第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間(以下、当期)における我が国経済は、日銀によるマイナス金利の解除や追加利上げがあったものの、利上げペースが緩やかと見込まれることもあり、概ね堅調に推移しました。世界経済は、欧米の金利引き下げにより、米国は経済成長の持続が期待され、欧州は経済活動の活性化が見込まれています。一方、中国経済の減速と中東やウクライナ情勢における地政学リスクの影響により、経済成長の鈍化が懸念されます。

不動産市場においては、オフィスビルの新規供給量が減少に転じたことに加え、オフィス回帰も進み、賃料の上昇と空室率の改善が継続しています。また、シェアオフィスやコワーキングスペースの需要も増加しており、オフィスビルの運営スタイルが多様化しています。不動産投資市場においては、日銀が政策金利を引き上げたものの、我が国の不動産価格は依然として欧米に比べ割安な水準に留まっており、アジアを中心とする個人富裕層および機関投資家からの高い投資意欲は継続しています。ホテル・観光市場においては、国内旅行やインバウンド需要の拡大により、宿泊施設の稼働率や宿泊料が増加する一方、人手不足やオーバーツーリズムによる影響が顕在化しつつあります。

このような事業環境の中、当社グループのオフィスビル事業は、多様な運営スタイルに対応可能なオフィスビル、または環境認証を取得したオフィスビルなど、社会的価値に合致した不動産の商品化に注力しております。物件販売における進捗率は30%台に留まっているものの、今期の物件販売は下半期に集中することから、概ね計画通りの進捗です。物件仕入れにおいても計画通りに進捗し、当社グループの持続的な成長に向けて、市場変化を見極めつつ仕入れ活動を進めてまいります。また、ホテル・観光事業は、物件販売が下半期に計画されているものの、ホテル開発用地の取得と工事の進捗が順調です。ホテル運営においても、ホスピタリティおよびマーケティング強化の成果が見られ、稼働率および客室単価が大きく上昇し、業績も大幅に伸長しました。

 

(百万円)

 

前年同期実績

当期実績

増減率

通期予想

進捗率

売上高

48,998

36,786

△24.9%

100,000

36.8%

売上総利益

16,357

11,520

△29.6%

31,000

37.2%

営業利益

12,022

6,703

△44.2%

20,870

32.1%

経常利益

11,944

6,350

△46.8%

20,000

31.8%

親会社株主に帰属する中間純利益

8,463

4,422

△47.7%

14,000

31.6%

 

 

 

各セグメントの業績は次のとおりであります。

(不動産再生事業)

不動産再生事業では、①リプランニング事業、②賃貸ビル事業を行っています。

  リプランニング事業は、稼働率が低下し、修繕やデザイン性の向上等が必要なビルを「お客様視点」に拘ってリノベーションすることにより、高稼働・高付加価値のビルへバリューアップする事業です。ニューヨーク事業では、現地居住者の豊かな生活の実現、および日本の投資家への不動産投資機会の提供を目指し、米国・ニューヨーク市において不動産再生事業を行っております。不動産特定共同事業では、都心の優良不動産を厳選して小口化することで、手軽で安心に資産運用ができる小口商品を提供しております。

当期においては、物件販売件数が前年同期と同様に14件(うち、小口商品1件)となったものの、物件規模が前年同期比で小さかったため、売上高、利益ともに減少しました。今期の物件販売は下半期に集中しており、現時点で契約済みで今期中に決済を予定している物件販売を含めると、通期予想に対する進捗率は50%を超え順調に推移しております。

 

  賃貸ビル事業は、ストック事業として安定した収益基盤の構築を目的に、リプランニング事業における物件の商品化中でも、不動産サービス事業で蓄積したノウハウを活かして、賃料収入の増加を図っております。

当期においては、物件仕入の進捗に加え、リーシング活動によって空室率が低下したため、売上高は前年同期比で増加したものの、工事費用等が発生したことにより、利益は減少しました。

 

<不動産再生事業の業績>

                                                                                        (百万円)

 

前年同期実績

当期実績

増減率

通期予想

進捗率

売上高

31,984

22,344

△30.1%

69,800

32.0%

 リプランニング事業

30,728

20,987

△31.7%

67,000

31.3%

 賃貸ビル事業

1,256

1,357

+8.0%

2,800

48.5%

売上総利益

10,161

6,684

△34.2%

21,230

31.5%

 リプランニング事業

9,873

6,501

△34.2%

20,600

31.7%

 賃貸ビル事業

287

182

△36.4%

630

28.9%

セグメント利益

9,543

6,049

△36.6%

-

-

 リプランニング事業

9,256

5,866

△36.6%

-

-

 賃貸ビル事業

287

182

△36.4%

-

-

 

 

 (不動産サービス事業)

不動産サービス事業では、①プロパティマネジメント事業、②ビルメンテナンス事業、③売買仲介事業、④賃貸仲介事業、⑤貸会議室事業、⑥滞納賃料保証事業等を行っております。

  プロパティマネジメント事業は、テナント様のニーズを汲んだビル管理により、オーナー様の所有物件の収益向上と不動産価値の最大化に努め、高稼働・高収益なビル経営をサポートさせていただいております。

当期においては、受託棟数が522棟となり、前年同期比で44棟増加しました。稼働率も93.09%となり、前年同期比で0.22%pt改善したこともあり、売上高、利益ともに増加しました。受託棟数はすでに現行の中期経営計画の期末目標としていた500棟を前倒しで達成し、今期中に540棟まで増加する見込みです。

 

  ビルメンテナンス事業は、「東京を世界一美しい街に」を合言葉に、建物を維持・管理するための点検、清掃、リニューアル工事や調査等の事業を行っております。

当期においては、グループ内各部門との協働で管理棟数が増加したことにより、前年同期比で売上高、利益ともに増加しました。引き続き適切な管理報酬の追求もしながら、業績を伸長させてまいります。

 

 

  売買仲介事業は、不動産コンサルティングの一環として、プロパティマネジメント事業や賃貸仲介事業をはじめとする、各部門のお客様からの物件売買などのお困りごとをスピーディーに解決するサービスを提供しております。

当期においては、日本と海外の金利差により、アジアを中心とした投資家による日本の不動産への投資意欲が旺盛でした。その結果、海外投資家を日本に誘致する海外子会社の業績が好調であり、前年同期比で売上高、利益ともに増加しました。今後も同地域の投資家による旺盛な不動産投資意欲が継続すると見られ、引き続き好調な業績が期待されます。

 

  賃貸仲介事業は、都心主要エリアに12拠点のサービス網を構築しており、ビルオーナー様のご要望に沿ったビル経営に関するあらゆるお困りごとを解決しつつ、テナント様の出店や移転に関する支援を提供しております。

当期においては、オフィス市場の回復基調が見られ、売上高、利益ともに前年同期並みとなりました。オフィス回帰等によるオフィス賃貸市場の更なる改善が進み、仲介案件の成約件数が通年ベースで増加すると見込んでおります。

 

  貸会議室事業は、首都圏内において18拠点を展開しており、研修、セミナー、展示会、試験会場、パーティなどの多様な用途で空間を貸し出しております。

当期においては、3拠点の開業および3拠点の増床を行い、運営規模は18拠点9,711坪となり、通期目標の10,000坪を前倒して達成する見込みとなりました。リピーターのお客様からの長期・大規模な催事の受注が増加したことにより、前年同期比で売上高は増加したものの、大型拠点の新規開業費用を計上したため、利益は減少しました。今期においては、引き続き新規開業や既存拠点の増床を検討しつつ、「部屋を売るのではなく、催事の成功を叶える」という方針のもと、当期増床および開業した新規拠点の黒字化を図り、事業全体の収益性を高めてまいります。

 

  滞納賃料保証事業は、オフィス・店舗における入居調査・審査・滞納保証・建物明渡訴訟・退去までを広範囲にカバーする賃貸保証サービスである「TRI-WINS(トライウインズ)」を提供し、オーナー様・テナント様双方が抱えるリスクや課題を解決し、経済成長や社会の安定にも貢献することに努めております。

当期においては、主たる事業である信用保証の新規契約件数が増加し、業績が堅調に進捗したため、前年同期比で売上高、利益ともに増加しました。

 

<不動産サービス事業の業績>

                                                                                        (百万円)

 

前年同期実績

当期実績

増減率

通期予想

進捗率

売上高

5,172

5,954

+15.1%

11,650

51.1%

売上総利益

2,914

2,949

+1.2%

6,300

46.8%

セグメント利益

2,902

2,940

+1.3%

-

-

 

 

 (ホテル・観光事業)

ホテル・観光事業では、①ホテル開発事業、②ホテル運営事業等を行っています。

  ホテル開発事業は、街や社会の活性化につながる、豊かな魅力を備えたホテルを開発・再生する事業を行っております。

当期においては、前年同期にあった1軒のホテル売却の反動により、売上高、利益ともに減少しました。一方、青森県六ケ所村との新規ホテルの開業に関する基本協定の締結など、開発計画は工事の着工を含めて順調に進捗しており、工事中・計画中のホテルは第1四半期より2軒479室増加し、合計15軒2,117室となりました。

 

  ホテル運営事業は、地域の文化と歴史を大切にし、地域とともに発展するホテルを運営しつつ、「心温かい楽しいホテル」をテーマに、ナチュラルフレンドリーなサービスを提供しております。

当期においては、現在運営中のホテルは28軒3,144室となります。インバウンド需要の拡大に加え、当社グループの高付加価値戦略に基づく稼働率と客室単価の上昇が継続した結果、前年同期比で売上高、利益ともに大幅に増加しました。また、7月にはM&Aで「オリエンタルヒルズ沖縄」が当社グループに加わり、9月には「日和ステイ京都鴨川」が計画通りにオープンし、今後の業績に寄与してまいります。今後も観光需要の拡大に加え、システム活用による業務効率化やマーケティング強化の成果と相まって、当社グループホテルの好調な業績は継続すると見込んでおります。

 

<ホテル・観光事業の業績>

                                            (百万円)

 

前年同期実績

当期実績

増減率

通期予想

進捗率

売上高

11,329

8,216

△27.5%

17,430

47.1%

ホテル開発事業

5,270

272

△94.8%

3,000

9.1%

ホテル運営事業等

6,059

7,943

+31.1%

14,430

55.1%

売上総利益

3,432

2,101

△38.8%

3,840

54.7%

ホテル開発事業

2,200

107

△95.1%

1,100

9.7%

ホテル運営事業等

1,232

1,994

+61.8%

2,740

72.8%

セグメント利益

3,397

2,005

△41.0%

-

-

ホテル開発事業

2,165

52

△97.6%

-

-

ホテル運営事業等

1,232

1,952

+58.4%

-

-

 

 

 (その他)

その他事業では、①海外開発事業、②建設事業等を行っております。

  海外開発事業は、成長が期待できるベトナムの中部最大都市であるダナン市へ進出し、高層分譲マンションの開発・販売から賃貸仲介、管理業務までトータルで事業を展開しております。

当期においては、売上高、利益ともに前年同期比で減少しました。分譲マンションプロジェクト2号である「HIYORI Aqua Tower」が8月に着工し、2026年の秋に竣工する予定です。来期より販売活動を開始しますが、業績の計上は竣工後の2026年、2027年を予定しております。

 

  建設事業は、オフィス空間や外観・エントランスなどのリニューアル企画を中心に、オフィスや住宅などの内装工事、オフィスの通信ネットワーク工事等を行っております。

当期においては、売上高は前年同期比でほぼ横ばいの中、大規模案件における利益率の改善等により、利益は増加しました。

 

<その他の業績>

                                            (百万円)

 

前年同期実績

当期実績

増減率

通期予想

進捗率

売上高

996

953

△4.4%

2,560

37.2%

売上総利益

155

259

+66.5%

420

61.7%

セグメント利益

131

 227

+72.8%

-

-

 

 

当期におけるサステナビリティへの取り組みは次のとおりです。

当社グループでは、「私たちは、社是(Credo)である利他の心を大切に、事業活動を通して持続可能な社会の実現に貢献していきます。」という、サステナビリティビジョンのもと、事業を通した社会課題の解決への取り組みを推進しております。2024年9月に「サンフロンティア サステナビリティレポート 2024」を発行いたしました。本レポートは、幅広いステークホルダーの皆様とのコミュニケーションツールと位置づけ、経営層や各事業責任者、社外取締役、そして、社員のインタビューを中心に、サンフロンティアグループの持続可能な成長に向けた取り組みをご紹介させていただいております。引き続き、当社の強みである「フィロソフィ」と「アメーバ経営」を強化し、良き企業風土、企業文化を作り、サステナビリティ経営を通して、経営理念の実現に貢献してまいります。

サステナビリティレポートについての詳細は、下記のURLにてご覧ください。

(https://www.sunfrt.co.jp/sustainability/disc/sustainability_report_2024_ja.pdf?rev4)

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による資金が4,917百万円減少、投資活動による資金が4,089百万円減少、財務活動による資金が2,372百万円増加した結果、期首残高に比べ6,243百万円減少し、当中間連結会計期間末残高は41,622百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フロー及びそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動においては、4,917百万円の支出超過(前中間連結会計期間は8,496百万円の収入超過)となりました。これは主に、棚卸資産の増加による支出13,412百万円、法人税等の支払額2,769百万円等があったものの、税金等調整前中間純利益6,350百万円、減価償却費の計上額1,173百万円、売上債権の減少による増加1,283百万円及び仕入債務の増加による収入1,674百万円等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動においては、4,089百万円支出超過(前中間連結会計期間は1,041百万円の支出超過)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,968百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,672百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動においては、2,372百万円の収入超過(前中間連結会計期間は2,563百万円の支出超過)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出8,536百万円、配当金の支払額1,556百万円等があったものの、長期借入れによる収入12,427百万円等があったことによるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産再生事業に係る棚卸資産の仕入れであります。棚卸資産の仕入れは、個別の棚卸資産を担保とした金融機関からの借入金及び営業活動で獲得した資金によって行っております。当該棚卸資産は一年以内を目途に販売することとし、借入金は、月例約定返済を織り込みつつ、棚卸資産の販売時に一括返済することを基本方針としており、資金の流動性は十分に確保されております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(5)生産、受注及び販売の実績

当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売の実績について著しい変動はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。