都港区 |
東京都港区 |
東京都港区 |
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代表者 |
円山 法昭 |
錦織 雄一 |
永井 啓之 |
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相手先の業種 |
銀行業 |
銀行業 |
銀行業 |
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契約名 |
オートクレジット |
太陽光ローン |
オートクレジット |
オートクレジット |
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(提携ローン方式)の |
(提携ローン方式)の |
(提携ローン方式)の |
(提携ローン方式)の |
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提携に関する基本契約 |
提携に関する基本契約 |
提携に関する基本契約 |
提携に関する基本契約 |
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契約締結日 |
2010年2月26日 |
2010年10月1日 |
2014年10月1日 |
2016年6月17日 |
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契約の更新に係る事項 |
有効期間は締結日から1年間であり、有効期間満了の2ヵ月前までに双方いずれからも書面による更新拒絶の申出がないときは1年間延長したものとみなされ、以後同様 |
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対象となる物品 |
自動車等 |
太陽光発電装置等 |
自動車等 |
自動車等 |
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相手先の名称 |
GMOあおぞらネット銀行 株式会社 |
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所在地 |
東京都渋谷区 |
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代表者 |
山根 武 |
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相手先の業種 |
銀行業 |
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契約名 |
オートクレジット |
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(提携ローン方式)の |
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提携に関する基本契約 |
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契約締結日 |
2020年9月30日 |
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契約の更新に係る事項 |
有効期間は締結日から1年間であり、有効期間満了の2ヵ月前までに双方いずれからも書面による更新拒絶の申出がないときは1年間延長したものとみなされ、以後同様 |
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対象となる物品 |
自動車等 |
該当事項はありません。